1. これだけ覚えればOK:複利の仕組み
複利は、元本だけでなく増えた利子も次の期の元本に組み入れる計算方法です。いっぽう単利は、最初の元本に対してのみ利子がつきます。
将来価値(FV)のシンプルな式:
FV = PV × (1 + r)n
(年1回複利)/FV = PV × (1 + r/k)n×k
(年k回複利)
2. 単利と複利、数字で比較(年5%・元本100万円)
期間 | 単利 | 複利 | 差額 |
---|---|---|---|
5年 | 1,250,000円 | 1,276,282円 | +26,282円 |
10年 | 1,500,000円 | 1,628,895円 | +128,895円 |
20年 | 2,000,000円 | 2,653,298円 | +653,298円 |
30年 | 2,500,000円 | 4,321,942円 | +1,821,942円 |
3. 1行で倍になる年数がわかる「72の法則」
「72 ÷ 金利(%) ≈ お金が2倍になる年数
」。たとえば金利3%なら、72÷3=24
年で2倍の目安。
4. “早く始める”は“多く入れる”に勝る
シナリオA
20歳から月2万円×40年(年5%・複利)
最終額:30,520,403円
シナリオB
30歳から月3万円×30年(年5%・複利)
最終額:24,967,759円
※Aの総拠出960万円のほうがBの総拠出1,080万円より少額でも、開始が早いため最終額はAが大きくなる—これが複利の時間価値。
5. 月5万円×30年の破壊力(年5%)
年率 | 最終額(30年) |
---|---|
5% | 41,612,932円 |
4%(▲1%) | 34,702,470円 |
3%(▲2%) | 29,136,844円 |
6. 複利の“敵”はこれ:手数料・税金・インフレ
- 手数料(コスト) … 販売手数料・信託報酬など。わずか1%の差でも30年では累積差が数百万円規模になり得ます。
- 税金 … 通常は売却益・分配金等に約20%課税。NISAを使えばこれが非課税に。
- インフレ … 物価上昇でお金の価値は目減り。預貯金だけでは増えにくい点も注意。
7. 新NISAで“非課税×複利”を最大化
2024年に恒久化された新NISAは、非課税保有限度額1,800万円、年間投資枠最大360万円(つみたて120万円+成長投資枠240万円)、非課税保有は無期限、売却で翌年以降に枠が再利用できるなど、長期・積立に有利。
8. よくある“名言”の真偽に注意
「アインシュタインが“複利は宇宙で最強の力”と言った」という有名フレーズは、裏取りができない誤帰属と検証されています。名言の真偽はさておき、複利の威力は事実。
9. 実践ステップ(高校生・初心者向け)
- 目標と期間を決める: 大学・留学・就職・老後など、使う時期から逆算。
- 流れを覚える: 給与(お小遣い)→家計管理→余剰金→つみたて投資(自動化)。
- 商品は“分散×低コスト”を優先: 手数料の1%差は将来の数十万円~数百万円差に。
- 非課税を活かす: 新NISAの枠をコツコツ活用。
- 再投資の設定をON: 分配金などは自動再投資で“複利”を効かせる。
- 相場は上下する: 長期・積立・分散でブレに備える。
10. キーワードでまとめ直す:なぜ「複利」は最強なのか?高校で教えてほしかったお金の基本
- 複利=利子にも利子。式は
FV = PV × (1 + r)n
。 - 単利との差は、時間が長いほど指数関数的に拡大。
- 「72の法則」で直感をつかむ(
72 ÷ 金利
)。 - コスト・税金・インフレが複利の敵。非課税の新NISAを活用。
FAQ(先に疑問を全部つぶす)
Q1. 複利って結局なに?単利とどう違うの?
複利は「元本+過去の利子」に利子がつくため、時間とともに増え方が加速します。単利は元本だけに利子。
Q2. どれくらいでお金は倍になるの?
近似式「72の法則」を使います。72 ÷ 金利(%)
で概ねの年数。例:3%なら24年ほど。
Q3. 新NISAは複利に有利?
はい。非課税×無期限のため、課税による複利の目減りを避けられます。年間360万円、生涯1,800万円の枠、売却後の枠再利用も可能。
Q4. コスト(手数料)はそんなに重要?
重要です。年1%の差が30年で数百万円規模の差に。販売手数料・信託報酬の構造を確認しましょう。
Q5. 相場が下がるのが怖い…どうしたら?
「長期・積立・分散」の基本を守ること。時間分散で価格変動リスクをならします。
Q6. “アインシュタイン名言”は本当?
信頼できる一次ソースが見つからず、誤帰属と評価されています。フレーズの真偽に関係なく、複利の重要性は事実です。
Q7. 数式が苦手でも始められる?
大丈夫。①支出管理→②つみたて自動化→③分散&低コスト→④再投資ON
の4手順でOK。シミュレーターを使えば計算も安心。
Q8. まず何を読めばいい?
金融庁のNISA特設サイトと、学習用の基礎スライド(利子・単利・複利の定義)が最初の一歩に最適です。
結論
「なぜ「複利」は最強なのか?高校で教えてほしかったお金の基本」は、時間・再投資・低コスト・非課税の4点で説明できます。いまの少額が、時間というエンジンで大きく化ける。その土台を壊すのは、高コスト・課税・インフレ。今日からできるのは、固定費を整え、低コスト分散に自動つみたてし、分配金は再投資、そして新NISAの非課税を活用すること。これが“高校で本当は習いたかった”お金の実学です。
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