【2026年最新】日経平均7万円超えでも割安なのはどの銘柄か?PER14倍以下の東証中小型株5選

日経平均株価が2026年6月22日に取引時間中で72,831円という歴史的な最高値を更新した一方、翌6月23日には終値で2,565円もの急落を演じました。この乱高下を目の当たりにして、「今さら主力株を買い増すのはリスクが高すぎる」と感じた方は、決して少なくないはずです。私自身、この週の値動きを見ながら、スクリーニング画面とにらめっこしながら「どこかに取り残された割安株はないか」と探し続けた一人でした。 実は、相場全体が急騰した局面でも、株価は上昇しているのに予想PERが指数平均を大きく下回る、”見えにくい割安銘柄”は必ず存在します。 この記事では、2026年6月23日時点のデータをもとに、東証グロース・スタンダード市場から厳選された5銘柄(SBI証券投資情報部・鈴木英之氏レポートより)の詳細分析を行います。特にリユース業界の2強であるバリュエンスホールディングス(9270)とコメ兵ホールディングス(2780)の比較、そしてEV転換期の部品メーカー・サンコール(5985)の事業構造変化という、他の記事ではほとんど触れられていない視点から掘り下げます。PERの読み方から、楽観・悲観シナリオまで丁寧に整理しますので、ぜひ最後までお読みください。

📌 この記事でわかること

  • 日経平均が最高値を更新した2026年6月相場で、割安と判断できる銘柄の選び方
  • 予想PERを使った割安判断の方法と「PERが低い理由」を見極める考え方
  • リユース業界2強(バリュエンス vs コメ兵)の事業モデルの本質的な違い
  • サンコールが「減収減益予想なのに注目される理由」という逆張り分析の視点
  • AI・半導体相場の熱狂が一段落した後に備える中小型株ポートフォリオの考え方

目次

  1. 第1章|2026年6月の日本株市場:最高値更新と急落が示す割安株選びのチャンス
  2. 第2章|バリュエンスホールディングス(9270):リユース流通プラットフォームの実力を読む
  3. 第3章|コメ兵ホールディングス(2780)vs バリュエンス:リユース2強の本質的な違い
  4. 第4章|サンコール(5985):減収減益でも注目すべき事業転換の本質
  5. 第5章|割安中小型株をポートフォリオに組み込む実践的な考え方
  6. まとめ|最高値相場の「見えにくい割安株」とどう向き合うか

第1章|2026年6月の日本株市場:最高値更新と急落が示す割安株選びのチャンス

日経平均が史上初めて7万円を超えたこの局面で、すべての銘柄が等しく上昇しているわけではありません。この章では、相場の全体像と割安株が生まれる構造的な理由を整理します。

日経平均72,831円の背景にある「AI・半導体一極集中」

2026年6月22日(月)、日経平均株価は取引時間中に72,831円73銭という過去最高値を記録しました(日本経済新聞リアルタイムデータより。私が確認した時点は2026年6月24日)。同日にはTOPIXも4,103.76まで上昇し、こちらも最高値を更新しています。ところが翌6月23日(火)には終値で前日比2,565円58銭の急落を演じるという、まさに荒れ狂う展開でした。

この急騰と急落の根底にあるのは、物色の極端な偏りです。SBI証券投資情報部・鈴木英之氏のレポート(2026年6月24日付)では、「相場上昇のけん引役はAI・半導体関連銘柄」と明確に指摘されています。さらに2026年6月20日(土)の日本経済新聞朝刊には、政府が「フィジカルAI」に官民で2040年度までに10.5兆円を投資するという記事が掲載されており、AI関連銘柄への期待がさらに積み上がった形です。

正直に言うと、私はこの局面を見て複雑な気持ちになりました。AI・半導体関連銘柄のバリュエーションはもはや「夢の価格」に近い水準に達しているものがある一方で、同じ市場でひっそりと取り残されたように動いている銘柄群がある。その非対称性こそが、今回のスクリーニングが意味を持つ理由です。

割安株スクリーニングの7つの条件とその意味

SBI証券投資情報部が今回適用したスクリーニング条件は7つあります。東証グロース市場または東証スタンダード市場への上場、時価総額1,000億円未満、直近20営業日の1営業日あたり平均売買高が2万株以上、2026年初来でTOPIXをアウトパフォームしていること、今期予想PERが14倍以下、今期の会社予想純利益が黒字、そして信用規制・注意喚起銘柄を除外する、という内容です(SBI証券新興株ウィークリー2026年6月24日号より)。

この条件設計の肝は、「株価が上昇している(TOPIXをアウトパフォーム)のに、なおかつPERが低い」という二つの要素を同時に要求している点です。株価が上昇しているならPERも上がるはずではないか、と思われるかもしれません。しかし現実には、利益の成長速度が株価の上昇速度を上回っているケースでは、株価が上がってもPERが縮小または横ばいになる現象が起きます。キオクシアホールディングス(285A)の6月23日時点の今期予想PERが12.0倍(日経予想ベース)であるのに対し、日経平均全体の今期予想PERが18.23倍(QUICKデータより)という事実がまさにこれを示しています。

今期予想PERを物差しにする際の重要な注意点

PER(株価収益率)とは、株価を1株あたり純利益で割った数値で、「投資家がその企業の1年分の利益に対して何倍の価格を支払っているか」を示す指標です。今回の基準として使われたのは東証スタンダード市場指数の今期予想PER14.28倍(QUICKデータ、2026年6月23日時点)であり、これを下回る銘柄を割安と判断しています。

ただし、ここで私が強調したいのは「PERが低いこと自体は割安の必要条件であって、十分条件ではない」という点です。業績予想が下方修正されるリスクが高い銘柄は、会社予想ベースのPERが低く見えても、実態は割安ではない可能性があります。また今回のスクリーニングはすべて「会社予想業績を参照」したPERですから、予想の精度自体を吟味することが不可欠です。次章以降の個別銘柄分析では、この「予想の根拠」という視点を常に意識して読み解いていきます。

💡 東証スタンダード市場指数の今期予想PER14.28倍(QUICKデータ、2026年6月23日時点)を割安判断の基準として、今回ピックアップされた5銘柄のPERは9.79倍〜13.32倍の範囲に収まっています。指数平均より1〜4ポイント以上低い水準です。

第2章|バリュエンスホールディングス(9270):リユース流通プラットフォームの実力を読む

予想PER10.13倍で「割安感あり」と言われるバリュエンスHD。しかしこの数字の裏側に何があるのか、ビジネスモデルの構造から利益の質まで丁寧に掘り下げます。

「単なる買取店」ではない、プラットフォーム型ビジネスの構造

バリュエンスホールディングス(証券コード9270、東証グロース市場上場)は、ブランド品・時計・宝飾品・骨董・美術品などを一般消費者から買い取り、オークション・卸売・小売の三つのチャネルで販売するリユース企業です。2025年8月期の売上高は848億円で、販路別内訳は自社オークション39.7%、卸売(地金)26.1%、小売20.6%などとなっています(バリュエンスホールディングス2026年8月期第2四半期決算説明資料より)。

この会社の特徴は「単なる買取販売店」という表現では収まらないビジネス設計にあります。仕入れ・価格査定・販路選定・オークション・小売・リペアまでを一気通貫でつなぐ「リユース流通プラットフォーム」としての性質が色濃いのです。特に注目すべきは「シームレス出品」という在庫管理の仕組みで、オークション出品までのリードタイムを活用して小売販売の機会を先に作り、在庫回転期間を引き延ばすことなく小売売上を積み上げる設計になっています。リペア事業との連携でブランド品の価値を高めてから販売するという取り組みも、差別化要素として機能しています。

2026年8月期の大幅上方修正を数字で深堀りする

2026年4月10日に発表された2026年8月期の上半期(2025年9月〜2026年2月)業績は、売上高519億円(前年同期比27.3%増)、営業利益35.5億円(同408%増)、純利益22.5億円(同694%増)という驚異的な増収増益でした(バリュエンスホールディングス2026年8月期第2四半期決算説明資料より)。上半期だけで純利益が前年同期比7倍超というのは、数字としてはかなりインパクトがあります。

この好決算を受けて会社側は通期業績見通しを上方修正しており、売上高は990億円から1,060億円(前期比24%増)、営業利益は40億円から55億円(前期比278%増)に引き上げています。さらに、予想年間1株配当金も当初の30円から45円(前期は10円)に増額されており、配当面の改善も顕著です。2026年6月23日時点の株価2,305円に対する予想配当利回りは約1.95%となります。

ここで私が上方修正の内容を確認して気になった点は、上半期の営業利益35.5億円という数字が、修正後の通期目標55億円に対して既に64.5%を達成している事実です。通常、リユース企業の下期は年末需要でやや上振れやすい側面もありますが、それでも上半期にこれだけの進捗率を達成していれば、通期目標の達成確度はかなり高いと判断できます。もっとも会社側の予想自体がすでに「1月に続き2度目の上方修正」ですから、保守的な姿勢を維持しているとも解釈できます。

金価格下落リスクは本当に致命的か

株価が4月16日の一時高値2,791円から6月23日の2,305円へと下落してきた背景の一つに、4月中旬以降の金先物価格の下落があります。売上高の26.1%を占める卸売(地金)部門は金価格の影響を受けやすく、金価格下落は確かにネガティブな要因です。

ただ、正直に言うと私はこのリスクを過度に警戒する必要はないと考えています。その根拠は利益構造にあります。会社側の説明資料によれば、卸売(地金)部門の売上総利益率は比較的低く設定されており、高利益率の小売部門と比較すると利益への貢献度は売上構成比ほど大きくありません。上半期の小売売上高が132億円(売上構成比25.4%)で前年同期比42.8%増と全体をけん引している事実を見れば、金価格下落の影響を小売強化でカバーする余地は十分あります。 楽観シナリオとしては、金価格が下期に反発し地金売上も回復することで通期営業利益が55億円を上回る可能性。悲観シナリオとしては、金価格下落が続き地金売上が想定を下回り、通期営業利益が45〜50億円程度に留まるケースが考えられます。どちらのシナリオでも予想PER10.13倍という現状の割安感は大きく損なわれないと見ています。

第3章|コメ兵ホールディングス(2780)vs バリュエンス:リユース2強の本質的な違い

予想PER9.79倍でリスト最安値圏のコメ兵HD。同じリユース企業でPER差がほとんどないバリュエンスHDとどう違うのか。数字の奥にある事業モデルの差異を独自視点で比較します。

2026年3月期の決算数字が示すコメ兵の底力

コメ兵ホールディングス(証券コード2780、東証スタンダード市場上場)の2026年3月期通期業績は、売上高2,217億円(前期比39.4%増)、営業利益92億88百万円(同50.4%増)という大幅な増収増益で着地しました(コメ兵ホールディングスIRページおよびYahoo!ファイナンス掲載データより。私が確認した時点は2026年7月5日)。2027年3月期の会社業績予想は売上高2,520億円(前期比13%増)、営業利益108億円(同16.3%増)という増収増益見通しです。

注目したいのは売上規模の差です。バリュエンスHDの2026年8月期通期売上高目標1,060億円に対し、コメ兵HDは2,520億円という計画を持っています。規模の経済という観点で、コメ兵はすでに業界内で圧倒的なリードを築いています。しかし、売上規模が大きいからといって成長余地が小さいわけではない点は、後述の比較で明確にします。

同じPER水準でも「中身」は全く異なる

2026年6月23日時点で、コメ兵HDの今期予想PERは9.79倍、バリュエンスHDは10.13倍と差はほぼありません。ところが、この二社の事業モデルはかなり異なる構造を持っています。SBI証券の分析(2026年6月24日付レポート)によれば、コメ兵は「規模・ブランド認知・小売店舗網・鑑定士・顧客基盤」での優位性を持ち、バリュエンスは「買取ネットワーク・BtoBオークション・海外仕入・リペア・在庫回転を意識した販売プラットフォーム」で成長余地があるとされています。

言い換えると、コメ兵は「現時点での圧倒的なプレゼンス」が評価軸であり、バリュエンスは「ビジネスモデルの進化可能性」が評価軸です。同じPERでも、何に対して割安なのかという質的な違いがあります。私がこの二社の選択で迷った理由はまさにここにあります。安定感をとるか、上昇余地をとるか。これは投資家自身のリスク選好度によって答えが変わる問いです。

私が独自に試算した「1株あたり利益の成長率比較」

他の記事ではほとんど取り上げられていない切り口として、私はこの二社の1株あたり純利益(EPS)の成長率を独自に計算してみました(2026年7月5日時点での公開情報をもとに試算)。 コメ兵HDについては、2026年3月期の営業利益92億円から2027年3月期予想108億円への増加率は約16.3%です。一方バリュエンスHDは、2025年8月期の営業利益約14.5億円(前期比)から2026年8月期予想55億円への増加率は約278%という圧倒的な伸びです。ただしバリュエンスの場合、この増益は「前期の利益水準が低かった」という反動効果を多分に含んでいます。

より公平な比較として、上半期実績から通期EPS成長率の方向性を見ると、コメ兵は着実な2桁成長の持続、バリュエンスは急激な利益改善フェーズからの正常化という二つの異なるステージにあることがわかります。成熟期のコメ兵に対してバリュエンスはまだ利益構造の転換期にあり、その移行が順調に進むかどうかが株価の方向性を大きく左右します。

📊 リユース市場全体の規模について、リユース経済新聞の調査によると2023年に国内リユース市場は3兆円を超えており、2030年に4兆円市場になると予測されています。また環境省は2030年までのリユース市場規模目標として4兆6,000億円という数値を打ち出しています。この成長市場の中で、コメ兵とバリュエンスはそれぞれ異なる方法で存在感を高めようとしています。

第4章|サンコール(5985):減収減益でも注目すべき事業転換の本質

今期減収減益予想でありながらスクリーニングに残ったサンコール。この「一見矛盾する」銘柄の本当の姿を、事業ポートフォリオの変化という視点から解説します。

利益の「稼ぎ頭」が電子情報通信に移った意味

サンコール(証券コード5985、東証スタンダード市場上場)は精密金属部品を製造する部品メーカーで、EV関連製品・電子情報通信分野・既存自動車分野の三つの事業を展開しています。2026年3月期の売上高のうち「既存自動車分野」が全体の63.1%を占めており、大部分は依然として従来型の自動車向けです(サンコール株式会社2026年3月期決算説明資料より。私が確認した時点は2026年7月5日)。

ところが営業利益の内訳を見ると、話が全く違います。2026年3月期の営業利益のうち「電子情報通信分野」が全体の72.1%を占め、同部門の売上高営業利益率は34.3%という高水準です。会社全体の売上高営業利益率が13.6%であることを考えると、電子情報通信分野の収益性がいかに突出しているかがわかります。売上高ベースで見ると「自動車が主役」に見えますが、利益ベースで見ると「通信がほぼ全てを稼いでいる」という構造です。

この「見えにくい利益の偏在」こそが、サンコールを読み解くうえで最も重要な視点です。データセンター向けの光コネクタ需要が旺盛で、2026年3月期の通信関連売上高は前期比約52%増という大幅な伸びを示しました。これは会社の業績を引っ張る「見えないエンジン」として機能しています。

中期経営計画2027の上方修正が示す自信の根拠

サンコールは2026年5月13日に「中期経営計画2027における定量目標の上方修正」を発表しています(サンコール株式会社IR開示資料より)。2026年3月期の業績が当初計画を上回ったことを受け、2027年3月期および2028年3月期の定量目標を上方修正した内容です。この上方修正は、通信関連事業の成長速度が当初想定を超えていることへの自信の表れと読み取れます。

同時に、HDD用サスペンション事業からの撤退とEV関連への注力という事業再編の方向性は、中期経営計画2027において明確に示されています。EV関連のバスバー事業(電気自動車内の大電流を流す金属板部品)では大型受注があり、2026年度から本格事業拡大が見込まれています。自動車のEVシフトで「消えていく部品」と「生まれてくる部品」を同時に抱えているのがサンコールの現在地であり、この過渡期をどう乗り越えるかが株価の核心的な問いです。

楽観・悲観シナリオで考えるサンコールの株価水準

2027年3月期の会社業績予想は売上高505億円(前期比3.3%減)、営業利益58億円(同18.6%減)の減収減益です。一方で配当は30円(前期比10円増配)という株主還元の方向性は維持されています。6月23日時点の株価1,847円に対する予想配当利回りは約1.62%です(2025年末の終値922円からは約2倍の水準です)。

楽観シナリオとしては、データセンター向け通信関連の需要が引き続き旺盛で、会社予想の営業利益58億円を上回る可能性があります。さらにEVバスバー事業が想定以上に立ち上がれば、中期的な収益の柱が二本になる展開が期待できます。悲観シナリオとしては、半導体需要の変調でデータセンター投資が鈍化し、光コネクタ需要が落ち込むケースです。この場合、電子情報通信分野の営業利益が大幅に減少し、株価が再び1,000円台前半まで調整する可能性も排除できません。

私がサンコールで迷った理由を正直に言うと、「稼ぎ頭が一つの分野に集中しすぎている」点への懸念です。通信関連の営業利益が全体の72%という集中度は、その分野が好調な間は効率的ですが、需要が曲がり始めると業績全体への打撃が大きい。だからこそ、半導体市況の動向を定期的に確認しながら保有を判断する必要があります。

第5章|割安中小型株をポートフォリオに組み込む実践的な考え方

個別銘柄の分析だけでなく、「どのような思考で中小型株をポートフォリオに位置づけるか」という大局観を整理します。AI・半導体相場の「次」を見据えた実践的な視点です。

AI・半導体相場の「次」を見据えた分散投資の発想

2026年6月の日本株相場は、AI・半導体関連銘柄が圧倒的な主役でした。日経平均が7万円を超えるという歴史的な局面においても、ファッションリユース・精密金属部品という分野の銘柄は市場の脚光を浴びることなく、相対的に取り残された状態で推移していました。これはリスクでもありますが、同時に「割安のまま放置される機会」でもあります。

分散投資の観点から言えば、AI・半導体銘柄との相関が低い業種の銘柄をポートフォリオに加えることは、相場環境が変化した局面でのクッションになり得ます。リユース業界はインフレ局面での需要増という独自のドライバーを持ち、AI・半導体市況とは基本的に独立した動きをします。円安で新品ブランド品が買いにくくなるとリユース需要が高まるという関係性も、現在の為替環境下では追い風として機能する余地があります。

時価総額1,000億円未満の中小型株が持つ固有リスク

今回ピックアップされた5銘柄はいずれも時価総額1,000億円未満の中小型株です。中小型株には大型株にはないリスクが存在します。流動性リスクとして、売買高が薄い日には希望の価格で売買できない場合があります。今回のスクリーニングでは直近20営業日の1日平均売買高が2万株以上という条件を設けることでこのリスクを一定程度排除していますが、市場全体が急変した局面では売買が成立しにくくなることは念頭に置く必要があります。

また、情報の非対称性という問題もあります。大型株と比べて、アナリストのカバレッジ(分析レポートの数)が少なく、IR説明会への参加者も限られます。その分、公開情報を自分で丹念に読み込むことが大型株以上に重要です。決算短信・有価証券報告書・中期経営計画の3点セットを定期的に確認する習慣が欠かせません。

定期的なスクリーニングを習慣にするための3つの指標

割安株の発掘を継続的に行うためには、定期的なスクリーニングを習慣化することが重要です。今回の手法を応用すれば、自分でも同様の絞り込みが可能です。私が日常的に確認している三つの指標は、まず今期予想PERとその市場平均との乖離(PERが平均の80%以下を目安にしています)、次に直近四半期の会社予想に対する進捗率(上半期時点で50%超を達成しているかどうか)、そして株主還元の方向性(増配か自社株買いかを確認することで経営陣の自信の度合いを測る)という三点です。

SBI証券の投資情報部が公開しているような週次レポートは、このスクリーニングのアイデアを得る上で非常に参考になります。もちろん最終的な投資判断は自分自身の分析と判断に基づいて行うことが前提ですが、プロのアナリストが「なぜこの銘柄を選んだか」という選択基準を学ぶことは、自分のスクリーニング精度を高める近道になります。

⚠️ 今回ピックアップされた5銘柄(コメ兵HD、バリュエンスHD、日本ギア工業、山王、サンコール)はいずれも特定の投資条件を満たした結果であり、将来の株価上昇を保証するものではありません。特に中小型株は相場環境の変化や個別事業リスクによる急落の可能性も念頭に置く必要があります。

まとめ|最高値相場の「見えにくい割安株」とどう向き合うか

日経平均が史上最高値を更新した2026年6月相場において、「割安感の強い中小型株」が静かに存在しているという事実は、投資家として見逃せない視点です。この記事で整理した内容をまとめると以下のとおりです。

  • 日経平均の今期予想PER18.23倍に対し、今回の5銘柄は9.79〜13.32倍という水準にあり、指数平均との乖離が明確です
  • バリュエンスHD(9270)は2026年8月期上半期の利益が前年同期比694%増と急拡大しており、流通プラットフォーム型のビジネスモデルに独自の成長余地があります
  • コメ兵HD(2780)とバリュエンスHDは予想PERがほぼ同水準でも事業モデルの質が異なり、安定感ならコメ兵、成長余地ならバリュエンスという選択軸が有効です
  • サンコール(5985)は「減収減益予想」という表面数字に惑わされず、電子情報通信分野の高利益率構造とEV転換への事業再編という質的変化を評価する視点が重要です
  • 中小型割安株はAI・半導体相場との相関が低く、ポートフォリオ全体のリスク分散として有効に機能し得ます

次のアクションとして、まず各社のIRページで直近の決算短信と中期経営計画を実際に読んでみることをお勧めします。コメ兵HDのIR情報はコメ兵ホールディングスIRページで、バリュエンスHDの開示資料は日本経済新聞のNIKKEI開示資料ページで確認できます。サンコールの中期経営計画についてはサンコール株式会社IRページに詳細が掲載されています。また、東京証券取引所の上場会社情報はJPX(日本取引所グループ)公式サイトから確認できます。

一つのレポートや記事を読んで即座に判断するのではなく、複数の情報源を組み合わせながら自分なりの仮説を作る習慣が、中小型株投資では特に大切です。今回の5銘柄がそのきっかけになれば幸いです。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。記事内の数値・データは各社IR資料・公開情報をもとにしていますが、将来の業績・株価を保証するものではありません。

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