2026年7月15日、チャットプラス(証券コード:598A)が東証グロースへ上場します。同社は、企業の問い合わせ対応を自動化するチャットボット・FAQシステムをSaaSで提供する注目の成長企業です。Chat Plus・AI Agent Plus・FAQ Plusという3つの主力サービスを軸に、生成AIの波に乗ったトレンド性の高いSaaS領域で急速に存在感を高めています。
業績面では、2025年6月期の売上高が前期比36.3%増、経常利益率は驚異の36.1%を誇り、SaaS企業らしい高収益体質が際立ちます。VCの保有比率がゼロで売り圧力が小さく、株主構成の安定感も魅力的です。かぶリッジ独自の初値予想は「B評価(1.3倍以上1.5倍未満)」、想定価格1,050円に対して1,365円〜1,574円のレンジを見込んでいます。
この記事では、チャットプラスIPOの基本情報・日程・初値予想・事業内容・業績・申込戦略まで、投資判断に必要な情報をまとめて解説します。IPO抽選に参加するかどうか迷っている方は、ぜひ最後までご確認ください。
この記事でわかること
- チャットプラスのビジネスモデルが「なぜ高収益を生み出せるのか」がわかる
- かぶリッジ独自のIPO評価ロジックと初値予想の根拠が理解できる
- VC保有ゼロ・ストック型収益93.8%が株価に与える影響に気づける
- 申込に使うべき証券会社の選び方と当選確率を上げる戦略が身につく
- 上場後の値動きリスクと注意すべきオファリングレシオの見方がわかる
- 第1章|チャットプラスIPOの基本情報と上場スケジュール
- 第2章|チャットプラスIPO 初値予想と評価の根拠
- 第3章|チャットプラスの事業内容と生成AI戦略
- 第4章|チャットプラスIPOの業績データ徹底分析
- 第5章|チャットプラスIPO 当選戦略と証券会社の選び方
- まとめ|チャットプラスIPOは申し込む価値があるか
第1章|チャットプラスIPOの基本情報と上場スケジュールを完全解説
出典:Unsplash(Lautaro Andreani)
上場日・市場・証券コードの確認ポイント
「IPO」という言葉を聞いたことがありますか? IPOとは「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規株式公開」と呼ばれます。企業が初めて株式を一般の投資家に向けて公開・販売するイベントのことです。IPO銘柄は上場直後に株価が大きく上がることも多く、個人投資家から非常に人気を集めています。
今回注目するのが、チャットプラス株式会社(証券コード:598A)です。チャットプラスは、2026年7月15日(水)に東証グロース市場へ上場することが決まっています。東証グロース市場とは、東京証券取引所が運営する市場のひとつで、将来の成長が期待される新興企業が集まる市場です。いわば「これから大きくなっていく会社たちの集まり」と考えると、イメージしやすいかもしれません。
業種は「情報・通信業」に分類されており、チャットボット(自動でお客様の質問に答えるAIシステム)やFAQ(よくある質問)システムをSaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で提供している企業です。想定時価総額は約48.8億円と、規模感としては小型のIPO案件に分類されます。小型IPOの特徴として、流通する株式数が限られるため、人気が集中すると株価が大きく跳ね上がりやすいという面があります。
主幹事証券会社は丸三証券です。主幹事とは、IPOの際に中心となって株の割り当てや上場手続きを担う証券会社のことです。主幹事に口座を持っていると、比較的多くの株が配分される可能性があります。チャットプラスIPOでは、丸三証券のほかにもSMBC日興証券・岡三証券・東海東京証券・SBI証券・マネックス証券・松井証券・楽天証券など、幅広い証券会社で申し込みが可能となっています。
ポイント:東証グロース市場上場の意義
東証グロース市場への上場は、企業としての信頼性と成長性が一定水準を満たしていることの証明です。上場することで知名度も上がり、優秀な人材採用や取引先拡大にもつながります。投資家としては、「これから伸びる可能性がある企業」に早いタイミングで関われるという魅力があります。
ブックビルディングから当選発表までの流れ
IPO投資の流れを理解することは、初めて挑戦する方にとってとても重要です。いきなり「申し込んでください」と言われても、どの時期に何をすればいいのか分からない方も多いでしょう。チャットプラスのIPOスケジュールを順番に整理していきます。
まず最初のステップが「仮条件の発表」です。2026年6月25日(木)に仮条件が発表される予定です。仮条件とは、公開価格がどのくらいになるかを示す「価格の幅」のことで、「1,000円〜1,100円」といった形で示されます。この仮条件を見てから、投資家たちは「いくらで買いたいか」を証券会社に伝えます。これを「ブックビルディング(BB)」と呼びます。
ブックビルディング期間は6月29日(月)〜7月3日(金)です。この期間中に、参加したい証券会社のウェブサイトや専用アプリから申し込みを行います。証券会社によっては事前に入金が必要なところもありますので、余裕を持って準備しておくことが大切です。
その後、7月6日(月)に当選発表と公開価格の発表が行われます。公開価格とはIPO株を買うことができる正式な値段のことで、当選した人はこの価格で株を購入できます。そして7月7日(火)〜7月10日(金)が申込期間となっており、当選した場合は忘れずに購入手続きを完了させる必要があります。
いよいよ7月15日(水)が上場日です。この日から証券取引所でチャットプラスの株が売買できるようになります。初値(最初についた株価)がどの水準になるかは、当日の市場の雰囲気や投資家の需要によって決まります。
| 日程 | イベント | 投資家がすること |
|---|---|---|
| 6月25日(木) | 仮条件発表 | 価格帯を確認し、参加するか判断する |
| 6月29日〜7月3日 | ブックビルディング期間 | 各証券会社で購入希望価格・数量を申し込む |
| 7月6日(月) | 当選発表・公開価格決定 | 当選通知を確認し、購入意思を決める |
| 7月7日〜7月10日 | 申込(購入)期間 | 当選分の株を正式に購入手続きする |
| 7月15日(水) | 上場日(初値決定) | 初値を確認し、売却するか保有継続か判断する |
想定価格と公開価格の読み方
「想定価格」と「公開価格」、この2つの違いを正確に理解しておくと、IPO投資の判断がよりスムーズになります。まず「想定価格」とは、上場前の段階で企業側が「このくらいの価格で株を売りたい」と設定した仮の価格のことです。チャットプラスの場合、想定価格は1,050円です。
その後、ブックビルディングを通じて投資家の需要を確認したうえで「公開価格」が正式に決定されます。公開価格は想定価格と同額になることもありますが、人気が高ければ想定価格より上に、需要が低ければ下に設定されることもあります。これがIPO投資の醍醐味のひとつで、人気案件では公開価格よりも大幅に高い「初値」がつくことも珍しくありません。
たとえば、想定価格1,050円のチャットプラスについて、かぶリッジ独自の初値予想は1,365円〜1,574円(1.3倍〜1.5倍)の「B評価」となっています。もし公開価格1,050円で当選して、初値が1,400円だった場合、1株あたり350円の利益が出る計算になります。100株購入できれば、単純計算で35,000円のリターンになるわけです。
ただし、これはあくまでも予想であり、実際の初値は市場の状況や上場当日の投資家心理によって大きく変わります。公開価格を下回ることもゼロではありません。IPO投資は「当たれば嬉しい」くらいの気持ちで、余裕資金の範囲内で挑戦するのが賢い姿勢です。この章では基本情報とスケジュールを押さえましたが、次の章ではかぶリッジの初値予想とその根拠を詳しく見ていきましょう。
まとめ:第1章のポイント
チャットプラス(598A)は2026年7月15日に東証グロース上場予定です。想定価格は1,050円で、ブックビルディング期間は6月29日〜7月3日。主幹事の丸三証券をはじめ、複数の証券会社で申し込めます。IPOの流れを把握してスムーズに申し込みを行いましょう。
第2章|チャットプラスIPOの初値予想と評価根拠を徹底解説
出典:Unsplash(Luke Chesser)
かぶリッジ独自評価「B」の算出プロセス
IPO投資を始めたばかりの方にとって、「初値がどのくらいになるか」は最も気になるポイントのひとつでしょう。かぶリッジでは、過去のIPOデータや複数の定量的な評価項目をもとに、独自の初値予想を行っています。チャットプラス(598A)については、「B評価(1.3倍以上1.5倍未満)」という評価が下されており、想定価格1,050円に対して1,365円〜1,574円のレンジが初値として予想されています。
かぶリッジの評価体系は「S・A・B・C・D」の5段階で構成されています。S評価(2倍以上)やA評価(1.5倍以上2倍未満)は非常に高い人気が見込まれる銘柄で、B評価は「まずまず堅実なリターンが期待できる」中堅的ポジションです。Cは1倍〜1.3倍未満(わずかな上昇か公開価格付近)、Dはそれ以下が想定される厳しい評価です。
B評価の根拠はいくつかの要因から成り立っています。まず事業のトレンド性が非常に高いという点です。生成AIが急速に普及する中で、チャットボットやFAQシステムへの企業ニーズは爆発的に高まっています。次に、業績の伸びが顕著で売上高成長率36.3%、経常利益率36.1%というSaaS企業らしい高収益体質が評価されています。さらにVC(ベンチャーキャピタル)の保有がゼロという点も、上場後の売り圧力が少ないことを示す好材料です。
一方で、B評価にとどまった理由のひとつが「オファリングレシオが28.4%とやや高め」であることです。オファリングレシオとは、上場する株のうちどれだけが市場に放出されるかを示す指標で、高いほど供給過多になりやすく、株価の上昇が抑えられる傾向があります。また、主幹事が丸三証券という比較的規模の小さい証券会社であるため、機関投資家への配分が限られる可能性もあります。
これらの強みと弱みを総合的に評価した結果として、B評価(1.3倍〜1.5倍)という予想が導き出されています。この評価はあくまでも参考情報であり、実際の初値は当日の市場環境に大きく左右されますが、事業の質・業績の伸びという本質的な部分においては、チャットプラスは間違いなく注目に値する銘柄といえます。
オファリングレシオ・公募割合が示す需給バランス
株式投資において「需給」という言葉はとても重要です。需要(買いたい人の数)と供給(売りに出ている株の量)のバランスが、株価を大きく左右します。IPOでは、この需給の構造を「オファリングレシオ」と「公募割合」という2つの指標で把握することができます。
まず「オファリングレシオ」とは、発行済み株式数の合計に対して、今回のIPOで市場に放出される株式の割合を示すものです。チャットプラスのオファリングレシオは28.4%とやや高めに設定されています。一般的にオファリングレシオが低い(10〜15%以下)ほど流通株数が少なく、人気が集中した際に株価が急騰しやすい傾向があります。28.4%という数字は、決して悪い水準ではありませんが、超人気案件と比べると株の供給量がやや多めになることを意味しています。
一方「公募割合」は、IPOで新たに発行される株(公募株)が全体の中でどれだけの割合を占めるかを示します。チャットプラスの公募割合は56.5%と過半数を超えており、これは良いサインです。公募割合が高いということは、既存株主が「株を売って現金を得よう」という動きよりも、「会社に新しい資金を入れて成長させよう」という目的が強いことを示しています。投資家から見ると、売り圧力が相対的に少ないと解釈できます。
| 評価指標 | チャットプラスの数値 | 投資家への影響 |
|---|---|---|
| オファリングレシオ | 28.4%(やや高め) | 供給が多めで急騰しにくい面がある |
| 公募割合 | 56.5%(高い) | 会社への資金流入が多く、成長への積極性が読める |
| VC保有比率 | 0%(なし) | 上場後の売り圧力が小さく、株価が安定しやすい |
| 想定時価総額 | 48.8億円(小型) | 少ない資金でも株価を動かしやすい |
VCゼロ・ロックアップ状況がもたらす安心感と注意点
IPO投資において「VC(ベンチャーキャピタル)保有比率」は、非常に重要なチェックポイントです。VCとは、成長が期待できるスタートアップ企業に出資して、IPO後に株を売却することで利益を得るファンドのことです。VCが多く入っている企業は、IPO後にVCが大量の株を売ることで株価が下落するリスクがあります。
チャットプラスの場合、VC保有比率はゼロです。これは投資家にとって大きな安心材料です。VCによる大量売却(いわゆる「売り浴びせ」)が発生しない分、上場後の株価が比較的安定しやすい環境が整っています。大株主を見ると、筆頭株主のマネーストレージ株式会社(35.08%)や代表取締役社長の大江繭子氏(29.27%)など、経営に深く関わる方々が中心となっており、長期的に会社を育てようという姿勢が見て取れます。
また「ロックアップ」という仕組みも知っておくと便利です。ロックアップとは、IPO後の一定期間(通常90〜180日間)、大株主が株を売れないように制限するルールのことです。ロックアップがかかっている株主が多いほど、上場直後の売り圧力が抑えられます。チャットプラスでは主要株主にロックアップが設定されており、上場直後の需給環境は比較的良好と考えられます。
ただし、注意すべき点もあります。ロックアップの解除タイミング(解除日)が近づくと、大株主が株を売り始める可能性があるため、保有を続ける場合はロックアップ解除日を必ず確認しておくことが大切です。また、小型IPOであるため、市場全体の地合い(株価の上げ下げ)に影響されやすい面もあります。第2章でわかったことを整理すると、チャットプラスはVC不在・公募割合高め・事業のトレンド性という3つの強みがB評価を支えており、初値は1,365円〜1,574円のレンジが有力です。次の章では、実際にチャットプラスが何者なのか、事業の中身を深掘りしていきます。
まとめ:第2章のポイント
初値予想はB評価(1.3倍〜1.5倍)で、想定価格1,050円に対して1,365〜1,574円レンジ。VC保有ゼロと公募割合56.5%が需給面のプラス材料。オファリングレシオのやや高さは注意点ですが、事業性・業績の強さが評価を下支えしています。
第3章|チャットプラスの事業内容と生成AI戦略をわかりやすく解説
出典:Unsplash(Solen Feyissa)
Chat Plus・AI Agent Plus・FAQ Plusの違いと強み
チャットプラスという会社名を聞いても、「具体的に何をやっている会社なの?」と疑問に思う方も多いはずです。一言で言えば、「企業のお客様対応を自動化・効率化するAIシステムを作って売っている会社」です。私たちが通販サイトやサービスのウェブページを見ていると、画面の隅にポップアップで現れる「何かお困りですか?」というチャット画面を見かけたことはありませんか? あれがチャットボットです。チャットプラスはそのシステムを企業向けに提供しています。
主力サービスは3種類あります。まず「Chat Plus(チャットプラス)」は、企業の問い合わせ対応を24時間自動化できるチャットボットシステムです。「有人チャット(人間が対応)」「シナリオ型(あらかじめ決まった流れで回答)」「フリーワード型(AIがどんな質問にも回答)」の3つの応対方式を切り替えながら使えるのが大きな特徴です。月額1,500円から始められる手頃な価格設定も、中小企業への普及を後押ししています。
次に「AI Agent Plus(AIエージェントプラス)」は、Chat Plusの全機能に加えて、ChatGPTなどの生成AIと連携したより高度なチャットボットです。複雑な質問の意図をAIが読み取り、登録されたデータをもとにその場でカスタマイズした回答を自動生成します。たとえば「先週注文した商品の返品方法を教えて」という複雑な質問に対しても、シナリオに縛られず柔軟に回答できます。
3つ目が「FAQ Plus(FAQプラス)」で、AIがマニュアルや社内文書からFAQ(よくある質問)記事を自動で作成し、ヘルプサイトを運営してくれるサービスです。WordやPDF、URLを読み込ませるだけで数分以内にFAQ記事が完成するため、担当者が一から記事を書く手間をまるごとAIが肩代わりしてくれます。問い合わせの件数を減らしたい企業にとって、コスト削減と品質向上を同時に実現できる画期的なツールです。
3サービスの位置づけを整理しよう
・Chat Plus:入門〜標準。チャットボットで問い合わせ対応を自動化したい企業向け。
・AI Agent Plus:上位版。生成AIを活用してより高度な顧客対応を実現したい企業向け。
・FAQ Plus:補完型。FAQサイト運用をAIに任せて問い合わせ数そのものを減らしたい企業向け。
ストック型収益93.8%が生み出す安定キャッシュフロー
チャットプラスのビジネスモデルを理解する上で、特に注目すべきが「ストック型収益」という仕組みです。ストック型収益とは、毎月・毎年定期的に入ってくる売上のことで、サブスクリプション(定額制)ビジネスの根幹をなすものです。動画配信サービスや音楽ストリーミングと同じ仕組みで、一度契約してもらうと、解約されない限り毎月安定した収益が入り続けます。
チャットプラスの売上構成を見ると、ストック型収益の比率が実に93.8%を占めています。つまり売上のほぼすべてが、毎月・毎年自動的に積み上がっていく構造になっているのです。これは投資家の視点から見て非常に魅力的です。なぜなら、売上が月ごとにゼロからスタートする「フロー型」のビジネスと違い、ストック型は「前月の積み上げ+今月の新規契約」という形で着実に拡大していくからです。
この積み上げ型収益を示す指標として「ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)」があります。チャットプラスの2025年6月末時点のARRは10億77百万円に達しており、前年比で着実に成長しています。ARRが右肩上がりで伸びている企業は、将来の収益予測が立てやすく、投資先として安定性が高いとされます。
残りの収益のうち、フロー型収益(スポットの機能開発や設定サポート)が3.3%、コンテンツ配信サービスが2.9%という構成です。フロー型は一時的な収益であり、ビジネスの安定性を左右するものではありませんが、SaaSとの相乗効果で顧客との関係を深める役割を持っています。ストック型が9割超という構造は、「景気が多少悪くなっても収益が急に落ち込みにくい」という強固なビジネス基盤を意味しています。
生成AIトレンドを追い風にする競争優位性
2022年末にChatGPTが世に出て以来、生成AI(Generative AI)は世界的なブームとなっています。企業の問い合わせ対応や業務自動化の分野でも、AIの活用は急速に広がっています。チャットプラスはこの波を最もうまく活用できている日本のSaaS企業のひとつです。
日本のAIチャットボット市場は、2026年時点で約1,100億円規模とされており、2034年にかけて年率17.9%の成長が予測されています。市場全体が急拡大する中で、すでに国内導入実績No.1を誇るチャットプラスは、ブランド認知と導入実績という2つの強固な参入障壁を持っています。新興の競合他社が市場に入ってきたとしても、すでに蓄積された顧客データや実績による信頼感は簡単には真似できません。
また、チャットプラスが提供する「AI Agent Plus」のように、ChatGPTなどの外部AIと自社サービスを組み合わせる「AIエコシステム型」の戦略も競争優位の源泉です。自社でゼロからAIを開発するのではなく、すでに世界最高水準のAI技術と連携することで、開発コストを抑えながら機能の最先端を走ることができます。社員数わずか22名という規模で経常利益率36.1%を達成できているのも、この効率的なビジネスモデルの賜物といえます。
今後の成長ドライバーとしては、AI活用の企業需要が増え続ける限り、チャットプラスの顧客基盤は拡大し続けると見込まれます。特にFAQ Plusは、マニュアルが多くFAQ整備に人的コストをかけてきた製造業・金融機関・自治体などへの普及余地が大きく、国内市場のシェア拡大だけでなく、将来的な海外展開への礎にもなりうる重要な戦略製品です。第3章を通じて、チャットプラスが「流行に乗っているだけの企業」ではなく、確固たるビジネスモデルと成長戦略を持つ本物の成長企業であることがおわかりいただけたでしょうか。
まとめ:第3章のポイント
Chat Plus・AI Agent Plus・FAQ Plusという3つのサービスを軸に、売上の93.8%がストック型という安定した収益構造を持つ。生成AIブームを追い風に市場が急拡大する中で、導入実績No.1という強固なポジションを確立。22名という少人数で経常利益率36.1%を実現する高効率なビジネスモデルが競争優位の核心です。
第4章|チャットプラスIPOの業績データを初心者にもわかりやすく徹底分析
出典:Unsplash(William Iven)
売上高・経常利益の成長率トレンドを読む
企業を評価するとき、「業績が伸びているかどうか」は最も基本的かつ重要な視点です。株式投資で言えば、業績が伸びている企業の株価は長期的に上昇する傾向があります。チャットプラスの過去の業績データを見ると、そのすさまじい成長スピードに驚かされます。
2021年12月期の売上高は3億86百万円でしたが、2025年6月期には10億21百万円(前期比36.3%増)まで拡大しています。約4年で売上高が約2.6倍になったことは、成長企業としての実力を十分に証明しています。特に2024年6月期の売上成長率が141.6%という驚異的な数字を記録しており、前年比で売上がほぼ1.5倍になりました。これは決算期変更(12月期から6月期へ)の影響で2023年6月期が半期決算となっていたことが主因ですが、その後も2025年6月期に36.3%増という高成長を維持している点が評価ポイントです。
経常利益の伸びはさらに印象的です。2021年12月期の4,200万円から、2025年6月期には3億69百万円(前期比127.8%増)へと約8.8倍に膨らんでいます。「売上が増えた分、それ以上のスピードで利益が増えている」という状況は、ビジネスのスケールアップに伴って利益率が上昇する「レバレッジ効果」が働いている証拠です。SaaS企業特有の「固定費が少ない・追加契約のコストが低い」という特性が、この利益の急拡大を可能にしています。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益(利益率) |
|---|---|---|
| 2021年12月期 | 3億86百万円 | 4,200万円(10.9%) |
| 2022年12月期 | 5億07百万円 | 3,400万円(6.7%) |
| 2023年6月期(半期) | 3億10百万円 | 400万円(1.3%) |
| 2024年6月期 | 7億49百万円 | 1億62百万円(21.6%) |
| 2025年6月期 | 10億21百万円 | 3億69百万円(36.1%) |
経常利益率36.1%の高収益構造はなぜ実現できたか
「経常利益率36.1%」という数字は、投資家の間で非常に高い評価を受けています。経常利益率とは、売上高のうち何%が利益として残るかを示す指標です。一般的に日本企業の経常利益率は5〜10%程度が平均的で、製造業では3〜5%というケースも多いです。それに対してチャットプラスの36.1%は、文字通り別次元の高さです。
なぜこれほど高い利益率が実現できるのでしょうか。理由はいくつかあります。まず第一に「SaaS型ビジネスの限界費用の低さ」です。ソフトウェアは一度作れば、新たな顧客が増えても追加で大きなコストがかかりません。工場製品と違い、原材料費も製造コストも基本的にゼロです。顧客数が増えれば増えるほど、一人あたりのコストが薄まり利益率が改善する仕組みになっています。
第二に「社員数の少なさ」です。社員数わずか22名という極めてコンパクトな組織で年間10億円超の売上を達成しており、一人あたりの売上高(生産性)は約4,600万円に達します。これは多くの一般企業の3〜5倍以上の水準です。社員が少ないということは人件費という固定費が小さく、利益が出やすい体質につながっています。
第三が「既存顧客からの積み上げ収益」です。一度導入された企業が継続して利用してくれる限り、追加の営業コストなしに収益が入り続けます。チャットプラスの売上総利益率は74〜76%という水準で維持されており、サービスの粗利率の高さが最終的な経常利益率を押し上げています。
また、2026年6月期の第3四半期(3Q)累計時点では、売上高9億12百万円に対して経常利益が4億37百万円というデータも発表されており、通期でもさらなる増益が期待できる状況となっています。この収益の強さが、IPO評価をB以上に押し上げている最大の要因です。
ARR・EPS・BPSから見る企業価値の成長軌跡
業績をより深く理解するために、「ARR」「EPS」「BPS」という3つの指標を見てみましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、順を追って説明しますので安心してください。
まず「ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)」は、1年間に定期的に入ってくる収益の合計額です。チャットプラスのARRは2025年6月末時点で10億77百万円に達しており、月次で約8,980万円の安定した収益が確保されていることを意味します。これが毎月着実に積み上がっているわけですから、将来の売上予測が非常に立てやすく、事業計画の精度も高くなります。
次に「EPS(Earnings Per Share:1株あたり利益)」は、1株に対してどれくらいの利益を生み出しているかを示す指標です。EPSが大きいほど、株1枚あたりの稼ぎが大きいことを意味し、株価の評価基準として広く使われます。チャットプラスのEPSは2025年6月期に61.5円となっており、2021年12月期の6.1円から10倍以上に成長しています。この急激なEPS改善が、株主価値の向上を直接的に示しています。
最後に「BPS(Book-value Per Share:1株あたり純資産)」は、企業の財産(純資産)を発行済み株式数で割った値で、企業の「地力」を示します。BPSが伸びているということは、企業の財務体力が着実に強化されていることを意味します。チャットプラスのBPSは2021年12月期の11.5円から2025年6月期には104.6円まで伸長しており、約4年で財務基盤が約9倍に強化されたことがわかります。
これらの指標を総合すると、チャットプラスは「稼ぐ力(EPS)」「財務の強さ(BPS)」「未来の安定収益(ARR)」の3つすべてが着実に向上しており、単なる「今期だけ好調な企業」ではなく、「中長期で成長が期待できる質の高い企業」であることが数字からも証明されています。IPO後も事業の本質的な強さに注目した投資姿勢が、中長期的な資産形成に役立つ考え方といえるでしょう。
まとめ:第4章のポイント
2025年6月期の売上高10億21百万円・経常利益率36.1%は、社員22名・SaaS型ビジネスの高効率構造が生み出す成果。EPS・BPS・ARRの3指標がすべて右肩上がりで、「今期だけ好調」ではなく継続的な成長力を数字が裏付けています。2026年6月期3Qも好調で、通期のさらなる増益が期待されます。
第5章|チャットプラスIPOの当選戦略と証券会社の正しい選び方
出典:Unsplash(Marga Santoso)
主幹事・幹事証券ごとの抽選方式と当選確率の差
IPO株を手に入れるためには、まず証券会社でブックビルディングに参加して「抽選」に当たる必要があります。しかし実は、証券会社によって抽選の方式がまったく異なり、当選確率に大きな差があります。これを理解せずに「とりあえず1社で申し込めばいい」と思っていると、大切なチャンスを見逃すことになりかねません。
チャットプラスのIPOでは複数の証券会社が幹事として参加しています。最も重要なのが主幹事である丸三証券です。主幹事には全体の配分株数の多くが集中するため、主幹事口座を持っていること自体が大きなアドバンテージになります。ただし、丸三証券はネット証券ではなく対面型の証券会社のため、口座開設に一定の手続きが必要になる場合があります。
ネット証券の中でチャットプラスIPOに参加できる主な証券会社の抽選方式を見ていきましょう。まず「完全平等抽選」を採用しているのがマネックス証券と楽天証券です。完全平等抽選とは、申し込んだ全員が1票ずつという形で公平に抽選される方式で、資産規模や取引実績に関係なく、初心者でもベテランと同じ確率で当選できます。
一方、SBI証券は少し複雑な方式で、60%が完全平等抽選、30%がIPOチャレンジポイント制(落選が続くとポイントがたまり当選しやすくなる)、10%が取引実績などに基づく配分となっています。長期的にSBI証券を利用している方は、ポイントを活用することで当選確率を高められる場合があります。松井証券と岡三証券は、事前入金不要でIPOに申し込める点が大きな特徴です。資金を動かさずにリスクゼロで抽選に参加できるため、まず試してみたいという初心者にも最適です。
| 証券会社 | 抽選方式 | 事前入金 |
|---|---|---|
| マネックス証券 | 完全平等抽選(初心者に最適) | 必要 |
| 楽天証券 | 完全平等抽選(初心者に最適) | 必要 |
| SBI証券 | 60%平等抽選+30%ポイント制+10%取引実績 | 必要 |
| 松井証券 | 70%以上が抽選配分 | 不要 |
| 岡三証券 | 取引実績に応じた優遇抽選 | 不要 |
複数口座を活用した申し込み戦略の実践ステップ
IPO当選確率を上げる最も効果的な方法は、「複数の証券口座で同時に申し込む」ことです。チャットプラスの場合、11社の証券会社が幹事として参加しています。これを1社だけで申し込むのと、5社で申し込むのとでは、単純計算で当選チャンスが5倍になります。ただし、全社に申し込むためにはそれぞれの証券会社に口座が必要ですし、証券会社によっては申し込み時に資金を入金しておく必要があります。
実践的な申し込みステップとしては、まず口座開設が最優先です。証券口座の開設には通常1週間前後かかりますので、ブックビルディング開始(6月29日)の2週間前には申し込んでおくことが理想的です。すでに複数口座を持っている方は、各証券会社のIPO専用ページからブックビルディング期間中に申し込みを完了させましょう。
次のポイントは「どの価格で申し込むか」です。ブックビルディングでは仮条件の範囲内で購入希望価格を指定します。ほとんどのIPO経験者は「上限価格」で申し込むことを推奨しています。なぜなら、公開価格は原則として仮条件の上限か上限近辺で設定されることが多く、上限価格以外で申し込むと当選できない可能性があるからです。
また、事前入金が必要な証券会社(マネックス・楽天・SBIなど)では、公開価格×購入株数分の資金を事前に入金しておく必要があります。チャットプラスの場合、想定価格1,050円×100株=105,000円の資金が必要になります。複数の証券会社で申し込む場合はその分の資金を準備する必要がありますが、松井証券や岡三証券のように事前入金不要の証券会社を利用すれば、資金を分散させることなく複数申し込みが可能になります。
複数申し込みの黄金ルール
①事前入金不要の松井証券・岡三証券はリスクゼロで必ず申し込む。
②完全平等抽選のマネックス証券・楽天証券も優先度高め。
③主幹事の丸三証券口座があれば最優先で申し込む。
④SBI証券のIPOチャレンジポイントを温存している方は活用を検討。
事前入金不要の証券会社を使ったリスクゼロ申し込み術
IPO投資を始めたばかりの方が感じる壁のひとつが「資金を長期間拘束される」という問題です。ブックビルディングから当選発表まで約1週間、購入手続きから上場日まではさらに1〜2週間かかります。この間、資金が証券口座に拘束されてしまうため、他の投資機会を逃してしまうこともあります。
そこで活用したいのが、松井証券と岡三証券の「事前入金不要」制度です。この2社は、ブックビルディング参加時点では資金を入金しなくてよく、当選した場合にのみ入金すればOKという仕組みを採用しています。つまり、落選しても資金は一切動かないため、実質的にリスクゼロでIPO抽選に参加できます。
この仕組みを最大限に活かすための戦略として、「事前入金不要の2社では必ずフル申し込み、資金は事前入金必要な証券会社に集中投入する」という方法があります。たとえば、手元に21万円の資金がある場合、マネックス証券と楽天証券のどちらか1社に全資金(105,000円×2口分)を入金して申し込み、松井証券・岡三証券にも無料で申し込む、というやり方です。
もうひとつ知っておきたい戦略が「SMBC日興証券の特性」です。SMBC日興証券は、幹事証券として参加しており、抽選の10%が完全平等抽選ですが、残りの大部分は対面顧客やステージによる優遇配分となっています。オンライン申し込みでの当選確率は低めですが、参加できるなら申し込んでおくことに損はありません。最終的に重要なのは「申し込める場所すべてで申し込む」という姿勢です。1社でも当選すれば、それだけで数万円のリターンが生まれる可能性があります。IPOは「宝くじ」ではなく、正しい知識と準備で当選確率を着実に高められる「戦略的な投資チャンス」です。ぜひ今回の知識を活かして、チャットプラスIPOへの挑戦を楽しんでみてください。
まとめ:第5章のポイント
当選確率を上げる鉄則は「複数口座での申し込み」。完全平等抽選のマネックス・楽天証券は初心者に最適で、松井証券・岡三証券の事前入金不要制度はリスクゼロの申し込みチャンスを提供してくれます。主幹事の丸三証券口座があれば最優先で活用しましょう。仮条件の上限価格で申し込み、申し込める証券会社すべてにエントリーすることが当選への近道です。
まとめ|チャットプラスIPO(598A)は申し込む価値があるか
出典:Unsplash(Hunters Race)
この記事では、チャットプラス(証券コード:598A)のIPOについて、基本情報・初値予想の根拠・事業内容・業績データ・当選戦略まで、5つの章にわたって徹底解説してきました。最後に要点を整理しましょう。
チャットプラスは、生成AIという世界的なトレンドの只中で急成長を続けるSaaS企業です。売上高36.3%増・経常利益率36.1%・VC保有ゼロ・ストック型収益93.8%という数字は、事業の本質的な強さを雄弁に語っています。かぶリッジの初値予想「B評価(1,365円〜1,574円)」は、こうした強みを総合的に評価した結果です。
もちろん、IPO投資に絶対はありません。オファリングレシオのやや高さや、主幹事の規模感、市場環境の変化など、リスク要因も正直にお伝えしてきました。大切なのは、こうしたリスクも含めて正しく理解した上で、自分のリスク許容度の範囲内で判断することです。
今すぐできることはシンプルです。まだ口座を持っていない証券会社があれば、今日中に開設の申し込みをしてみましょう。特に松井証券・岡三証券は事前入金不要なので、口座さえあればリスクゼロで挑戦できます。「宝くじを買わない限り当たらない」のと同じで、申し込まない限り当選することはありません。
チャットプラスIPO|最終チェックリスト
・上場日:2026年7月15日(水)
・想定価格:1,050円、初値予想レンジ:1,365〜1,574円(B評価)
・ブックビルディング期間:6月29日〜7月3日
・複数口座で上限価格での申し込みを忘れずに
・松井証券・岡三証券は事前入金不要でリスクゼロ参加が可能
IPO投資は、正しい知識と準備を積み重ねることで、着実に当選確率と収益チャンスを高めていける投資法です。チャットプラスのIPOを、あなたの投資ライフの新しい一歩にしてみませんか。応援しています!
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
📖 この本はまさに 私のバイブル です。
人生やお金の考え方が大きく変わりました。
貯金の正解よりも、“今の配分設計”が大事。 時間×お金×健康のピークを見極め、体験の配当を最大化する一冊。

コメント