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iシェアーズ 銀・プラチナETF(568A/569A)徹底解説|NISAで始める貴金属投資

2026年5月、ブラックロック・ジャパンが運用する「iシェアーズ シルバーETF(568A)」「iシェアーズ プラチナETF(569A)」がいよいよ東京証券取引所に上場します。金(ゴールド)投資がすでに多くの投資家に浸透するなか、次なる注目資産として銀・プラチナという「工業系貴金属」が急速に脚光を浴びています。

銀は太陽光パネルや電子機器など工業用途が需要の約半分を占め、プラチナは自動車触媒や水素・燃料電池分野での活用が広がるなど、両資産ともに脱炭素・産業成長と直結した実需に支えられています。単なるコモディティ投資にとどまらず、株式との相関が低いためポートフォリオの真の分散にも貢献します。

さらに本ETFは国内籍ETF最安値水準の信託報酬(年0.495%)、NISA成長投資枠対象、数千円からの少額投資、そしてロンドン保管の現物裏付けという4つの強みを兼ね備えています。オルカンやS&P500中心のポートフォリオに新たな一手を加えたいと考えるすべての投資家に、ぜひ知っておいていただきたい商品です。

この記事でわかること

  • 銀・プラチナが今なぜ投資対象として注目されているのか、その産業的背景
  • iシェアーズ シルバーETF・プラチナETFが持つ4つの競合優位性
  • 株式ポートフォリオに貴金属ETFを加えることで得られる分散効果の仕組み
  • NISA成長投資枠を活用した非課税投資のメリットと実践ポイント
  • 銀・プラチナそれぞれの価格推移と将来の需要トレンドの見方

第1章 銀・プラチナETF投資が今注目される理由

金・銀のインゴットと貴金属投資のイメージ

出典:Pexels(Free Stock Photo)

金(ゴールド)だけじゃない、貴金属投資の新しい時代

「投資といえば株か投資信託」そう思っている方はとても多いのではないでしょうか。でも実は、世界の投資家たちはずっと前から「貴金属」という特別な資産クラスにも大きな注目を集めてきました。金(ゴールド)への投資は日本でも少しずつ広まってきましたが、2026年5月にいよいよ登場するのが、銀(シルバー)とプラチナに特化したETFです。ブラックロック・ジャパンが運用するiシェアーズ シルバーETF(証券コード:568A)とiシェアーズ プラチナETF(証券コード:569A)は、東京証券取引所に2026年5月20日に上場する予定で、今まさに多くの投資家から熱い視線を集めています。

金投資がすでに多くの方に知られるようになった一方で、「銀やプラチナって何が違うの?」「なぜ今なのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。この章では、銀とプラチナがなぜ今これほど注目を集めているのか、その理由をわかりやすく丁寧に解説していきます。単なる「きれいな金属」として以上の価値が、銀とプラチナにはしっかりと存在しているのです。

銀は「工業の金属」、約半分が産業用途に使われる

銀(シルバー)は宝飾品のイメージが強い方も多いと思いますが、実はその需要の約半分が工業用途に使われているという事実をご存知でしょうか。特に近年急速に普及している太陽光パネルは、銀の最大の消費先の一つです。太陽光パネルの中には、電気を効率よく流すために「銀ペースト」という素材が使われており、1枚のパネルに数グラムの銀が必要です。世界中でどんどん設置枚数が増えている太陽光パネルの需要は、そのまま銀の工業需要を底上げする力になっています。

太陽光パネル以外にも、銀はスマートフォンやパソコン、電気自動車のバッテリー接続部分など、現代の電子機器のあらゆる場面で欠かせない素材として使われています。銀は電気の通しやすさ(電気伝導率)がすべての金属の中で最も高く、その性質が精密な電子部品に最適なのです。つまり、私たちが毎日使うデジタル機器の普及が進めば進むほど、銀の需要も高まるという非常に強いつながりがあります。

一方で、銀の供給量は地球上の埋蔵量に限りがあり、新たな鉱山開発も簡単ではありません。需要が増え続ける一方で供給が追いつきにくい構造は、長期的に銀の価格を支える大きな要因になると多くのアナリストが指摘しています。投資先としての銀の魅力は、宝飾品の輝きだけでなく、現代産業の根幹を支える「実需」の強さにあるのです。

💡 ポイント|銀の工業需要はどんな分野で使われている?

銀が使われている主な工業分野をまとめると、まず太陽光パネル(再生可能エネルギー分野)があり、パネル1枚あたり数グラムの銀ペーストが必要です。次にスマートフォン・タブレット・パソコンなどの電子回路があり、接点部分の電気接続に銀が不可欠です。さらに電気自動車(EV)のバッテリー管理システムにも銀製の部品が多数使われています。医療機器や抗菌コーティングにも使われ、ヘルスケア分野でも需要が拡大中です。これだけ幅広い分野で使われているからこそ、銀の工業需要は「時代とともに増える」構造になっているのです。

プラチナは「脱炭素の主役」として世界に求められている

プラチナ(白金)の需要も、近年まったく新しい文脈で語られるようになってきました。かつては「プラチナ=高級ジュエリー」というイメージが強かったのですが、今やプラチナは地球環境を守るための重要な金属として世界的に注目されています。その代表的な用途が「自動車触媒」です。自動車のエンジンから出る排気ガスには有害物質が含まれていますが、プラチナを使った触媒装置がその有害物質を無害化します。世界中で環境規制が年々厳しくなっている今、プラチナの需要はガソリン車・ハイブリッド車を中心に安定的に維持されています。

さらに注目されているのが、水素エネルギーと燃料電池の分野です。「水素社会」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。水素を燃料として電気を作る「燃料電池」は、CO2を排出しないクリーンなエネルギー源として世界中で研究・開発が進んでいます。この燃料電池の心臓部分には、プラチナが触媒として不可欠なのです。水素エネルギーの普及が進めば進むほど、プラチナの需要は大幅に増加すると予想されています。

加えて、水素を「製造」する工程でも電気分解装置(電解槽)にプラチナが使われています。再生可能エネルギーで作った電気で水を分解して水素を作る「グリーン水素」の製造は、脱炭素社会の実現に向けた重要な技術であり、各国政府が多額の予算を投じて開発を支援しています。このグリーン水素の生産拡大が、プラチナの新たな需要の柱として成長しているのです。銀と同様に、プラチナの供給も南アフリカなど特定の地域に大きく依存しており、供給リスクが価格の下支えになっています。

金属 主な工業用途 注目される理由
銀(シルバー) 太陽光パネル、電子機器、EV部品、医療機器 再生可能エネルギー普及で需要拡大が続く
プラチナ 自動車触媒、燃料電池、グリーン水素製造 脱炭素・水素社会の進展で長期需要が見込める
金(ゴールド) 半導体、精密機器、宝飾品 有事の安全資産として安定的な価値を保つ

このように、銀とプラチナはどちらも「きれいな金属」というだけでなく、現代産業・未来産業を支える実需に裏打ちされた投資資産です。金(ゴールド)が「安全資産」として機能するのに対し、銀とプラチナは「産業の成長とともに価値が高まる資産」という性質を持っています。この二つの性質の違いを理解することが、貴金属投資を賢く行うための第一歩です。次章では、この銀・プラチナETFそのものの商品設計について詳しく見ていきましょう。

第2章 iシェアーズ シルバーETF・プラチナETFの商品設計と4つの強み

シルバーとゴールドのコイン、貴金属ETFのイメージ

出典:Pexels(Free Stock Photo)

国内最安値水準の信託報酬が長期投資を強力に後押しする

投資商品を選ぶとき、多くの方が見落としがちな大切なポイントがあります。それが「信託報酬」です。信託報酬とは、ETFや投資信託を持ち続けている間にかかる管理手数料のようなものです。たとえ小さな数字でも、長期間保有すると積み重なって大きなコスト差になります。iシェアーズ シルバーETF(568A)とiシェアーズ プラチナETF(569A)の信託報酬は年0.495%(税抜0.45%)程度と、銀・プラチナを主要投資対象とする国内籍東証上場ETFの中で最安値水準です(ブラックロック調べ、2026年4月22日時点)。

少しわかりやすく考えてみましょう。もし100万円分のETFを保有していた場合、年0.495%の信託報酬なら年間の費用は約4,950円です。これが仮に1%だったとすると1万円になります。10年間持ち続けた場合、その差は約5万円にもなります。さらに複利効果も考えると、コストの差が運用成績に与える影響はさらに大きくなります。「どうせ貴金属ETFを買うなら、同じ内容で安い方がいい」という考えは非常に合理的です。業界最安値水準のコストは、長期投資を考えるすべての方にとって大きな魅力です。

iシェアーズブランドは、世界最大の資産運用会社であるブラックロックが展開するETFシリーズで、世界中で数千兆円規模の資産を運用しています。日本では「iシェアーズ ゴールドETF(314A)」がすでに大きな人気を集めており、設定来最も早く純資産総額500億円に到達したという実績があります(ブルームバーグデータ、ブラックロック調べ、2026年4月22日時点)。その信頼性の高いブランドから、銀・プラチナのETFが同じ低コスト設計で登場するのですから、投資家からの関心が集まるのは当然のことです。

ロンドン金庫保管の現物裏付けという強固な安心感

ETFへの投資を考えるとき、「このETFの価値は何によって支えられているのか?」という点はとても重要な確認ポイントです。iシェアーズのメタルETFシリーズは、ロンドンの金庫に保管された現物資産(実際の銀・プラチナの地金)による裏付けがあります。つまり、あなたがETFを1口購入するたびに、それに対応する量の実物の銀またはプラチナがロンドンの金庫に保管されるという仕組みです。

この「現物裏付け」という仕組みが重要なのは、ETFの価値が「約束」や「見通し」だけでなく、実際の物理的な資産で担保されているからです。株式ETFの場合、その価値は企業の業績や将来の利益予測に依存しますが、現物裏付けのある貴金属ETFは実物資産そのものの価値が基盤になっています。金融危機や株式市場の混乱が起きたときも、現物の貴金属という価値の根源は揺るぎにくい特性があります。

なお、東証に上場している本ETFからは、現物の銀やプラチナへの直接転換はできない設計になっています。また、東証上場のETFは直接現物に投資するのではなく、現物裏付けを持つ海外上場ETFに投資する形をとっています。これは規制上の仕組みですが、現物の価値がETF価格に連動するという根本的な構造は変わりません。日本の取引所で株と同じように売買できる手軽さと、実物資産の安心感を両立させた設計といえます。

🔑 重要ポイント|iシェアーズ メタルETFシリーズの4つの強み

① 業界最安値水準のコスト(年0.495%程度):長期保有でもコスト負担が最小限に抑えられます。同じ内容なら安い方が有利、これは投資の基本原則です。

② ロンドン現物裏付けによる信頼性:実際の銀・プラチナがロンドンの金庫に保管されており、ETFの価値が物理的な資産で担保されています。

③ NISA成長投資枠の対象:貴金属の現物購入や積立はNISA対象外ですが、このETFはNISA成長投資枠で非課税投資ができます。

④ 数千円から始められる少額投資:10口単位で購入でき、設定日時点の価格水準では数千円から投資を開始できます。まとまった資金がなくても始めやすい設計です。

少額・株取引と同じ操作で手軽に始められる使いやすさ

かつて貴金属に投資しようとすると、田中貴金属などの専門店で現物を購入したり、銀行や証券会社で積立の手続きをしたりと、少しハードルが高いイメージがありました。しかし、ETFとして東京証券取引所に上場されることで、これが株を買う感覚とまったく同じ操作で購入できるようになります。普段からネット証券を使っている方なら、新しいアカウントを作ったり特別な手続きをしたりする必要はありません。

売買単位は10口単位で、上場時の価格水準では数千円から投資を始めることができます。現物の銀を購入するとなると、バー(地金)で購入する場合はそれなりの金額が必要になりますし、保管場所や盗難リスクの問題もあります。一方、ETFであれば証券口座の中の数字として管理されるので、保管の手間も盗難の心配もゼロです。また、現物と違って市場が開いている時間帯ならいつでも売買できるため、急に現金が必要になったときにも素早く現金化できます。

さらに重要なのが、1年に2回(2月と8月)の分配金支払いがある点です。株式の配当金のように、保有しているだけで定期的な収益を受け取れる可能性があります(分配金は運用状況により変動します)。長期保有を前提としたつみたて投資にも、分配金収入を楽しみながらの保有にも対応できる、非常に使い勝手の良い商品設計になっています。iシェアーズの銀・プラチナETFは、「投資を始めてみたいけれど難しそう」と感じている方の最初の一歩としても、すでに投資経験のある方のポートフォリオ強化にも、幅広い投資家ニーズに応えられる商品といえます。

第3章 NISA成長投資枠での銀・プラチナETF活用術

NISAと資産形成、投資の節税イメージ

出典:Pexels(Free Stock Photo)

現物・積立との比較でわかるNISA活用の圧倒的なメリット

「NISA」という言葉、最近よく耳にする方も多いのではないでしょうか。NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、通常なら投資の利益(売却益や分配金)に対して約20.315%かかる税金が、NISA口座を使うと完全に非課税になるという国の制度です。たとえば10万円の利益が出た場合、通常の証券口座では約2万円が税金として引かれてしまいますが、NISA口座なら10万円まるごと手元に残ります。この差は長期間の運用になるほど雪だるま式に大きくなっていきます。

ここで注意していただきたいのが、銀・プラチナへの「現物投資」はNISAの対象外だという点です。田中貴金属などで銀の地金を購入したり、銀の積立サービスを利用したりした場合、それらはNISA口座で管理できません。つまり、現物で銀やプラチナに投資しても、売却益にかかる税金を非課税にすることはできないのです。しかし、iシェアーズ シルバーETF・プラチナETFはNISA成長投資枠の対象商品として指定されているため、NISA口座で購入すれば利益に税金がかかりません。貴金属投資でNISAを使える、これは非常に大きなアドバンテージです。

現行のNISA制度(2024年からの新NISA)では、成長投資枠の年間投資上限は240万円、生涯の非課税保有限度額は1,200万円です。非課税で保有できる期間に制限はなく、一度NISA口座で購入した資産は売却しない限り永久に非課税のまま保有できます。貴金属は長期保有に向いた資産ですから、「売却せずに長く持ち続ける」というNISAの最大活用法と相性が抜群です。

非課税枠を最大限活かす購入タイミングと積立の考え方

NISA成長投資枠でETFを購入する場合、「いつ買えばいいの?」という疑問を持つ方は多いと思います。タイミングを計って「安いときに買おう」とする戦略は、プロの投資家でも難しく、一般の投資家にはなかなかうまくいかないものです。そこでおすすめしたいのが「定期的に一定額を購入し続ける」という積立投資(ドルコスト平均法)の考え方です。

たとえば毎月1万円ずつ銀ETFを購入し続けた場合、価格が高いときは少ない口数しか買えませんが、価格が安いときには多くの口数が買えます。これを続けることで、平均的な購入単価が自然と平準化されていきます。「買うタイミングを当てる必要がなくなる」というのが積立投資の最大のメリットです。貴金属は短期的には価格変動が大きいこともありますが、積立を続けることでその変動の波に乗りながら資産を育てていけます。

NISA成長投資枠はつみたて投資枠と異なり、毎月の定期積立に加えてスポット購入(まとまった金額を一度に購入すること)も自由にできます。たとえばボーナスの時期にまとめて購入したり、価格が大きく下落した局面を「お得な買い場」として積み増したりと、柔軟な戦略がとれます。年間240万円という枠があるとはいえ、毎月数千円から少額コツコツと積み上げることも、もちろん有効です。大切なのは「始めること」「続けること」の二つだけです。

比較項目 銀・プラチナETF(NISA口座) 現物・積立(通常口座)
税金 利益に税金ゼロ(非課税) 売却益・分配金に約20.315%課税
最低投資額 数千円から(10口単位) 積立なら月数百円〜、地金は数万円〜
管理の手間 証券口座内で完結、保管不要 現物は保管場所・盗難リスクあり
売却のしやすさ 市場が開いていればいつでも売却可能 現物は店舗持参など手続きが必要

初心者でも実践できる少額スタートの具体的ステップ

「NISA口座で貴金属ETFを買ってみたい」と思った方のために、具体的なステップをわかりやすく説明します。まず最初のステップはNISA口座を開設することです。NISA口座は1人1口座しか持てませんが、主要なネット証券(SBI証券・楽天証券・松井証券など)や銀行、郵便局などで開設できます。すでにNISA口座を持っている方はそのまま使えます。

口座を開設したら、次は証券コード「568A」(シルバーETF)または「569A」(プラチナETF)を検索して注文を入れるだけです。株の購入と完全に同じ操作で、難しい知識は必要ありません。購入単位は10口単位なので、価格が500円のときは5,000円から購入できます。まずは少額から試してみて、慣れてきたら積立金額を増やしていくというステップアップの方法が、無理なく続けるコツです。

大切なのは「完璧なタイミングを狙いすぎず、まず動いてみること」です。投資の世界では「時間を味方につける」ことが長期運用の基本です。若ければ若いほど、早く始めれば始めるほど、複利の力が大きく働きます。たとえ毎月5,000円の積立でも、10年・20年と続けることで、積み重なった資産と価格上昇の恩恵を受けられる可能性があります。NISA口座という税金ゼロの特権を使いながら、銀・プラチナETFで着実に資産を育てていきましょう。

第4章 銀・プラチナETFがポートフォリオ分散に効く理由

投資ポートフォリオの分散イメージ、グラフとデータ

出典:Pexels(Free Stock Photo)

株式と低相関だからこそ実現できる「本当の分散」

「卵を一つのかごに盛るな」という投資の格言を聞いたことがある方も多いでしょう。これは「一つの投資先だけに集中するのではなく、複数の場所に分けて投資しなさい」という意味の教えです。しかしここで重要なのが、「ただ分散すれば良い」わけではないということです。同じ方向に動く資産をいくら組み合わせても、本当のリスク分散にはなりません。

たとえばS&P500(アメリカの大企業500社の株価指数)とMSCIオール・カントリー(世界中の株式を網羅した指数)は、どちらも株式市場の動きに連動するため、リーマンショックやコロナショックのような大きな株式市場の暴落時には同時に大きく下落します。これを「相関性が高い」と言います。相関性の高い資産同士でいくら分散投資しても、市場全体が崩れたときには一緒に下がってしまうのです。

これに対して、銀・プラチナ・金などの貴金属は株式市場との相関性が低い資産として知られています。ブラックロックのデータ(2026年2月末時点、月次リターンベース)によると、銀・プラチナとS&P500や東証株価指数(TOPIX)との相関係数は株式同士の相関よりも低く、株式市場が大きく動いても貴金属が同じように動かない局面が多く見られます。つまり、株式ポートフォリオに貴金属ETFを加えることで、ポートフォリオ全体の値動きの激しさ(ボラティリティ)を抑える効果が期待できるのです。

オルカン・S&P500との組み合わせで下落リスクを抑える考え方

現在、日本の個人投資家の間でもっとも人気の高い投資戦略の一つが「オール・カントリー(通称:オルカン)への積立投資」です。オルカンは世界中の株式に幅広く分散投資できる優れた商品で、長期的な経済成長の恩恵を受けられる投資信託・ETFです。しかし、オルカンの弱点として指摘されるのが「リーマンショックやコロナショックのような世界的な株式市場の急落時に、大きなダメージを受ける」という点です。

たとえばコロナショック(2020年2〜3月)のとき、世界の株式市場は2〜3ヶ月で30〜40%近く下落しました。オルカンやS&P500に投資していた方は、一時的とはいえ資産が大きく目減りする経験をしたはずです。このとき、ポートフォリオの一部を貴金属(特に金や銀)で持っていた投資家は、全体の下落幅を軽減できていました。貴金属は「株式が下落するような不安定な局面で価値が維持されやすい」という特性を持っているからです。

具体的な組み合わせとしては、オルカンやS&P500のインデックスファンドを中心としつつ、ポートフォリオ全体の10〜20%程度を貴金属ETFで保有するという配分が、多くのファイナンシャルアドバイザーから提案されています(あくまで一般的な考え方であり、個々の状況に合わせた判断が必要です)。株式が下がったときに貴金属が値を保つことで、ポートフォリオ全体の損失を緩和する「クッション」の役割を果たします。この配分を維持するために、定期的にリバランス(比率の調整)を行うことも有効です。

💬 具体的なイメージ|ポートフォリオ分散の例

たとえば総投資額が100万円の場合、代表的な分散パターンとしてパターンAがあります。これは「株式のみ(オルカン100%)」の構成で、期待リターンは高いものの、株式暴落時のダメージが大きいというリスクがあります。これに対してパターンBは「オルカン80%(80万円)+銀・プラチナETF20%(20万円)」の構成です。株式市場が30%下落したとき、パターンAでは30万円の損失になりますが、パターンBでは貴金属部分が値を保つことで損失が24万円程度に抑えられる可能性があります(実際の結果は相場状況により異なります)。この「守りの層」を加えることで、長期的に安心して投資を続けられる環境を作れます。

資産配分における貴金属ETFの最適な比率の目安

「では実際に、ポートフォリオの何%を銀・プラチナETFにすれば良いの?」という疑問はごく自然な疑問です。残念ながら、この質問に対する「絶対に正しい答え」というものは存在しません。なぜなら、最適な配分は投資家ひとりひとりの年齢、収入、投資の目的、リスク許容度によって異なるからです。とはいえ、一般的な考え方としていくつかの指針があります。

まず、投資を始めたばかりの方や若い世代(20〜30代)は、長い時間軸があるため株式中心のポートフォリオが合理的です。この場合、貴金属ETFは全体の5〜10%程度の少額配分から始め、資産全体が増えてきたら徐々に比率を増やす方法が無理のない進め方です。一方、すでにある程度の資産を持ち、守りも意識したい方(40〜50代以上)や、株式への集中投資リスクを分散したい方は、10〜20%程度の配分を検討することも有効です。

銀ETFとプラチナETFをどちらか一方だけにするか、両方組み合わせるかという点については、銀は工業需要・太陽光中心、プラチナは水素・自動車触媒中心と、それぞれ需要ドライバーが異なります。二つを組み合わせることで、より多面的な貴金属分散が実現できます。また、すでに金(ゴールド)ETFを保有している方は、金・銀・プラチナと3種の貴金属に分散することで、貴金属クラス内での分散効果も期待できます。大切なのは自分の状況に合わせて無理なく始め、継続できる範囲で積み上げていくことです。

第5章 銀・プラチナの価格パフォーマンスと今後の需要見通し

株価チャートと市場データ、投資パフォーマンス分析

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過去20年の年次リターンデータから読み解く値動きの特性

投資判断を行う上で、過去の価格パフォーマンスを理解することは非常に重要です。もちろん「過去の実績が未来の成果を保証するわけではない」という大原則は常に念頭に置く必要がありますが、どのような価格変動の特性を持っているかを知ることで、自分のポートフォリオに組み込んだときのイメージが具体的になります。

ブラックロックのデータ(2026年3月末時点)によると、LBMA銀価格(円換算ベース)の過去20年(2006年3月末を起点)のパフォーマンスは、金・プラチナとともに長期的な右肩上がりのトレンドを示しています。特に2020年代に入ってから、銀はエネルギートランジション(エネルギー転換)に対する期待から急騰する局面が見られました。年次リターンを見ると、プラスになる年とマイナスになる年が混在しており、短期的な価格変動は株式と同様に大きいことがわかります。

銀の特徴は「上昇局面では金よりも大きく上がり、下落局面では金よりも大きく下がりやすい」という高いボラティリティにあります。これは銀が工業用途と貴金属としての性格を両方持つため、景気動向の影響も受けやすいからです。一方でプラチナは、南アフリカなど特定地域の供給集中という地政学的リスクを抱えながらも、工業需要の安定感から比較的堅調な価格を形成する時期も多く見られます。両資産とも、5〜10年以上の長期視点で保有することが、価格変動リスクを和らげる有効な方法です。

項目 銀(シルバー) プラチナ
価格変動の特性 高ボラティリティ(上下に大きく動く) 中程度のボラティリティ
主な価格変動要因 工業需要・景気動向・再エネ普及速度 自動車生産・南ア供給・水素普及速度
長期的な方向性 再エネ需要拡大で上昇圧力が強まる期待 水素社会進展で需要増加が期待される
株式との相関 低〜中程度(株式より独自の動き) 低〜中程度(株式より独自の動き)

グリーン産業の拡大が銀需要に与える中長期的な影響

地球温暖化対策として、世界各国が「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標)」に向けた取り組みを強化しています。この目標達成のカギとなるのが、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの大規模な普及です。そしてこの再エネ拡大の波が、銀の需要に大きなプラスの影響を与えています。

太陽光パネルへの銀使用量について、業界では「1枚あたりの銀使用量を削減する技術開発」と「世界全体の設置枚数の急増」という二つの相反するトレンドがあります。技術進歩によって1枚あたりの銀使用量は徐々に減ってきているものの、太陽光パネルの設置総数の増加スピードがそれをはるかに上回っており、太陽光パネル向けの銀需要は総量として増加し続けているのが現状です。国際銀協会(Silver Institute)のデータでも、太陽光発電分野の銀需要は記録的な水準で増加しています。

さらに電気自動車(EV)の普及も銀需要を押し上げています。EVはガソリン車に比べて電子部品の使用量が格段に多く、1台あたりの銀使用量はガソリン車の2〜4倍とも言われています。中国・ヨーロッパ・アメリカでのEV普及が加速する中、自動車産業からの銀需要も今後大きく成長することが見込まれています。太陽光・EV・電子機器という複数のグリーン産業が同時進行で成長することで、銀の実需は今後10〜20年単位で増え続ける可能性が高いと多くの専門家が指摘しています。

水素経済の進展とプラチナ需要拡大シナリオの読み方

プラチナの将来需要を語る上で、「水素経済(Hydrogen Economy)」の発展は欠かせない視点です。水素エネルギーは「燃やしても水しか出ない」完全クリーンな燃料として、脱炭素社会のゲームチェンジャーと期待されています。日本・EU・アメリカ・中国・韓国などの主要国が水素戦略に巨額の公的資金を投じており、水素インフラの整備が世界規模で進んでいます。

水素の「製造」と「利用」の両面でプラチナが重要な役割を果たします。製造面では、再生可能エネルギーで水を分解して水素を作る「PEM電解槽(固体高分子形電解槽)」にプラチナが触媒として使われます。利用面では、水素を使って電気を発生させる「PEM燃料電池」にもプラチナが必要です。水素ステーションや燃料電池バス・トラックの普及が進むほど、プラチナの需要は増加します。現在、プラチナの代替材料となる非プラチナ触媒の研究も行われていますが、コストや効率の面でプラチナを完全に代替できる素材はまだ実用化されていません。

加えて、プラチナの供給側にも重要なリスク要因があります。プラチナの世界生産量の約70〜80%が南アフリカ1か国に集中しており、同国の電力問題(計画停電)・労働争議・政治的不安定さが生産量に直接影響します。供給が制約される一方で需要が増加するシナリオは、長期的なプラチナ価格の上昇要因となります。プラチナは現在、金と比較しても割安な価格水準にあると多くのアナリストが指摘しており、水素社会の進展とともにその価格差が縮まる(プラチナが上昇する)シナリオを描く投資家も増えています。銀・プラチナETFをポートフォリオに加えることは、単なる「貴金属への分散」を超えた、未来のエネルギー転換への参加という意味も持っているのです。

まとめ|iシェアーズ シルバーETF・プラチナETFで始める賢い貴金属投資

ゴールド・シルバーインゴット、資産運用のまとめイメージ

出典:Pexels(Free Stock Photo)

この記事では、2026年5月20日に東証に上場するiシェアーズ シルバーETF(568A)とiシェアーズ プラチナETF(569A)について、その注目される背景から商品の特徴、NISA活用法、ポートフォリオへの組み込み方、そして将来の需要見通しまで、幅広く解説してきました。改めてポイントを整理すると、銀は太陽光パネルや電子機器・EVを通じた工業需要が力強く、プラチナは脱炭素・水素エネルギーの拡大で新たな需要の波が到来しています。どちらも「未来の産業成長とともに価値が高まる」という共通点を持つ投資資産です。

商品としての魅力も揃っています。国内最安値水準の信託報酬(年0.495%程度)、ロンドン現物裏付けによる安心感、NISA成長投資枠対応による非課税投資の恩恵、そして数千円から始められる少額投資の手軽さ。これだけの条件が一つの商品に詰まっているのは、投資家にとって大きなチャンスです。

📌 この記事の重要ポイント|5つのまとめ

銀・プラチナは工業需要に支えられた「実需のある貴金属」であり、再エネ・水素社会の発展とともに需要拡大が期待されます。iシェアーズのETFは業界最安値水準のコスト・現物裏付け・NISA対応・少額投資可能という4つの強みを兼ね備えています。NISA成長投資枠を使えば利益に税金がかからず、現物投資よりも大きな恩恵が受けられます。株式(オルカン・S&P500)との低相関が「本当の分散投資」を実現し、暴落時のクッションになります。長期積立で時間を味方につけることが、銀・プラチナETF投資の最大の活用法です。

投資には必ずリスクがあります。銀もプラチナも価格が短期的に大きく動くことがあり、元本が保証されるわけではありません。ただ、リスクを恐れてまったく動かないことも、インフレが続く現代においては「お金の価値が目減りする」というリスクを背負い続けることになります。大切なのは、リスクを理解した上で自分のペースで無理なく始めること、そして少額でも続けることです。

「株式だけでは不安」「新しい分散先を探していた」「貴金属投資に興味はあるけど現物は難しそう」と感じていたすべての方にとって、iシェアーズの銀・プラチナETFは非常に取り組みやすい選択肢です。上場は2026年5月20日。この機会にNISA口座で証券コードを検索して、まず一歩踏み出してみてください。あなたのポートフォリオに、産業の未来を担う銀とプラチナの輝きを加えてみませんか。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品の購入を勧誘するものではありません。投資は自己責任で行ってください。記載の情報は2026年4月時点のものです。過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。

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