2026年6月12日、SpaceX(スペースX)がNASDAQ市場に上場し、IPO価格135ドルから初日終値160.95ドル(+19%)という歴史的デビューを飾りました。あの抽選ラッシュはすでに終了しています。しかし、IPOに応募できなかった方でも、今からSPCX株を購入することは十分に可能です。2026年6月18日時点の株価は185.00ドル。NASDAQ100への正式組み入れは2026年7月7日頃に予定されており、インデックスファンド経由での自動取り込みも迫っています。本記事では、SBI証券・楽天証券それぞれの上場後の通常購入手順・NISA成長投資枠の活用法、そして見落としがちなロックアップ解除リスク(8月〜12月に段階的に発生)まで、2026年7月時点の最新情報をもとに正確に解説します。今からSPCXを買う前に、必ず読んでおくべき情報をすべてまとめました。
この記事でわかること
- IPO終了後にSPCXを買う方法と、SBI・楽天それぞれの手数料の違い
- NISA成長投資枠でSPCX株を非課税保有するための具体的な注意点
- NASDAQ100組み入れ(7月7日頃)がインデックス投資家に与える実際の影響
- 8月〜12月のロックアップ解除スケジュールと株価への下落リスク
- アナリスト評価が強気〜売りに割れている理由と、自分なりの判断軸の作り方
- 第1章|SPCX株の現在地|上場後の株価と市場評価を正確に把握する
- 第2章|SBI証券でSPCX株を今から買う方法|米ドル決済の手順と注意点
- 第3章|楽天証券でSPCX株を今から買う方法|円貨決済と少額積立の活用
- 第4章|SPCX株を今から買う前に知るべきロックアップ解除リスク
- 第5章|SPCX株の投資判断|目的別に考える買い方と保有戦略
- まとめ|SPCX株を今から買うために押さえるべきポイント

第1章|SPCX株の現在地|上場後の株価と市場評価を正確に把握する
IPO価格135ドルから185ドルへ|上場後の値動きと現在水準
2026年6月12日、SpaceXはNASDAQ市場(ティッカー:SPCX)に上場を果たしました。IPO価格は1株135ドル。初値は150ドルでIPO価格を約11%上回り、その後買いが加速して初日終値は160.95ドル(+19.2%)という歴史的な初日デビューを記録しました。上場3日目(6月16日)には201.68ドルまで上昇し、IPO価格からわずか4日で+49%という急騰劇を演じました。しかし、その後は利益確定売りや過熱感への警戒から調整が入り、2026年6月20日時点の株価は185ドル前後で推移しています。これはIPO価格比でまだ+37%の水準であり、上場後に「乗り遅れた」と感じている個人投資家にとっても依然として注目度の高い局面が続いています。
時価総額は上場時点で約2兆1,000億ドル(約330兆円)に達し、これはトヨタ自動車の時価総額のおよそ10倍以上に相当します。IPO調達額は750億ドル(約12兆円)と史上最大規模を記録し、創業者であるイーロン・マスク氏は史上初の「トリリオネア(純資産1兆ドル超)」として注目を集めました。これほどの規模のIPOは前例がなく、世界中の機関投資家・個人投資家の資金が一斉に流れ込む構造となっています。一方で、この急激な株価上昇が「本質的な企業価値を反映しているのか、あるいは熱狂による過剰評価なのか」という議論も活発です。今から投資を検討する場合には、IPO直後の熱狂的な値動きではなく、現在の185ドル水準を冷静に評価することが重要です。
2025年の業績データによると、SpaceXの連結売上高は187億ドル。そのうちStarlinkを含む通信セグメントが113億8,700万ドルを占め、営業利益44億2,300万ドル(営業利益率約23%)を生み出しています。宇宙開発・ロケット打ち上げセグメントは依然として赤字が続いており、Starlinkが唯一の黒字事業として会社全体を支えている構造です。2025年のEBITDA(利払・税金・減価償却前利益)は前年比約90%増の72億ドルに達しており、Starlinkの加入者数は2023年末の230万人から急拡大が続いています。こうした財務数字を踏まえ、現在の株価水準がどれほど「先読み」を含んでいるかを理解することが、今から購入を検討する際の出発点となります。
| 日付 | 株価(USD) | IPO価格比 |
|---|---|---|
| IPO価格(6/3確定) | 135.00 | 基準 |
| 上場初日終値(6/12) | 160.95 | +19.2% |
| 上場3日目(6/16) | 201.68 | +49.4% |
| 6月20日時点 | 185.00 | +37.0% |
| 52週高値 | 225.64 | — |
| 52週安値 | 149.34 | — |
アナリスト評価が強気〜売りに割れる構造的な理由
SpaceX(SPCX)に対するアナリスト評価は、上場直後から大きく割れています。強気派の代表例として、ある証券会社は目標株価を401ドルと設定し、Starlinkの急成長とSpaceXの宇宙産業における独占的地位を高く評価しています。一方、CFRAのアナリスト、キース・スナイダー氏は「売り(Sell)」推奨と目標株価115ドルを発表し、実行リスクと現在の株価水準の過熱感を強調しました。また別のアナリストはIPO価格の22%上回る165ドルを目標株価に設定し「中立」スタンスを示しています。
この評価が大きく割れる最大の理由は、PSR(株価売上高倍率)が141倍超という歴史的に高いバリュエーションにあります。通常、成熟した優良企業のPSRは2〜10倍程度であり、高成長IT企業でも20〜50倍が一般的とされます。141倍という水準は「現在の売上の141年分の価値がすでに株価に織り込まれている」ことを意味し、今後何十年もの成長期待が一度に反映されていると言えます。強気派はGoldman Sachsが試算した「AI関連売上高が2025年の32億ドルから2030年には3,220億ドル(約100倍)になる」というシナリオを根拠にします。慎重派は「現在の赤字部門(ロケット打ち上げ事業)と莫大な設備投資(2025年の設備投資207億ドルは売上高187億ドルを上回る)が長期的に利益を圧迫する」と反論します。
💬 投資判断のポイント
アナリスト評価が115ドル〜401ドルと約3.5倍の差で割れているのは、SpaceXが「過去の業績で評価できない未来企業」であることを示しています。現在の185ドルはその中間点に位置しており、どちらのシナリオを信じるかで全く異なる判断になります。少なくとも「正解はまだ誰にもわからない」という前提で、投資金額を管理することが重要です。
NASDAQ100組み入れ(7月7日頃)がSPCX株価に与える影響
SpaceXのNASDAQ100への組み入れは、2026年7月7日頃と予測されています。NASDAQは2026年2月に、巨大IPO銘柄を「上場後15営業日程度でNASDAQ100に組み入れる制度改正案」を公表し、同年5月に施行しました。SpaceXはこの「Fast Entry(早期組み入れ)」制度の最初の適用対象銘柄となる見込みです。BNPパリバの試算によれば、NASDAQ100への組み入れだけで上場後1ヶ月以内に約80億ドルの強制的なパッシブ買いが発生し、パッシブファンド全体の購入額はさらに大きくなると見られています。
この組み入れによって、eMAXIS Slim 米国株(S&P500)や楽天・全米株式インデックスファンドなどの投信をすでに積み立てている方にも影響があります。ただし、S&P500への優先組み入れは見送られていることから、S&P500連動ファンドには当面自動反映されません。NASDAQ100連動ファンド(例:eMAXIS NASDAQ100インデックスや楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド)には、組み入れ後に自動的にSPCX株が含まれることになります。組み入れ比率はおよそ0.5%前後と予想されており、月3万円の積立であれば月150円程度がSPCXに振り向けられる計算です。「積立に影響なし」と思っていた方も、NASDAQ100系ファンドを保有しているならば、7月7日以降は間接的にSPCX株を保有することになります。
組み入れ後に見込まれる大量のパッシブ買いは、短期的に株価を押し上げる要因となります。しかしこれは「需給による一時的な押し上げ」であり、企業の本質的な価値が上がるわけではありません。組み入れ直前に仕込んで組み入れ後に売るという短期戦略を取る投資家もいますが、タイミングを外すと高値掴みになるリスクも存在します。長期投資家にとっては「組み入れ後の需給一巡」を見越して、焦らずに自分のタイミングで購入判断を下すことが賢明です。
第2章|SBI証券でSPCX株を今から買う方法|米ドル決済の手順と注意点
外国株式口座と米ドル準備|購入前に必要な2つの条件
SBI証券でSPCX株を購入するにあたり、まず押さえておくべきことが2つあります。1つ目は「外国株式取引口座の開設」、2つ目は「米ドルの準備」です。SBI証券では通常の国内株取引口座を持っているだけでは米国株を購入できません。SBI証券のウェブサイトにログイン後、「お客さまサポート」→「口座開設・各種手続き」→「外国株式口座開設申込」という流れで手続きが完了します。審査は通常1〜3営業日で完了します。すでに外国株式口座を保有している方はこのステップは不要です。
2つ目の「米ドルの準備」が、SBI証券と楽天証券で最も大きく異なる点です。SBI証券では米国株の取引は原則として米ドル建てで行います。円をドルに換えてから購入する流れになるため、為替手数料(スプレッド)がかかります。SBI証券の為替手数料は1ドルあたり片道25銭です。185ドルのSPCX株を1株購入する場合、185ドル×約155円(仮の為替レート)=約28,675円の購入資金が必要になり、そこに為替手数料が上乗せされます。なお、住信SBIネット銀行を経由してドル転を行う場合は為替手数料を1ドルあたり6銭まで抑えられるため、コスト削減に有効です。NISA口座での米国株取引については、SBI証券の「ゼロ革命」により売買手数料(取引手数料)は無料です。ただし為替手数料はNISA口座でも発生します。
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 決済通貨 | 米ドルのみ | 円貨決済(上場後) |
| 為替手数料(通常) | 25銭/ドル | 25銭/ドル |
| 為替手数料(提携銀行) | 6銭(住信SBI経由) | 無料(楽天銀行連携)※一部 |
| 取引手数料(NISA) | 無料(ゼロ革命) | 無料 |
| 最低購入単位 | 1株単位(約2.9万円〜) | 1株単位(約2.9万円〜) |
| 100円少額購入 | 非対応 | 非対応(PayPay証券のみ対応) |
注文画面の操作手順と指値・成行の使い分け
SBI証券でSPCX株を購入する際の手順は以下のとおりです。まずSBI証券にログインし、トップページの検索窓に「SPCX」と入力して銘柄を呼び出します。銘柄詳細ページが表示されたら「買付」ボタンをクリックし、注文入力画面に進みます。口座区分は「特定口座」または「NISA成長投資枠」から選択します。次に「注文種別」として指値か成行を選びます。米国株では成行注文が使えるのは現地市場の通常取引時間中のみ(日本時間の夜間〜深夜帯)である点に注意が必要です。日本時間の昼間に注文を出したい場合は指値注文を選択し、希望購入価格を入力します。数量(株数)を入力し、取引パスワードを入力して「注文確認」→「注文発注」で完了です。
指値注文と成行注文の使い分けは投資スタイルによって異なります。成行注文は「今すぐ市場価格で買う」方法であり、買えることは確実ですが価格の確認ができません。特にSPCXのようにボラティリティ(価格変動)が大きい銘柄では、注文を出した瞬間と約定する瞬間の価格差が数ドル〜数十ドルになる場合もあります。一方、指値注文は「この価格になったら買う」という方法で、希望価格で購入できますが、価格が指値に届かなければ注文が成立しません。初めてSPCXを購入する場合は、現在の株価から1〜2%程度低めに指値を入れておく方法が、リスクを抑えた注文方法としておすすめです。
⚠️ SBI証券でSPCXを買うときの3つの注意点
- 米ドルが口座に入っていない場合は、先に円→ドルの為替交換が必要(コスト削減は住信SBI経由を推奨)
- 夜間取引(PTSではなく米国市場の時間外取引)は流動性が低くスプレッドが広がる場合がある
- NISA口座での購入は年間240万円の成長投資枠を消費するため、残枠の確認を事前に行う
NISA成長投資枠でSPCXを購入する際の枠消費と注意点
SBI証券では、SPCX株はNISA成長投資枠での購入が可能です。NISA成長投資枠は年間最大240万円まで非課税で投資でき、売却益・配当金に対する20.315%の税金がかかりません。現在の株価185ドル(約2.9万円)なら約82株まで年間NISA枠で購入できる計算です。ただし、いくつかの重要な注意点があります。1つ目は「枠の消費は購入時の約定価格で確定する」点です。株価が上昇している局面では、指値注文が成立した時点の価格でNISA枠が消費されます。2つ目は「NISA口座で購入した場合、損失は他の口座の利益と損益通算できない」点です。もしSPCX株が値下がりして損失が出た場合、特定口座の利益と相殺することができません。
3つ目の重要な点として、NISA口座での米国株購入は「米国側の配当に10%の源泉徴収税(外国税)がかかる」ことを覚えておいてください。日本のNISAで非課税になるのは「日本の税金20.315%」だけであり、米国の源泉徴収税10%は免除されません。SPCXは現時点で配当を出していないため、この点は今のところ実害はありませんが、将来的に配当が発生した場合には外国税額控除の対象にもなりません(NISA口座では外国税額控除が使えないため)。これらを総合的に考えると、現時点では「NISA成長投資枠でSPCXを長期保有してキャピタルゲインを狙う」戦略が合理的と言えます。
第3章|楽天証券でSPCX株を今から買う方法|円貨決済と少額購入の活用
円貨決済の仕組みと為替手数料25銭の実際のコスト
楽天証券でSPCX株を上場後に購入する場合、最大の特徴は円貨決済に対応している点です。SBI証券では米ドルを事前に用意する必要がありましたが、楽天証券では日本円のまま注文を出すことができ、約定時に自動的に円からドルに換算されます。これにより「為替の手続きが面倒」と感じている初心者の方でもスムーズに購入できます。ただし、上場後(通常取引)の円貨決済には為替手数料1ドルあたり25銭がかかります。185ドルのSPCX株を1株購入した場合、約定時のドル金額185ドルに対して185×0.25=46.25円の為替コストが発生します。これは購入コストとして事前に把握しておく必要があります。
楽天銀行との連携(マネーブリッジ)を設定している場合は、楽天銀行の外貨預金を利用することで為替手数料を低減できる場合があります。ただし、IPO申込時(抽選時)には「円貨のみ」「楽天銀行マネーブリッジ経由の資金も利用可能」というルールが設けられており、上場後の通常取引においても資金管理方法が異なります。楽天証券の注文手順は、ログイン後に「米国株」→「銘柄検索」でSPCXを検索し、「買付」から口座区分・株数・注文種別(指値・成行)を入力して注文確定する流れで、SBI証券とほぼ同様です。注文可能時間は日本時間の22:35頃(サマータイム)または23:35頃(通常時間)から翌朝5:00頃までの米国市場時間中です。
💬 楽天証券の円貨決済|メリットとデメリット
メリット:ドルを事前準備する手間がなく、日本円残高から直接購入できる。為替交換の操作が不要で投資初心者にも扱いやすい。
デメリット:為替手数料25銭が自動的に発生し、コスト意識が薄れやすい。大量購入時には為替コストが無視できない水準になる(例:10株購入なら約462円の為替コスト)。
少額・小数点購入でSPCXに積み立てる方法と最低金額
楽天証券もSBI証券も、通常の米国株取引では1株単位が最低購入単位です。SPCX株の現在価格185ドル(約2.9万円)を1株から購入することになります。「もっと少額から試したい」「毎月定額で積み立てたい」という方には、PayPay証券が100円から1円単位でSPCX株を購入できる唯一の選択肢として注目されています。PayPay証券では上場日当日(2026年6月12日)からSPCX株の取り扱いを開始しており、24時間365日いつでも100円から購入可能です。取引手数料は通常の米国株取引手数料と同水準が適用されます。
楽天証券では現時点でSPCX株の小数点購入(端株購入)には対応していません。楽天証券で定期的にSPCXへ投資したい場合は「毎月1株ずつ購入」という形が現実的です。月1株185ドル(約2.9万円)の積立は、投資信託の積立と比べると高額に感じる方も多いかもしれません。その場合は、NASDAQ100組み入れ後にNASDAQ100連動の投資信託を積み立てることで、間接的にSPCX株へ少額投資する方法も検討できます。ただし、投資信託経由では直接株式を保有するわけではないため、NISA口座で個別株として保有する場合と税務上の扱いが異なります。
NISA成長投資枠での購入手順と未成年口座の対応状況
楽天証券でのNISA成長投資枠でのSPCX購入は、上場後の通常取引で対応しています。注文画面で口座区分に「NISA成長投資枠」を選択するだけで、通常の手順と同様に購入できます。楽天証券の特徴として、未成年口座(ジュニア口座)でも米国株式IPOへの申込が可能という点があります(法人口座は不可)。子どものNISA口座でSPCX株を長期保有する戦略も、楽天証券では選択肢に入ります。なお、NISA口座の開設が完了していない(税務署審査中)状態ではNISA枠での購入はできません。口座開設申込から税務署審査完了まで通常1〜2週間かかるため、NISA口座未開設の方は早めの手続きが必要です。
楽天証券のNISA成長投資枠での米国株購入において注意が必要なのは「申込金額がNISA非課税枠を超過する場合は購入できない」点です。現在のNISA枠残高が少ない場合(例:すでに200万円以上使用している場合)、残り枠内での購入株数が制限されます。NISA枠の残高確認はログイン後の「NISA口座管理」画面から確認できます。また、NISA口座と特定口座(課税口座)を同時に使って同一銘柄を申し込むことはできません。NISAで買うか特定口座で買うかは、購入前に明確に決めておく必要があります。
第4章|SPCX株を今から買う前に知るべきロックアップ解除リスク
8月下旬に流通株が2倍、10月末に3分の1が解放される段階スケジュール
SpaceXのロックアップ(lock-up)とは、IPO前から株を保有している初期投資家・従業員・インサイダーが「一定期間、保有株を売却できない」制限のことです。上場直後のSPCXは、流通している株式(パブリック・フリーフロート)が全発行済み株式のわずか約4.3%にすぎません。残りの95%超はロックアップ制限下の株主が保有しており、今後数ヶ月にわたって段階的に解除されていきます。
SpaceXのロックアップ解除スケジュールは、通常のIPOの「180日一斉解除」とは異なり、段階的な解除スケジュールを採用しています。プライベートエクイティ会社Tessera CEOのチャン・アン氏の分析によると、「公開取引に利用可能なSPCX株の供給量は8月下旬に約2倍となり、9月末までに約6倍に拡大し、ハロウィンまでに同社全体の約3分の1に達する見込み」とされています。具体的には、時間ベースのロック解除がIPO日から70日後・90日後・105日後・120日後・135日後の計5回設定されており、それぞれインサイダー株の約7%がロック解除されます。さらに、第1回決算発表時、第2回決算発表時にも追加のロック解除が行われます。加えて、第1回決算発表前にSPCX株価がIPO価格(135ドル)から30%上昇した場合(=175.5ドル以上)にも追加解除が発動される条件も設けられています。
| タイミング | 解除される株式割合 | 想定時期(目安) |
|---|---|---|
| IPO後70日目 | インサイダー株の約7% | 2026年8月下旬頃 |
| IPO後90日目 | インサイダー株の約7% | 2026年9月上旬頃 |
| IPO後105日目 | インサイダー株の約7% | 2026年9月下旬頃 |
| IPO後120日目 | インサイダー株の約7% | 2026年10月上旬頃 |
| IPO後135日目 | インサイダー株の約7% | 2026年10月下旬頃 |
| IPO後180日目(最大解除) | マスク氏除く残り全株 | 2026年12月頃(最大の売り圧力) |
イーロン・マスク保有42%は2027年6月まで売却不可|安心材料と落とし穴
SpaceX最大の株主であるイーロン・マスク氏は、同社株式の約42%を保有しています。マスク氏の保有株については2027年6月まで売却禁止のロックアップが課されており、他のインサイダーと比べて大幅に長い制限期間が設定されています。これは一見「安心材料」に見えます。創業者が長期間売却しないということは、企業の将来に自信を持っているシグナルと解釈できるからです。また、全株式の42%が少なくとも1年間は市場に出てこないため、需給面での急激な悪化が防がれるという側面もあります。
しかし「落とし穴」も存在します。マスク氏は現在、テスラ(TSLA)・X(旧Twitter)・The Boring Company・Neuralink・xAIなど複数の企業を同時に経営しています。「イーロンリスク」と呼ばれるように、マスク氏が何らかの事由(健康・政治問題・他事業への集中)でSpaceXの経営から距離を置いた場合、SPCX株価に大きな打撃を与える可能性があります。また、2027年6月のロックアップ解除時に、マスク氏が42%分の一部でも市場で売却し始めた場合、その規模は他のインサイダーの解除をはるかに上回る「超大型の売り圧力」となります。現在の185ドルという株価には、マスク氏が長期保有し続けるという前提も織り込まれていると見るべきです。
サークル株の前例から学ぶ|ロックアップ解除後に何が起きたか
ロックアップ解除後に何が起きるかを理解する上で、最近の事例として「サークル(Circle)株」が参考になります。USDCというステーブルコインを発行するサークルは、IPO初日に株価が約3倍に急騰し、同月中に263.45ドルという最高値を記録しました。しかしその後、ロックアップ解除が近づくにつれて売り圧力が強まり、180日ロックアップ解除時点では80ドル台まで下落しました。IPO初日の熱狂から1年も経たずに株価が70%近く下落したことは、ロックアップ解除リスクの現実を如実に示しています。
もちろん、SpaceXとサークルは事業内容・規模・成長性においてまったく異なります。SPCXがサークルと同じ軌跡をたどるとは限りません。しかし、「初期投資家が可能な限り早期に利益を確定する動機を持っている」という構造はどのIPOでも共通です。過去10年以上にわたってSpaceXに投資してきたベンチャーキャピタルや従業員にとって、ロックアップ解除は長年待ち望んだ「換金の機会」です。感情ではなく構造的な売り圧力として認識する必要があります。今から購入を検討している方は、少なくとも2026年8月〜12月のロックアップ解除スケジュールを手帳やカレンダーに記入し、その時期に向けてポジション管理の方針を事前に決めておくことを強くおすすめします。
第5章|SPCX株の投資判断|目的別に考える買い方と保有戦略
キャピタルゲイン狙い・NISA長期保有・少額積立の3パターン比較
SPCX株への投資アプローチは、大きく3つのパターンに分けることができます。それぞれの特徴・リスク・向いている人を整理します。
①キャピタルゲイン狙い(短〜中期):NASDAQ100組み入れ(7月7日頃)前後の需給改善を見越して購入し、組み入れ後の上昇局面で利益確定する戦略です。最も資金効率が高い反面、タイミングを誤ると高値掴みになるリスクがあります。8月下旬以降のロックアップ解除による売り圧力が来る前に売り切る「出口戦略」が不可欠です。この戦略に向いているのは、米国株の取引経験があり、株価チャートをある程度読める方、および損切りルールを徹底できる方です。
②NISA成長投資枠での長期保有:Starlinkの加入者急増とAI関連事業の成長を信じ、5〜10年以上の長期視点で保有する戦略です。売却益への20.315%課税がゼロになるNISA口座との相性が良く、長期で株価が数倍〜数十倍になれば税制メリットが大きく効いてきます。リスクは「高いバリュエーション(PSR141倍)で購入した場合、株価が期待に達するまで長い含み損期間が続く可能性があること」です。ロックアップ解除による一時的な下落があっても保有し続けられるメンタルと資金計画が必要です。
③少額積立(PayPay証券・NASDAQ100投信経由):毎月100円〜1株分を定期購入し、ドルコスト平均法で購入単価を平準化する戦略です。「一度に大きな金額を投じるのが怖い」「まずはSpaceXをポートフォリオに少しだけ加えたい」という方に向いています。PayPay証券の100円購入か、楽天・NASDAQ100インデックスファンドへの積立が現実的な選択肢です。ただし、投資信託経由では個別銘柄のダイレクトな株主にはなれません。
| 戦略 | 期間 | リスク | NISA活用 |
|---|---|---|---|
| ①キャピタルゲイン狙い | 短〜中期 | 高 | △(損益通算不可) |
| ②NISA長期保有 | 5〜10年超 | 中〜高 | ◎(非課税メリット大) |
| ③少額積立 | 長期 | 低〜中 | 〇(投信経由で積立可) |
PSR141倍超の割高感をどう評価するか|強気と慎重派の論点整理
2025年の売上高187億ドルに対して時価総額が2.1兆ドルとなる現在の株価水準は、PSR(株価売上高倍率)約141倍に相当します(モーニングスター試算)。この数字を「高すぎる」と見るか「成長を先取りした適正水準」と見るかは、SpaceXの将来事業をどう評価するかに直結します。
強気派の根拠:Goldman Sachsはスペース X のAI関連売上高が2025年の32億ドルから2030年には3,220億ドル(約100倍)になると予想しています。Starlinkは現在も加入者数が急増しており、2030年代には数千万〜数億人の契約者を擁する世界最大の通信インフラになりうるとされています。さらに、Falcon 9・Falcon Heavyによる打ち上げ頻度世界一の地位と、Starshipによる次世代ロケット事業、Mars探査プロジェクトなど、民間企業では唯一無二の技術的優位性があります。これらの将来価値を現在の株価に織り込むことは「妥当」という見方もあります。
慎重派の根拠:2025年の設備投資207億ドルは売上高187億ドルを上回っており、フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)は実質的にマイナスです。ロケット打ち上げ事業はいまだ赤字であり、Starlinkだけが収益の柱という脆弱な構造もあります。また、イーロン・マスク氏の「イーロンリスク」(政治的スキャンダル・他事業への過集中)、技術的な失敗(Starshipの爆発事故など)による株価急落リスクも否定できません。2025年にアナリストが試算した「2026〜2030年の累計キャッシュバーン(現金喪失)が3,500億ドルに達する」という試算は、短〜中期での収益化の難しさを示しています。
エントリー価格と損切りラインの考え方|ロックアップ期間を意識した設計
現在の185ドル水準でSPCX株を購入する場合、あらかじめ「どこまで下がったら売るか(損切りライン)」を決めておくことが重要です。ロックアップ解除は8月下旬から始まり、12月に向けて売り圧力が断続的に発生します。この期間中に株価が一時的に大きく下落する局面が来る可能性があります。長期保有前提で購入するなら「−30%(約130ドル)まで持ち続ける」という覚悟が必要ですし、中期保有であれば「−15%(約157ドル)を割り込んだら損切り」という明確なルールを設定することで、感情的な判断を避けられます。
エントリータイミングについては、いくつかの観点があります。NASDAQ100組み入れ前後(7月7日前後)は短期的な需給改善が見込まれますが、「組み入れを見込んだ先買い」はすでに一定程度株価に織り込まれている可能性もあります。8月下旬〜10月下旬のロックアップ解除による調整局面を「買い場」として待つ戦略も合理的です。特に、12月の大量ロックアップ解除(マスク氏除く残り全株解除)による底値圏が形成された後に購入するという逆張り的なアプローチは、リスクを抑えた参入方法として検討できます。ただし「底値はわからない」という大前提を忘れず、一度に全資金を投じるのではなく分割購入で平均取得単価を下げる戦略が安全です。
⚠️ 投資の最終チェックリスト(購入前に必ず確認)
- 投資金額は「失っても生活に影響しない余剰資金」の範囲内に収まっているか
- 損切りラインを事前に決めているか(例:−15%で売却 | 長期保有なら−30%まで許容)
- 2026年8〜12月のロックアップ解除スケジュールをカレンダーに記録したか
- NISA成長投資枠の残高を確認したか(年間上限240万円)
- SBI証券の場合:米ドルの準備(住信SBI経由でのドル転でコスト削減)を完了したか
- 楽天証券の場合:口座区分(NISA | 特定口座)を購入前に最終確認したか
まとめ|SPCX株を今から買うために押さえるべきポイント
2026年6月12日に上場したSpaceX(SPCX)は、IPO価格135ドルから現在185ドル水準で推移しています。IPO抽選は終了しましたが、今からでもSBI証券(米ドル決済・1株単位)・楽天証券(円貨決済・1株単位)・PayPay証券(100円から小数点購入)の3つの方法でSPCX株を購入できます。SBI証券はコストを抑えられる住信SBI経由のドル転が有効で、楽天証券は手続きの手軽さが魅力、少額から始めたい方にはPayPay証券が唯一の選択肢です。
NISA成長投資枠での購入は、長期保有によるキャピタルゲインに対して非課税メリットが大きく、両証券会社ともに対応しています。ただし、NISA口座での損失は損益通算できない点と、米国側の外国税10%はNISAでも免除されない点は必ず頭に入れておきましょう。
最大の注意点はロックアップ解除リスクです。2026年8月下旬に流通株が約2倍となり始め、12月には全インサイダー株(マスク氏保有42%を除く)が一斉解除される見通しです。この期間に断続的な売り圧力が発生する可能性があり、短〜中期での値下がりリスクを想定した上で投資判断を行う必要があります。PSR141倍超という高いバリュエーションは、アナリストの評価を大きく割れさせており、「どちらが正しいかは現時点では誰にもわからない」という不確実性も認識しておきましょう。
SpaceXは間違いなく時代を変える可能性を秘めた企業です。しかし、「可能性への期待」と「今の株価が妥当かどうか」は別の問題です。本記事で解説した購入手順・NISA活用法・ロックアップスケジュール・投資判断軸を参考に、ご自身のリスク許容度と資金計画に合った形でSPCX投資に向き合ってください。
📌 この記事のまとめ(5つのポイント)
- IPO後のSPCX株はSBI証券・楽天証券・PayPay証券の3社で今すぐ購入可能。100円少額購入はPayPay証券のみ対応
- SBI証券は米ドル決済(住信SBIで為替コスト削減)、楽天証券は円貨決済で手軽に購入できる
- NISA成長投資枠での購入は両社対応。売却益非課税メリットを最大活用するなら長期保有が基本
- ロックアップ解除は8月〜12月に段階的に発生。特に12月の大量解除は最大の売り圧力となりうる
- PSR141倍・アナリスト評価115〜401ドルの大きな乖離を認識し、余剰資金・分割購入・損切りラインの設定を徹底する
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
📖 この本はまさに 私のバイブル です。
人生やお金の考え方が大きく変わりました。
貯金の正解よりも、“今の配分設計”が大事。 時間×お金×健康のピークを見極め、体験の配当を最大化する一冊。

コメント