「SpaceXやOpenAIのような世界的な企業に、上場前から投資できたらいいのに」と感じたことはありませんか。ニュースで巨大スタートアップの評価額を見るたびに、個人には縁のない世界だと思ってしまいますよね。
そんな非上場ユニコーン企業への投資機会を日本の投資家に届けてきたのが、2026年11月20日に東証グロース市場へ上場予定のHiJoJo Partners(ヒジョージョー パートナーズ、証券コード657A)です。今回のHiJoJo Partners IPOは、仮条件550円〜560円の低価格帯で、100株あたり約5.6万円から申し込める点が大きな魅力です。
一方で、吸収金額は約55.7億円と中型の規模で、業績は成功報酬の有無で大きく動きやすいという特徴もあります。「話題性だけで申し込んで大丈夫かな」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IPOに初めて挑戦する方から経験者の方まで、HiJoJo Partners IPOに申し込むかどうかを自分で判断できるよう、事業の仕組みや業績、需給、初値予想までをやさしく整理しました。ブックビルディングの締め切りは11月11日です。ぜひ最後まで読んで、納得のいく判断にお役立てください。
- 個人では届きにくい「非上場株投資」が身近になる仕組み
- 成功報酬型ビジネスの強みと、業績がぶれやすい理由
- 大型案件で初値が伸びにくくなる需給の考え方
- 申し込む前に確認したい3つの判断ポイント
- 当選のチャンスを広げる証券会社の選び方
目次
- 第1章:HiJoJo Partners IPOの基本情報と上場スケジュール
- 第2章:HiJoJo Partners IPOの事業内容|非上場ユニコーン投資の仕組み
- 第3章:HiJoJo Partners IPOの業績推移と今後の成長性
- 第4章:HiJoJo Partners IPOの大株主とロックアップ・需給
- 第5章:HiJoJo Partners IPOの初値予想と申し込み戦略
- まとめ:HiJoJo Partners IPOは仕組みを理解して申し込もう
第1章:HiJoJo Partners IPOの基本情報と上場スケジュール
出典:Unsplash
IPOに申し込むとき、最初につまずきやすいのが「いつまでに、どこで、いくら用意すればいいのか」という基本の部分です。せっかく興味を持った銘柄でも、締め切りを過ぎてしまえば抽選に参加することすらできません。
この章では、HiJoJo Partners IPOの日程、公開株数、吸収金額、主幹事といった基本情報をひとつずつ整理していきます。まずは全体像をつかんで、落ち着いて準備を進めていきましょう。
上場日とブックビルディングの日程
HiJoJo Partnersは、2026年10月27日に東京証券取引所から上場承認を受け、2026年11月20日(金)に東証グロース市場へ上場予定です。業種は「証券、商品先物取引業」に分類されています。
ブックビルディング期間は11月5日(木)から11月11日(水)までで、公開価格は11月12日(木)に決まる予定です。仮条件は550円〜560円で決定しており、当初の想定価格だった537.5円前後よりも上に設定されました。仮条件が想定価格を上回ったのは、機関投資家からの需要がある程度見込まれているサインと受け取ることができます。
| 項目 | 日程・内容 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 上場承認 | 2026年10月27日 | ここから情報が出そろう |
| ブックビルディング | 11月5日〜11月11日 | 抽選への申し込み期間 |
| 公開価格決定 | 11月12日 | 仮条件の上限決定なら人気の目安 |
| 上場日 | 11月20日(金) | 東証グロース市場 |
| 仮条件 | 550円〜560円 | 100株で約5.6万円が必要 |
IPOでは、抽選に当たったあとに購入申込の手続きが別途必要になる証券会社が多いです。当選したのに購入手続きを忘れてしまうと権利がなくなるため、当選発表の日にはメールやアプリの通知を確認する習慣をつけておくと安心です。
公開株数と吸収金額の規模
公開株数は、公募株数が5,405,400株、売出株数がオーバーアロットメントを含めて4,954,900株で、合計10,360,300株です。100株単位で考えると、当選本数はおよそ10万本となり、IPOとしてはかなり多い部類に入ります。
想定価格ベースの時価総額は約280.5億円、市場から吸収する金額は約55.7億円です。仮条件の上限560円で計算すると、時価総額は約292億円まで大きくなります。吸収金額は、上場時に市場が受け止めなければならない売り物の量と考えるとイメージしやすいでしょう。
当選本数が多いことは、個人投資家にとって「当たりやすい」といううれしい面があります。その一方で、上場日に売りたい人も多くなるため、初値が大きく跳ね上がりにくいという面もあります。メリットと注意点はいつも表裏一体だと意識しておくことが大切です。
主幹事と申し込みできる証券会社
主幹事はみずほ証券で、SMBC日興証券も主幹事として名前を挙げている情報があります。そのほか、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、松井証券、野村證券、三菱UFJ eスマート証券、DMM株などが引受や委託販売に参加する見込みです。
IPOの株は主幹事に最も多く割り当てられるため、当選を狙うなら主幹事の口座は優先して用意したいところです。また、ネット証券の中には資金量に関係なく1人1票で抽選する仕組みを採用している会社もあり、少額の投資家でも公平にチャンスがあります。
たとえば、毎月3万円ずつ積み立てながらIPOにも挑戦している会社員の方なら、5.6万円という資金は無理なく準備できる範囲ではないでしょうか。複数の証券会社に口座を分けておけば、同じ資金で申し込める回数を増やすことも期待できます。
注意したいのは、証券会社によって申し込みの締め切り時刻や、抽選のタイミングが少しずつ違うことです。ブックビルディング期間の最終日である11月11日の夕方に慌てて申し込もうとすると、すでに受付が終わっていたということも起こりえます。余裕をもって、期間の前半に申し込みを済ませておくと安心です。
また、証券会社によっては、抽選に申し込む時点で口座に購入資金が入っている必要があります。前受金が不要な会社もありますが、その場合でも当選後の購入申込までに入金が必要です。口座開設には数日から1週間ほどかかることもあるため、新しい口座を作るなら早めに手続きを始めましょう。
IPOに慣れていないうちは、まず1社か2社に絞って申し込みの流れを体験してみるのもおすすめです。一度手順を覚えてしまえば、次からはぐっとスムーズに申し込めるようになります。当選のチャンスを広げたいなら、主幹事と1人1票のネット証券を組み合わせるのが基本です。
ここまでで、HiJoJo Partners IPOの日程と規模の全体像が見えてきたと思います。次の章では、この会社がどのような仕組みで利益を生み出しているのか、事業の中身をくわしく見ていきましょう。
第2章:HiJoJo Partners IPOの事業内容|非上場ユニコーン投資の仕組み
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「ファンドを組成して販売する会社」と聞いても、具体的にどんな仕事なのかピンとこない方も多いと思います。けれども、事業の仕組みを理解しておくと、業績の数字や株価の動きがぐっと読みやすくなります。
結論から言うと、HiJoJo Partnersは個人では買えない海外の有力な非上場株を、ファンドという器を通じて日本の投資家に届ける会社です。この章では、そのビジネスの特徴を3つの視点から整理していきます。
1ファンド1銘柄のクローズドエンド型
HiJoJo Partnersは、国内外のユニコーン企業を中心に、ミドルステージからレイターステージの非上場企業へ投資するファンドを組成し、運用しています。主な投資先は、評価額が100億米ドル以上の非上場企業、いわゆる「トップディール」です。これまでにSpaceXやOpenAIといった世界的な注目企業を投資対象としたファンドを扱ってきました。
特徴的なのは、原則として1つのファンドで1つの銘柄に投資する「1ファンド1銘柄」の形をとっている点です。投資家は「この会社に投資したい」と選んで出資できるため、何に投資しているのかがわかりやすい仕組みになっています。
また、ファンドは途中で自由に解約できないクローズドエンド型が中心です。投資先が上場したり株式が売却されたりするまで、長い期間お金を預けておくことになります。海外のベンチャーキャピタル約45社や非上場株の専門ブローカー約30社とのつながり、Nasdaq Private Marketとの提携が、こうした案件を仕入れる力の源になっています。
対面とネットの2つの販売チャネル
ファンドの販売には、対面とインターネットの2つのチャネルがあります。対面では主に金融資産1億円以上の富裕層を、インターネットでは主に金融資産3,000万円以上の投資家を対象にしています。
2026年9月末時点の累計顧客数は、対面が1,418名、インターネットが9,735名で、会員数は合計11,153名まで増えました。ファンドの累計契約総額は751億円に達しており、着実に顧客の裾野を広げていることがわかります。
数字で見ると、顧客の約9割がインターネット経由です。ネット経由の顧客が多いことは、少ない人員で効率よく販売できるという強みにつながります。対面チャネルでは、1人あたりの出資額が大きい富裕層との長いお付き合いを通じて、大型ファンドの募集を支える役割を担っています。一方で、対象となるのはある程度の資産を持つ投資家に限られるため、市場の雰囲気が冷え込むと新しい資金が集まりにくくなる可能性もあります。
手数料と成功報酬で稼ぐ収益モデル
収益は手数料が中心で、大きく3つに分かれます。仕組みを表で確認してみましょう。
| 収益の種類 | 目安 | 入るタイミング |
|---|---|---|
| 申込手数料 | 出資額の約1.0〜4.4% | ファンド募集時 |
| 運用報酬など | 年約1.1〜2.8% | 運用期間中に継続 |
| 成功報酬 | 利益部分の約22% | 投資先の売却・上場時 |
申込手数料と運用報酬は、ファンドを売れば売るほど安定して積み上がる収益です。これに対して成功報酬は、投資先の株を売却して利益が出たときにまとめて入ってくる収益で、金額が大きいぶん時期が読みにくいという特徴があります。
2026年6月末時点で、運用中ファンドの契約総額は約462億円、まだ実現していない成功報酬は約154億円あるとされています。未実現の成功報酬は、将来の利益の「種」と言えますが、実際に利益として計上されるかどうかは投資先の上場や売却しだいです。
身近な例でたとえるなら、毎月の家賃収入に加えて、物件を売ったときにまとまった売却益が入る不動産オーナーに近いイメージです。家賃にあたる手数料で土台を固め、売却益にあたる成功報酬で大きく伸びる、という二段構えの収益構造になっています。
この収益モデルの強みは、ファンドの数が増えるほど運用報酬が積み上がり、土台となる収入が年々厚くなっていく点です。新しいファンドを組成するたびに申込手数料が入り、そのファンドが運用され続けるかぎり運用報酬も入り続けます。
一方で、投資先の企業価値が下がったり、上場の時期が延びたりすると、成功報酬の見通しは大きく変わります。さらに、米国子会社が未上場株を先に保有してからファンドに組み入れる仕組みについては、評価損が出るリスクや、会社と投資家の利益がぶつかる可能性も指摘されています。
また、海外の有力案件を仕入れる力は、創業者の人脈や外部パートナーとの関係に支えられている部分が大きいとされています。強みであると同時に、特定の人や関係に頼っているリスクでもあると、両面から理解しておきたいところです。
この仕組みを頭に入れておくと、次の章で見る業績の大きな上下動にも納得がいくはずです。続いて、実際の数字を確認していきましょう。
第3章:HiJoJo Partners IPOの業績推移と今後の成長性
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IPO銘柄を評価するとき、多くの人がまず気にするのが「この会社はちゃんと稼げているのか」という点です。とくにグロース市場の銘柄は、赤字のまま上場するケースも珍しくないため、業績の流れを確認しておくことは欠かせません。
HiJoJo Partnersの業績は、ここ数年で大きく変化しています。この章では、過去5期の推移と今期の会社予想、そして数字を見るうえでの注意点を整理していきます。
赤字から大幅黒字へのV字回復
まずは、過去5期の売上高と経常利益の推移を表で確認してみましょう。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 |
|---|---|---|
| 2021年10月期 | 約9.1億円 | 約4.4億円 |
| 2022年10月期 | 約6.5億円 | 約0.5億円 |
| 2023年10月期 | 約3.9億円 | 約2.5億円の赤字 |
| 2024年10月期 | 約6.7億円 | 約0.06億円 |
| 2025年10月期 | 約17.6億円 | 約6.9億円 |
2021年10月期は好調だったものの、その後は2期連続で売上が減り、2023年10月期には経常赤字に転落しました。世界的に金利が上がり、スタートアップ投資の熱が冷めた時期と重なっています。
非上場株への投資は、市場の雰囲気に大きく左右されます。投資家がリスクを避ける時期には新しいファンドの募集が集まりにくくなり、投資先の上場や売却も先送りされがちです。この時期の落ち込みは、同社のビジネスが景気や金融環境の影響を受けやすいことを示しています。
その後、生成AIブームなどで海外の有力スタートアップへの注目が再び高まると、同社の業績も息を吹き返しました。市場の追い風を受けやすいビジネスだと理解しておくと、今後の数字の動きも読みやすくなります。
そこから2024年10月期に黒字へ戻り、2025年10月期には売上高が前期比161.6%増の約17.6億円、経常利益が約6.9億円と大きく伸びました。12本のファンドで合計約89億円の新規募集があったことと、約8.5億円の成功報酬を計上したことが、増収増益の主な理由です。
2026年10月期の会社予想と高い利益率
勢いは今期も続いています。2026年10月期の第3四半期累計(連結)では、売上高が約29.0億円、営業利益が約16.8億円となり、すでに前期1年分を大きく上回りました。この中には「Spaceファンド2」から計上した約20.2億円の売上が含まれています。
会社が示している通期予想は、売上高34.9億円、営業利益18.4億円です。営業利益率は52.8%と、売上の半分以上が利益として残る計算になります。ファンドを販売して手数料を得るビジネスは、工場や在庫を持たないため、売上が伸びると利益も大きく伸びやすいのです。
中長期の目標としては、2028年10月期に運用資産残高1,500億円以上を掲げています。米国での投資事業の拡大や、非上場株式の仲介事業、ベンチャー投資法人の運用など、収益の柱を増やす取り組みも進めているところです。
運用資産残高が増えれば、それに比例して運用報酬も増えていきます。2026年6月末時点の運用中ファンドの契約総額が約462億円であることを考えると、1,500億円という目標は3倍以上の規模です。達成に向けた進み具合は、上場後の決算発表で毎回チェックしたいポイントになります。
また、純資産は2025年10月期末の約21億円から、2026年4月の中間期末には約43億円まで増えました。上場で新たに資金を調達すれば、財務の土台はさらに厚くなります。なお、これまで配当の実績はなく、当面は成長のための投資を優先する方針です。配当を目当てに長く持ちたい方は、この点も覚えておきましょう。
成功報酬に左右される収益の波
ここがポイント
今期の好業績は、SpaceX関連のファンドなど特定の案件による成功報酬や売上が大きく貢献しています。同じような大型案件が毎年続くとは限らないため、「今期の利益がそのまま毎年続く」と考えないことが大切です。
成功報酬は、投資先が上場したり株式を売却できたりしたタイミングでまとめて入ってきます。つまり、投資先の動きしだいで、ある年は大きく利益が出て、次の年は落ち込むということが起こりえます。実際、2021年から2023年にかけての落ち込みは、この波の大きさを物語っています。
さらに、同社は2027年10月期以降、期初に業績予想を開示しない方針を示しています。投資家にとっては先の見通しが立てにくくなるため、株価が決算ごとに大きく動く可能性も考えておきたいところです。
たとえるなら、毎月の給料に加えて、年によって金額が大きく変わるボーナスがある働き方に似ています。ボーナスが多かった年の年収だけを見て「来年も同じだ」と考えるのは危険ですよね。業績を見るときは、安定した手数料収入と、波のある成功報酬を分けて考えることが、冷静な判断への近道です。
業績の伸びは魅力的ですが、株価を決めるのは業績だけではありません。次の章では、株主構成や需給といった「売り買いのバランス」に目を向けていきましょう。
第4章:HiJoJo Partners IPOの大株主とロックアップ・需給
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「業績はいいのに、上場したら初値が伸びなかった」という経験をしたことがある方もいるかもしれません。その原因の多くは、上場直後に売りたい人と買いたい人のバランス、つまり需給にあります。
IPOの初値を考えるうえで、需給は業績と同じくらい大切な要素です。この章では、HiJoJo Partnersの株主構成、ロックアップ、当選本数の3つの視点から、上場日の売り圧力を読み解いていきます。
創業者が約4割を持つ株主構成
上場前の株主構成を見ると、代表取締役のメンザス・スピリドン氏が約40.30%を保有する筆頭株主です。主な株主を表にまとめました。
| 株主名 | 保有比率 | 立場 |
|---|---|---|
| メンザス・スピリドン | 40.30% | 代表取締役 |
| 濱田 智彦 | 8.64% | 個人株主 |
| 杉浦 英和 | 8.64% | 個人株主 |
| クレディセゾン | 4.92% | 事業会社 |
| 秋山 典文 | 4.80% | 代表取締役 |
| みずほ証券 | 3.00% | 証券会社 |
このほか、エムティーアイ、Finatextホールディングス、谷家衛氏がそれぞれ約2.46%、SBI Ventures Twoなどが約1.12%を保有しています。経営陣が大きな割合を持っていることは、会社の成長と株主の利益が同じ方向を向きやすいという安心材料になります。
クレディセゾンやエムティーアイ、Finatextホールディングスといった事業会社が株主に名を連ねている点も特徴です。金融やITの分野で事業を展開する企業との関係は、今後の販売チャネルの拡大や新しいサービスづくりにつながる可能性があります。
一方で、上場時には既存株主による売り出しも予定されています。売出株数は約360万株で、公開株数の一部は既存株主が保有株を手放す形です。公募比率は60.0%とされており、調達したお金の多くが会社の成長資金に回る構成になっています。
ロックアップとVC保有比率
ロックアップとは、上場後の一定期間、大株主が株を売らないと約束する仕組みです。筆頭株主のメンザス・スピリドン氏には360日のロックアップがかかっており、長い期間にわたって大量の売りが出にくい形になっています。
一方で、Finatextホールディングスやエムティーアイなど一部の株主には「180日、または株価が公開価格の1.5倍に達するまで」という条件が付いています。株価が公開価格の1.5倍を超えると、ロックアップが外れて売りが出やすくなる点は覚えておきましょう。
ベンチャーキャピタル(VC)の保有比率は約6.3%と低めです。VCは投資資金を回収するために上場後に売却することが多いので、この比率が低いのは需給面でのプラス材料と言えます。
ロックアップの対象となる株は、既存株主の保有株全体の約8割をカバーしているとされています。上場直後に大株主から大量の売りが出る心配は小さく、初値の段階で気にすべき売り圧力は、主に抽選で当選した投資家の売りだと考えてよさそうです。
ただし、ロックアップが外れる180日後の時期や、株価が1.5倍に達した場面では、売りが増える可能性があります。上場後もしばらく保有を続けるつもりの方は、こうした節目のタイミングをカレンダーにメモしておくと、慌てずに対応できます。
吸収金額と当選本数から見る需給
需給の面で最も気をつけたいのは、吸収金額の大きさです。約55.7億円という規模は、グロース市場のIPOとしては中型からやや大きめに入ります。上場日に市場が買い支えなければならない株の量が多いため、初値が大きく跳ねるには相当な買い注文が必要になります。
また、当選本数がおよそ10万本と多いことから、初値で売って利益を確定したい投資家の売り注文も多く出ると予想されます。なお、最大で約8億円分の親引け(会社が指定した先への割り当て)が予定されており、その分は市場に出回る株がやや減る見込みです。
初心者さんの疑問
「当たりやすいのはうれしいけれど、初値が伸びないなら意味がないのでは?」と感じるかもしれません。大切なのは、当たりやすさと値上がりの期待を分けて考え、自分が納得できる条件かどうかで判断することです。
たとえば、人気のラーメン店でも、席数が10席の店と100席の店では行列の長さが違いますよね。同じくらいおいしくても、席数が多い店は待たずに入れる代わりに、「並んででも食べたい」という熱気は生まれにくくなります。IPOの当選本数も、これとよく似た関係にあります。
需給を読むときは、上場日の市場全体の雰囲気もあわせて見ておくと役立ちます。グロース市場全体が好調な日は大型の案件でも買いが入りやすく、反対に相場が弱い日は、中身のよい銘柄でも売りに押されることがあります。
まとめると、創業者の長期ロックアップと低いVC比率は安心材料、吸収金額の大きさは初値の重しになる要素です。次の章では、こうした材料を踏まえて、各メディアの初値予想と具体的な申し込み戦略を考えていきます。
第5章:HiJoJo Partners IPOの初値予想と申し込み戦略
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ここまで事業、業績、需給と順番に見てきましたが、結局いちばん気になるのは「初値はどうなりそうか」「自分は申し込むべきか」という点ではないでしょうか。
初値予想はあくまで予想であり、誰にも正解はわかりません。それでも、複数の見方を比べて材料を整理しておけば、迷ったときの判断軸になります。この章では、各メディアの予想、直近のIPO結果、そして申し込みの考え方を順番にお伝えします。
各メディアの初値予想を比べる
HiJoJo Partners IPOの初値予想は、メディアによってかなり幅があります。参考記事の「かぶリッジ」では、公開価格の1.0倍以上1.3倍未満となるC評価で、538円〜698円程度という見方が示されています。
別のIPO情報サイトでは、初値を540円〜720円程度と予想しており、小幅な上昇にとどまるという評価が目立ちます。一方で、SpaceXやOpenAIへの投資実績という話題性を重く見て、公開価格から50%程度の上昇を見込む予想もあります。初値期待度を「リスクあり」とするブログもあり、評価は大きく分かれているのが現状です。
予想が分かれる理由は、話題性と高い利益率というプラス材料と、吸収金額の大きさや業績の波というマイナス材料が、同じくらいの重さで並んでいるからです。予想に幅があるときほど、自分で材料を確かめる姿勢が役に立ちます。
11月の直近IPOから読む市場の空気
同じ時期に上場した銘柄の結果も、市場の雰囲気を知る手がかりになります。2026年11月の序盤に上場した銘柄を見ると、11月2日上場のMabGenesisは初値が公開価格の約0.92倍と公開価格を下回りました。
11月4日上場のAllganize Holdingsは約1.07倍、11月5日上場のLTV-Xは約1.23倍で、どちらも公開価格は上回ったものの、大きく跳ねる展開にはなっていません。直近のIPO市場は「堅調だが過熱はしていない」という空気感だと受け取れます。
なお、11月6日上場のestieや11月10日上場のRECEPTIONISTも含め、11月前半はIPOが立て続けに上場しました。このあとも11月には、TOKIUM(11月25日)やジャパンホームシールド(11月30日)など、上場予定の銘柄が続きます。上場が集中する時期は投資家の資金が分散しやすいため、需給がやや緩みやすい点も頭に入れておきましょう。
あわせて、米国でSpaceXやOpenAIの上場をめぐる報道が出ると、関連銘柄として注目が集まる可能性もあります。こうしたニュースは追い風にも逆風にもなりうるため、上場日の直前までニュースをチェックしておくと、判断の精度が高まります。
過去のIPOを振り返っても、同じ業種の上場銘柄の結果や、上場前後の日経平均やグロース市場指数の動きによって、初値が大きく変わることは珍しくありません。上場日が近づいたら、市場全体の流れにも目を配ってみてください。
後悔しないための申し込み判断
最後に、申し込むかどうかを決めるための考え方を整理します。迷ったときは、次のチェックポイントを順番に確認してみてください。
申し込み前のチェックポイント
- 公募割れしても受け入れられる資金で申し込んでいるか
- 公開価格が仮条件の上限560円で決まったかを確認したか
- 上場日に初値で売るのか、保有を続けるのかを決めているか
- 主幹事と1人1票の証券会社に口座を用意しているか
たとえば、5.6万円を用意して申し込み、仮に初値が公開価格の1.2倍になった場合、利益は1万円ほどになります。逆に1割下がれば、5,000円ほどの損失です。このくらいの金額の上下を受け入れられるかどうかを、申し込む前に一度イメージしておくと、当選後に慌てずにすみます。
また、公開価格の決定日である11月12日は大切な判断材料になります。仮条件の上限で決まれば、機関投資家の需要が強かったと考えられます。公開価格が決まったあとの購入申込の段階で、もう一度冷静に考え直すこともできます。
当選したあとに購入を見送る「辞退」は、多くの証券会社でペナルティなく行えます。ただし、一部の証券会社では辞退が続くと次回以降の抽選で不利になる場合もあるため、利用している会社のルールを事前に確認しておきましょう。
初値で売るか、保有を続けるかも、上場日より前に決めておくのがおすすめです。初値で売る場合は「成行」の売り注文を出しておけば、初値がついた時点で売却されます。保有を続けるなら、ロックアップの解除時期や次の決算発表の日程を把握しておくと安心です。
IPO投資で長く結果を残している人は、1回の当選に一喜一憂するのではなく、毎回同じ基準で判断し、申し込みを続けています。自分なりのルールを決めて淡々と続けることが、IPO投資を習慣にするいちばんのコツです。
話題性に流されず、材料を比べて自分で決める。その積み重ねが、次のIPOでも、その次のIPOでも役立つ力になっていきます。
まとめ:HiJoJo Partners IPOは仕組みを理解して申し込もう
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HiJoJo Partners IPOは、SpaceXやOpenAIのような世界的な非上場企業への投資機会を日本の投資家に届けてきた、夢のあるビジネスを持つ会社の上場です。営業利益率52.8%という高い収益力に加え、創業者の長期ロックアップや低いVC比率といった安心材料もそろっています。
その一方で、吸収金額約55.7億円という規模や、成功報酬に左右される業績の波など、気をつけたい点もはっきりしています。だからこそ、話題性だけで飛びつくのではなく、仕組みを理解したうえで申し込むことが大切です。
仮条件の550円〜560円なら、100株あたり約5.6万円から挑戦できます。初めてのIPOにも挑戦しやすい金額です。まずは主幹事や1人1票のネット証券に口座を用意して、11月11日の締め切りまでにブックビルディングへ参加してみましょう。
もちろん、IPOに「絶対」はありません。公募割れの可能性もあります。それでも、受け入れられる金額で申し込み、自分なりのルールで判断を続けていけば、1回の結果に振り回されることはなくなります。経験を重ねるほど、銘柄を見る目は確実に育っていきます。
あなたは今回のHiJoJo Partners IPO、どのような基準で申し込みを決めますか。この記事をきっかけに、あなたらしいIPO投資のルールづくりを始めてみてください。
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