「IPO」という言葉をニュースで見かけて、「自分にも関係あるのかな」と気になったことはありませんか。最近は、アメリカのスペースXが行ったIPOが「史上最大」といわれ、大きな話題になりました。それを見て、「自分もIPOに参加してみたい」と感じた人も多いはずです。でも、いざ調べてみると、上場、公開価格、初値、目論見書など、聞きなれない言葉がたくさん出てきて、手が止まってしまう人も少なくありません。そこでこの記事では、IPOの基本から、SBI証券での申込方法までを、中学生にもわかる言葉でていねいに解説します。むずかしい言葉は、たとえ話を使ってやさしく説明するので、安心して読み進めてください。IPOは、会社がはじめて株を公開するときに、上場前の決まった価格で株を買えるチャンスがある仕組みです。ただし、申し込んでも必ず買えるとは限らず、上場後に株価が下がることもあります。だからこそ、仕組みとリスクの両方を先に知っておくことが大切です。この記事を読み終えるころには、IPOのニュースが自分ごととして理解でき、次のチャンスに落ち着いて備えられるようになります。さあ、一緒に最初の一歩を踏み出しましょう。
この記事でわかること
- 「上場」と「IPO」のちがいを、自分の言葉で説明できるようになります
- 「買えること」と「株価が上がること」は別の話だと気づけます
- 日本と米国のIPOで、手続きや決済がどう変わるかがつかめます
- 申込の前に確かめるべき項目を、迷わず選べるようになります
- 落選しても次につながる仕組みを知り、前向きに続けるヒントが得られます
目次
- 第1章:IPOとは?上場とIPOの意味を中学生にもわかるように解説
- 第2章:IPOの公開価格と初値のちがい|上場後に株価が上がるとは限らない
- 第3章:国内IPOと米国IPOの違いとは?スペースXの例でやさしく解説
- 第4章:IPOに申し込む前に確認したいこと|目論見書・外貨・NISAのポイント
- 第5章:SBI証券でIPOに申し込む方法|国内IPOと米国IPOの手順をやさしく解説
- まとめ:IPOの基本とSBI証券での申込方法を知って、最初の一歩を踏み出そう
第1章:IPOとは?上場とIPOの意味を中学生にもわかるように解説
画像出典:Unsplash(撮影:David Vives)
ニュースで「IPO」や「上場」という言葉を耳にして、「なんだかむずかしそうだな」と感じた経験はありませんか。実は、この2つの言葉は、順番に考えていけば中学生でもしっかり理解できる、やさしい内容です。この章では、専門用語をできるだけ少なくして、IPOの意味をひとつずつ見ていきます。
最近では、アメリカのスペースXという会社がIPOを行い、集まったお金の大きさから「史上最大のIPO」ともいわれて話題になりました。また、AIツール「Claude」を手がけるアンソロピックも、上場に向けた動きが報じられています。IPOのニュースが増えているので、基本を知っておくと、日々のニュースがぐっと身近に感じられるようになります。
先に結論をお伝えします。IPOとは、会社がはじめて上場して、その株式を投資家に向けて公開することです。まずはこの一文だけ覚えておけば大丈夫です。ここからは、この一文を3つに分けて、ていねいに説明していきます。
上場とは会社の株が売買できるようになること
まず「上場」の意味から見ていきます。上場とは、会社の株式を証券取引所で売り買いできるように、証券取引所から資格を認めてもらうことをいいます。たとえるなら、人がたくさん集まる大きな商店街に、自分のお店を出すための「出店の許可」をもらうようなものです。
ただし、すべての会社が上場できるわけではありません。証券取引所が決めた基準をクリアした会社だけが、上場することができます。基準があるので、上場している会社は一定のルールを満たしていると考えられます。
上場すると、これまで会社の関係者など、一部の投資家しか買えなかった会社の株式が、株式市場で広く一般の人にも売り買いされるようになります。つまり、上場は「会社の株が、たくさんの人に開かれる入り口」だといえます。
IPOとは会社がはじめて株を公開すること
次に「IPO」です。IPOは、英語の「Initial Public Offering」の頭文字をとった言葉で、会社がはじめて上場して、その株式を投資家に向けて公開することを指します。ここで大切なのは「はじめて」という部分です。すでに上場している会社が株を売り出す場合とは、少し意味がちがいます。
このとき、会社は2つの方法で、投資家が買える株式を用意します。ひとつは、会社が新しく株式を発行する方法です。もうひとつは、すでに株式を持っている株主が、その株式を売り出す方法です。どちらの場合でも、投資家が買える株式がそろうことで、IPOが成り立ちます。
| 言葉 | 意味 | たとえるなら |
|---|---|---|
| 上場 | 証券取引所から、株式を売買できる資格を認められること | お店を出すための許可をもらうこと |
| IPO | 会社がはじめて上場して、株式を投資家に向けて公開すること | お店のグランドオープン |
| 株式 | 会社の持ち主としての権利を、小さく分けたもの | 会社の一部分の持ち分 |
この表のように、上場は「資格」、IPOは「はじめての公開」と覚えると、頭の中がすっきり整理できます。ニュースで見かけたときも、「この会社はいま、お店を出す準備をしているんだな」と考えれば、イメージしやすくなります。
覚えておきたい3つのポイント
- 上場は、証券取引所から売買できる資格を認められること
- IPOは、会社がはじめて株式を公開すること
- IPOでは、会社が新しく株を発行したり、株主が株を売り出したりして、買える株を用意すること
上場前に株を買えるチャンスがあること
IPOには、もうひとつ大きな特徴があります。それは、上場して市場で売買が始まる前に、株式を先に買える機会があることです。IPOの購入に申し込み、抽選に当選して、決められた手続きをすると、上場前に、あらかじめ決まった価格で株式を購入できます。
この価格を「公開価格」といいます。公開(発行)価格とも呼ばれます。ふつうの株は、買いたい人と売りたい人のバランスで値段が動きますが、公開価格は上場の前に決まっているところが、大きなちがいです。
身近なたとえで考えてみましょう。人気のお店が新しくオープンする前に、抽選で「オープン前の特別販売」に参加できるイメージです。ただし、全員が参加できるわけではなく、抽選に外れる人もいます。また、オープンしたあとにそのお店が人気になるかどうかは、だれにもわかりません。IPOはこの話とよく似ています。
たとえば、ある会社が上場することになり、公開価格が1,000円に決まったとします。申込をして抽選に当選し、所定の手続きをすれば、上場前に1,000円で株式を買える、という流れになります。これは考え方を理解するためのたとえ話で、実際の価格や手続きは案件ごとに異なります。
ここまでで、上場とIPOの意味がつかめてきました。次の章では、IPOでよく勘違いされやすい「公開価格」と「初値」のちがいを見ていきます。この2つを区別できるようになると、IPOのニュースが何倍もよくわかるようになります。
第2章:IPOの公開価格と初値のちがい|上場後に株価が上がるとは限らない
画像出典:Unsplash(撮影:Jakub Żerdzicki)
IPOに当選したと聞くと、「それはラッキー、きっと得をするんだろうな」と思う人が多いかもしれません。うれしい気持ちはとてもよくわかります。でも、お金に関わることだからこそ、ここで一度立ち止まって、しくみを落ち着いて整理しておきましょう。
この章のテーマは、IPOで必ず知っておきたい2つの言葉、「公開価格」と「初値」です。この2つを混ぜて考えてしまうと、思っていた結果とちがって、びっくりしてしまうことがあります。先に知っておけば、冷静に判断できるようになります。
結論から言うと、「公開価格で買えること」と「上場後に株価が上がること」は別の話です。IPOは、買えただけで安心できるものではありません。この章では、その理由を3つのステップで見ていきます。
公開価格と初値の意味をおさえよう
IPOで株式を購入するときの価格を「公開価格」といいます。これは、上場する前に決められた価格です。一方、上場したあと、市場ではじめてついた株価を「初値(はつね)」といいます。
名前が似ているので混ざりやすいのですが、決まるタイミングがちがいます。公開価格は上場の前に決まり、初値は上場の後に、買いたい人と売りたい人のバランスで決まります。そして、初値がついたあとも、株価は毎日のように上がったり下がったりしていきます。
| 言葉 | いつ決まる? | どうやって決まる? |
|---|---|---|
| 公開価格 | 上場の前 | あらかじめ決められた価格で、IPOで買うときの値段 |
| 初値 | 上場の後、はじめて売買が成立したとき | 市場での、買いたい人と売りたい人のバランス |
| その後の株価 | 市場が開いている間、日々 | 買いたい人と売りたい人のバランスで上下に動く |
この3つを並べてみると、公開価格だけが「前もって決まっている」ことがわかります。だからこそ、上場したあとの株価は、公開価格と同じになるとは限りません。
もうひとつ、よくある勘違いがあります。それは、「公開価格は会社が決めた価格だから、安心できる価格のはずだ」という考え方です。公開価格は、あくまで上場前に決まった値段にすぎません。上場後に市場が「この会社の株は、このくらいの値段がちょうどいい」と判断した結果が、初値や、その後の株価にあらわれます。
初値が公開価格を下回ることもある理由
株価は、買いたい人と売りたい人のバランスで変わります。そのため、上場後の株価は、公開価格より高くなることもあれば、安くなることもあります。これが、株式の大切な性質です。
では、どんなときに初値が公開価格を下回るのでしょうか。たとえば、その会社の成長への期待が思ったほど高くなかった場合です。また、公開価格が割高だと受け止められた場合にも、初値が公開価格を下回ることがあります。
初値が公開価格を下回るきっかけの例
- その会社の成長への期待が、あまり高くない
- 公開価格が、高すぎる(割高)と受け止められた
- 上場直後で、売買が活発になり値動きが大きくなっている
友だちとカードを交換するときを思い出してください。みんなが欲しがるカードは高く交換され、人気がなくなると安くなりますよね。株式の値段も、同じように「みんなの気持ち」で動いていきます。だから、公開価格で買えたとしても、そのあとの値段は保証されていません。
もちろん、初値が公開価格を上回ることもあります。ですが、上回る場合も下回る場合も、どちらになるかは、上場してみないとわかりません。だからこそ、「必ず上がる」と決めつけないことが、安心して投資と向き合う第一歩になります。
上場直後は値動きが荒くなるので注意
もうひとつ知っておきたいのは、上場直後は値動きが荒くなりやすいということです。はじめて売買が始まる時期は、注目も集まりやすく、株価が大きく動くことがあります。その結果、値下がりするリスクもあります。
具体例で見てみましょう。公開価格が1,000円の株式を買ったとします。上場して、初値が900円だったとしたら、買ったときよりも安い株価で売買が始まることになります。1株あたり100円の差が出ているので、仮に100株分を買っていたとすると、1万円の差になります。これはあくまで考え方を知るためのたとえ話です。
反対に、初値が公開価格より高くなれば、買ったときよりも高い株価で売買が始まります。ただし、その後に株価が下がることもあります。大切なのは、一度の結果に一喜一憂せず、自分が納得して買えるかどうかをじっくり考えることです。
このように、初値が公開価格を上回るとは限りません。IPOには期待できる面もありますが、同じくらい注意したい面もあります。両方を知っていれば、必要以上にこわがることも、むやみにあこがれることもなく、冷静に向き合えます。
次の章では、日本のIPOと米国のIPOのちがいを、スペースXの例を使って見ていきます。同じIPOでも、手続きやお金の準備が変わってくるので、ぜひ続けて読んでみてください。
第3章:国内IPOと米国IPOの違いとは?スペースXの例でやさしく解説
画像出典:Unsplash(撮影:Bill Jelen)
IPOは、日本だけでなく、アメリカでも行われています。ニュースで米国のIPOを見ると、「日本のIPOと同じように買えるのかな」と気になりますよね。結論から言うと、買い方には大きな違いがあります。
この章では、SBI証券が2026年6月に購入申込を受け付けた、米国のスペースXのIPOを例にして、国内IPOとの違いを見ていきます。ちなみに、スペースXのIPOは、SBI証券にとって、はじめての米国株式IPOの受付でした。
IPOという名前は同じでも、国によって決まりごとが違うのは、学校ごとに校則が違うのとよく似ています。どちらが良い悪いという話ではなく、「そのルールに合わせて準備すること」が大切です。まずは国内IPOの流れを基準にして、米国IPOがどこで違うのかを、比べながら読み進めてみてください。
違いのポイントは、大きく分けて2つです。1つ目は申込から購入までの手続き、2つ目は決済方法です。なお、この章の内容は、SBI証券のインターネットコースのお客さまが対象の基本的な内容です。お取引に制限がある場合は、申込ができない可能性もあります。
申込から購入までの手続きの違い
まず、国内IPOから見ていきましょう。国内IPOでは、ブックビルディング(需要申告)の申込と、当選後の購入意思表示の、あわせて2回の手続きが必要です。抽選で当たっただけでは、購入は確定しません。期間内に購入意思表示をすることが必要です。
一方、スペースXでは、購入申込期間に申し込み、当選後に辞退(オプトアウト)しない限り、自動的に購入される仕組みでした。つまり、「買わない」と自分から伝えない限り、そのまま購入の流れに進むということです。国内IPOとは、考え方が逆になっていますね。
| 項目 | 国内IPO | スペースXのIPO |
|---|---|---|
| 申込の方法 | ブックビルディング(需要申告)の申込 | 購入申込期間に申込 |
| 当選したあと | 期間内に購入意思表示が必要 | 辞退(オプトアウト)しない限り、自動的に購入 |
| 決済に使うお金 | 円 | 米ドル(外貨決済)のみ |
この表のとおり、同じIPOでも、当選後に自分でやることがちがいます。どちらの場合も、申込をしても必ず購入できるとは限らないので、「申し込んだら買える」と思い込まないようにしましょう。
自動的に購入される仕組みは、手続きが進みやすい点では便利です。その一方で、「買いたくない」と思ったときは、自分から辞退をしなければなりません。当選してから迷うことがないように、申込の前に「当たったら本当に買いたいか」を考えておくと安心です。
決済方法は円か米ドルか
2つ目の違いは、決済方法です。国内IPOは、日本円で購入できます。ふだんの買い物と同じように、円でお金を準備すればよいので、わかりやすいですね。
ところが、スペースXの場合は、米ドル(外貨決済)のみでした。そのため、抽選の前までに、あらかじめ米ドルを用意しておく必要がありました。円を米ドルに替えておくというひと手間は、国内IPOにはないポイントです。
決済方法で気をつけたいこと
- 国内IPOは円、スペースXのIPOは米ドルのみだった
- 米ドルは、抽選の前までに用意しておく必要があった
- 外国株式は、為替相場の変動で損失が生じるおそれがある
たとえば、海外旅行に行く前に、お小遣いを現地のお金に両替しておくのと似ています。ただし、両替したあとで為替が動くと、円に直したときの金額が変わってしまいます。この点は、次の章でもくわしく見ていきます。
このように、決済のお金の準備も、IPOのスケジュールの一部です。「当選してから考えよう」では間に合わないこともあるので、申込のときに、必要なお金と通貨を、あらかじめ確認しておきましょう。
米国IPOに申し込める機会は多くない
ここで、もうひとつ大切なことをお伝えします。日本の個人投資家が、米国のIPOに上場前から申し込める機会は、そう多くありません。スペースXは、日本の証券会社を通じて申込ができた、数少ない事例でした。
また、申込ができる場合でも、購入までの流れや決済方法などは、案件ごとに異なることがあります。たとえば、スペースXのときと同じ流れになるとは限りません。実際に申し込むときは、購入申込概要をしっかりチェックすることが大切です。
具体例として、2人の友だちを考えてみましょう。Aさんは国内IPOに、Bさんは米国のIPOに申し込もうとしています。Aさんは円を準備して、当選したら購入意思表示をします。Bさんは米ドルを準備して、当選したら、辞退しない限り自動的に購入されます。同じIPOでも、やることがまるでちがうことがわかります。これはたとえ話ですが、事前に調べる大切さが伝わるはずです。
次の章では、IPOに申し込む前に、どんな点を確認しておくとよいのかを見ていきます。目論見書、外貨、NISAという3つのキーワードがポイントになります。
第4章:IPOに申し込む前に確認したいこと|目論見書・外貨・NISAのポイント
画像出典:Unsplash(撮影:Ryunosuke Kikuno)
「IPOに申し込んでみたい」と思ったとき、いきなり申込ボタンを押す前に、確認しておきたいことがあります。ここを飛ばしてしまうと、あとで「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうかもしれません。
この章では、IPOに申し込む前に気をつけたいポイントを、一緒に見ていきます。第2章でお話しした「公開価格と初値は別」という点に加えて、目論見書、外貨、NISAの3つを確認します。申込の前に確認する習慣をつけておけば、安心してIPOと向き合えます。
たとえば、新しいゲームを予約する前に、値段や遊び方、自分のゲーム機で動くかどうかを確かめますよね。IPOも同じで、「中身、お金、制度」の3つを確かめてから申し込むのが基本です。確認する順番を決めておけば、むずかしく感じる情報も、ひとつずつ整理できます。
目論見書は投資判断のための会社の説明書
IPOに申し込む前に、まず「目論見書(もくろみしょ)」を確認しましょう。目論見書を一言で表すと、「投資判断のための会社の説明書」です。どんな事業を行っている会社なのかを、そこからのぞいてみてください。なお、申込のときには、必ず目論見書を確認する必要があります。
会社の説明書というと、むずかしそうに感じるかもしれません。でも、最初から全部を完ぺきに理解する必要はありません。まずは、「この会社は何をして、どうやって収入を得ているのか」という、基本の部分だけでも読んでみましょう。リスクについての説明も、あわせて確認しておくと安心です。
たとえば、新しいゲームを買う前に、説明書やレビューを読みますよね。あれと同じ感覚です。中身を知らないまま買うより、少しでも知ってから買うほうが、納得感がまったくちがいます。
目論見書を読むときは、むずかしい言葉が出てきても、あわてなくて大丈夫です。わからない言葉は、そのつど調べながら読み進めましょう。また、「この会社の事業は、自分の生活の中で見たことがあるかな」と考えてみるのも、会社を身近に感じるコツです。会社のことを自分の言葉で説明できるようになったら、申込の準備はかなり進んでいます。
米国IPOは円ではなく外貨で買う
次に、外貨の話です。スペースXのIPOの決済方法は、米ドル(外貨決済)のみでした。これはSBI証券のお客さま向けの内容で、2026年10月14日時点のものです。抽選の対象となるために、円を米ドルに替えておくなど、あらかじめ準備をする必要がありました。
そして、ここで大切なのが為替相場です。外国株式は、為替相場の変動によっても、損失が生じるおそれがあります。株価そのものが変わらなくても、円と米ドルの交換レートが動くことで、円で見たときの金額が増えたり減ったりするのです。
| たとえ話の場面 | 為替レート | 円に直したときの金額 |
|---|---|---|
| 米ドルに替えたとき | 1ドル=150円 | 100ドル=15,000円 |
| 円高になったとき | 1ドル=140円 | 100ドル=14,000円 |
| 円安になったとき | 1ドル=160円 | 100ドル=16,000円 |
この表は、考え方を知るための、たとえ話の数字です。同じ100ドルでも、為替が動くと、円に直したときの金額が変わることがわかります。外貨で買うときは、株価だけでなく為替も気にしておく、と覚えておきましょう。
もうひとつ大切なのは、「外貨を用意する」という作業が、申込のスケジュールの中に入っている点です。第3章で見たとおり、スペースXのIPOでは、抽選の前までに米ドルを用意しておく必要がありました。申込の期限が近づいてからあわてないように、案内が出たら、早めにスケジュールを確かめておきましょう。
NISAで買えるかどうかを確認する
最後に、NISAの話です。IPOは、NISA口座で買付ができる場合があります。国内IPOはNISAに対応していますし、スペースXのIPOでは、成長投資枠での購入申込が可能でした。
ただし、米国IPOについては、NISAで買えるかどうかが案件によって異なる場合があります。そのため、申込の前に概要をチェックしてみてください。「前のときは買えたから、今回も買える」と決めつけないことが大切です。
国内IPOならNISAに対応している、スペースXでは成長投資枠で申込できた、というように、案件によって答えが変わる場合があります。申込の前の確認が、あとで迷わないための近道になります。申込前に、次のチェックリストで、ひとつずつ確かめてみましょう。
申込前チェックリスト
- 公開価格で買えることと、株価が上がることは別の話だと理解した
- 目論見書を読んで、どんな事業の会社かを確認した
- 米国IPOの場合、決済通貨と為替の変動について確認した
- NISAで買えるかどうか、購入申込概要で確認した
NISAの基本について知りたい人は、SBI証券の投資情報メディアにあるNISAの基本と始め方の記事も、あわせて読んでみてください。基礎がわかっていると、IPOの案内もぐっと読みやすくなります。
ここまでで、申込前の準備が整いました。次の章では、いよいよSBI証券で実際にIPOに申し込む方法を、国内と米国の順に見ていきます。
第5章:SBI証券でIPOに申し込む方法|国内IPOと米国IPOの手順をやさしく解説
画像出典:Unsplash(撮影:Airalo)
ここまで、IPOの意味や、申込前に知っておきたいことを学んできました。いよいよ、実際にSBI証券でIPOに申し込む方法を見ていきましょう。申込の流れを事前に知っておくと、チャンスが来たときに、あわてずに動けます。
申込の流れは、むずかしい作業が続くわけではありません。一つひとつの手順は、ふだんのスマートフォンの操作と同じように、順番に進めていくだけです。ここでは、国内IPOの手順を番号つきで整理して、米国IPOの申込は、国内IPOとのちがいがわかるように、表で比べて見ていきます。
この章では、国内IPOと、米国IPO(スペースXの場合)の順に、申込方法を紹介します。国内IPOはブックビルディングから、米国IPOは外国株式取引口座の開設からと覚えておくと、整理しやすくなります。
国内IPOはブックビルディングから始める
国内IPOは、「ブックビルディング」に申し込むところからスタートします。国内IPOのページへは、SBI証券のメインサイトでは「国内株式TOP」から「IPO・PO」へ進みます。SBI証券の株アプリでは、右下のメニューボタンから「IPO・PO」へ進みます。
- SBI証券のメインサイト、または株アプリから「IPO・PO」を開く
- 目論見書の電子交付サービスへの承諾をして、ブックビルディングに申し込む
- 抽選の前までに、お金を入金しておく
- 当選または補欠当選した場合は、期限までに「購入意思表示」をする
申込には、目論見書の電子交付サービスへの承諾が必要です。また、当選・補欠当選した場合には、期限までに購入意思表示をしないと、購入が確定しません。第3章でお話しした「2回の手続き」を、ここで思い出してくださいね。
手順の中で、いちばん忘れやすいのが「購入意思表示」です。抽選に当たってうれしくなっても、期限が過ぎてしまっては意味がありません。カレンダーやスマートフォンのリマインダーに、期限を書き込んでおくと、うっかりを防げます。国内IPOのお取引の流れは、SBI証券の公式ページにある「ブックビルディング お取引までの流れ」でも確認できます。
落選してもIPOチャレンジポイントがもらえる
IPOは抽選なので、残念ながら落選することもあります。でも、そこで落ち込む必要はありません。落選したときにもらえるのが、「IPOチャレンジポイント」です。
IPOチャレンジポイントは、次回以降のIPOに申し込むときに、ポイントを使うと当選しやすくなるという、SBI証券のポイントプログラムサービスです。ただし、このサービスは国内IPOのみが対象です。抽選に外れてしまった場合も、次の機会にIPOチャレンジポイントを使ってみてください。
たとえば、学校のくじ引きで、外れた人にだけ「次回有利になるカード」がもらえるイメージです。外れても何も残らないより、次につながるほうが前向きな気持ちで続けられますよね。IPOチャレンジポイントの詳しい内容は、SBI証券の公式ページで確認できます。
IPOチャレンジポイントは、「何度か挑戦してみよう」と思える、うれしい仕組みです。ただし、国内IPOのみが対象なので、米国IPOでは同じ仕組みを使えません。国内IPOと米国IPOでは、受けられるサービスがちがう点も、あわせて覚えておきましょう。
米国IPOは外国株式取引口座と特設ページがカギ
次に、米国IPOの申込方法です。ここでは、スペースXでの申込方法を例に見てみましょう。スペースXのIPOは、特設ページの「購入申込する」ボタンから申込が可能でした。特設ページは、SBI証券のメインサイトなどに、お知らせとして掲載されることがあります。
また、申込には、外国株式取引口座の開設が必要です。まだ口座がない場合は、チャンスが来てからあわてて準備するよりも、早めに確認しておくと安心です。第3章と第4章でお話ししたように、米ドルの準備や、NISAで買えるかどうかの確認も、忘れずに行いましょう。
| 国内IPO | 米国IPO(スペースXの場合) | |
|---|---|---|
| 申込の入口 | メインサイトの「国内株式TOP」から「IPO・PO」、または株アプリの「IPO・PO」 | 特設ページの「購入申込する」ボタン |
| 事前に必要なこと | 入金、目論見書の電子交付サービスへの承諾 | 外国株式取引口座の開設、米ドルの準備 |
| 当選後 | 期限までに購入意思表示 | 辞退しない限り、自動的に購入 |
この表のように、同じSBI証券でも、国内と米国では入口や準備がちがいます。どちらの場合も、最新の案内を必ず確認して、自分に合った準備をすすめましょう。申込をしても、必ず購入できるとは限らない点も、忘れないでくださいね。
ここまでで、IPOの基本から、SBI証券での申込方法までの流れがつかめました。最後のまとめでは、この記事のポイントをふり返りながら、最初の一歩を踏み出すためのヒントをお伝えします。
まとめ:IPOの基本とSBI証券での申込方法を知って、最初の一歩を踏み出そう
画像出典:Unsplash(撮影:Kelly Sikkema)
この記事では、IPOの基本と、SBI証券での申込方法を見てきました。IPOとは、会社がはじめて上場して、株式を投資家に向けて公開することです。上場前に決まった公開価格で買える機会がありますが、公開価格で買えることと、上場後に株価が上がることは別の話でした。
国内IPOとスペースXのような米国IPOでは、手続きや決済方法がちがいます。申込の前には、目論見書、為替、NISAの確認を忘れないようにしましょう。そして、落選しても、国内IPOならIPOチャレンジポイントで次につなげられます。
「むずかしそう」と感じていたIPOも、ここまで読んだあなたなら、もう大丈夫です。まずは、SBI証券の「IPO・PO」のページをのぞいて、どんな会社が上場するのか、目論見書にはどんなことが書かれているのかを、気軽に見てみてください。小さな一歩の積み重ねが、あなたの自信になっていきます。
もちろん、投資には株価が下がるリスクもあり、不安に感じる気持ちもあって当然です。だからこそ、無理のない範囲で、自分が納得できるときにだけ、一歩ずつ進めてください。あなたは、次のIPOのニュースを見たとき、どんな会社に興味がわくでしょうか。その問いかけが、投資を学ぶ楽しい入り口になります。
出典:SBI証券 投資情報メディア「初級- SBI証券でIPOデビュー!IPOの基本と申込方法を知ろう」(2026年10月15日)を参考に作成しました。内容は2026年10月時点の情報です。申込条件や手続きは変更される場合があるため、最新の情報はSBI証券の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘ではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。
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