NTT株は今買うべき?配当・AI成長・リスクをやさしく解説

毎月の携帯電話代やインターネット代を払うたびに、「このお金が会社に入るなら、自分も株主になれたらいいのに」と思ったことはありませんか。株を買ってみたいけれど、むずかしそうで、損をするのも怖い。そんな気持ちで検索したあなたに向けて、この記事ではNTT株をできるだけやさしい言葉で解説します。

NTTは電話やインターネットで知られる会社ですが、いまはAIを動かすデータセンターや、光を使った新しい通信技術にも力を入れています。2026年7月時点の予想では、年間の配当金は1株あたり5.4円、配当利回りは約3.6%です。さらに、配当を増やし続けてきた実績もあります。ただし、株は値下がりすることもあり、必ずもうかるものではありません。

この記事は、投資の経験がない学生さんや社会人の方にも読みやすいように書きました。むずかしい専門用語には、そのつどやさしい説明を添えています。

そこでこの記事では、良い点だけでなく注意点も正直に伝えます。読み終えるころには、NTT株を買うか見送るかを、自分の言葉で説明できるはずです。まず仕組みを知ることが、損を減らす最初の一歩です。それでは、一緒に見ていきましょう。

この記事でわかること
  • 配当と株価の動きを、お金の感覚で理解するコツ
  • 「安定」と「成長」を両方ねらう会社の見分け方
  • 買う前に知っておきたい、負けにくくする心がまえ
  • 少額から無理なく続けるための、最初の一歩の踏み出し方

目次

第1章:NTT株とはどんな株?身近な会社が投資先になる理由

夜の東京の街並みを空から見た写真。通信インフラを支えるNTTのイメージ
出典:Unsplash(Photo by Laurentiu Morariu)

NTTという名前は、きっと一度は聞いたことがあるはずです。固定電話、光回線、スマホの通信など、私たちの毎日の暮らしにとても近い会社だからです。身近な会社だからこそ、「株を始めるなら、まず知っている会社から」と考える人が増えています。この章では、NTT株の土台になるNTTという会社のしくみを、中学生でも読めるように整理します。

NTTという会社は何をしているのか

NTTは、日本電信電話という会社を中心にした大きなグループです。スマホのドコモ、光回線のNTT東日本とNTT西日本、システムづくりのNTTデータなど、たくさんの会社が集まっています。つまりNTT株を買うことは、これらの事業をまとめて応援することにつながります。

では、どれくらい大きな会社なのでしょうか。2025年度の営業収益は約14兆4,091億円で、過去最高を更新しました。営業収益とは、会社が1年間に集めたお金、いわゆる売上のことです。営業利益は約1兆7,062億円で、本業でもうけたお金を表します。営業利益を営業収益で割ると約11.8%になるので、100円の売上のうち約12円が本業のもうけになる計算です。

項目2025年度の数字やさしい意味
営業収益約14兆4,091億円1年間の売上です。前の年より約5.1%増えました
営業利益約1兆7,062億円本業でもうけたお金です。前の年より約3.4%増えました
当期利益約1兆370億円最終的に会社に残ったお金です。約3.7%増えました
2026年度の純利益予想約9,800億円約5%の減少予想です。利息などの費用が増えるためです

※2026年5月8日のNTT決算発表をもとにした報道の数字です。四捨五入しています。

14兆円と言われても、ピンとこないかもしれません。そこで、日本の人口を約1億2千万人として割ってみると、1人あたり約12万円になります。日本中の人が、1年間にNTTグループへ平均12万円ほど支払っているようなイメージです。実際には海外の売上も含まれるので、あくまで大きさをつかむための目安の計算です。

大きな売上と利益があることは、会社が安定して続いていく力の目安になります。ただし、2026年度は利益が少し減る予想も出ています。良い数字だけでなく、こうした予想も一緒に見ておくことが大切です。

携帯料金を払う側から、株主として受け取る側へ

私たちが毎月払う通信料金は、めぐりめぐって会社の売上になります。たとえば、家族のスマホ代と家のネット代で、月に1万円ほど払っている家庭を考えてみましょう。1年で12万円、10年では120万円です。もしその会社の株主になれば、ただ払うだけの立場から、配当金という形でお金の一部を受け取る立場にもなれます。これが「身近な会社の株を持つ楽しさ」です。

株を持つと、会社の小さな持ち主になります。持ち主には、配当金を受け取る権利や、株主総会で意見を表す権利があります。NTTには、100株以上を持つ株主向けに、dポイントがもらえる株主優待もあります。ただし、条件は変わることがあるので、買う前に必ず公式サイトで確かめてください。

ここがポイント
株主になるというのは、「その会社の小さなオーナーになること」です。会社が成長すれば、その成果を配当などで分けてもらえます。反対に、会社が苦しいときは株価が下がることもあります。うれしいことも困ることも、会社と一緒に分け合うイメージです。

身近な例をもうひとつ挙げます。駅前のコンビニが好きで、毎日のように通っているとします。もしそのお店の会社の株を持っていれば、新商品が出たときやお店が増えたときに、「自分もこの会社の一員だ」と感じられるでしょう。NTT株も同じで、ニュースで通信やAIの話題を見るたびに、自分のこととして関心を持てるようになります。この「関心が続くこと」が、長く投資を続けるための大きな力になります。

株価が安く見える理由は株式分割

NTT株の値段は、2026年の春から夏にかけて、1株あたり約144円から154円のあいだで動いていました。「そんなに安いの?」と驚いた人もいるでしょう。これは2023年に、1株を25株に分ける株式分割が行われたからです。分けただけなので、会社の価値そのものは変わりません。8切れのピザを16切れに切り直しても、ピザ全体の大きさが同じなのと同じ考え方です。

株価が安いことと、割安であることは別の話です。割安かどうかは、PERやPBRといった目安で見ます。2026年7月上旬の時点で、予想PERは約12.4倍、PBRは約1.25倍でした。PERは「利益の何年分で株価に追いつくか」、PBRは「会社の持ち物の値段と比べて株価が何倍か」を表す数字です。数字だけで決めず、会社の中身も見ていきましょう。

株価が約150円なら、100株でもおよそ1万5千円で買えます。お年玉やアルバイト代をこつこつためた人が、保護者と相談しながら最初の1歩を踏み出す金額としても、現実的な大きさです。買いやすいことは、NTT株の大きな長所のひとつです。

ここまでで、NTTが大きな会社で、株も少額から買えることがわかりました。次の章では、NTT株の一番の魅力ともいわれる配当金について、実際の数字を使いながらくわしく見ていきます。

第2章:NTT株の配当はどれくらい?増配の歴史と利回りの見方

コインの上から小さな緑の芽が育っている写真。配当でお金が育つイメージ
出典:Unsplash(Photo by micheile henderson)

この章のテーマは配当金です。配当金とは、会社がもうけの一部を株主に分けてくれるお金のことです。NTT株を調べると、必ずと言っていいほど「配当」という言葉が出てきます。それだけ多くの人が配当に注目しているのです。むずかしそうに見えても、計算は割り算とかけ算だけでできます。一緒にやってみましょう。

配当利回りは割り算でわかる

配当利回りは、「1年間にもらえる配当÷株価×100」で求めます。NTTの2026年度の配当予想は、1株あたり5.4円です。中間配当が2.70円、期末配当が2.70円の合計になります。株価が150円なら、5.4÷150=0.036となり、配当利回りは約3.6%です。2026年7月上旬の予想利回りが3.62%だったので、ほぼ同じ結果になりました。

100万円分を買った場合で考えてみましょう。150円で買える株数は約6,666株です。年間の配当は5.4円×6,666株で約3万6千円になります。そこから税金が引かれ、手元に残るのは約2万8,700円です。月に直すと、毎月約2,400円。スマホ代の一部を取り戻せるくらいの金額です。

項目金額の目安計算のしかた
買える株数約6,666株100万円÷150円
年間の配当(税引前)約3万6千円5.4円×6,666株
年間の配当(税引後)約2万8,700円約20.315%の税金を引いた金額
1か月あたり約2,400円税引後の金額÷12か月
利回りだけで選ばないでください
株価が下がると、利回りは見かけ上高くなります。たとえば株価が120円まで下がれば、5.4÷120で利回りは4.5%に上がります。でも、それは株価が下がったからで、うれしいことではありません。利回りの数字だけでなく、なぜその数字になったのかを見ましょう。

配当は、会社の方針と業績で決まります。会社の利益が大きく減れば、配当が減ることもあります。配当は「約束された利息」ではなく、「会社からのおすそ分け」と考えておくと、ちょうどよい距離感で付き合えます。

増配が続くことには意味がある

増配とは、配当金の金額を前の年より増やすことです。NTTは、2026年度の予想どおりに配当を増やせば、16期連続の増配になります。会社が「来年も払える」と自信を持っているサインとして、多くの投資家が注目しています。

年度(3月期)1株あたりの年間配当前の年との差
2022年4.6円-
2023年4.8円+0.2円
2024年5.1円+0.3円
2025年5.2円+0.1円
2026年5.3円+0.1円
2027年(予想)5.4円+0.1円

※株式分割の影響を調整した数字です。出典:株予報などの公開データ。

2022年の4.6円から2027年の予想5.4円まで、5年で0.8円、率にして約17%増えました。ひとつひとつの増加は小さく見えますが、少しずつでも毎年増えていることが大切です。

もうひとつ見たいのが配当性向です。これは、利益のうち何%を配当に回しているかを表します。NTTは2026年3月期で42.0%でした。100円もうけたら、約42円を株主に分け、残りの約58円を設備投資や借金の返済などに使う、というイメージです。同じ通信業界の会社と比べてみましょう。

会社予想配当利回り前期の配当性向
NTT3.62%42.0%
KDDI2.99%43.6%
ソフトバンク4.10%75.8%

※2026年7月上旬時点の公開データ。株価の変動で利回りは変わります。

ソフトバンクは利回りが高い一方、利益の75.8%を配当に回しています。配当性向が高すぎると、業績が悪くなったときに配当を続けにくくなります。NTTは利益に余裕を残しながら配当を出している点が特徴です。

配当金の受け取り方と税金

NTTの配当は年2回で、権利が決まる日は3月末と9月末ごろです。その日に株を持っていることが条件になります。実際にお金が入るのは少し先で、9月末の分は12月ごろ、3月末の分は6月ごろに受け取ります。

配当金には、通常20.315%の税金がかかります。100株を持つ場合、年間の配当は540円で、税金を引くと約430円です。1,000株、つまり約15万円分を持つ場合は、年5,400円の配当で、税引後は約4,300円になります。少なく感じるかもしれませんが、15万円を元手にして、毎年映画を2回見に行けるくらいの「ごほうび」が続くと考えると、イメージしやすいでしょう。

ここで注意したいのが、権利が決まる日の当日に買っても間に合わないことです。株の売買は、注文した日から2営業日あとに受け渡しが終わるしくみです。そのため、権利付き最終日までに買う必要があります。権利付き最終日は「権利が決まる日の2営業日前」と覚えておくと便利です。カレンダーで日にちを確かめてから注文しましょう。

なお、NISA口座を使うと配当金への税金がかからなくなります。くわしくは第5章で説明します。配当は魅力的ですが、配当だけで株を選ぶのは少し不安です。次の章では、NTTがこれから成長するための力、AIと新しい通信技術について見ていきましょう。

第3章:NTT株が成長を狙える理由はAIインフラとIOWN

光ファイバーケーブルが整然とつながった写真。光で通信するIOWNのイメージ
出典:Unsplash(Photo by Albert Stoynov)

配当が魅力でも、会社が成長しなければ株の価値は大きく伸びません。そこで注目されているのが、AIの広がりです。ChatGPTのような生成AIが使われるほど、世界中でデータを処理する力と、データを運ぶ通信の力が必要になります。NTTは、この両方を持つ会社です。この章では、むずかしい言葉をできるだけかみくだいて説明します。

AIが増えるとデータセンターが必要になる

データセンターとは、たくさんのコンピューターを並べた巨大な建物のことです。AIに質問すると、その答えはこうした建物の中のコンピューターが計算してくれています。AIを使う人が増えるほど、データセンターも増やさなければなりません。総務省の資料では、世界のAI市場は2031年に約1,005億ドルへ育ち、2024年の約5倍になると見込まれています。

NTTは2026年4月、国内のデータセンターの容量を、2033年度までに今の3倍をこえる約1ギガワットへ広げる計画を発表しました。さらに、完成した施設を不動産投資信託、いわゆるREITに売って、先に使ったお金を早く取り戻す工夫もしています。たとえるなら、新しいお店を建てたあと、建物を売って資金を回収し、そのお金で次のお店を建てていくやり方です。借金を増やしすぎずに、次の投資へ進めるしくみです。

AIを使う人が増えると、電気も足りなくなります。そのため、データセンターは「どこに建てるか」と「電気をどう使うか」がとても大事になります。電気を少なく使える通信の技術は、それだけで価値のある商品になりえます。

たとえ話でわかる
データセンターは「コンピューターの大きな倉庫」です。AIが料理人だとすると、データセンターは大きな厨房にあたります。注文が増えるほど、厨房を広げる必要があります。

光で通信するIOWNとは

IOWN(アイオン)は、NTTが進めている次世代の通信技術です。名前は、Innovative Optical and Wireless Networkの頭文字から来ています。いまのインターネットは、途中で光を電気の信号に変えて処理する場面が多く、そのときに熱が出て、たくさんの電力を使います。IOWNは、できるだけ電気に変えず、光のまま運ぶことで、速くて電気の使い方が少ない通信をめざしています。

水の流れでたとえてみましょう。細い管にポンプで水を無理に押し込むと、力も熱も必要です。太くてなめらかな管なら、少ない力で水が流れます。IOWNは、データを運ぶための「太くてなめらかな管」を光でつくる技術だと考えると、イメージしやすいはずです。

技術どんなもの?目標や特徴
光電融合スイッチデータセンター内の機器をつなぐ装置です毎秒102.4テラビットの大容量で、スイッチ単体の消費電力を約50%減らすといわれています
IOWN 2.0機器の中の基板どうしも光でつなぐ技術です消費電力を現在の約8分の1にすることをめざしています
次の段階チップとチップの間、さらにチップの中も光でつなぎます2028年ごろと2032年ごろの実用化が目標とされています

※NTTの発表や報道にもとづく目標で、将来の成功を約束するものではありません。

IOWNは、すでに実際の場面で試されています。大阪・関西万博では、パビリオンで撮影したデータを遠くの施設へ送って処理する実演が行われました。また、福岡と東京をつないで、AIデータセンターを離れた場所から使う実験も行われています。研究室の中だけの話ではなく、少しずつ使われ始めている点は、安心できる材料のひとつです。

NTTは、アメリカの半導体大手ブロードコムなどと協力して、2026年度末に商用サンプルの提供を始める方針です。世界のAI企業がもっとも困っているのは、電気代と電力不足です。そこに応えられる技術を持てれば、大きな強みになります。

稼ぐ力と自社株買いが下支えになる

新しい技術を育てるには、お金と時間がかかります。そのため、今すでにしっかり稼げているかどうかが重要です。前の章で見たとおり、NTTの2025年度の営業収益は過去最高でした。今の稼ぐ力があるから、未来への投資ができるという流れが大切です。

さらにNTTは、2026年5月に、最大2,000億円の自社株買いを発表しました。期間は2026年5月11日から2027年3月31日までで、上限は14億株、発行済みの株数の約1.72%です。自社株買いとは、会社が自分の株を市場から買い戻すことです。株の数が減るので、1株あたりの価値が上がりやすくなります。ピザが同じ大きさのまま、持ち主の人数が減れば、1人分が大きくなるのと同じ考え方です。

自社株買いは、株価が下がったときのクッションになることがありますが、株価が必ず上がるという意味ではありません。また、AIインフラへの投資は、先に大きなお金が出ていく分、利益が出るまで時間がかかることもあります。成長への期待と、すぐには結果が出ないという現実の両方を、頭に入れておきましょう。

ここまで、良い面を中心に見てきました。次の章では、NTT株を持つときに知っておきたい不安な点、つまりリスクを正直に見ていきます。リスクを知っておくことで、買う前も買ったあとも、気持ちがずっと楽になります。

第4章:NTT株のリスクと注意点を知れば怖さは小さくなる

上がったり下がったりする株価チャートのイメージ写真
出典:Unsplash(Photo by Arturo Añez)

株には、必ずもうかる方法はありません。NTT株も同じです。ここまで良い点を見てきましたが、この章では「こんなことが起こるかもしれない」という注意点を、正直にお伝えします。リスクとは、危ないという意味だけでなく、「結果がぶれる可能性」のことです。ぶれ幅を知っておけば、いざというときも落ち着いて行動できます。

国内通信の競争と利益のブレ

日本のスマホは、ほとんどの人がすでに持っています。そのため、新しいお客さんを増やして大きく伸ばすのはむずかしい段階です。各社が料金やサービスで競い合うと、お客さんを集めるための費用がふくらみ、利益が減ることがあります。NTTも、携帯電話事業で販売促進費などが増え、一時的に利益が下がった時期がありました。

実際に、2026年度の純利益は約9,800億円と、前の年より約5%の減少が予想されています。株価も動きます。2026年4月15日に154円だった株価は、7月14日には150円になり、約2.6%下がりました。6月25日には143.8円という日もありました。配当が多くても、株価が下がれば合計では損になることがあるという点は、いつも覚えておきましょう。

身近な場面を思い出してみましょう。スマホを乗り換えるとき、ポイントや割引のキャンペーンが目に入りますよね。会社は、お客さんを引き止めるために、同じようなサービスを用意しなければなりません。キャンペーンが増えるほど、会社が使うお金は増え、その分だけ利益は小さくなります。NTTの携帯事業でも、他社からの乗り換えが増えて持ち直しの兆しが見えるという指摘がありますが、競争が続くことには変わりありません。

借入金と金利の影響

通信の会社は、設備に大きなお金がかかるため、借入金も大きくなりやすい特徴があります。2026年7月時点のNTTの自己資本比率は約20.8%でした。数字だけで良い悪いは決められませんが、借入に頼る部分が小さくないことは知っておきたいポイントです。

日本では金利が上がってきました。日本銀行の政策金利は2026年10月28日時点で1.25%になり、10年国債の利回りも2026年9月に約3.0%まで上がりました。金利が上がると、借りているお金の利息が増えます。NTTの2026年度の純利益が減る予想になっている理由のひとつも、利息などの費用の増加です。さらに、大きな会社の買収も進めており、その負担も見ておく必要があります。

借入金は、悪いものとは限りません。家を買うときのローンのように、将来の収入を見こして使うお金だからです。大切なのは、返せるだけの稼ぐ力があるかどうかです。NTTは営業利益が1兆円をこえる規模で稼いでいますが、利息が増え続ければ、その余裕は少しずつ小さくなります。だから、決算のたびに数字を確かめる習慣が役に立ちます。

チェックしたい数字
決算が出るたびに、売上や利益だけでなく、利息の負担、借入金の大きさ、配当性向の3つを見てみましょう。毎回この3つを見るだけで、会社の体力の変化に気づきやすくなります。

株価が下がったときの心がまえ

具体的に考えてみましょう。1株150円で100株、合計1万5千円を買ったとします。株価が2割下がって120円になると、評価額は1万2千円、つまり3千円の含み損です。含み損とは、まだ売っていないけれど、今売ったら出てしまう損のことです。年間の配当が約540円なので、3千円は配当の約5.6年分にあたります。

だからこそ、あらかじめ3つの約束をしておくと安心です。1つ目は、生活費や緊急用のお金には手をつけず、使う予定のない余裕資金で買うこと。2つ目は、一度に全部買わず、時期を分けて少しずつ買うこと。3つ目は、「いくらまで下がったら、もう一度考え直すか」を先に決めておくことです。

もうひとつ大切なのが、1つの会社にお金を全部入れないことです。たとえば、投資に使える10万円のすべてをNTT株にするのではなく、投資信託など別の資産にも分けておけば、NTTの株価が下がったときの影響を小さくできます。「卵はひとつのカゴに盛るな」という昔からの言葉は、こうした考え方を表しています。

リスク起こるかもしれないこと備え方
株価の下落買った値段より安くなり、元本が減ります余裕資金で買い、時期を分けて買います
配当の減少増配が止まったり、配当が減ったりします決算で利益と配当性向を確認します
金利の上昇利息の負担が増え、利益が減ります借入金や利息の推移を見ます
競争の激化通信事業の利益がのびにくくなります携帯事業の数字とあわせて確認します

リスクがあるから投資をやめる、ではなく、リスクを知って小さく始めるのが賢い進め方です。次の章では、実際にNTT株を買うための手順と、無理なく続けるコツを紹介します。なお、この記事は情報提供のためのもので、買うことをすすめるものではありません。最終的な判断は、ご自身でお願いします。

第5章:NTT株の買い方と続けるコツをステップで紹介

電卓とノートを机に置いてお金の計画を立てている写真
出典:Unsplash(Photo by Jakub Żerdzicki)

ここまで読んで、「NTT株を少し試してみたい」と感じた人もいるでしょう。でも、実際にどうやって買うのかは、意外とわからないものです。この章では、口座づくりから買い方、そして続けるコツまでを順番に説明します。むずかしい作業はありません。ひとつずつ進めれば大丈夫です。

少額から買う手順

NTT株を買うには、まず証券会社で口座を開く必要があります。口座を開いたら、お金を入れて、銘柄コード「9432」で検索します。NTTは100株が1つの単位なので、株価が150円前後なら、約1万5千円から買えます。さらに少ない金額で試したいときは、1株から買える単元未満株のサービスを用意している証券会社もあります。

  1. 証券会社で口座を開きます。本人確認書類を用意します
  2. 口座にお金を入れます。まずは余裕資金の範囲で十分です
  3. 銘柄コード9432で、NTTを検索します
  4. 買う株数と注文方法を決めます。値段を指定する指値注文なら、思わぬ高値を避けられます
  5. 注文して、約定したら完了です。保有株数を画面で確認します

東京証券取引所の取引時間は、平日の9時から11時30分と、12時30分から15時30分です。仕事や学校がある人は、時間を気にしなくてよい指値注文が便利です。たとえば150円で買いたいなら、150円の指値を入れておきます。株価が152円のままなら買えずに終わることもありますが、思わぬ高い値段で買ってしまう心配はありません。

最初の1回は、少なめの金額で「買う体験」をするだけでも十分です。画面の見方、注文の流れ、配当のお知らせの届き方など、実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。

手数料は証券会社によって違います。買う前に、取引手数料や単元未満株のルールを比べておきましょう。また、18歳未満の人は、保護者の口座を通して行うなど、条件が異なります。必ず保護者の人と相談してください。

NISAを使うと配当が非課税になる

NISAは、投資で得た利益や配当金にかかる税金が、決まった範囲で非課税になる制度です。NTT株のような個別の株は、成長投資枠で買えます。成長投資枠の年間の上限は240万円です。NISA口座で買えば、配当金にかかる約20.315%の税金がなくなります。

口座の種類100株の年間配当(税引前)手元に残る目安
特定口座などの課税口座540円約430円
NISA口座540円540円

※配当金の受け取り方法で、株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。くわしくは利用する証券会社で確認してください。

NISAには、成長投資枠のほかに、投資信託を積み立てるつみたて投資枠もあります。NTTのような個別の株は成長投資枠、投資信託はつみたて投資枠、と使い分けます。どちらを使うかで買えるものが違うので、自分の目的にあわせて選びましょう。

差は年に約110円でも、株数が増えれば差も大きくなります。非課税のしくみは、長く続けるほど味方になるので、始める前に、NISA口座を開くかどうかを考えてみましょう。ただし、NISAで出た損は、他の利益と合計して税金を計算する損益通算ができません。この点も覚えておいてください。

配当を再投資して習慣にする

続けるコツは、「仕組みにしてしまうこと」です。たとえば、毎月1万円、つまり年に12万円をNTT株に積み立てると仮定します。配当の利回りを3.6%、株価は変わらず、受け取った配当はそのまま再投資し、税金は考えない、という条件で計算してみます。10年後の評価額は約141万円で、積み立てた元本120万円に対して、約21万円の差が生まれます。

計算の前提
株価が一定で、配当を毎年全額再投資した場合の単純な試算です。実際には、株価の上下、配当の変更、税金、手数料で結果は変わります。「続けると配当が配当を生む」という複利の考え方をつかむための例として読んでください。

もし株価が上がっていれば評価額はさらに増え、下がっていれば減ります。毎月同じ金額で買うと、株価が高いときは少なく、安いときは多く買うことになり、平均の買値がならされやすくなります。これを時間を分けて買う「時間分散」と呼びます。

  • 給料日やおこづかい日の翌日に、決まった金額を買います
  • 年4回の決算のあと、売上、利益、配当の3つをメモに残します
  • 年に1回、買った理由が今も当てはまるかを見直します

毎月、給料日の翌日に買うなど、日にちを決めておくと習慣になります。また、年4回の決算の時期に、売上、利益、配当の3つをメモしておきましょう。数字を記録しておくと、株価が下がったときも、会社の中身が変わったのか、気分で動いているだけなのかを区別できます。

小さな金額で、同じやり方を、長く続ける。これが誰でもできる再現しやすい方法です。次はいよいよまとめです。ここまでの話を整理して、あなたの次の1歩につなげましょう。

まとめ:NTT株は「知って、小さく、長く」で向き合おう

木のテーブルに置かれたピンク色の貯金箱
出典:Unsplash(Photo by Andre Taissin)

ここまで、NTT株について、会社のしくみ、配当、成長の力、リスク、買い方を見てきました。要点は3つです。NTTは売上も利益も大きく、増配を続けてきた会社です。AIとIOWNという新しい成長の種があります。一方で、利益のぶれや金利の影響など、気をつけたい点もあります。

だからこそ、おすすめしたいのは「知って、小さく、長く」という進め方です。まずは銘柄コード9432を調べて、決算の数字を一度だけでも見てみましょう。それだけで、投資の景色が少し変わります。そして、無理のない金額で、1株でも、100株でも、最初の1歩を決めてみてください。

もちろん、不安になる気持ちは自然です。株価が下がる日もあるでしょう。でも、余裕資金で、少しずつ、時期を分けて続ければ、気持ちの負担はずっと軽くなります。完ぺきな買い時を探すより、続けられる仕組みをつくることのほうが大切です。

最後にひとつ、問いかけです。10年後のあなたは、毎月のスマホ代をただ払うだけの人でしょうか。それとも、少しずつ配当を受け取る株主でしょうか。今日、証券口座の比較を5分だけしてみる。それが、未来の自分へのプレゼントになるかもしれません。

参考にした情報(2026年11月4日時点で確認)

  • NTT「自己株式の取得に関するお知らせ」(2026年5月8日)
  • NTT 2025年度決算に関する報道、NTT PR/IR DAYの報道(IOWN・光電融合スイッチ)
  • 株予報(NTTの株価指標・配当履歴・同業比較)
  • 総務省 情報通信白書(世界のAI市場規模の予測)
  • 楽天証券「トウシル」NTTに関する解説記事(データセンター計画などの確認に使用)

この記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。株価や配当は変動します。最新の情報は企業の公式発表や証券会社でご確認のうえ、投資の最終判断はご自身でお願いします。

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