「NTT株は今買うべき?」「配当利回り3%超えは魅力的だけど、株価が下落し続けている…」そんな不安を抱えている投資家の方も多いのではないでしょうか。2024年1月の高値から約3割下落したNTT株ですが、2026年1月現在、配当利回りは3.37%まで上昇し、15期連続増配を継続中です。しかし、金利上昇や大規模投資による有利子負債の増加など、懸念材料も存在します。本記事では、最新の決算データや市場動向を基に、NTT株の配当の魅力と投資リスクを徹底分析。IOWN構想やNTTデータの成長戦略、そして今が買い時なのかを、データに基づいて詳しく解説します。
- NTT株の2026年最新の配当利回りと15期連続増配の実態
- 株価が約3割下落した3つの主要因と投資リスクの正体
- IOWN構想や海外展開など、NTTの成長戦略と将来性
- 金利上昇と有利子負債169%が株価に与える影響
- 配当利回り4%ラインから見た具体的な買い場のタイミング
- 1. NTT株の現状|2026年1月時点の株価と配当利回り
- 2. NTT株価が下落している3つの理由
- 3. NTT株の将来性|成長戦略と投資価値を分析
- 4. NTT株は今買うべき?投資判断の3つのポイント
- 5. NTT株投資のリスクと注意点
- まとめ|NTT株は買うべき?2026年の投資判断
1. NTT株の現状|2026年1月時点の株価と配当利回り
1-1. 現在の株価推移と高値からの下落率
NTT株を検討している方にとって、まず気になるのが「今の株価は高いのか安いのか」という点ですよね。2026年1月16日時点で、NTT株の終値は157.1円となっています。この数字だけ見ても、買い時なのかどうか判断するのは難しいかもしれません。
そこで重要になるのが、過去の株価との比較です。実は、NTT株は2024年1月に高値を記録した後、約30%も下落しているのです。具体的には、高値が約224円だったことを考えると、現在の157円という水準は、かなり割安な水準に見えてきます。
2025年11月に発表された第2四半期決算では、営業利益が過去最高を記録したにもかかわらず、株価は逆に下落しました。「業績が良いのになぜ株価が下がるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。この背景には、通信業界全体が抱える構造的な問題があります。
💡 ポイント
株価の下落は「企業が悪い」というより、国内市場の成熟化や人口減少といった外部環境の変化が大きな要因です。つまり、NTTだけの問題ではなく、通信業界全体が直面している課題なのです。
では、この30%下落という数字をどう見るべきでしょうか。過去のデータを振り返ると、コロナショック時には26.7%下落、2017年から2018年にかけては31%下落していました。つまり、現在の下落率は歴史的に見ても標準的な調整範囲に入っているということです。
株式投資の世界では、「株価が下がった時こそ買い場」という格言があります。もちろん、さらに下がるリスクもゼロではありませんが、長期的な視点で見れば、現在の水準は魅力的な買い場に近づいていると言えるでしょう。特に、これから説明する配当利回りの高さを考えると、長期保有を前提とした投資家にとっては、検討する価値が十分にある水準です。
1-2. 配当利回り3.37%と15期連続増配の実績
株価が下落したことで、逆に魅力を増しているのが配当利回りです。NTTの2026年3月期の予想配当金は、1株あたり5.3円(中間配当2.65円+期末配当2.65円)となっています。現在の株価157.1円で計算すると、配当利回りは3.37%にもなります。
この数字がどれだけ魅力的かを理解するために、他の金融商品と比較してみましょう。現在、日本の銀行預金の金利はわずか0.001%程度、長期国債の利回りでも1%前後です。それに対して、NTT株の配当利回り3.37%は、銀行預金の3000倍以上という驚異的な数字なのです。
| 金融商品 | 利回り・配当 | 100万円投資時の年間収益 |
|---|---|---|
| 銀行預金(普通預金) | 0.001% | 10円 |
| 日本国債(10年) | 約1.0% | 10,000円 |
| NTT株(配当) | 3.37% | 33,700円 |
さらに注目すべきは、NTTが15期連続で増配を続けているという事実です。2003年度と比較すると、配当金は10倍以上に増加しています。この「増配の継続性」は、企業の安定性と株主還元への強い姿勢を示しています。
例えば、100株(最低投資単位)を保有した場合、年間で530円の配当金を受け取ることができます。157.1円×100株=15,710円の投資で、年間530円の配当ですから、実質的な利回りは3.37%ということになります。もし1000株保有していれば、年間5,300円の配当収入になります。
また、配当性向は43.5%と健全な水準を保っています。配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれだけを配当として株主に還元しているかを示す指標です。この数字が50%を大きく超えると「無理して配当を出している」と見なされますが、NTTの43.5%という数字は、将来の成長投資と株主還元のバランスが取れていることを示しています。
1-3. 2026年3月期の業績予想と配当予定
NTTの2026年3月期の業績予想を見ていきましょう。会社が発表している計画によると、営業収益は14兆1,900億円、営業利益は1兆7,700億円を見込んでいます。前年度と比較すると、それぞれ増収増益の計画となっています。
特に注目したいのが、当期純利益の予想が1兆400億円と、初めて1兆円の大台を突破する見込みであることです。これは、NTTグループ全体の収益力が着実に向上していることを示しています。売上高だけでなく、利益もしっかり確保できているという点は、株主にとって非常に重要なポイントです。
📊 2026年3月期 業績予想(会社発表)
・営業収益:14兆1,900億円(前年度比+3.5%)
・営業利益:1兆7,700億円(前年度比+7.3%)
・当期純利益:1兆400億円(前年度比+4.0%)
・EBITDA:3兆3,900億円(前年度比+4.7%)
・配当金予想:1株あたり5.3円(前年度比+0.1円)
配当に関しては、前述の通り1株あたり5.3円を予定しており、これは前年度比で0.1円の増配となります。金額としては小さく感じるかもしれませんが、15期連続増配という実績は、企業の安定性と株主還元への強いコミットメントを示しています。
配当の支払い時期についても確認しておきましょう。NTTは年2回の配当を実施しており、中間配当(9月30日基準日)と期末配当(3月31日基準日)があります。つまり、半年ごとに配当収入が得られるため、定期的なキャッシュフローを期待する投資家にとっては魅力的です。
また、NTTは財務省が約3分の1の株式を保有する、いわば「国策企業」です。これは、簡単には経営が傾かない安定性を持っているということを意味します。通信インフラは国民生活に不可欠なものですから、国としても企業の安定を重視しています。この点も、配当の継続性を考える上で重要な安心材料と言えるでしょう。
まとめると、NTT株の現状は、株価が約3割下落したことで配当利回りが3.37%まで上昇し、15期連続増配という実績も相まって、長期保有を前提とした配当投資家にとって魅力的な水準に達していると言えます。ただし、次章以降で詳しく説明しますが、株価下落には明確な理由があり、そのリスクもしっかり理解した上で投資判断をする必要があります。
2. NTT株価が下落している3つの理由
2-1. 国内通信事業の収益悪化と価格競争の激化
NTT株が下落している最大の理由の一つが、国内通信事業の収益性低下です。皆さんもご存じの通り、最近では「格安スマホ」や「格安SIM」という言葉をよく耳にするようになりました。これらのサービスが普及したことで、通信業界全体で激しい価格競争が起きているのです。
具体的に見てみましょう。2020年以前、大手キャリアの月額料金は平均7,000円〜8,000円程度でした。しかし、政府の「携帯料金値下げ」政策や楽天モバイルの参入により、現在では3,000円以下のプランも珍しくありません。NTTドコモも「ahamo(アハモ)」という格安プランを提供していますが、これは顧客一人当たりの収益を大きく減らす要因となっています。
さらに深刻なのが、日本の人口減少という構造的な問題です。総務省のデータによると、日本の人口は2008年をピークに減少し続けており、2050年には1億人を割り込むと予測されています。通信サービスの契約者数は人口とほぼ連動しますから、長期的には市場そのものが縮小していくことが避けられません。
| 通信事業の課題 | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 価格競争の激化 | ARPU(顧客単価)低下 | 付加価値サービスの拡充 |
| 人口減少 | 契約者数の頭打ち | 海外市場への展開 |
| 固定電話の衰退 | 売上減少 | 光回線・法人向けサービス強化 |
競合他社のKDDIの決算資料を見ると、通信料収入の伸びはわずか0.3%にとどまっています。これは、どんなに優れた企業でも、市場全体が成熟している以上、大きな成長を実現するのが難しいことを示しています。NTTも同様の状況に直面しており、通信事業だけでは成長が期待できないという現実があります。
また、固定電話の契約数も年々減少しています。スマートフォンが普及した現在、家庭に固定電話を引く人は大幅に減りました。NTT東日本・西日本が提供する固定電話サービスは、かつてのドル箱事業でしたが、今では収益の足を引っ張る存在になりつつあります。
こうした状況を受けて、NTTは通信事業以外の分野への投資を加速させています。しかし、それが短期的には利益を圧迫する要因となっており、株価の下落につながっているのです。投資家の視点で見ると、「今は我慢の時期」ということになりますが、長期的な成長のために必要な痛みだと理解することが重要です。
2-2. 金利上昇による有利子負債169%の重圧
NTT株が直面している二つ目の大きな問題が、金利上昇リスクです。この問題は、一般の方にはやや難しく感じるかもしれませんが、株価に与える影響は非常に大きいので、丁寧に説明していきます。
まず基本から確認しましょう。NTTのような大企業は、新しい設備への投資や事業拡大のために、銀行からお金を借りたり、社債を発行したりします。これを「有利子負債」と呼びます。借りたお金には当然、利息を支払う必要があります。金利が上がれば、その利息負担も増えるというわけです。
ここで衝撃的な数字をお伝えします。NTTの有利子負債倍率は、2023年には32%だったものが、最新の数字では169%にまで膨らんでいるのです。これは、たった2年ほどで借金が5倍以上に増えたことを意味します。
💰 金利上昇の影響を計算してみよう
NTTの有利子負債は約10兆円規模です。もし金利が1%上昇すると、単純計算で年間1,000億円の利息負担が増えることになります。NTTの最終利益が約1兆1,000億円ですから、金利1%の上昇は利益の約10%を削るインパクトがあるのです。
では、なぜこれほど借金が増えたのでしょうか。それは、NTTが将来の成長のために大規模な投資を行っているからです。データセンターの建設、海外企業の買収、次世代通信技術「IOWN」の開発など、2028年までに成長分野だけで8兆円を投資する計画を進めています。
問題は、この投資が行われているタイミングです。日本銀行は長年続けてきた「マイナス金利政策」を終了し、金利を引き上げる方向に舵を切りました。つまり、借金が増えるタイミングで、金利も上がっているという二重の悪材料が重なっているのです。
5年前、日本の長期金利はほぼ0%でした。それが現在では1%前後まで上昇しています。「たった1%」と思うかもしれませんが、10兆円という巨額の借金に対しては、先ほど計算したように1,000億円もの利息負担増になります。これは営業利益の約6%に相当する金額です。
さらに、日銀の黒田前総裁の後を継いだ植田総裁は、「機会があれば利上げを進めたい」という姿勢を示しています。もし今後さらに金利が上昇すれば、NTTの財務負担はさらに重くなる可能性があります。これが、投資家にとって大きな懸念材料となっているのです。
ただし、誤解してほしくないのは、借金が多いこと自体は必ずしも悪いことではないということです。企業は成長するために投資をする必要があり、その資金を借入で調達するのは正常な経営判断です。問題は、その投資が将来的に十分なリターンを生み出せるかどうかです。NTTの場合、IOWN構想やデータセンター事業など、将来性のある分野への投資ですから、長期的には大きな果実をもたらす可能性があります。
2-3. 8兆円の大規模投資計画と短期的な利益圧迫
NTT株価下落の三つ目の理由は、大規模な投資計画が短期的な利益を圧迫していることです。前述の通り、NTTは2023年から2027年の5年間で、成長分野に8兆円、既存通信分野に4兆円、合計12兆円という巨額の投資を計画しています。
この投資額がどれほど大きいかを実感するために、比較してみましょう。NTTの年間営業利益は約1兆7,000億円です。つまり、1年分の利益を上回る金額を毎年投資している計算になります。これは企業にとって相当な負担です。
2025年の決算資料を見ると、設備投資額は2兆5,300億円に達しています。前年の2兆874億円から大幅に増加しており、この傾向は今後も続く見込みです。投資が増えれば、当然ながら目先の利益は圧迫されます。これが、「業績は良いのに株価が下がる」という一見矛盾した状況を生み出しているのです。
📈 NTTの投資計画(2023〜2027年)
成長分野への投資:8兆円
・IOWN(次世代通信基盤)
・データセンター事業
・海外市場開拓
・AI・IoT技術開発
既存分野への投資:4兆円
・通信インフラの維持・更新
・5G基地局の整備
・光回線の拡充
特に注目すべきは、NTTデータの利益の出し方です。2025年上半期、NTTデータの営業利益は前年の1,490億円から2,690億円へと1.8倍に増加しました。これだけ見ると素晴らしい業績に思えますが、実はその大半は海外データセンターの売却益によるものでした。売却益だけで1,295億円あり、本業の利益成長はそれほど大きくなかったのです。
これは何を意味するのでしょうか。簡単に言えば、「資産を売って一時的に利益を出した」ということです。これは悪いことではありませんが、持続的な成長とは言えません。投資家は、このような「数字のマジック」を見抜いており、それが株価に反映されていない理由の一つとなっています。
また、2025年下半期にはNTTドコモがWOWOWとの提携を発表しました。コンテンツ拡充によって顧客単価を上げる狙いですが、こうした提携や買収には多額の資金が必要です。一般的に、買収を発表すると、資金を支払う側の企業の株価は下がる傾向があります。KDDIがローソンを買収した際も、発表直後に株価が急落しました。
ただし、長期的な視点で見れば、これらの投資は将来の成長エンジンとなる可能性を秘めています。例えば、IOWN技術が実用化されれば、電力消費を半減させながら通信速度を100倍にすることができると言われています。また、データセンター事業は世界的に需要が拡大しており、NTTデータは既に世界第3位のシェアを持っています。
投資が実を結ぶまでには時間がかかります。2027年度には、EBITDAベースのキャッシュフローが2022年度比で20%増加する計画です。つまり、今は「種をまいている時期」であり、収穫は数年後に訪れるというわけです。
まとめると、NTT株が下落している理由は、①国内通信事業の収益悪化、②金利上昇による財務負担増、③大規模投資による短期的な利益圧迫、という3つの要因が複合的に作用しているためです。これらはすべて、短期的にはネガティブだが、長期的には成長につながる可能性があるという共通点を持っています。だからこそ、投資判断においては、自分の投資スタンス(短期か長期か)を明確にすることが重要なのです。
3. NTT株の将来性|成長戦略と投資価値を分析
3-1. IOWN構想による次世代通信インフラの可能性
NTTの将来性を語る上で絶対に外せないのが、IOWN(アイオン)構想です。「IOWN」とは「Innovative Optical and Wireless Network」の略で、日本語にすると「革新的な光通信・無線ネットワーク」という意味になります。
現在のインターネット通信は、主に「電気信号」を使っています。しかし、IOWNは「光信号」を中心とした次世代の通信技術です。これがどれほど革新的かというと、通信速度は現在の100倍になり、電力消費は半分以下になると言われています。
なぜこれが重要なのでしょうか。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)が普及する中、データ通信量は爆発的に増加しています。それに伴い、データセンターの電力消費も急増しており、環境問題としても深刻化しています。IOWNは、この2つの問題を同時に解決できる技術なのです。
| 比較項目 | 現在の通信技術 | IOWN技術 |
|---|---|---|
| 通信速度 | 基準値 | 100倍 |
| 消費電力 | 基準値 | 50%以下 |
| 遅延時間 | 数ミリ秒 | 0.01ミリ秒以下 |
具体的な応用例を考えてみましょう。例えば、自動運転技術では、瞬間的な判断が生死を分けます。IOWNの超低遅延通信が実現すれば、車と車、車と信号機が瞬時に情報をやり取りし、事故を未然に防ぐことができます。また、遠隔医療の分野では、遅延のない高精細映像により、都市部の専門医が地方の患者を診察することが可能になります。
NTTは2025年10月に「PR/IR DAY」というイベントを開催し、IOWN構想の進捗状況を発表しました。島田明社長は「2026年はAIファースト企業への変身の年」と宣言し、IOWNとAIを組み合わせた新しいビジネスモデルの創出を目指すと表明しました。
また、NTTは世界中の企業と「IOWN Global Forum」という国際組織を立ち上げています。参加企業にはインテル、ソニー、マイクロソフトなど、世界的な大企業が名を連ねています。これは、IOWNが単なる夢物語ではなく、実現可能性の高い技術として世界から注目されていることを示しています。
もちろん、技術開発には時間がかかります。IOWN構想が完全に実現するのは2030年代になると見られています。しかし、その一部はすでに実用化が始まっており、NTTの長期的な競争力の源泉となることが期待されています。
3-2. 海外売上比率20%超えとNTTデータの成長
NTTの成長戦略のもう一つの柱が、海外市場への積極展開です。国内市場が成熟・縮小する中、海外で稼ぐ力を強化することは、企業の生き残りをかけた重要な戦略となっています。
現在、NTTグループの海外売上比率は20%を超える水準まで拡大しています。5、6年前と比較すると、海外事業の存在感は格段に高まっています。この成長を牽引しているのが、NTTデータのグローバル事業です。
NTTデータは、データセンター事業で世界第3位のシェアを持っています。データセンターとは、企業のデータを保管・処理する巨大な施設のことで、クラウドサービスの普及に伴い、世界的に需要が急増しています。特にAIの発展により、大量のデータを高速処理する必要性が高まっており、データセンターの重要性はますます高まっています。
🌍 NTTデータの海外展開
・北米:金融・製造業向けITサービス
・欧州:公共・医療分野のデジタル化支援
・アジア:データセンター運営・クラウドサービス
・目標:2027年度に売上高を2022年度比で2倍以上に拡大
NTTデータは2025年9月にNTTによる完全子会社化が完了し、上場廃止となりました。これは一見ネガティブに見えるかもしれませんが、実際にはグループ一体での戦略推進を加速させるための措置です。上場企業としての制約がなくなることで、より大胆な投資や事業再編が可能になります。
海外展開のメリットは、成長市場へのアクセスだけではありません。為替の面でも大きなメリットがあります。現在、円安傾向が続いていますが、海外で稼いだドルやユーロを円に換算すると、その分利益が増える効果があります。海外売上比率が20%を超えるNTTは、通信業界の中でも円安のメリットを受けやすい企業と言えます。
具体的な数字で見てみましょう。2025年上半期のNTTデータの海外受注高は、前年比で6%増加しています。金額にして数千億円規模の新規案件を獲得しており、これが今後の業績に反映されていくことが期待されます。
また、NTTは2026年1月に、日本とアジアを結ぶ新しい海底通信ケーブル「ASIA DIRECT CABLE」の建設を発表しました。住友商事、JA三井リースとの共同プロジェクトで、日本からシンガポール、タイ、インドネシアを直接結ぶ大規模なインフラ投資です。将来的には韓国、フィリピン、台湾への接続も計画されており、アジア太平洋地域でのプレゼンス拡大を目指しています。
このように、NTTは「通信会社」から「グローバルICT企業」への転換を着実に進めています。国内の固定電話や携帯電話だけに頼らず、世界中でデータセンター、クラウド、AIサービスを提供する企業へと進化しているのです。
3-3. 住信SBIネット銀行子会社化と金融事業参入
NTTの新たな成長戦略として注目されているのが、金融事業への本格参入です。2025年5月、NTTドコモは住信SBIネット銀行を約4,200億円で子会社化すると発表しました。これにより、NTTドコモは銀行業に本格的に足を踏み入れることになります。
なぜ通信会社が銀行事業に参入するのでしょうか。それは、顧客の「生活インフラ」になるためです。携帯電話やインターネットだけでなく、日常的なお金のやり取りにもNTTのサービスを使ってもらうことで、顧客との接点を増やし、離脱を防ぐ狙いがあります。
実は、競合他社はすでに金融分野で先行しています。楽天グループは楽天銀行や楽天証券で「楽天経済圏」を構築し、ソフトバンクはPayPayやLINE Payで決済サービスを展開、KDDIは三菱UFJ銀行と提携してau PAYやau じぶん銀行を運営しています。NTTドコモもdポイントやdカードで金融サービスを提供していましたが、銀行機能を持っていなかったことが弱点でした。
💳 通信×金融の相乗効果
ドコモ側のメリット:
・約9,000万人の会員基盤を活用した銀行サービス展開
・全国2,300店舗以上のドコモショップで金融相談が可能
・dポイント経済圏のさらなる拡大
住信SBI側のメリット:
・ドコモの巨大な顧客基盤へのアクセス
・リアル店舗網の活用
・三井住友信託銀行のノウハウ活用
住信SBIネット銀行は、ネット銀行として高い評価を得ている企業です。普通預金金利の高さや、ATM手数料・振込手数料の無料回数の多さで人気があり、口座数は約500万を超えています。この住信SBIネット銀行に、NTTドコモの約9,000万人の会員基盤と、全国2,300店舗以上のドコモショップというリアル店舗網が加わることで、オンラインとオフラインを融合した新しい金融サービスが生まれる可能性があります。
金融事業の魅力は、収益性の高さにあります。銀行業は、預金と融資の金利差(利ざや)で安定的に利益を得ることができます。また、クレジットカード事業や保険販売なども展開すれば、通信事業の収益減少を補う新たな収益源となる可能性があります。
ただし、金融事業参入には課題もあります。まず、買収資金として4,200億円という巨額の資金が必要です。これは、前章で説明した有利子負債の増加につながります。また、銀行業は厳しい規制があり、通信事業とは異なる専門知識やコンプライアンス体制が求められます。
それでも、長期的に見れば、この戦略はNTTの競争力を大きく高める可能性を秘めています。例えば、携帯料金の支払いと銀行口座をリンクさせることで、顧客の利便性が向上します。また、ドコモショップで銀行の相談ができるようになれば、特に高齢者にとっては大きなメリットとなるでしょう。
まとめると、NTTの将来性は、①IOWN構想による次世代通信インフラの構築、②海外市場での成長加速、③金融事業参入による事業ポートフォリオの多様化、という3つの成長戦略に支えられています。これらがすべて順調に進めば、NTTは単なる通信会社から、生活インフラを総合的に提供するプラットフォーム企業へと進化する可能性があります。短期的には投資負担が重く株価の足を引っ張っていますが、長期的には大きな成長余地を秘めていると言えるでしょう。
4. NTT株は今買うべき?投資判断の3つのポイント
4-1. 配当利回り4%ラインから見る適正株価
さて、ここまでNTT株の現状、下落理由、そして将来性について詳しく見てきました。では、実際に「今買うべきか」という判断をどう下せばよいのでしょうか。ここでは、配当投資家にとって重要な指標である配当利回りから適正株価を考えてみましょう。
配当投資をする際、多くの投資家は「配当利回り4%」を一つの目安としています。なぜ4%かというと、この水準であれば長期的に見て満足できるリターンが得られる可能性が高いからです。NTTの現在の予想配当は1株あたり5.3円ですから、配当利回り4%を実現する株価を計算すると、約132円ということになります。
計算式は以下の通りです:
配当金5.3円 ÷ 配当利回り4% = 132.5円
現在の株価は157.1円ですから、132円まで下がれば「かなりお買い得」と判断できます。しかし、ここで重要な問題があります。それは、「本当にそこまで下がるのか」ということです。
| 株価水準 | 配当利回り | 投資判断の目安 |
|---|---|---|
| 132円 | 4.0% | かなり割安(積極的な買い場) |
| 150円 | 3.5% | 割安(買い検討の水準) |
| 157円(現在) | 3.37% | やや割安(長期保有前提なら検討可) |
| 177円 | 3.0% | 適正水準 |
過去のチャートを見ると、2025年のトランプ関税発表による市場混乱時でも、NTT株は135円で下げ止まっています。つまり、132円という水準は、よほどの市場ショックがない限り届かない可能性が高いのです。
ここで大切なのは、「完璧なタイミング」を狙いすぎないことです。株式投資において、絶対的な底値で買うことは不可能に近いです。むしろ、「ある程度割安だと思ったら買い、あとは配当をもらいながら長期保有する」という姿勢が重要です。
💡 投資タイミングの考え方
短期視点:もう少し下がるのを待つのも一案。150円以下になれば積極的に買い増し。
長期視点:現在の157円でも、15期連続増配が続けば、数年後には自分の購入価格に対する配当利回りが4%を超える可能性が高い。
例えば、現在157円で100株(15,700円)を購入したとします。今年の配当は530円ですから、利回りは3.37%です。しかし、NTTが毎年0.1円ずつ増配を続けた場合、10年後には配当金が6.3円になります。その時点での利回りは、157円の購入価格に対して4.0%に達することになります。これが、長期保有の力です。
また、NTTは新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠で購入できる銘柄です。新NISAでは、年間240万円まで非課税で投資できます。配当金も非課税になるため、長期保有による配当再投資戦略と相性が良い制度です。
4-2. 過去の下落パターンから見た底値水準
次に、過去の株価推移から「底値の目安」を探ってみましょう。歴史は繰り返すと言いますが、株価にも一定のパターンがあります。過去10年間のNTT株のチャートを分析すると、興味深い傾向が見えてきます。
まず、大きな下落局面を振り返ってみましょう。2020年のコロナショック時、NTT株は高値から26.7%下落しました。2017年から2018年にかけての調整局面では31%下落しています。そして今回、2024年1月の高値から現在までで約30%下落しています。
この数字から分かることは、NTTのような大型安定株でも、調整局面では25%〜30%程度の下落は珍しくないということです。逆に言えば、それ以上の下落は「異常事態」であり、大きな買いチャンスとなる可能性が高いのです。
現在の株価157円は、昨年高値224円から計算すると、ちょうど30%下落の水準にあります。過去のパターンに当てはめると、底値圏に近づいていると判断できます。
📊 過去の下落パターン分析
コロナショック(2020年):
・高値:約171円 → 底値:約125円
・下落率:26.7%
・回復期間:約10ヶ月で高値更新
2017-2018年調整:
・高値:約5,550円 → 底値:約3,830円
・下落率:31%
・回復期間:約18ヶ月で高値更新
今回(2024-2026年):
・高値:約224円 → 現在:157円
・下落率:約30%
・回復期間:?(投資機会の可能性)
また、テクニカル分析の観点からも興味深いポイントがあります。月足チャートのMACD(移動平均収束拡散指標)を見ると、十分に下落して反発の兆しを見せています。これは、「悪材料が出尽くした」可能性を示唆しています。
ただし、過去のパターンが必ず繰り返されるとは限りません。今回は金利上昇という新たな要因があり、また大規模投資の影響も続きます。そのため、底値を確認してから買うという慎重な姿勢も一つの選択肢です。
具体的な買い方の戦略としては、以下のようなアプローチが考えられます:
1. 分散購入(ドルコスト平均法)
一度に全額投資するのではなく、毎月一定額ずつ購入する方法です。例えば、月に2万円ずつNTT株を買い続けることで、株価が高い時は少なく、安い時は多く買えるため、平均購入価格を抑えることができます。
2. 段階的購入(ナンピン買い)
現在の157円で3分の1を購入し、150円まで下がったらさらに3分の1、140円まで下がったら残りを購入するという方法です。下落リスクに備えつつ、買い場を逃さない戦略です。
3. 待機戦略
150円以下になるまで待つという選択肢もあります。ただし、その水準まで下がらない可能性もあることを理解しておく必要があります。
4-3. 長期投資vs短期投資の戦略別アプローチ
NTT株への投資判断は、あなたの投資スタンスによって大きく変わります。ここでは、長期投資と短期投資、それぞれの視点からNTT株をどう見るべきか整理しましょう。
長期投資(5年以上保有)の視点
長期投資家にとって、NTT株は魅力的な選択肢です。その理由は以下の通りです:
第一に、安定した配当収入が期待できます。15期連続増配という実績は、企業の株主還元への強いコミットメントを示しています。現在の配当利回り3.37%も、長期保有前提なら十分魅力的な水準です。
第二に、国策企業としての安定性があります。財務省が約3分の1の株式を保有しているため、簡単には経営が傾きません。通信インフラは国民生活に不可欠であり、政府も企業の存続を重視しています。
第三に、成長投資の果実が期待できます。IOWN構想、海外展開、金融事業参入など、現在進行中の投資が実を結べば、2027年以降に大きな業績成長が見込まれます。
| 投資スタイル | 推奨度 | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| 長期投資(5年以上) | ⭐⭐⭐⭐ | 配当+増配期待。成長投資が実れば株価上昇も |
| 中期投資(1〜3年) | ⭐⭐⭐ | 配当は魅力的だが株価回復には時間がかかる可能性 |
| 短期投資(数ヶ月) | ⭐⭐ | 短期的な株価上昇は期待しにくい。値動きは緩やか |
長期投資家への具体的なアドバイスとしては、新NISAの成長投資枠を活用することをお勧めします。配当金が非課税になるため、長期保有との相性が非常に良いです。また、配当金を再投資することで、複利効果を最大化できます。
短期投資(1年以内)の視点
一方、短期投資家にとっては、NTT株はやや物足りない銘柄かもしれません。その理由は、株価の値動きが緩やかだからです。
大型安定株であるNTTは、短期間で大きく値上がりすることも、大きく値下がりすることも少ない銘柄です。数ヶ月で2倍になるような成長株ではありませんので、短期的なキャピタルゲイン(売却益)を狙う投資家には向いていません。
ただし、短期投資でも以下のようなケースでは検討の価値があります:
1. 配当権利取りトレード
配当の権利確定日(3月末・9月末)の前に買い、配当をもらったら売るという戦略です。ただし、配当落ち(配当分だけ株価が下がる現象)があるため、実際には利益が出にくいことが多いです。
2. 暴落時の逆張り買い
市場全体が大きく下落した時(例:コロナショックのような事態)に買い、回復局面で売るという戦略です。NTTのような安定株は、暴落後の回復が比較的早い傾向があります。
🎯 投資スタンス別の推奨戦略
配当重視の長期投資家:現在の水準でも買い。新NISAで積立購入がベスト
バリュー投資家:150円以下になったら積極的に買い。それまでは待機
短期トレーダー:他の成長株を検討した方が効率的。NTTは長期保有向き
最後に、投資判断において最も重要なことをお伝えします。それは、自分の投資目的を明確にすることです。
「老後の生活費を配当で補いたい」という目的なら、現在の157円でも十分買い時です。15期連続増配の実績と国策企業としての安定性を考えれば、長期的に安心して保有できる銘柄だからです。
一方、「数ヶ月で資金を2倍にしたい」という目的なら、NTT株は向いていません。もっとボラティリティ(値動き)の大きい成長株を選ぶべきです。
結論として、NTT株は「安定高配当株」から「成長&増配株」への過渡期にあります。短期的には金利上昇や投資負担による株価低迷が続く可能性がありますが、長期的には成長投資が実を結び、配当も増え続ける可能性が高い銘柄です。自分の投資スタンスと照らし合わせて、最適な投資判断を下してください。
5. NTT株投資のリスクと注意点
5-1. 日銀の金融政策と金利上昇リスク
どんなに魅力的な投資にもリスクは存在します。NTT株への投資を検討する上で、最も注意すべきリスクの一つが金利上昇です。前章でも触れましたが、ここではさらに詳しく、このリスクがあなたの投資にどう影響するかを説明します。
日本銀行(日銀)は、2024年3月にマイナス金利政策を終了し、政策金利を引き上げました。植田和男総裁は「経済・物価情勢が想定通りであれば、今後も段階的に金利を引き上げていく」という方針を示しています。これは、今後も金利が上がり続ける可能性が高いことを意味します。
金利上昇がNTT株に与える影響は二つあります。一つは、前述した通り、有利子負債の利息負担が増えることです。NTTの有利子負債は約10兆円規模ですから、金利が0.5%上昇するだけで、年間500億円もの利息負担増になります。
もう一つの影響は、株価の下落圧力です。金利が上がると、国債などの「安全資産」の利回りが上昇します。例えば、国債の利回りが2%になれば、「リスクを取って株を買うより、安全な国債を買った方がいい」と考える投資家が増え、株式市場全体から資金が流出する可能性があります。
⚠️ 金利上昇シナリオ別の影響
シナリオ1:緩やかな利上げ(年0.25%ずつ)
→ 影響は限定的。企業も対応可能な範囲
シナリオ2:急激な利上げ(年0.5%以上)
→ 株価への下落圧力が強まる。配当利回りは上昇するが、元本割れリスクも
シナリオ3:利上げ停止・利下げ
→ 株価にとってはポジティブ。ただし可能性は低い
ただし、金利上昇が必ずしも悪いことばかりではないことも理解しておきましょう。金利が上がるということは、日本経済が「デフレからの脱却」に成功し、「健全な成長軌道に乗った」ことを意味する場合もあります。景気が良くなれば、企業の業績も改善し、長期的には株価にプラスになる可能性もあるのです。
投資家としてできる対策は、金利動向を定期的にチェックすることです。日銀の金融政策決定会合は年8回開催され、その結果は大きく報道されます。金利が予想以上に上昇した場合は、追加購入を控えるなど、柔軟な対応が求められます。
5-2. NTTデータの海外事業と為替リスク
NTTの海外売上比率が20%を超えたことは、成長戦略として評価できる一方で、為替リスクという新たな不確定要素も生み出しています。為替リスクとは、円とドルやユーロなどの外国通貨との交換レートが変動することで、企業の業績が影響を受けるリスクのことです。
現在、円安傾向が続いており、これはNTTにとってプラス要因として働いています。例えば、海外で1億ドルの売上があった場合、為替レートが1ドル=140円なら140億円の売上になりますが、1ドル=150円なら150億円になります。つまり、円安になればなるほど、海外売上の円換算額が増えるのです。
しかし、逆に円高に転じた場合は、海外売上が目減りすることになります。例えば、為替レートが1ドル=130円になれば、同じ1億ドルの売上でも130億円にしかなりません。海外売上比率が高まるほど、この為替変動の影響も大きくなります。
| 為替レート | 海外売上1億ドルの円換算 | 差額(対140円) |
|---|---|---|
| 1ドル=150円(円安) | 150億円 | +10億円 |
| 1ドル=140円(現状) | 140億円 | 基準 |
| 1ドル=130円(円高) | 130億円 | -10億円 |
また、海外事業にはもう一つのリスクがあります。それは地政学リスクです。世界各地で政治的な緊張が高まっており、突然の規制変更や貿易制限によって、海外事業が打撃を受ける可能性があります。
例えば、米中対立が激化すれば、中国でのビジネスが制限される可能性があります。また、データセンター事業は各国の安全保障政策とも密接に関係しており、外国企業への規制が強化されるリスクも存在します。
ただし、NTTは為替リスクに対して一定の対策を講じています。一つは為替ヘッジという手法で、将来の為替レートを事前に固定することで、変動リスクを軽減しています。また、海外での事業拡大によって、収益源の地域分散も進めています。これにより、一つの地域での問題が全体に与える影響を抑えることができます。
投資家としては、四半期ごとの決算発表で海外事業の業績を確認することが重要です。特に、為替の影響を除いた「実質的な成長率」をチェックすることで、本当に事業が成長しているのかを見極めることができます。
5-3. 通信業界の競争激化と規制リスク
最後に、NTTが属する通信業界特有のリスクについて説明します。通信業界は、政府の規制が非常に強い業界であり、政策変更によって事業環境が大きく変わる可能性があります。
記憶に新しいのは、2020年に菅義偉首相(当時)が打ち出した「携帯料金値下げ」政策です。この政策を受けて、大手キャリアは料金プランの大幅な見直しを迫られ、収益に大きな影響が出ました。NTTドコモの「ahamo」も、この政策に対応した格安プランです。
今後も、政府が「国民負担の軽減」を理由に、さらなる料金値下げや規制強化を求める可能性があります。通信は国民生活に不可欠なインフラですから、政治的な圧力を受けやすいという構造的な問題があるのです。
🏛️ 通信業界の主な規制リスク
1. 料金規制:政府による値下げ圧力の継続
2. 接続料規制:他社への回線貸出料の引き下げ要求
3. NTT法:事業の自由度を制限する特別法の存在
4. 周波数割当:5G・6Gなどの新技術導入における政府の裁量
5. セキュリティ規制:データ保護やサイバーセキュリティ基準の強化
また、競争環境も厳しさを増しています。楽天モバイルの参入によって「第4のキャリア」が誕生し、さらに格安SIM事業者も多数存在します。顧客の選択肢が増えることは消費者にとっては良いことですが、企業にとっては価格競争の激化を意味します。
NTT特有のリスクとしては、「NTT法」という特別法の存在があります。この法律は、NTTの事業や組織に関してさまざまな規制を課しており、他の企業にはない制約となっています。例えば、政府がNTTの株式を一定比率以上保有しなければならないという規定があり、これが完全な民営化を妨げています。
一方で、NTT法には「ユニバーサルサービス義務」という規定もあります。これは、採算が取れない地方や離島でも通信サービスを提供しなければならないという義務です。社会的には重要な役割ですが、企業にとってはコスト負担となります。
さらに、技術革新のスピードも無視できないリスクです。通信技術は5Gから6Gへ、そして将来的には量子通信へと進化していきます。この技術競争に乗り遅れれば、一気に競争力を失う可能性があります。NTTはIOWN構想で先行しようとしていますが、海外の競合企業も独自の次世代技術を開発しており、技術競争は予断を許さない状況です。
これらのリスクを理解した上で、どう対処すべきでしょうか。重要なのは、過度に悲観的にならないことです。リスクは確かに存在しますが、NTTはこれまでも様々な困難を乗り越えてきました。民営化から40年以上の歴史の中で、技術革新や規制変更に対応し続けてきた実績があります。
また、リスクとチャンスは表裏一体です。例えば、規制リスクがある一方で、国策企業としての安定性もあります。競争が激化しているからこそ、勝ち残った企業は大きな利益を得ることができます。技術革新はリスクでもありますが、IOWN構想が成功すれば、NTTは世界的なリーダーになれる可能性もあるのです。
投資判断において最も重要なのは、これらのリスクを知った上で、自分のリスク許容度に合った投資をすることです。リスクを完全にゼロにすることは不可能ですが、分散投資によってリスクを軽減することは可能です。NTT株だけに集中投資するのではなく、他の業種の株や債券、現金などと組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクをコントロールしましょう。
まとめ|NTT株は買うべき?2026年の投資判断
ここまで、NTT株について様々な角度から詳しく見てきました。最後に、「NTT株は今買うべきか」という問いに対する答えをまとめましょう。
結論から言えば、NTT株は長期保有を前提とした配当投資家にとって、魅力的な投資機会です。現在の株価157円は、2024年高値から30%下落した水準であり、配当利回りも3.37%と高水準です。15期連続増配の実績と国策企業としての安定性を考えれば、長期的に安心して保有できる銘柄だと言えるでしょう。
✅ NTT株投資の最終チェックリスト
☑ 長期保有(5年以上)を前提にできるか
☑ 配当利回り3%台で満足できるか
☑ 金利上昇リスクを理解しているか
☑ 短期的な株価変動に動揺しないか
☑ 新NISAの活用を検討しているか
☑ 他の銘柄との分散投資を考えているか
ただし、短期的には金利上昇や大規模投資による利益圧迫が続く可能性があり、株価の回復には時間がかかるかもしれません。したがって、「すぐに値上がり益を得たい」という方には向いていません。NTT株は配当をもらいながらじっくり成長を待つというスタンスが適している銘柄なのです。
IOWN構想や海外展開、金融事業参入といった成長戦略が実を結べば、2027年以降に大きな業績成長が期待できます。今は「種をまいている時期」と捉え、将来の果実を楽しみに待つ姿勢が重要です。
投資は未来への希望です。NTT株という選択肢が、あなたの資産形成の一助となり、豊かな未来への一歩となることを願っています。焦らず、慌てず、自分のペースで投資を楽しんでください。あなたの投資人生が、実り多きものになりますように。


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