貸株はやめたほうがいい?2026年最新|メリット・デメリットを徹底解説

株を保有しているだけでは、値上がり益や配当金しか期待できないとお考えではないでしょうか。 実は、保有株を証券会社に貸し出すだけで、自動的に金利収入が得られる「貸株サービス」というしくみが存在します。 銀行預金の金利が年率0.1%にも満たない時代、貸株金利は銘柄によって最大年率10〜15%以上に達することもあり、長期保有投資家にとって見逃せない選択肢です。 2026年6月現在、SBI証券では6月22日付けで貸株金利を更新。楽天証券では日本株4,384銘柄・米国株5,372銘柄が対象となるなど、各社のサービス競争はますます活発化しています。 一方で、NISA口座では貸株を利用できない点や、配当金が「雑所得」扱いになる税務上の注意点など、知っておかなければ損をするデメリットも存在します。 この記事では、貸株の基本的なしくみからメリット・デメリット、2026年最新の証券会社比較まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。

この記事でわかること

  • 貸株サービスが「やめたほうがいい」と言われる本当の理由と、それを回避する方法
  • 貸株金利が銀行預金より圧倒的に高い背景にある、空売り需要のしくみ
  • NISA口座・継続保有優待など、2026年現在に特に注意が必要なケース
  • 配当金が「雑所得」になる税務上のデメリットと確定申告への影響
  • SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券など主要5社の最新サービス比較で自分に合った証券会社を選ぶポイント

第1章 貸株とは?仕組みと基本のキを押さえよう

株式市場のチャートとスマートフォン画面のイメージ

「株を持っているだけで、なにかお金が増える方法はないのかな?」と思ったことはありませんか?実は、株を売らなくても、ただ保有しているだけで金利収入を得られるとても便利なしくみが存在します。それが「貸株(かしかぶ)サービス」です。名前を聞いただけでは難しそうに感じるかもしれませんが、しくみはとてもシンプルです。まずはこの章で、貸株の基本をしっかり理解していきましょう。

貸株サービスが生まれた背景と市場での役割

貸株サービスが生まれた背景には、株式市場における「空売り」という取引のニーズがあります。空売りとは、証券会社から株を借りてきて市場で売り、後で安くなったときに買い戻して利益を得る投資手法です。この「株を借りる」側の需要に応えるために、証券会社は投資家から株を借り集める必要があります。そこで生まれたのが貸株サービスです。空売りの仕組みやリスクについては、空売り逆張りを繰り返すと損失が止まらない理由と正しい対処法を解説した記事も合わせてご覧ください。

つまり、貸株サービスとは「あなたが保有している株を証券会社に一時的に貸し出し、その見返りとして金利を受け取るしくみ」のことです。銀行でお金を預けると利息をもらえるのと似た感覚で理解するとわかりやすいでしょう。株式市場全体が円滑に機能するうえでも、貸株サービスは非常に重要なインフラとなっています。2026年現在、SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券・松井証券・マネックス証券など主要なネット証券のほぼすべてが貸株サービスを提供しており、その利用者数は年々増加しています。

長期保有を前提とした株式投資家にとって、貸株サービスは「持っているだけで損をしない」どころか「持っているだけで稼げる」という魅力的な仕組みです。特に、何年も売る予定のない銘柄を保有している方にとっては、貸株金利という追加収益の柱を作ることができます。銀行預金の金利が年率0.1%にも届かない現代において、貸株金利は資産形成において注目度が急上昇している手段のひとつとなっています。

投資家・証券会社・機関投資家の三者間でお金が動くしくみ

貸株サービスのしくみをもう少し丁寧に見ていきましょう。登場人物は主に3者です。「あなた(個人投資家)」「証券会社」「機関投資家」です。それぞれの役割をかんたんにまとめると、以下の流れになります。

登場人物 やること 得られるもの
あなた(投資家) 保有株を証券会社に貸し出す 貸株金利(年率0.1〜15%超)
証券会社 借りた株を機関投資家に又貸しする 金利収入の一部(中間マージン)
機関投資家 借りた株で空売りなどをおこなう 空売り益・ヘッジ(リスク管理)

つまり、あなたが貸株サービスに参加することで、証券会社が機関投資家のニーズを満たせるようになり、その対価としてあなたに金利が支払われるわけです。銀行が預金者のお金を企業に融資して、その利息の一部を預金者に還元するしくみと非常によく似ています。個人投資家にとっては、株を保有しながら追加の収益源を持てるというメリットがあります。

また、貸株サービスを使っている間でも、あなたはいつでも自由にその株を売却できます。「貸し出してしまったら売れなくなるのでは?」という誤解が多いですが、心配ありません。売り注文を出せば、証券会社が自動的に株を返却して売却を完了してくれます。このため、長期保有株に貸株サービスを設定しておけば、保有期間中ずっと金利を受け取り続けることができるのです。

貸株金利の計算方法と実際の受取額のイメージ

「実際にいくらもらえるの?」という点が気になる方のために、金利の計算方法を確認しましょう。貸株金利は年率で表示されており、以下の計算式で1日あたりの受取額を求めることができます。

【貸株金利の計算例】
保有株の評価額:200万円 / 貸株金利:年率1.0%
1日あたりの受取額 = 2,000,000円 × 1.0% ÷ 365日 = 約54.8円
1年間の受取額 = 200万円 × 1.0% = 約2万円

同じ200万円を銀行に預けた場合(年率0.1%):約2,000円
→ 貸株金利は銀行預金の約10倍の収益!

2026年6月現在、SBI証券では一部のプレミアム銘柄で貸株金利が最大年率10.00%に達しており、マネックス証券では最大15.00%の銘柄も存在します。もちろん、すべての銘柄がこれほど高金利というわけではなく、多くの銘柄は年率0.10%から始まります。それでも、銀行預金と比較すれば明確に有利な金利水準です。

貸株金利の受取タイミングは証券会社によって異なりますが、楽天証券の場合は翌月第2営業日にまとめて1ヶ月分が入金されます。SBI証券でも同様に翌月に支払われます。金利は毎週見直しされることが多く、空売り需要の変動によって銘柄ごとの金利も変化します。このため、定期的に自分の保有銘柄の貸株金利を確認する習慣をつけることが大切です。貸株サービスは申し込みをしてしまえばあとは自動で金利が積み上がるため、投資における「ほったらかし収益」のひとつとして非常に人気が高まっています。

第2章 貸株のデメリット|やめたほうがいいと言われる3つの理由

リスクと注意点を示すノートと電卓のイメージ

貸株サービスには魅力的な金利収入というメリットがある一方で、知っておかなければ損をしてしまうデメリットも存在します。「やめたほうがいい」と言われる理由のほとんどは、このデメリットを事前に把握していないことによる思わぬ失敗です。しかし逆に言えば、デメリットをしっかり理解して対策を取れば、貸株サービスは非常に強力な収益手段になります。この章では3つの主要なデメリットを丁寧に解説します。

株主優待・配当金を失うリスクと「貸株返却サービス」の落とし穴

貸株サービスを利用すると、あなたの株の名義は証券会社に移ります。株主の権利は名義を持つ人に帰属するため、そのままにしていると権利確定日に株主名簿に自分の名前が載らず、配当金や株主優待を受け取れないという事態が起きます。せっかく株主優待目当てで保有していた銘柄が、気づかないうちに優待を受け取れなくなってしまうのです。権利確定日の仕組みや投資戦略については、権利落ち日に株を買うのはお得?仕組みと3つの投資戦略を初心者向けに解説した記事で詳しく確認できます。

この問題を解決するために、各証券会社は「貸株返却サービス」を用意しています。権利確定日の前に自動的に株を返却してくれるサービスで、「配当・優待優先コース」や「優待優先コース」を選べばほとんどのケースで安心です。ただし、ここに重要な落とし穴があります。

【継続保有特典に要注意!】
企業によっては「3年以上保有している株主限定」「1年以上保有で特別優待あり」といった継続保有特典を設けているケースがあります。こうした銘柄では、権利確定日だけでなく、それ以外の日にも株主名簿を確認するケースがあります。貸株返却サービスで権利確定日だけ返却してもらっても、中間日に名義が証券会社になっていると「継続保有」の条件を満たせず、特別優待を失ってしまうことがあります。継続保有特典がある銘柄については、貸株サービスを利用しないほうが安全です。

例えば、お気に入りのレストランチェーンの株を5年間保有して「プレミアム会員限定の食事券」を楽しみにしていたとします。貸株サービスを使っていたために、途中で「継続保有」の条件を満たせなくなり、普通の優待しかもらえなかった、というようなケースが実際に発生しています。こうした失敗を防ぐために、保有銘柄の優待条件を事前に確認してからコースを選ぶことが非常に重要です。

配当金が雑所得になる税務上の不利と確定申告が必要なケース

貸株サービスの2つ目のデメリットは税金の扱いです。貸株中に配当金の支払いがあった場合、通常の「配当金」ではなく「貸株配当金相当額」として支払われます。この違いは一見小さそうに見えますが、税務上の扱いが大きく異なります。

項目 通常の配当金 貸株配当金相当額
税区分 配当所得 雑所得・事業所得
確定申告 原則不要 条件次第で必要
株式譲渡損との通算 できる できない
配当控除 受けられる 受けられない

給与所得が2,000万円以下の会社員の場合、貸株金利や貸株配当金相当額を合計した雑所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。しかし、20万円を超えた場合は確定申告が必要になります。また、株式で損失が出ても、貸株配当金相当額はその損失と相殺(損益通算)できないため、税負担が思ったよりも重くなるケースがあります。これは特に、高配当株を長期保有しながら貸株サービスを使う方が注意すべき点です。

対策としては、「配当・優待優先コース」を選んで権利確定日に株を返却してもらい、配当金を通常の配当所得として受け取ることが有効です。この場合、配当金は配当所得のまま維持され、貸株金利のみが雑所得となるため、税務上の影響を最小限に抑えることができます。

投資者保護基金の対象外になる証券会社倒産時のリスク

3つ目のデメリットは、貸し出した株が「投資者保護基金」の保護対象にならないという点です。通常、証券会社はお客様の資産を自社の資産とは分けて管理する「分別管理」を義務付けられており、万が一証券会社が倒産した場合でも、1顧客あたり最大1,000万円まで投資者保護基金によって保護されます。しかし、貸株サービスで貸し出した株は証券会社名義に変わっているため、この分別管理の対象外となり、倒産時に手元に戻ってこないリスクがあります。

ただし、現実的な視点でいえば、SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券といった大手ネット証券が短期間で倒産するリスクは非常に低いと考えられます。それでも、リスクとして知っておくことは大切です。特に、資産の大部分を1つの証券会社の貸株サービスに集中させるのは避け、分散管理を意識することが賢明です。リスクの存在を知ったうえで「それでも金利メリットのほうが大きい」と判断するなら、積極的に活用する価値はあります。

第3章 貸株金利が高い理由と2026年最新の金利動向

上昇するグラフと金融チャートのイメージ

「なぜ銀行預金より何十倍も高い金利が受け取れるの?」と疑問に思う方は多いでしょう。実は、この高い金利には明確な理由があります。貸株金利のしくみを理解することで、どんな銘柄を貸株に出すと有利なのか、逆にどんな銘柄は気をつけるべきかが見えてきます。2026年6月の最新データも交えながら、詳しく解説します。

空売り需要と株券在庫確保が生む高金利のしくみ

貸株金利が高い最大の理由は、「その株を借りたいという需要が高い」ことです。特に、空売りをしたい機関投資家が多い銘柄では、証券会社がその株をたくさん確保しておきたいと考えます。確保するためには、個人投資家から高い金利を提示して貸してもらう必要があります。これが、特定銘柄で貸株金利が跳ね上がる理由です。

わかりやすく例えると、人気のコンサートチケットを持っている人に「ちょっと貸してください」とお願いするとき、需要が高ければ高いほど「お礼(金利)」を多く払わなければ貸してもらえない、というイメージです。空売り需要が高い銘柄=市場参加者が「この株は下がる」と予想している銘柄であることが多いため、貸株金利の高さは「その銘柄への注目度や空売り圧力の強さ」を示すバロメーターにもなります。

【貸株金利の高低が意味するもの】
貸株金利が高い銘柄 → 空売り需要が旺盛 = 機関投資家が「下がる」と予想している可能性が高い
貸株金利が低い銘柄 → 空売り需要が少ない = 安定的に保有されていることが多い

「貸株金利が高いから」という理由だけでその銘柄を買うのは注意が必要です。空売りが多い銘柄は株価が下落するリスクも高まります。長期保有目的で持っている銘柄の貸株金利が高かったらラッキー、という姿勢が賢明です。

もう一つの理由として、貸株サービスを利用することで投資家が被るデメリット(配当金が雑所得になる、優待を失うリスクなど)への補償という意味合いもあります。こうしたデメリットの対価として、証券会社は銀行預金よりも高い金利を設定することで、投資家が「それでも貸株する価値がある」と感じられるようにしているわけです。

金利が高い銘柄ほど空売り圧力が強い|株価下落リスクとの関係

前の節で「貸株金利が高い=空売り需要が高い」とお伝えしました。これは投資判断においても重要なシグナルになります。空売りとは株価が下がることで利益を得る取引ですから、空売り需要が高まっている銘柄は「株価が下落するかもしれない」とプロの機関投資家が判断していることを示しています。こうした高金利銘柄の中には、実際に高配当で優良な銘柄も混在しています。貸株に活用できる高配当利回り銘柄ランキング2026最新版で選び方と投資戦略を詳しく解説していますので、銘柄選定の参考にしてみましょう。

例えば、ある銘柄の貸株金利が突然5%から10%に跳ね上がったとします。これは機関投資家がその銘柄を大量に借りて空売りしようとしているサインかもしれません。松井証券の「日本株アプリ」などを使うと、機関投資家の空売り状況を円グラフで視覚的に確認できるため、貸株金利と合わせてチェックすると投資判断の精度が高まります。

一方で、貸株金利が高くても株価が下がらないケースもあります。業績が好調で上昇トレンドの銘柄でも、一時的に空売り需要が高まることがあるためです。貸株金利はあくまでも「参考情報のひとつ」として活用し、総合的な銘柄分析のなかで判断することが大切です。

2026年6月最新|主要証券会社の貸株金利水準と銘柄数

2026年6月現在の最新情報をもとに、主要ネット証券5社の貸株金利水準と対象銘柄数をまとめました。SBI証券では6月22日付けで貸株金利が更新されており、常に最新の金利を確認することが重要です。

証券会社 貸株金利の範囲(年率) 金利1%以上の銘柄数
SBI証券 0.10〜10.00% 546銘柄
楽天証券 0.10〜3.75% 266銘柄
GMOクリック証券 0.10〜4.00% 634銘柄
松井証券 0.20〜4.00% 63銘柄
マネックス証券 0.10〜15.00% 80銘柄

この表を見ると、マネックス証券が最大金利15%と突出して高いことがわかりますが、対象銘柄数は80銘柄と限られています。一方、SBI証券は最大10%かつ1%以上の銘柄が546銘柄と非常に多く、総合的なバランスに優れています。GMOクリック証券も634銘柄と銘柄数では最多クラスです。貸株金利は毎週見直されるため、定期的に各社の金利一覧を確認する習慣をつけることが大切です。

第4章 貸株のメリットを最大化するコース選びと活用術

スマートフォンで投資管理をするイメージ

貸株サービスを申し込む際、必ず選択しなければならないのが「コース」の設定です。このコース選びを間違えると、受け取れるはずだった優待や配当金を逃してしまう可能性があります。逆に、自分の投資スタイルに合ったコースを選べば、貸株金利を最大限に活かしながら、優待も配当金も受け取ることができます。この章では、コースの選び方と、さらに金利収益を伸ばすための上級テクニックを紹介します。

金利優先・優待優先・配当優先の3コースを使い分けるコツ

貸株サービスには大きく分けて3つのコースがあります。それぞれの特徴と、どんな方に向いているかを整理しましょう。

コース名 特徴 向いている方
金利優先コース 権利確定日も貸し出したまま。貸株金利を最大化できる。権利確定日はボーナス金利が上乗せされる(SBI・楽天) 優待・配当金より金利収入を優先したい方。優待なしの銘柄保有者
優待優先コース 優待の権利確定日だけ自動返却。普段は貸し出して金利も受け取れる 株主優待も金利収入も両方欲しい方
配当優先コース 配当の権利確定日に自動返却。配当金を配当所得として受け取れる 高配当株投資家、節税を意識したい方

最もバランスが良いのは「配当・優待優先コース」(SBI証券での名称)です。このコースを選べば、配当金と株主優待の両方を通常通り受け取りながら、それ以外の期間は貸株金利を受け取れます。初めて貸株サービスを利用する方には、まずこのコースから始めることをおすすめします。

一方、株主優待を目的としていない銘柄(例えばインデックス型のETFや、配当目的で保有しているが優待のない銘柄)については、金利優先コースにすることで貸株収益を最大化できます。保有銘柄それぞれの特性に合わせてコースを個別設定できる証券会社も多いため、銘柄ごとに最適なコースを設定することが理想的です。

権利確定日のボーナス金利を狙う上級テクニック

貸株サービスを使いこなすうえで知っておきたい上級テクニックが「権利確定日のボーナス金利」の活用です。SBI証券と楽天証券では、金利優先コースを選択している場合、権利確定日に貸株を維持していると通常よりも高い金利が適用されます。

【権利確定日のボーナス金利(2026年6月現在)】
SBI証券:権利確定日分の貸株金利にボーナス倍率を適用(銘柄によって異なる)
楽天証券:権利確定日は通常の5倍の金利が適用される
GMOクリック証券・松井証券・マネックス証券:ボーナス金利の設定なし

権利確定日は多くの投資家が株を返却するため、証券会社にとって株の在庫が不足しやすくなります。この「希少性」に対する報酬として、ボーナス金利が支払われるわけです。

このボーナス金利を最大限に活用したい場合は、優待や配当金を別の銘柄で確保しつつ、ボーナス金利対象銘柄を金利優先コースで貸し出す、という組み合わせが効果的です。例えば、すでにNISA口座で高配当ETFを長期保有しているなら(NISA口座は貸株不可なので除く)、特定口座の個別銘柄を金利優先コースで貸し出し、権利確定日のボーナスを受け取る、という戦略が考えられます。

こうした積み重ねが、長期的な資産形成において大きな差を生み出します。月に数千円の貸株金利でも、10年・20年と積み上げれば数十万円単位の収益差につながります。「塵も積もれば山となる」の精神で、継続的に貸株金利を積み上げていきましょう。

NISA口座・継続保有優待銘柄では貸株を使わない判断基準

貸株サービスを使ってはいけないケースも明確に把握しておきましょう。まず最も重要な点として、NISA口座(新NISA含む)で保有している株は貸株の対象外です。NISA口座では株の名義変更が認められていないため、そもそも貸株サービスに申し込むことができません。NISA口座の活用に関しては、NISA枠ぎりぎり注文の6大デメリットと超過リスクを防ぐ安全な設定方法を解説した記事も参考になります。NISA口座の株で金利を得ようとしても、制度上不可能なので注意しましょう。

次に、継続保有が条件となっている株主優待銘柄については、貸株サービスを使わないことを強くおすすめします。第2章でも説明したとおり、権利確定日以外にも株主名簿を確認するケースがあり、貸株返却サービスでは対応できないことがあります。せっかくの長期保有特典を守るために、こうした銘柄は貸株対象外にしておきましょう。

判断の基準をシンプルにまとめると、「売るつもりがない」「優待や配当を重視する」「NISA口座にある」銘柄は貸株を使わず、「長期保有予定で優待がない」「配当金よりも金利収入を優先したい」「特定口座や一般口座にある」銘柄は積極的に貸株を活用する、というルールが使いやすいでしょう。

第5章 2026年最新版|貸株におすすめ証券会社を徹底比較

複数の証券会社を比較・分析するイメージ

貸株サービスを利用するうえで、どの証券会社を選ぶかは非常に重要です。貸株金利の水準・対象銘柄数・コースの充実度・米国株への対応・売買手数料など、さまざまな観点から比較する必要があります。2026年6月の最新情報をもとに、主要5社を徹底的に比較します。あなたの投資スタイルに合った証券会社を見つけましょう。

国内株貸株はSBI証券が最有力|金利水準・銘柄数・コース設計を比較

国内株の貸株サービスにおいて、総合力でトップに位置するのはSBI証券です。2026年6月22日付けの最新金利更新によると、貸株金利は年率0.10%から最大10.00%と幅広く、金利1%以上の銘柄数は546銘柄と業界最高水準です。さらに、売買手数料が完全無料(ゼロコース)であることも大きな魅力です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券などを利用して1株から高配当株や優待株に投資したい方は、ミニ株おすすめ銘柄15選と各証券会社の手数料・サービスを徹底比較した記事も参考にしてください。

比較項目 SBI証券 GMOクリック証券
貸株金利(最大) 10.00% 4.00%
金利1%以上の銘柄数 546銘柄 634銘柄
権利確定日ボーナス あり なし
株式売買手数料 無料 無料
コース数 3コース 2コース

GMOクリック証券は金利1%以上の銘柄数が634銘柄と業界最多水準で、銘柄の選択肢という点では非常に優秀です。ただし、最大金利が4.00%と上限が低めで、権利確定日のボーナス金利もないため、高金利銘柄の恩恵を最大限に受けたい方はSBI証券に分があります。国内株の貸株を重視するなら、まずSBI証券を選ぶのが最善解といえるでしょう。

米国株貸株は楽天証券が便利|翌営業日スタートの即時性が強み

米国株を保有している投資家にとって、貸株サービスの利用可否も重要なポイントです。2026年6月現在、米国株の貸株サービスに対応しているのはSBI証券と楽天証券の2社が主要です(2026年3月にはSaxo証券も米国株貸株サービスを開始)。

最大の違いは貸株開始のスピードです。楽天証券は申し込みの翌営業日から貸株がスタートしますが、SBI証券の「カストック」は毎月25日12:00が申し込み締切で、同日20:00から貸株が開始されます。つまり、楽天証券のほうが最大1ヶ月近く早く貸株金利の受取を開始できます。米国株投資家にとって、この即時性の差は見逃せません。

【米国株貸株の主な違い(2026年6月現在)】
楽天証券:申し込み翌営業日から貸株スタート。コースは「配当優先」「金利優先」の2択。金利は米ドル・日本円の両方で受取可能。対象銘柄5,372銘柄(2026年4月23日時点)

SBI証券(カストック):毎月25日締切、同日20:00から開始。コース選択なし。金利は米ドルで受取。対象は原則全銘柄(一部除く)

売買手数料:両社とも0.495%(最低0米ドル)・為替手数料無料で同水準

米国株の貸株を今すぐ始めたい方、スムーズに金利受取を開始したい方には楽天証券が特におすすめです。すでに楽天証券で米国株を保有しているなら、追加手続きも少なく始めやすいでしょう。

松井証券・マネックス証券の特徴と向いている投資家像

SBI証券・楽天証券以外では、松井証券とマネックス証券にも独自の特徴があります。松井証券の貸株サービスは、毎週金利を更新する「高金利銘柄一覧」を公開しており、透明性が高いのが特徴です。最大金利は年率4.00%と上限はやや低めですが、1%以上の銘柄に絞って活用する分には十分な水準です。また、取引金額50万円以下であれば売買手数料が無料のため、少額投資家にも使いやすい環境が整っています。

マネックス証券は、貸株金利の最大値が業界最高水準の年率15.00%という点で突出しています。ただし、対象銘柄が80銘柄と限られており、その高金利銘柄を保有していない方には恩恵が少ない面もあります。逆に、たまたまマネックス証券で高金利対象銘柄を保有しているなら、迷わず貸株サービスを申し込む価値があります。売買手数料は約定金額に応じて発生するため、取引コストも合わせて検討しましょう。

どの証券会社が「最適」かは、あなたの保有銘柄・投資スタイル・優待や配当への考え方によって変わります。複数の証券会社に口座を持ち、銘柄ごとに最も金利が高い証券会社で貸株サービスを利用するという「使い分け戦略」が最も合理的といえるでしょう。まずは無料で口座を開設できる主要ネット証券に申し込み、自分の保有銘柄の金利を確認することから始めてみましょう。

まとめ 貸株サービスを賢く活用して資産形成を加速させよう

この記事では、貸株サービスの基本的なしくみから、デメリットの正体、金利が高い理由、コースの選び方、そして2026年最新の証券会社比較まで、幅広くお伝えしました。最後に、大切なポイントをまとめておきます。

【この記事のまとめ|5つのポイント】
1. 貸株サービスとは、株を証券会社に貸し出して金利を受け取るしくみ。銀行預金より圧倒的に高い金利が特徴。
2. デメリットは「優待・配当金を失うリスク」「配当金が雑所得になる」「保護基金の対象外」の3つ。ただし対策可能。
3. NISA口座と継続保有特典のある銘柄には貸株を使わないこと。
4. 国内株の貸株はSBI証券、米国株の貸株は楽天証券が特におすすめ。
5. 貸株金利は毎週変動する。定期的にチェックする習慣が資産形成の差をつける。

「貸株はやめたほうがいい」と言われる理由は、デメリットを知らないまま使ってしまうケースがあるからです。しかし、正しく理解してコース設定さえ間違えなければ、長期保有の株で着実に収益を上乗せできる非常に便利なサービスです。今日から少しずつ貸株の習慣を取り入れて、将来の資産形成をもっと豊かにしていきましょう。株を持っているだけで「働いてもらう」感覚が身につくと、投資がずっと楽しくなるはずです。あなたの長期投資がより実り多いものになることを願っています。

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