【2026年10月版】量子コンピュータ関連銘柄5選をやさしく解説

「AIの次はこれかも」といわれる量子コンピュータ。SBI証券のレポートでも「AI・半導体の次のテーマか?」と取り上げられ、量子コンピュータ関連銘柄に関心をもつ人が増えています。でも、「何から調べればいいの?」「むずかしそうで不安」と感じていませんか。

実は、量子コンピュータの本格的な普及は2030年代以降と見られている、長い目のテーマです。だからこそ、話題だけで飛びつくのではなく、基本を知り、最新の数字を確かめ、自分のペースで向き合うことが大切です。ニュースで大きく取り上げられた日ほど、気持ちが先に走りやすいので、落ち着いて確かめる習慣が役に立ちます。

この記事は、株の経験がない人や、これから勉強を始めたい学生さんにも読んでもらえるように、むずかしい用語をていねいに説明しています。「自分にもできそう」と思えるところまで、いっしょに進みましょう。

この記事では、2026年10月24日時点で確認できた最新情報をもとに、SBI証券のレポートで紹介された5社を、中学生にもわかる言葉で解説します。投資をすすめる記事ではなく、自分で考えるための材料をそろえる記事です。さあ、いっしょに読み進めていきましょう。

この記事でわかること

  • 夢のあるテーマと、いまの利益を分けて見る考え方
  • 国産の量子コンピュータが、いま何量子ビットまで来ているかの目安
  • 同じ会社でも、決算と株価が別の動きをすることがあるという気づき
  • 100株でいくら必要か、配当はいくらかを自分で計算するやり方
  • 値動きの大きいテーマと、少額で長く付き合うための習慣

目次

第1章:量子コンピュータ関連銘柄とは?まず基本をやさしく知ろう

金色の板と銀色の配線でできた量子コンピュータの写真

画像:Planet Volumes / Unsplash

「量子コンピュータ関連銘柄」という言葉を、ニュースやSNSで見かけたことはありませんか。なんだかむずかしそうで、調べる前から手が止まってしまう人も多いはずです。でも、安心してください。この章では、理科が苦手な人でもイメージできるように、身近なたとえを使って、基本から順番に説明していきます。

結論を先にお伝えすると、量子コンピュータ関連銘柄とは、量子コンピュータの研究や開発、部品づくり、ソフトづくりなどに関わっているとみられる会社の株のことです。この章を読み終えるころには、「何が注目されているのか」「どこに気をつければよいのか」がつかめるはずです。

量子コンピュータは次世代のコンピュータ

SBI証券の投資情報メディアは、量子コンピュータを、量子の技術や性質を利用して、従来のコンピュータよりもずっと速く計算できると期待されている次世代のコンピュータだと紹介しています。量子とは、とても小さな世界で見られる、ふしぎな性質をもった粒のようなものだと考えてください。

今のスマホやパソコンは、「0」と「1」という二つの状態を使って計算しています。量子コンピュータは、量子の性質を利用して、これまでとは別のやり方で計算する機械です。うまく使えれば、とてもたくさんの組み合わせを短い時間で調べられるようになると期待されています。

もし実用化されれば、新しい薬の開発、荷物を運ぶ道すじの最適化、AIの学習を速くすることなどに役立つとされています。つまり、私たちの暮らしを便利にする可能性を持った技術なのです。

くらべるポイント今のコンピュータ量子コンピュータ
計算のしかた0か1のどちらかを使って順番に計算する量子の性質を使い、これまでと別の方法で計算する
期待される使い道文書づくり、動画、ゲームなど身近なこと新薬の開発、物流ルートの最適化、AIの学習の高速化など
使われる時期すでに毎日使っている本格的な普及は2030年代以降と見られている

ここで大切なのは、表のいちばん下の行です。本格的な普及は2030年代以降と見られているので、今すぐ世の中が変わるわけではありません。長い目で見るテーマだと覚えておきましょう。

出典:SBI証券 投資情報メディア「新興株ウィークリー」2026年7月15日

AIと量子コンピュータは助け合う仲間

最近は「AI」の話題がとても多いですよね。SBI証券のレポートでは、量子コンピュータとAIは、おたがいの弱点を助け合う関係にあると説明されています。量子コンピュータの技術はAIの学習を助け、AIは量子コンピュータで頻繁に起こるエラーを早く見つけて直す役に立つ、という考え方です。

たとえばサッカーのチームを思い浮かべてください。点を取るのが得意な選手と、守りが得意な選手がいて、おたがいに足りないところを補い合うと、チーム全体が強くなりますよね。AIと量子コンピュータも、そんなパートナーのような関係だといわれています。

量子コンピュータはまだ完成の途中で、エラーが起きやすいという弱点があります。ここをAIが助けてくれるなら、実用化が早まるかもしれません。だから、投資のテーマとしても、AIと並べて注目する人が増えているのです。

ただし、実用化はまだ先です。SBI証券のレポートも、実用化が先なので少し気が早いかもしれないと断ったうえで、将来を見すえたテーマとして紹介しています。話題性だけで飛びつかず、じっくり確かめる姿勢が大切です。

関連銘柄を選ぶための4つのものさし

では、どうやって「関連銘柄」を見つければよいのでしょうか。SBI証券のレポートでは、次の4つの条件で銘柄を絞りこんでいます。これは、初心者がまねしやすい、よいお手本です。

  • 時価総額が3,000億円未満であること
  • 各種資料や報道などから、量子コンピュータと関連があるとみられること
  • 今期の純利益の会社予想が黒字であること
  • 取引所、日証金、SBI証券による信用規制や注意喚起の対象ではないこと

時価総額とは、会社の大きさを表す金額のことです。3,000億円未満という条件は、超大型の会社より、比較的小さな会社に目を向けるためのものと考えられます。そして「黒字予想」の条件は、夢だけでなく、ちゃんと利益が出る見込みのある会社を選ぶためのものです。夢のあるテーマでも、会社の体力をかならず確認する、これがとても大切な考え方です。

たとえば、あなたが文化祭でお店を出すとします。とても人気が出そうなメニューを思いついても、材料を買うお金が足りなければ続けられませんよね。会社も同じで、将来性だけでなく、いまの利益やお金の状態がしっかりしているかどうかが大事なのです。

第1章のまとめです。量子コンピュータ関連銘柄は、次世代の計算機に関わる会社の株で、本格的な普及は2030年代以降と見られています。だからこそ、短い期間の値動きに一喜一憂せず、基本を理解して長く向き合うことがカギになります。次の第2章では、国産の量子コンピュータがいまどこまで進んでいるのかと、10月の株式市場のようすを見ていきましょう。

第2章:量子コンピュータ関連銘柄に影響する最新ニュースと10月の相場

金色の配線が広がる茶色い電子回路基板の写真

画像:Manuel / Unsplash

株の値段は、会社のニュースだけでなく、世の中の出来事でも動きます。量子コンピュータ関連銘柄も同じで、技術の進歩のニュースと、株式市場全体のようすの両方を知っておくと、ニュースの意味がぐっとわかりやすくなります。

この章では、2026年10月24日時点で確認できた情報をもとに、国産の量子コンピュータの進み具合と、今月の株式市場のようすを整理します。むずかしい言葉は、そのつど説明するので安心してください。

国産の量子コンピュータは1000量子ビットをめざしている

量子ビットとは、量子コンピュータの計算の基本になる部品の単位のことです。この数が多いほど、より大きな計算に挑戦できるとされています。まずは「数が大きいほど規模が大きい」と覚えておけば十分です。

富士通と理化学研究所は、2025年4月に、世界最大級となる256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発したと発表しました。2023年に公開した64量子ビットの機械の4倍の規模です。富士通のページによると、2025年度の第1四半期から提供が始まっています。

次の目標は、2026年度に1000量子ビット級の機械を設置して公開することです。そのために、神奈川県川崎市にある富士通の拠点に「量子棟」をつくると紹介されています。さらに、国のプロジェクトでは、2030年度に1万個を超える物理量子ビットの超伝導量子コンピュータをつくることがめざされています。

時期出来事ポイント
2023年64量子ビットの国産機を公開その後の大型化の土台になった
2025年4月256量子ビットの機械を発表世界最大級とされ、2025年度第1四半期から提供開始
2026年度(予定)1000量子ビット級を設置して公開富士通の量子棟に置く予定
2030年度(目標)1万個を超える物理量子ビット国のNEDO事業の目標

ここで、冷静に知っておきたい数字もあります。富士通は、ある物質のエネルギーを短い時間で計算するような実用レベルの問題を解くには、少なくとも約6万個の物理量子ビットが必要だと見積もっています。1000という数字と比べると、道のりはまだ長いことがわかりますね。

出典:富士通 量子コンピュータのページ、ITmedia MONOist(2025年4月28日)

今月の株式市場は大きくゆれている

では、今月の株式市場はどうだったでしょうか。みんかぶの報道によると、10月20日は、原油高やAIへの投資が行き過ぎではないかという心配が重荷になり、日経平均株価が再び1,000円ほど下がる場面がありました。韓国のAI企業が上場した初日に急落したことも伝えられています。

10月23日の記事では、前の日のアメリカ市場でナスダックが2.60%下がり、半導体株の値動きを表すフィラデルフィア半導体株指数が6.72%も下がったと書かれています。この動きを受けて、アジアでも半導体関連の株を中心に売りが先に出ました。

ただし、そのあとは「押し目買い」が広がり、多くの市場でプラスに戻ったとも報じられています。上がったり下がったりが一日のうちに起こる、落ち着かない相場だったといえそうです。

豆知識:「押し目買い」とは、値下がりした場面で「安くなった」と考えて買う動きのことです。ただし、そのあとさらに下がることもあるので、かならず成功するわけではありません。

量子コンピュータ関連銘柄は、半導体やAIと同じ「ハイテク」の仲間として見られることがあります。そのため、半導体株が大きく動く日は、関連銘柄の値動きも影響を受けやすいと考えられます。

出典:みんかぶ FX/為替「アジア株 総じて上昇、上海株や香港株は反発」(2026年10月23日)、同「アジア株 原油高やAI過剰投資懸念が重荷」(2026年10月20日)

ニュースを読むときの3つのコツ

ニュースは毎日たくさん出ます。初心者がふりまわされないために、次の3つのコツを試してみてください。

  • いつの話か、だれが発表したのかを確認する
  • 「研究の成果」と「会社の売上」を分けて考える
  • 市場全体のニュースか、その会社だけのニュースかを見分ける

たとえば「256量子ビットを開発した」というニュースは、技術がすすんだというよい知らせです。けれども、それがすぐに、関連する会社の売上アップにつながるとは限りません。技術のニュースと、会社の数字は、別々に確かめる必要があります。

もう一つ例をあげます。テレビで「この選手が日本代表に選ばれた」と聞いても、その選手の所属チームの成績がすぐによくなるとは限りませんよね。それと同じで、ニュースが出た日の勢いだけを見るのではなく、あとから発表される決算の数字で確かめるくせをつけましょう。

最後に、ニュースを見たときに自分へ問いかける質問を一つ決めておくと便利です。たとえば「この話は、半年後や数年後にも続く話だろうか」と考えてみてください。一日だけの大きな値動きは、あとから見ると小さな波だったということもよくあります。落ち着いて考えるだけで、あわてた売り買いを減らすことができます。

第2章のまとめです。国産の量子コンピュータは256量子ビットから1000量子ビット級へと進みつつありますが、実用に必要な規模までは距離があります。さらに、10月の相場はゆれ動いていました。ニュースの勢いと、会社の実力は別のものだと意識しておくと、冷静に判断しやすくなります。次の第3章では、SBI証券が紹介した5社を、一つずつ見ていきましょう。

第3章:量子コンピュータ関連銘柄5選|SBI証券が紹介した5社の特徴

青緑色に光るLEDパネルの写真

画像:Adi Goldstein / Unsplash

基本とニュースがわかったところで、いよいよ具体的な会社を見ていきましょう。SBI証券の「新興株ウィークリー」(2026年7月15日)では、先ほどの4つの条件をすべて満たす5社が紹介されました。この章では、その5社が量子コンピュータとどう関わっているのかを、やさしく整理します。

先にお伝えしておくと、これは特定の銘柄をすすめる章ではありません。「どんな会社があるのか」を知るための地図づくりだと思って読んでください。

紹介された5社の顔ぶれを一覧でチェック

下の表は、SBI証券のレポートの内容をもとにまとめたものです。株価は、レポートに書かれていた2026年7月14日の値段なので、いまの値段とはちがう点に注意してください。会社の並びはコード順です。

銘柄名(コード)量子コンピュータとの関わり株価(7月14日)
テラスカイ(3915)子会社のQuemix社で、量子コンピュータ向けのアルゴリズムやソフトウェアを研究開発している2,385円
HPCシステムズ(6597)理化学研究所に、量子誤り推定アルゴリズムを高速に実現するシステムを導入し、運用環境をつくった3,680円
santec Holdings(6777)マサチューセッツ工科大学の量子コンピュータ研究に、同社の空間光変調器が導入されている21,000円
エヌエフホールディングス(6864)超電導素子の制御や信号の検出を高精度に行うための「低雑音信号処理システム」を提供している1,551円
シグマ光機(7713)国の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の量子課題の研究テーマに参加している2,006円

株価の差はとても大きいですね。21,000円の会社もあれば、1,500円台の会社もあります。ただし、株価が高いか安いかは、会社の価値が高いか低いかとは別の話です。株価だけで「高い」「安い」と決めないようにしましょう。

出典:SBI証券 投資情報メディア「新興株ウィークリー」2026年7月15日(株価は2026年7月14日時点)

会社のタイプは「ソフト」と「部品や装置」に分けて考える

5社を役割で分けると、イメージがつかみやすくなります。大きく分けると、コンピュータを動かす「ソフトやシステム」に近い会社と、研究や実験に使う「部品や装置」に近い会社があります。

ソフトやシステムに近いのは、テラスカイとHPCシステムズです。テラスカイはアルゴリズム、つまり計算の手順をつくる研究を、HPCシステムズは、エラーを見つけて評価する計算を速く行うためのシステムを担当しています。量子コンピュータにはエラーが起きやすいという弱点があるので、これはとても大事な仕事です。

部品や装置に近いのは、santec Holdings、エヌエフホールディングス、シグマ光機です。光を細かく制御する装置、小さな電気信号を静かに正確にとらえる回路、研究プロジェクトへの参加など、量子コンピュータの研究を支える役割を担っています。

ポイント:同じ「量子コンピュータ関連銘柄」でも、会社によって売っているもの、お客さん、売上の中で量子の割合が大きくちがいます。ひとまとめにせず、一社ずつ見ることが大切です。

実際、HPCシステムズのレポート部分では、量子コンピュータだけでなく、AI関連の売上が増えていることや、半導体検査装置向けの産業用パソコンが好調であることも書かれていました。つまり、量子以外の事業が会社の成績を大きく左右することもあるのです。

文化祭にたとえると役割がわかりやすい

もう少しイメージしやすくするために、量子コンピュータの開発を「大きな文化祭」にたとえてみましょう。

  • ステージそのもの:量子コンピュータの本体をつくる大企業や研究機関
  • 台本や進行表:計算の手順をつくるソフトやアルゴリズムの会社
  • 照明や音響の機材:光や電気信号を正確にあつかう装置や部品の会社
  • 保護者や先生へのお知らせ:国のプロジェクトや大学との共同研究

文化祭は、ステージだけでは成り立ちません。台本、照明、音響、会場の準備と、いろいろな役割がそろってはじめて成功します。量子コンピュータも同じで、本体をつくる会社だけでなく、まわりを支える会社がたくさん必要になります。5社は、その「まわりを支える側」にいる会社が中心です。

注意:「関連がある」ことと「大きな利益につながる」ことはイコールではありません。研究への協力は、すぐに売上の大きな柱になるとは限らないからです。かならず会社の決算資料で、事業の中身と数字を確かめましょう。

ここまで見てきたように、5社にはそれぞれちがう強みがあります。ただ、レポートは7月の時点のものです。いまはどうなっているのでしょうか。紹介された会社でも、その後の数字を自分で確認することが欠かせません。

第3章のまとめです。SBI証券が紹介した5社は、ソフト寄りの会社と部品や装置寄りの会社に分けられ、量子コンピュータとの関わり方も一社ずつちがいます。一社ずつ中身を見ることが基本です。次の第4章では、5社のうち2社について、最新の決算と株価の動きを数字で確かめていきます。

第4章:量子コンピュータ関連銘柄の決算と株価の変化を数字で確認

暗い画面に映る株価のローソク足チャート

画像:Maxim Hopman / Unsplash

会社のことを知るいちばんの近道は、数字を見ることです。「数字はむずかしそう」と感じるかもしれませんが、見る場所はそれほど多くありません。売上高、営業利益、そして株価の三つを、前の年やレポートの日と比べるだけで、会社のいまの姿が見えてきます。

この章では、SBI証券のレポートで詳しく解説された二つの会社、HPCシステムズとエヌエフホールディングスを例に、最新の決算と株価の変化を確かめます。数字は、会社の決算短信や株価情報サイトに載っていたものです。

HPCシステムズの2026年6月期の成績

HPCシステムズは、科学技術計算に使うコンピュータや産業用コンピュータをつくって売っている会社です。2026年8月14日に発表された決算短信によると、2026年6月期の売上高は79億600万円で、前の期より11.9%増えました。営業利益は7億1,300万円で12.1%の増加でした。

項目(単位:百万円)2025年6月期2026年6月期
売上高7,0647,906(11.9%増)
営業利益636713(12.1%増)
経常利益644685(6.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益423455(7.5%増)

四つの数字がすべて増えているので、売上も利益も伸びた年だったといえます。売上高に対する営業利益の割合は、計算すると約9.0%です。100円売れたら、本業で約9円の利益が残る、というイメージです。

株価はどうでしょう。レポートに書かれていた7月14日の終値は3,680円でした。株価情報サイトの10月1日の値段は3,890円で、7月14日より210円、約5.7%高くなっています。同じサイトには、今期(2027年6月期)の経常利益の予想が8億9,300万円、増益率30.4%と載っていました。

一方で、決算短信には気になる変化もあります。総資産は前の期の45億円台から114億円台へと大きく増え、自己資本比率は57.6%から21.1%に下がっています。くわしい理由は決算資料で確かめる必要があります。次の決算発表は11月中旬の予定です。

出典:HPCシステムズ 2026年6月期決算短信(2026年8月14日)、株予報(kabuyoho.jp)

エヌエフホールディングスは利益が大きく伸びた

エヌエフホールディングスは、電子計測器や電源などをつくっている会社です。株予報に載っていた2026年3月期の成績を見てみましょう。売上高は91億3,800万円で前の期より0.6%の増加にとどまりましたが、営業利益は9億4,500万円で72.8%も増えました。

決算期(単位:百万円)売上高営業利益
2025年3月期9,083547
2026年3月期9,138945
2027年3月期(会社予想)9,500980

売上はほとんど変わらないのに、利益が大きく伸びています。売上高に対する営業利益の割合は、約6.0%から約10.3%へと上がりました。今期の経常利益の会社予想は10億円で、第1四半期の実績は1億7,600万円、進み具合は17.6%でした。

株価は少しちがう動きです。レポートの7月14日の値段は1,551円でしたが、10月20日は1,446円で、105円、約6.8%安くなっています。さらに、52週の高値は6月5日の2,579円で、そこから約44%低い水準です。つまり、利益が伸びても、株価が同じように上がるとは限らないのです。

同じサイトには、中間決算の発表が10月下旬に予定されていると書かれていました。発表されたら、第1四半期から利益がどれくらい積み上がったか、会社予想が変わったかを、ぜひ自分の目で確かめてください。

出典:株予報(kabuyoho.jp)、みんかぶ 株テーマ「量子コンピューター」(2026年10月20日時点の株価)

数字を自分ごとにすると何が見えるか

数字を「自分ごと」にするには、お金の単位に直してみるのがいちばんです。日本の株は、多くの場合、100株を1つのまとまり(単元)として売買します。HPCシステムズとエヌエフホールディングスも、売買単位は100株です。

会社株価(日付)100株の金額
エヌエフホールディングス1,446円(10月20日)144,600円
テラスカイ2,390円(10月20日)239,000円
HPCシステムズ3,890円(10月1日)389,000円

こうして見ると、どれも中学生や高校生にとっては大きな金額です。大人でも、決して小さな金額ではありません。次に配当を考えてみましょう。レポートによると、エヌエフホールディングスの年間の予想配当は1株あたり36円なので、100株持っていると年間で3,600円です。HPCシステムズは1株あたり32円で、100株なら3,200円になります。

配当の利回りは、1年間にもらえる配当を株価で割って出します。エヌエフホールディングスは、36円を1,446円で割ると約2.49%です。同じ36円でも、株価が1,551円のときは約2.32%でした。株価が下がると、利回りは上がります。ただし、配当が将来も同じ金額で続くという保証はありません。

たとえば、1,000円の本を買うのに、お年玉の中から出すとします。いくら持っているのか、残りで何が買えなくなるのかを考えますよね。株も同じで、「いくら必要か」「失ってもこまらない金額か」を、買う前に必ず計算してみましょう。

第4章のまとめです。HPCシステムズは売上も利益も伸び、エヌエフホールディングスは利益が大きく伸びましたが、株価の動きは会社ごとにちがいました。決算の数字と株価は別々に確かめることが大切です。最後の第5章では、こうした銘柄とどう付き合えば失敗しにくいのかを考えます。

第5章:量子コンピュータ関連銘柄と上手に付き合うリスク管理と続け方

上がったり下がったりする株価グラフの写真

画像:Arturo Añez / Unsplash

ここまで読んで、「おもしろそうだけど、ちょっとこわいな」と感じた人もいるかもしれません。その気持ちは、とても大切です。お金のことを考えるとき、こわさを感じるのは、自分を守るための大切なセンサーだからです。

この章では、量子コンピュータ関連銘柄とどうやって付き合えば、失敗しにくくなるのかを考えます。むずかしいテクニックではなく、だれでも続けられる習慣を中心にお話しします。

期待が先に走る株は値動きが大きくなりやすい

SBI証券のレポートでは、量子コンピュータ関連で物色の対象になった場合、株価の変動が大きくなる可能性があると指摘されています。本格的な実用化は2030年代といわれているので、期待が先に走った短期的な売買には注意が必要だとも書かれています。

実際に、第4章で見たエヌエフホールディングスは、6月5日に2,579円の高値をつけたあと、10月20日には1,446円まで下がっていました。わずか数か月で、約44%も低い水準です。もちろん、これは一つの例にすぎません。けれども、テーマ株の値段が大きく上下することがある、という現実を教えてくれます。

リスクはほかにもあります。HPCシステムズのレポートでは、半導体の中心的な部品の価格が上がることで、利益率が下がる心配が挙げられていました。また、10月のように、半導体株やAI関連株が大きく下がる日には、市場全体の気分に引きずられることもあります。

リスクの種類具体的な内容考え方
値動きのリスク期待が先行して株価が大きく上下する一度に買わず、少額から始める
時間のリスク本格的な普及は2030年代以降と見られている長く付き合う前提で考える
業績のリスク部品の値上がりで利益率が下がることがある決算で利益の変化を確認する
市場全体のリスク半導体やAI株の下落に引きずられるニュースの日の勢いに流されない

表を見て気づいた人もいるでしょう。リスクをなくすことはできませんが、知っていれば備えられるのです。備えがあるだけで、値段が動いたときの気持ちのゆとりがまったくちがいます。

出典:SBI証券 投資情報メディア「新興株ウィークリー」2026年7月15日、株予報(kabuyoho.jp)

初心者が続けやすい3つの習慣

では、どうすれば失敗しにくくなるのでしょうか。ここでは、だれでも今日から始められる3つの習慣を紹介します。

  • 調べる習慣:気になった会社の決算短信や会社のページを、月に一度は見る
  • 少額の習慣:失ってもこまらない範囲のお金だけを使い、一度に全部は使わない
  • 記録する習慣:買った理由や見直す日付をノートに書いて、あとで振り返る

たとえば、毎月のおこづかいやお給料の一部を、ゲームのガチャではなく、将来のための勉強代として使うイメージです。ガチャは出るか出ないかで終わりですが、株は、会社の中身を学ぶことで、少しずつ判断する力が育ちます。

ノートのつけ方の例:「10月24日 エヌエフホールディングス 利益が増えた理由を調べる 次の見直しは11月の決算発表のあと」。このくらい短くて十分です。書くだけで、気持ちだけで動くことが減ります。

習慣のコツは、完ぺきをめざさないことです。月に一度の確認を一回忘れても、気づいた日からまた始めれば大丈夫です。三日坊主でも、やめてしまわなければ、数か月後には、はじめのころよりずっと会社の数字が読めるようになっています。続けることそのものが、いちばんの力になります。

また、一つの会社だけに全部のお金を入れるのは危険です。SBI証券のレポートも、5社を紹介するときに、「一部掲載銘柄を詳細に解説」というかたちで、見る視点を複数示していました。どの会社も、良いところと気をつけるところの両方があります。

迷ったときの確認リスト

最後に、迷ったときに見返せる確認リストを用意しました。スマホのメモに写しておくと、いつでも使えます。

  • 今期の会社予想は黒字か(SBI証券の条件の一つでした)
  • 100株でいくら必要か、そのお金は失ってもこまらないか
  • 次の決算発表の日はいつか
  • 量子コンピュータ以外の事業が、会社の成績をどれくらい支えているか
  • 借りたお金で取引する「信用取引」は、元本を超える損失が出るおそれがあることを知っているか
  • 一つの会社やテーマに、お金を集中させすぎていないか
大切なお知らせ:この記事は、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。投資の最終的な判断は、かならずご自身の責任で行ってください。未成年の人は、保護者の人と相談しながら進めましょう。

リストの中で、とくに大切なのは、失ってもこまらないお金かどうかを確認することです。生活費や、近いうちに使う予定のお金で株を買うと、値段が下がったときに、あわてて売ってしまいがちです。ゆとりのあるお金で、ゆとりのある気持ちで向き合うことが、長く続けるための土台になります。

第5章のまとめです。量子コンピュータ関連銘柄は、期待が先に走りやすく、値動きが大きくなることがあります。だからこそ、調べる、少額、記録するという3つの習慣と確認リストで、自分を守りながら向き合いましょう。それでは最後に、この記事全体をふり返って、あなたの次の一歩を考えていきます。

まとめ:量子コンピュータ関連銘柄は知って確かめて続けることが力になる

成長と利益の可能性を示す右上がりの株価チャート

画像:Arturo Añez / Unsplash

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最初にもう一度、大切なことをおさらいしましょう。量子コンピュータ関連銘柄は、次世代の計算機に関わる会社の株で、本格的な普及は2030年代以降と見られています。国産機は256量子ビットから1000量子ビット級へ進みつつありますが、実用までの道のりはまだ長く、10月の相場も大きくゆれていました。

そして、会社の数字は、ニュースの勢いとは別に確かめる必要があります。HPCシステムズは売上も利益も伸び、エヌエフホールディングスは利益が大きく伸びましたが、株価の動きは会社ごとにちがいました。知って、確かめて、続ける、この三つが基本です。

だから、まずは小さな一歩から始めてみませんか。気になった会社を一つ選んで、決算のページを開いてみましょう。100株でいくらなのかを計算して、ノートに書くだけでも立派な一歩です。やってみると、ニュースの見え方がきっと変わります。

不安な気持ちがあるのは、自然なことです。株の値段は上がることも下がることもあり、だれにも未来は完全には読めません。だからこそ、失ってもこまらないお金で、ゆとりをもって、少しずつ。うまくいかない日があっても、学んだことは、かならずあなたの力になります。

さて、あなたが量子コンピュータ関連銘柄について、いちばん知りたいことは何でしょうか。その問いが、次に調べる一歩になります。気になる会社の最新の決算や、次回の発表日を、今日のうちにメモしておきましょう。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株価や数値は記載の日付時点のもので、変わる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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