2026年10月、東証株価指数(TOPIX)は歴史的な第2段階の銘柄入替を迎える。 基準日はいよいよ2026年8月最終営業日—— つまり、判定まで残り約6週間を切った。
以前の記事で「採用候補35銘柄の特徴と先回り投資戦略」を解説したが、 あれから市場は大きく動いた。ブルームバーグが採用候補31銘柄を指数化したデータでは、 年初来の上昇率が約13%と、TOPIX全体(6.6%)の約2倍のパフォーマンスを記録。 先回り買いはすでに進行中だ。
一方で、約680銘柄が除外対象となりうる現実も見えてきた。 大手証券の最新試算では除外銘柄数が約740銘柄へと上方修正されており、 保有銘柄が知らぬ間に「除外候補」に入っているリスクも無視できない。
基準日まで時間がなくなった今こそ、候補銘柄の株価推移を追い直し、 エントリーと出口の戦略を再点検するタイミングだ。 この記事では最新の株価動向・需給変化・基準日直前の注意点を徹底追跡する。
この記事でわかること
- 採用候補銘柄の株価が「前回記事から今日まで」どう動いたか
- 大手証券の最新試算で除外予想が740銘柄に膨らんだ背景と見極め方
- 基準日(8月末)まで6週間で取るべき具体的なアクションプラン
- 「採用確定後に下がる」需給相場特有のリスクを回避する出口戦略
- 保有銘柄が除外候補か今すぐ自分でチェックする方法
目次
- 第1章|TOPIX入替フォローアップ|基準日6週間前の最新状況まとめ
- 第2章|TOPIX採用候補銘柄の株価追跡|前回比パフォーマンス検証
- 第3章|TOPIX除外リスク銘柄|740銘柄の最新動向と保有チェック法
- 第4章|TOPIX入替基準日直前の投資戦略|エントリーと出口の再設計
- 第5章|TOPIX入替後の2027年以降|第2波の需給と長期投資の視点
- まとめ|TOPIX入替基準日直前に投資家が確認すべき5つのポイント

第1章|TOPIX入替フォローアップ|基準日6週間前の最新状況まとめ
前回記事から何が変わったか|市場の反応と株価動向の振り返り
以前の記事で「2026年10月のTOPIX入替の仕組みと採用候補35銘柄」を解説しました。あれから時間が経ち、市場は大きく動いています。2026年7月現在、基準日まで残り約6週間という重大な局面を迎えています。
TOPIX入替とは、東証株価指数(TOPIX)を構成する銘柄を新しい基準で選び直す大改革のことです。今回は「第2段階の見直し」として、現行の約1,660銘柄から最終的に約930〜1,000銘柄に絞り込まれます。基準日は2026年8月最終営業日、実際の入替日は10月最終営業日です。
前回記事の公開時点では「採用候補銘柄は年初来で好パフォーマンス」と書きました。その後も市場の動きは続いており、ブルームバーグが採用候補31銘柄を束ねて作った指数では、年初来の上昇率が約13%と、TOPIX全体(6.6%)の2倍近い水準を記録しています。つまり、先回り買いはすでに着実に進行中なのです。
一方で変化もありました。大和証券が2026年6月に発表した最新試算では、除外銘柄の予想数が当初の「約680銘柄」から約740銘柄へと上方修正されました。入替後の構成銘柄数は約930銘柄になる可能性があり、当初想定の1,000〜1,200銘柄を大きく下回る見通しです。日本生命保険傘下のニッセイ基礎研究所の試算でも、2026年5月末時点での次期TOPIX構成銘柄数は984銘柄と1,000銘柄を割り込んでいます。
📌 ここがポイント
「採用候補への期待」だけに目を向けていると、除外による影響を見落とします。保有銘柄が除外候補に含まれていないかをチェックすることが、基準日直前の最重要アクションです。
除外予想が740銘柄に拡大|大手証券の最新試算が示すもの
今回の試算の変化で特に注目したいのは、除外予想が「約680銘柄」から「約740銘柄」に増えた点です。これはどういう意味かというと、予想よりも多くの企業が「TOPIXから外される候補」になったということです。
なぜ除外数が増えたのでしょうか。理由はシンプルです。選定基準である「浮動株時価総額の累積比率上位96%以内」という条件を満たせる銘柄数が、当初の試算よりも少なかったからです。株価の変動や、企業の自社株買い・大株主の持分変化などによって浮動株比率が変わり、ボーダーラインが動きました。
大和証券の最新レポート(2026年6月16日付)によると、新規採用候補は約30銘柄で、注目される銘柄としては日本マクドナルドホールディングス、フェローテックホールディングス、ナカニシ、セリア、ワークマン、沖縄セルラー電話、パワーエックス、アストロスケールホールディングスなどが挙げられています。一方、除外候補として浮動株時価総額の大きい銘柄にはRYODEN(菱電商事)、三洋化成工業、ジェイ・エス・ビー、レイズネクストなどが名指しされています。
| 区分 | 概要 | 代表的な銘柄例 |
|---|---|---|
| 新規採用候補(約30銘柄) | スタンダード・グロース市場からの新規組み入れ | マクドナルドHD、フェローテック、ワークマン |
| 除外候補(約740銘柄) | 流動性・浮動株基準を満たせないプライム銘柄中心 | RYODEN、三洋化成工業、ジェイ・エス・ビー |
| 継続採用(約930銘柄) | 両基準をクリアして引き続きTOPIXに残る銘柄 | トヨタ、ソニー等の大型株が中心 |
基準日まで残り6週間|今この記事を読む意味と投資家の姿勢
2026年8月の最終営業日が近づいてきた今、「まだ動く必要はない」と思っている人も多いかもしれません。しかし、それは危険な考え方です。
TOPIX入替の最大の特徴は「基準日が決まったら、結果が確定してしまう」という点です。採用が確定する前に先回りして買った投資家が、確定後に売り抜ける。これが「噂で買って事実で売る」相場のパターンです。基準日の直前から直後にかけては、株価の動きが大きくなりがちなため、今の段階で自分の保有銘柄と採用・除外候補との関係を整理しておくことが不可欠です。
この章で学んだことを整理すると、除外予想が740銘柄に拡大したこと、採用候補株はすでに先回り買いで年初来13%超のパフォーマンスを記録していること、そして基準日まで6週間しかないという3つの事実があります。次の章では、採用候補銘柄の株価が前回記事からどう動いたかを具体的に追跡していきます。
第2章|TOPIX採用候補銘柄の株価追跡|前回記事比パフォーマンス検証
上昇率TOP銘柄の現状|先回り買いはどこまで進んでいるか
「先回り買い」という言葉をご存知でしょうか。TOPIX入替では、新規採用が決まった銘柄に対して、インデックスファンドや年金基金といった巨大な機関投資家が大量の買いを入れます。採用が確定する前に、個人投資家や一部のプロ投資家がその「買いを見越して先に買っておく」のが先回り買いです。
今回の採用候補銘柄のパフォーマンスは、2026年に入ってから際立っています。ニッセイ基礎研究所のレポートによると、採用候補銘柄の公表翌営業日の騰落率はTOPIX比で+3.78%という大きな動きを見せました。その後も採用候補銘柄全体は高いパフォーマンスを維持しており、ブルームバーグが構築した採用候補指数の年初来上昇率は約13%と、TOPIX全体(6.6%)を大幅に上回っています。
特に注目されているのが、スタンダード・グロース市場からの新規採用候補です。これらの銘柄はこれまでTOPIXに組み入れられたことがなかったため、採用が確定すれば大規模なパッシブ買いが初めて入ります。日本マクドナルドホールディングス、フェローテックホールディングス、ワークマンなどは、すでに市場での注目度が高まっており、出来高も増加傾向にあります。
⚠️ 注意点|全部が上がるわけではない
採用候補として名前が出ても、株価がすでに高値圏にある場合、基準日後に利益確定売りで下がることもあります。パフォーマンスが良い銘柄ほど「買いが先行しすぎていないか」を冷静に確認することが大切です。
期待外れだった銘柄|採用候補でも上がらなかった理由の分析
先回り買いの恩恵を受けていない採用候補銘柄も存在します。採用候補でありながら株価が横ばいまたは下落した銘柄には、いくつかの共通した理由があります。
第一に、もともとの浮動株時価総額が小さすぎて、パッシブファンドの組み入れ金額が非常に少額になる銘柄は買い需要が限定的です。第二に、採用候補として市場に認知されていても、その企業の業績が悪化している場合、株価の上昇余地が制限されます。第三に、採用候補とボーダーラインが近く、「採用されるかどうかわからない」と判断された銘柄は投資家が様子見になりがちです。
たとえば、グロース市場の小型銘柄の一部は「流動性基準(年間売買代金回転率0.20回転以上)はクリアしているものの、浮動株時価総額の累積比率96%以内に入れるかどうかギリギリ」という状況にあります。こうした銘柄への投資は、当落を予測するギャンブル的な性格が強く、個人投資家には慎重な判断が求められます。
| 状況 | 株価への影響 | 個人投資家への示唆 |
|---|---|---|
| 確実性高い採用候補(大型) | 先回り買いで年初来10〜20%超の上昇も | 高値掴みに注意。出口戦略を事前設計 |
| ボーダーライン銘柄 | 採用見込み薄で様子見。株価動かず | ギャンブル色が強い。少額・分散で対応 |
| 業績悪化中の採用候補 | 需給期待はあるが、業績不安が重し | ファンダメンタルズを必ず確認してから判断 |
新たにボーダーラインに浮上した注目銘柄|見逃せない追加候補
2026年3月末や5月末時点の試算を経て、新たにボーダーラインに浮上してきた銘柄群があります。スタンダード・グロース市場の中で、売買が活発化したり浮動株比率が改善したりした銘柄が、「採用圏内に入ってきた」として注目されています。
大和証券のアップデート(2026年6月時点)では、アストロスケールホールディングス、QDレーザ、トライアルホールディングス、Synspective(シンスペクティブ)などのグロース銘柄が採用候補に挙がっています。これらはいずれもAI・宇宙・物流テックなど話題性の高いセクターに属しており、採用確定後の需給インパクトへの期待が集まっています。
ただし、採用候補の株価は「確定前」が最も上昇しやすいという点は忘れないでください。基準日(8月末)を超えてから慌てて買っても、パッシブ買いのピークである10月の入替日に向けての上昇幅は、先に動いた投資家に比べて少なくなります。次の章では、除外リスク銘柄の最新状況と自己確認の方法を解説します。
第3章|TOPIX除外リスク銘柄|740銘柄の最新動向と保有チェック法
除外候補に共通する3つの特徴|今すぐ確認すべき判断軸
TOPIX改革の「光」の部分ばかりに目が向きがちですが、今回最も注意が必要なのは「除外リスク」です。約740銘柄が除外候補となっている今回の改革は、現在のTOPIX構成銘柄(約1,660銘柄)の実に約45%に相当します。プライム市場に上場しているからといって安全ではなく、基準を満たせなければ除外対象になります。
除外候補に共通する特徴として、第一に「浮動株時価総額が小さい」ことが挙げられます。具体的には、浮動株時価総額の累積比率96%以内に入れない銘柄が対象になりますが、ニッセイ基礎研究所の試算ではこのボーダーラインは約250〜280億円程度とされています。第二の特徴は「売買代金回転率が低い」ことです。年間の売買代金がその銘柄の時価総額の0.20回転に満たない銘柄は、流動性が低いとみなされます。第三に「大株主の持分比率が高い(浮動株比率が低い)」という特徴があります。創業家や親会社が大量の株を保有している企業は、市場で実際に売買される株数が少なく、浮動株時価総額が小さくなりがちです。
💡 チェックリスト|除外リスクを確認する3つの軸
- 浮動株時価総額が250億円以上あるか
- 年間売買代金回転率が0.20回転以上を継続しているか
- 大株主の持分が高すぎて浮動株が少なくなっていないか
除外後の株価はどうなる|8段階ウエイト低減のタイムラインと影響
除外が確定した銘柄の株価はどう動くのでしょうか。第2段階では「一気に除外」ではなく、8回に分けて12.5%ずつウエイトが低減されていきます。スケジュールは2026年10月を皮切りに、2027年1月、4月、7月、10月、2028年1月、4月と続き、2028年7月に完全除外となります。
なぜ段階的なのかというと、TOPIXに連動する資金は約107兆円(2025年3月時点)という巨大な規模があるため、一度に除外すると市場への衝撃が大きすぎるからです。段階的に売り圧力をかけることで、市場の混乱を最小限にする設計になっています。
ただし、個人投資家にとってはこの「緩やかな下落」がむしろやっかいです。一気に下がるなら損切りしやすいですが、じわじわと2年間かけて売り圧力がかかり続ける状況では、「まだ下がる余地があるのかどうか」を判断しにくいのです。過去の第1段階(2022年10月〜2025年1月)では、除外銘柄の多くがその期間に苦しいパフォーマンスとなりました。
| 時期 | ウエイト低減の内容 | 株価への影響 |
|---|---|---|
| 2026年10月(第1回) | ウエイトを12.5%低減 | 最初の売り圧力。基準日前後が特に注意 |
| 2027年1月〜10月(第2〜5回) | 3か月ごとに12.5%ずつ低減 | じわじわ継続する売り圧力。業績が良くても重荷に |
| 2028年4〜7月(第7〜8回) | 最終的に完全除外 | 除外完了後は売り圧力がなくなり、底打ちの可能性も |
無料ツールで10分チェック|保有銘柄の除外リスクを自分で調べる方法
「自分が持っている株が除外候補かどうか知りたい」という方のために、無料で確認できる方法を紹介します。難しいことは一切不要です。
まず、日本取引所グループ(JPX)の公式サイトにアクセスしてください。「TOPIXの見直し」のページに試算結果のPDFや資料が公開されており、構成銘柄リストが定期的に更新されています。また、大手証券会社(野村、大和、SBI証券など)のリサーチページでも「TOPIX入替予想銘柄リスト」を公表しているところがあります。さらに、株探(かぶたん)などの株式情報サイトでも入替関連ニュースが随時更新されています。
確認の手順としては、まず自分の保有銘柄の証券コードを調べます。次に、JPXや各証券会社が公表している除外候補リストと照合します。最後に、その銘柄の浮動株時価総額と年間売買代金を確認します。浮動株時価総額が250億円を下回り、売買が低調な銘柄は特に注意が必要です。
除外リスクを確認したあとの対応策は、次の第4章で詳しく解説します。除外候補銘柄を持ち続けるのか、売却するのか、それとも逆張りで狙うのか、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを丁寧に整理していきます。
第4章|TOPIX入替基準日直前の投資戦略|エントリーと出口の再設計
今から採用候補を買うのは遅いか|残り期間別のリターン期待値
「今から採用候補銘柄を買っても遅いですか?」これは多くの個人投資家が抱く疑問です。結論から言えば、今からでも遅くはないが、リターンの期待値は下がっていると考えるのが正直なところです。
採用候補銘柄の上昇は主に3つのフェーズで起こります。第1フェーズは「採用候補として名前が出た直後」で、最も大きな価格上昇が起きやすい時期です。今回でいえば、2025年末から2026年初にかけての時期がこれにあたります。第2フェーズは「基準日直前の6〜8週間」です。まさに今がこのタイミングです。まだ確定前ですが、採用可能性の高い銘柄には継続的な買いが入りやすい時期です。第3フェーズは「基準日から入替実施日(10月末)まで」の期間で、採用が確定した銘柄にはパッシブファンドの買いが確実に入るため、ここでも上昇が期待できます。
今から投資するなら、確実性の高い銘柄に絞り、少額で分散して入ることが基本です。全額を1銘柄に突っ込むような集中投資は、TOPIX入替を使った戦略としては過度なリスクをとることになります。
📊 残り期間別・行動の目安
- 基準日6週間前(今): 採用確実性の高い銘柄への少額エントリーはまだ有効
- 基準日2週間前〜直前: 新規エントリーは様子見。保有銘柄の損益確認を優先
- 基準日通過後: 採用確定銘柄の出口を意識。事実売りに備えた利益確定の準備
- 入替実施日(10月末)前後: パッシブ買いのピーク。出口のタイミングとして検討
「噂で買って事実で売る」相場の出口タイミングを見極めるサイン
投資の世界に「噂で買って事実で売る(Buy the rumor, sell the fact)」という言葉があります。TOPIX入替の採用候補銘柄はまさにこの典型で、「採用されるかもしれない」という期待で買われた株が、採用確定の瞬間を境に利益確定売りに転じることがあります。
出口を見極めるサインとして注目すべき指標は3つあります。まず「出来高の異常な増加」です。基準日の直前や入替実施日の前後に出来高が急増した場合、それは大口の売買が入っているサインである可能性があります。次に「株価の急騰後の陰線(始値より終値が低い足)」の出現です。上昇が一服して売り圧力が出てきているサインです。最後に「証券会社のレポートで目標株価が引き上げられた直後」も注意が必要です。一般的にこの時点では好材料の多くが株価に織り込まれていることが多いからです。
逆に、採用確定後も持ち続けていい局面もあります。それは「残り25%のパッシブ買いが2027年以降に入ってくる」という状況です。75%を一括で入れた後、残り25%は段階的に追加購入されます。業績が良くファンダメンタルズが健全な銘柄であれば、採用確定後も中長期で保有するという選択肢は合理的です。
採用確定後も保有を続けていい銘柄の条件|需給頼みからの脱却
TOPIX入替の「需給イベント」だけを目当てにした投資は、基本的に短期売買の発想です。一方で、TOPIX入替をきっかけに発掘した銘柄の中には、長期保有に値する優良企業が含まれることもあります。需給頼みの投資から脱却し、ファンダメンタルズとのハイブリッド戦略を取ることが、中長期的な資産形成において重要です。
採用確定後も持ち続けていい銘柄の条件として、まず「増収増益が続いている成長企業」であることが挙げられます。売上と利益が毎年伸びている企業は、需給イベントが終わった後でも株価の底上げが期待できます。次に「自己資本比率が高く、財務的に安定している」ことも重要な条件です。借金が少なく自己資金で事業を運営できている企業は、景気後退局面でも強さを発揮します。さらに「配当を継続・増配している」銘柄は、長期保有に適しています。インデックス入りで知名度が上がった銘柄が、同時に高配当株でもある場合、長期保有のメリットが大きいと言えます。
次の章では、TOPIX入替後の2027年以降の展開と、新NISA成長投資枠との組み合わせ戦略について解説します。この記事で紹介する戦略が、単なる短期売買の参考にとどまらず、あなたの長期的な資産形成の設計に役立てられることを目指しています。
第5章|TOPIX入替後の2027年以降|第2波の需給と長期投資の視点
残り25%のパッシブ買いはいつ来るか|2027年以降の追加需給スケジュール
2026年10月の入替では、新規採用銘柄の組入目標金額のうち75%が一括で買い付けられます。では残りの25%はいつ、どのように追加購入されるのでしょうか。ここはあまり語られていない重要なポイントです。
残り25%は、TOPIXに連動するパッシブファンドが毎年実施する定期的なリバランスの中で段階的に組み入れられていきます。具体的には、2028年10月の第2回定期入替のタイミングや、各ファンドの運用方針による買い増しが想定されています。つまり、採用確定後すぐに「パッシブ買いが完全に終わる」のではなく、2027〜2028年にかけても追加的な買いの需給が発生しうるのです。
この事実は、採用候補銘柄を長期保有する根拠の一つになります。もちろん、業績が悪化した場合はその限りではありませんが、財務的に健全でビジネスが成長している採用確定銘柄であれば、10月以降も保有を続ける合理性があります。
📅 2027年以降のTOPIX需給スケジュール
- 2027年1月・4月・7月・10月:除外銘柄のウエイト低減(第2〜5回)継続
- 2028年1月・4月:除外銘柄のウエイト低減(第6〜7回)
- 2028年7月:第1回入替で除外された銘柄の完全除外完了
- 2028年10月:第2回定期入替。新規採用・継続・除外の再評価
除外銘柄の逆張り戦略|2028年完了後に見直せる銘柄とは
TOPIX入替の話というと「採用候補を買う」ことばかりが注目されますが、逆の発想も重要です。除外が確定した銘柄を、2028年の完全除外後に「逆張り」で狙うという戦略があります。
除外された銘柄の株価は、2026年10月から2028年7月にかけてじわじわと売り圧力を受け続けます。しかし、売り圧力が完全に終わった後はどうなるでしょうか。もし事業の本質的な価値が損なわれていない企業であれば、TOPIXからの除外による「人工的な売り圧力」がなくなった後に株価が底打ちし、緩やかに回復する可能性があります。
逆張りの対象として有望な除外銘柄の条件は、ビジネスモデルが安定しており継続的なキャッシュフローがあること、配当を維持しており財務が健全であること、除外前の株価水準からの下落率が大きく、PBR(純資産倍率)が1倍を大幅に割り込んでいることなどが挙げられます。これらの条件を満たす銘柄は「需給イベントに売られすぎた割安株」として2028年以降の投資機会になりえます。
新NISA成長投資枠との組み合わせ|TOPIX入替を長期戦略に活かす発想
TOPIX入替の先回り投資と新NISAの成長投資枠を組み合わせる発想は、個人投資家にとって非常に有益です。新NISAの成長投資枠では年間240万円まで株式や投資信託に非課税で投資できます。TOPIX採用確定銘柄を成長投資枠で購入し、配当金や売却益を非課税で得られれば、税引き後のリターンがさらに高まります。
ただし、注意点もあります。新NISAは長期保有を前提とした制度であるため、TOPIX入替という短期的な需給イベントを目的に使う場合、「売り時に売れない」というジレンマが生じることがあります。NISAロールオーバー(非課税枠の再利用)ができない現行制度では、一度売却した枠は当年の残り枠でしか再利用できません。そのため、成長投資枠でTOPIX採用候補銘柄を買う際は、「需給イベント終了後も長期保有できる企業かどうか」を最初に判断することが大切です。
短期の需給と長期の業績成長の両方が期待できる銘柄を、新NISAの非課税メリットを活用しながら保有する。これが、TOPIX入替を「一過性のイベント」として消費するのではなく、自分の資産形成の流れに組み込む最も賢いアプローチです。次のまとめ章で、全体の要点を整理します。
まとめ|TOPIX入替基準日直前に投資家が確認すべき5つのポイント
2026年10月のTOPIX入替まで、基準日となる8月末まで残り約6週間となりました。この記事で解説したことを5つのポイントに絞って振り返りましょう。
- 採用候補株はすでに年初来13%超の上昇。先回り買いは進行中で、今からのエントリーは慎重な銘柄選びが必要
- 除外候補は約740銘柄と当初予想より拡大。保有銘柄が除外候補に入っていないか、今すぐJPXや証券サイトで確認を
- 「噂で買って事実で売る」パターンを意識し、採用確定後の出口戦略(利益確定のタイミング)を事前に設計しておく
- 除外後は2028年7月まで段階的な売り圧力が続く。除外候補銘柄の長期保有は慎重に
- 新NISA成長投資枠との組み合わせは「長期保有できる企業かどうか」を先に判断してから検討する
TOPIX入替は1年に1度の大きな需給イベントです。でも、だからこそ「みんなが注目しているから乗る」のではなく、自分のリスク許容度と投資スタイルに合わせた判断が重要です。焦る必要はありません。まず保有銘柄のチェックから始めて、できることを一つひとつ確認していきましょう。
あなたの投資が、今日よりも少しだけ確かなものになりますように。引き続き、このブログで一緒に学んでいきましょう。
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