【新NISA対応】迷ったらこれ!オルカンと先進国どっち?3つの基準で完全解説

新NISAで投資を始める際、最も多くの人が迷うのが「オルカン(全世界株式)」と「先進国株式インデックス」の選択です。どちらも優れた投資信託ですが、投資対象地域や構成比率、コストに違いがあり、あなたのライフステージや投資哲学によって最適解は変わります。この記事では、2025年最新の情報をもとに、オルカンと先進国株式を「投資哲学」「パフォーマンス」「ライフステージ」の3つの基準で徹底比較。投資初心者でも迷わず選べるように、具体的な判断フローと実践的な始め方まで完全解説します。

📌 この記事でわかること

  • オルカンと先進国株式の本質的な違いと構成比率の実態
  • あなたの投資スタイルに合わせた最適な選び方の3つの判断基準
  • 過去実績から見るリターン差とコスト比較の真実
  • 年代別・ライフステージ別のおすすめ投資戦略
  • 新NISA口座開設から積立設定までの具体的な実践ステップ

📑 目次

  1. 第1章:オルカンと先進国株式の基本比較|構成国・銘柄数・コストの違い
  2. 第2章:【基準①】投資哲学で選ぶ|オルカンと先進国株式どっちが合う?
  3. 第3章:【基準②】パフォーマンスで選ぶ|リターン実績とコスト効率の真実
  4. 第4章:【基準③】ライフステージで選ぶ|年代別最適投資戦略
  5. 第5章:新NISAでオルカン・先進国株式を始める実践ガイド
  6. まとめ:オルカンと先進国株式|迷ったときの最終判断フロー

第1章:オルカンと先進国株式の基本比較|構成国・銘柄数・コストの違い

新NISAで投資を始めようと思ったとき、多くの人が最初にぶつかる壁が「どのファンドを選ぶか」という問題です。特に人気が高いのが「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」と「先進国株式インデックス(eMAXIS Slim 先進国株式インデックス)」ですが、この2つはどこが違うのか、どちらを選べばいいのか迷いますよね。

実はこの2つは投資対象地域や構成比率、コストに明確な違いがあり、あなたの投資方針によって最適解が変わってきます。この章では2つのファンドの基本スペックから細かな違いまで、表や具体的なデータを使って徹底的に比較していきます。まずは全体像を把握することで、自分に合ったファンド選びの第一歩を踏み出しましょう。

1-1. オルカンと先進国株式の基本スペック比較表

オルカンと先進国株式インデックスは、どちらも三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slimシリーズ」に属する人気ファンドです。オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、通称「オルカン」として親しまれています。一方、先進国株式インデックスは「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」という名前で、2025年7月に正式名称が変更され「除く日本」が明記されました。この名称変更により、日本株が含まれていないことがより明確になったのです。

項目 オルカン 先進国株式
正式名称 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
投資対象 先進国23ヵ国+新興国24ヵ国(計47ヵ国) 先進国22ヵ国(日本除く)
構成銘柄数 約3,000銘柄 約1,300銘柄
信託報酬(年率) 0.05775% 0.09889%
純資産総額 約10兆円超 約2兆円超
米国比率 約63% 約75%
設定日 2018年10月31日 2017年2月27日

まず最も基本的な違いは投資対象地域です。オルカンは日本を含む先進国23ヵ国と新興国24ヵ国の合計47ヵ国に投資します。一方、先進国株式インデックスは日本を除く先進国約22ヵ国のみに投資し、新興国は一切含まれません。構成銘柄数もオルカンが約3,000銘柄なのに対し、先進国株式インデックスは約1,300銘柄と、投資の広がりに約2倍以上の差があります。

次に重要なのがコストの違いです。信託報酬はオルカンが年率0.05775%、先進国株式インデックスが年率0.09889%と、オルカンの方が約0.04%低く設定されています。わずかな差に見えますが、長期投資では大きな影響を及ぼします。例えば100万円を20年間運用した場合、この差は約8,000円以上のコスト差になるのです。

純資産総額についても大きな違いがあります。2025年12月時点で、オルカンは約10兆円を超える国内最大級のファンドに成長しています。一方、先進国株式インデックスは約2兆円超と、オルカンの5分の1程度です。純資産総額が大きいほど運用が安定しやすく、償還(ファンドが終了すること)のリスクも低くなります

設定日はオルカンが2018年10月31日、先進国株式インデックスが2017年2月27日と、先進国株式インデックスの方が約1年半早くスタートしています。そのため運用実績データも先進国株式の方がやや長く、過去のパフォーマンスを確認しやすいというメリットがあります。

1-2. 投資対象地域と構成比率の決定的な違い

次に投資対象地域と構成比率の決定的な違いを詳しく見ていきましょう。この違いこそが、オルカンと先進国株式インデックスの本質的な差を生み出しています。

💡 オルカンの国・地域別構成比率
🇺🇸 米国:約63.4%
🇯🇵 日本:約4.8%
🇬🇧 イギリス:約3.4%
🇨🇦 カナダ:約2.7%
🌏 新興国全体:約10%(インド1.9%、台湾1.7%など)

オルカンの国・地域別構成比率を見ると、米国が約63.4%と圧倒的な割合を占めています。次いで日本が約4.8%、イギリスが約3.4%、カナダが約2.7%と続きます。注目すべきは新興国全体で約10%を占めている点です。具体的にはインドが約1.9%、台湾が約1.7%、中国(ケイマン諸島経由含む)が約2%程度含まれています。つまりオルカンは「全世界」という名前の通り、先進国だけでなく成長著しい新興国の株式も保有しているのです。

一方、先進国株式インデックスの構成比率は米国が約75.0%とさらに高くなります。これは日本株が含まれていないためです。米国に次いでイギリスが約4.0%、カナダが約3.2%、フランスが約3.0%、スイスが約2.7%と続きます。つまり先進国株式インデックスは実質的に「米国株7割+その他先進国3割」という構成になっており、米国経済の影響を強く受ける特徴があります。

ここで重要なポイントは「日本株が含まれているか」という点です。オルカンには約5%の日本株が含まれていますが、先進国株式インデックスには一切含まれていません。これは先進国株式が連動する指数「MSCIコクサイ・インデックス」が日本人投資家向けに設計されているためです。日本の投資家は日本株を別途購入しやすい環境にあるため、わざわざ先進国株式に日本を含める必要がないという考え方なのです。

組入上位銘柄を見ると、両ファンドともApple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)、NVIDIA(エヌビディア)、Amazon(アマゾン)、Meta(メタ)といった米国の巨大テック企業が上位を占めています。オルカンではAppleが約4.2%、先進国株式インデックスではAppleが約5.0%と、先進国株式の方がやや比率が高くなっています。これも日本株が含まれていない分、米国株の比率が自動的に高まるためです。

両ファンドの決定的な違いは「新興国を含むか含まないか」という点に集約されます。新興国は今後の人口増加や経済成長が期待される一方で、政治的不安定さや為替リスクも抱えています。この新興国リスクを取るか取らないかが、オルカンと先進国株式インデックスを選ぶ際の最大の分岐点となるのです。

1-3. 信託報酬と実質コストの詳細比較

信託報酬と実質コストの違いについて、もう少し掘り下げて見ていきましょう。投資信託を選ぶ際、多くの人が見落としがちなのが「実質コスト」の存在です。実質コストとは、目論見書に記載されている信託報酬だけでなく、売買委託手数料や監査費用などの隠れコストも含めた「本当にかかる年間コストの総額」のことです。

⚠️ 実質コストの内訳
オルカン:信託報酬0.05775% + その他コスト約0.03% = 実質コスト約0.09%
先進国株式:信託報酬0.09889% + その他コスト約0.02% = 実質コスト約0.12%
→ 差額:約0.03%(100万円で年間約300円の差)

オルカンの信託報酬は年率0.05775%ですが、その他のコストとして約0.03%が発生するため、実質コストは合計で約0.09%程度になります。一方、先進国株式インデックスの信託報酬は年率0.09889%で、その他コストが約0.02%のため、実質コストは合計約0.12%程度です。つまり表面上の信託報酬の差は約0.04%ですが、実質コストの差も約0.03%あり、トータルでオルカンの方が低コストだと言えます。

では具体的に100万円を20年間投資した場合、このコスト差がどれくらいの金額差を生むのか計算してみましょう。年率7%のリターンが得られたと仮定すると、オルカンの実質コスト0.09%を差し引いた実質リターンは6.91%、先進国株式インデックスは6.88%となります。20年後の資産額はオルカンが約373万円、先進国株式インデックスが約371万円となり、約2万円の差が生まれます。

さらに投資額が大きくなるほどこの差は広がります。500万円を20年間投資した場合、この差は約10万円にまで膨らむのです。コストは確実に発生するマイナスリターンですから、できる限り低く抑えることが長期投資成功の鍵となります。

購入時手数料と信託財産留保額については、両ファンドとも無料(ノーロード)です。そのため購入時や解約時に追加コストがかからず、いつでも気軽に売買できる点は大きなメリットです。決算日は両ファンドとも年1回の4月25日で、分配金はほとんど出ない方針です。これは分配金を出さずに再投資することで複利効果を最大化する「再投資型ファンド」の特徴で、長期投資に適した設計となっています。

コスト面での結論としては、オルカンの方が若干有利です。ただし先進国株式インデックスも業界最低水準のコストであり、この差が投資判断を決定づけるほど大きいわけではありません。コストよりも「新興国を含むか否か」「日本株を含むか否か」という投資方針の違いの方が、長期的なリターンに与える影響は大きいと言えるでしょう。

以上が第1章の内容となります。オルカンと先進国株式インデックスの基本的な違いが理解できたところで、次の第2章では「あなたの投資哲学に合うのはどちらか」を具体的に判断する基準を解説していきます。

第2章:【基準①】投資哲学で選ぶ|オルカンと先進国株式どっちが合う?

基本スペックの違いが理解できたところで、次はもっと実践的な問いに答えていきましょう。それは「自分の投資哲学や考え方に合っているのはどちらか?」という問題です。投資にはテクニカルな正解だけでなく、あなた自身の価値観や信念、リスクに対する考え方が大きく影響します。同じファンドでも、人によって「安心できる」と感じたり「物足りない」と感じたりするのはそのためです。

この章では、オルカンを選ぶべき人の特徴、先進国株式インデックスを選ぶべき人の特徴、そして新興国投資のメリット・デメリットを深堀りしながら、あなた自身が納得して選べる判断基準を提示します。投資は「他人がおすすめしているから」ではなく「自分が心から納得できるから」選ぶことが何より大切です。では一緒に考えていきましょう。

2-1. オルカンを選ぶべき人の3つの特徴

オルカンを選ぶべき人には、いくつかの共通する特徴があります。まず第一に挙げられるのが「完全な分散投資を重視する人」です。オルカンは1本で全世界47ヵ国、約3,000銘柄に投資できるため、特定の国や地域に偏るリスクを最小限に抑えられます。例えば米国経済が停滞したとしても、ヨーロッパやアジア、新興国の成長でカバーできる可能性があるのです。「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、オルカンはまさにその究極形と言えるでしょう。

第二の特徴は「新興国の成長も取り込みたい人」です。2025年現在、世界の経済成長の中心は徐々に新興国へシフトしつつあります。特にインドは2030年代に人口で中国を抜き、世界最大の人口大国になると予測されています。またインドネシア、ベトナム、フィリピンといった東南アジア諸国も若い労働人口と経済成長率の高さが魅力です。オルカンにはこれらの新興国が約10%含まれており、今後の成長を自然に取り込める設計になっています。「今後20年、30年で世界の経済地図が変わるかもしれない」と考える人にとって、オルカンは最適な選択肢です。

💬 投資初心者Aさん(28歳・会社員)の声
「投資の知識がほとんどなかったので、複数のファンドを組み合わせるのは難しそうだなと思っていました。でもオルカン1本なら『世界全体に投資している』という安心感があって、毎月3万円をコツコツ積み立てています。リバランスも自動でやってくれるので、本当に楽ですね!」

第三の特徴は「投資初心者でシンプルに運用したい人」です。オルカンの最大の魅力は「これ1本で完結する」という圧倒的なシンプルさにあります。複数のファンドを組み合わせて自分でポートフォリオを構築する必要がなく、時価総額加重平均方式によって世界経済の変化に応じて自動的にリバランス(資産配分の調整)が行われます。つまり「ほったらかし投資」が可能なのです。投資の知識がまだ浅い初心者や、仕事や子育てで忙しくて投資に時間をかけられない人にとって、オルカンは非常に心強い味方になります。

さらにオルカンは信託報酬が業界最低水準の0.05775%であり、コスト面でも優れています。純資産総額も10兆円を超えており、多くの投資家から支持されている安心感もあります。「投資のことはよくわからないけど、とにかく世界経済全体の成長に乗っかりたい」という人は、迷わずオルカンを選んで問題ないでしょう。

2-2. 先進国株式を選ぶべき人の3つの特徴

一方、先進国株式インデックスを選ぶべき人にも明確な特徴があります。第一に「既に日本株を保有している人」です。もしあなたが個別株でトヨタやソニーなどの日本株を持っていたり、TOPIX連動型のファンドに投資していたりする場合、オルカンを買うと日本株が重複してしまいます。オルカンには約5%の日本株が含まれているため、意図せず日本株の比率が高まってしまうのです。

日本で働き、日本円で給与をもらい、日本で生活している私たちは、既に「日本経済」に大きく依存しています。そのうえ投資でも日本株比率が高くなると、日本経済が停滞したときに給与も資産も同時にダメージを受けるリスクがあります。これを「ホームカントリーバイアスリスク」と呼びます。先進国株式インデックスは日本株を一切含まないため、真の意味での国際分散投資が実現できるのです。

投資家のタイプ おすすめファンド 理由
日本株を既に保有 先進国株式 日本株の重複を避け、真の国際分散投資が可能
新興国リスクを避けたい 先進国株式 安定した先進国のみに投資、政治リスク・為替リスクを低減
米国経済を最重視 先進国株式 米国比率75%で、米国の成長をより強く取り込める

第二の特徴は「新興国リスクを避けたい人」です。新興国は確かに成長ポテンシャルが高い一方で、政治的不安定さ、通貨の急落リスク、法制度の未整備といったリスクも抱えています。例えば2020年代前半には中国の不動産バブル崩壊やロシアのウクライナ侵攻など、新興国発の経済ショックが世界市場を揺るがしました。「安定した経済圏だけに投資したい」と考える保守的な投資家にとって、先進国株式インデックスは安心感のある選択肢です。

第三の特徴は「米国経済の成長をより強く取り込みたい人」です。先進国株式インデックスの米国比率は約75%と、オルカンの63%より高くなっています。過去40年間を振り返っても、米国株式市場は世界で最も高いリターンを生み出してきました。AppleやMicrosoft、Amazon、Googleといった世界を変革する企業の多くは米国生まれです。「今後も米国がイノベーションの中心であり続ける」と確信している人にとって、先進国株式インデックスはより米国に寄せた投資ができる魅力的な選択肢となります。

iDeCoで日本株ファンドと組み合わせたい人や、コアサテライト戦略で先進国株式をコア(中心)に据えたい人にもおすすめです。自分で資産配分を調整したい中級者以上の投資家にとって、先進国株式インデックスは柔軟性の高いツールとなるでしょう。

2-3. 新興国投資のメリット・デメリット徹底解説

新興国投資のメリットとデメリットについて、もう少し掘り下げて考えてみましょう。新興国投資の最大のメリットは「高い経済成長率」です。先進国の経済成長率が年1〜3%程度なのに対し、新興国は5〜8%程度の高成長を続けている国も少なくありません。特にインドは2024年度のGDP成長率が7%を超え、世界経済の成長エンジンとして注目されています。人口ボーナス(若年層が多く生産年齢人口が増加する状態)もまだ続いており、今後20〜30年の長期成長が期待できます。

またベトナムやインドネシアといった東南アジア諸国も、製造業の拠点として急速に発展しており、「チャイナ・プラス・ワン」戦略(中国以外の生産拠点を確保する動き)の受け皿として企業進出が加速しています。オルカンに投資することで、こうした新興国の成長を自動的に取り込めるのは大きな魅力です。

⚠️ 新興国投資の3大リスク
1. 政治的不安定性:民主主義が未成熟で、政権交代により経済政策が急変するリスク
2. 通貨リスク:新興国通貨は為替変動が激しく、円換算で損失が出るケースも
3. 法制度の未整備:投資家保護制度や会計監査が不十分で、情報の透明性が低い

一方でデメリットやリスクも存在します。第一に「政治的不安定性」です。新興国の中には民主主義が未成熟で、政権交代によって経済政策が急変するリスクがあります。また軍事クーデターや内戦、国際紛争に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

第二に「通貨リスク」です。新興国通貨は為替変動が激しく、現地通貨ベースでは株価が上昇していても、円換算すると損失が出るケースもあります。例えばトルコリラやアルゼンチンペソは過去数年で大幅に下落し、投資家に大きな損失をもたらしました。

第三に「法制度・会計基準の未整備」です。先進国では当たり前の投資家保護制度や会計監査が、新興国では不十分な場合があります。企業の財務情報が不透明だったり、突然の政府介入で株式市場が混乱したりするリスクも考慮する必要があります。

ただし重要なのは、オルカンにおける新興国の比率はわずか10%程度だということです。つまり新興国が仮に大きく下落したとしても、ポートフォリオ全体への影響は限定的です。逆に新興国が急成長すれば、その恩恵も受けられるという「ちょうど良いバランス」になっているのです。

過去のデータを見ると、2000年代前半から2010年代前半にかけては新興国株式のリターンが先進国を上回る時期もありました。しかし2010年代後半以降は先進国、特に米国株式のパフォーマンスが圧倒的に高く、新興国は相対的に低迷しました。このように新興国のパフォーマンスは時期によって大きく変動するため、「今後どうなるか」を予測するのは非常に難しいのです。

だからこそ「新興国も少しは持っておきたいが、比率は控えめにしたい」という人にとって、オルカンの新興国10%という配分は絶妙なバランスと言えるでしょう。結論として、新興国を含むか含まないかは「リスク許容度」と「投資期間」によって判断すべきです。20代・30代で投資期間が30年以上あるなら、新興国の成長を取り込むオルカンが有力です。一方、50代・60代で投資期間が短く安定志向なら、先進国株式インデックスの方が安心できるかもしれません。

第2章のまとめとして、投資哲学による選択基準を再確認しましょう。オルカンは「世界全体の成長を信じ、シンプルに分散投資したい人」に最適です。先進国株式インデックスは「日本株を別に持っていて、米国を中心とした先進国経済に集中したい人」に向いています。どちらが正解ということはありません。大切なのは「自分が納得して、安心して長期保有できるか」という点です。次の第3章では、過去のパフォーマンスやコスト効率といった数字の面から、2つのファンドを比較していきます。

第3章:【基準②】パフォーマンスで選ぶ|リターン実績とコスト効率の真実

投資哲学でどちらを選ぶべきか理解できたところで、次は具体的な数字で比較していきましょう。この章では過去のパフォーマンス実績、コスト効率、そしてS&P500との三つ巴比較を通じて、オルカンと先進国株式インデックスのリターンとリスクを客観的に分析します。

投資は感情や直感だけで判断するのではなく、データに基づいた冷静な判断が重要です。ただし忘れてはいけないのは「過去の実績は未来を保証しない」という大原則です。それでも過去のデータを知ることで、今後の投資判断に役立つヒントを得ることができます。この章では実際の数字を使いながら、あなたが納得して投資できる材料を提供していきます。2つのファンドは本当にどれくらいのリターンを生み出してきたのか、コストの違いは長期投資でどれほどの差を生むのか、一緒に見ていきましょう。

3-1. 過去5年間のリターン比較と分析

まず過去5年間(2019年〜2023年)のリターン比較から始めます。オルカンの年平均リターンは約14.3%でした。一方、先進国株式インデックスは約15.4%と、オルカンをわずかに上回る結果となっています。この差はどこから生まれたのでしょうか。

最大の要因は新興国株式のパフォーマンスが先進国株式を下回ったことにあります。2010年代後半以降、特に米国のテクノロジー企業が驚異的な成長を遂げた一方で、中国やブラジルといった新興国は経済成長の鈍化や政治的混乱に直面しました。

年度 オルカン 先進国株式 主な出来事
2018年 -7.5% -11.0% 米中貿易摩擦激化
2019年 +26.8% +28.9% 世界的な金融緩和
2020年 +9.0% +9.0% コロナショックから回復
2021年 +32.7% +38.3% 米国テック株急騰
2022年 -5.6% -5.4% インフレ・金利上昇
2023年 +30.4% +32.5% AI革命・市場回復
平均 14.3% 15.4%

5年間のトータルリターンで見ると、オルカンが約161%、先進国株式が約170〜180%と、先進国株式がやや優位という結果になりました。ただしこの差は約10〜20%程度であり、決定的な差とは言えません。むしろ注目すべきは、どちらのファンドも長期的には高いリターンを実現しているという事実です。

例えば100万円を2018年に投資していた場合、2023年末にはオルカンで約261万円、先進国株式で約270〜280万円に成長していた計算になります。年平均14〜15%のリターンは、銀行預金の金利(0.001〜0.01%程度)と比較すれば圧倒的に高く、投資の力を実感できる数字です。

💡 リスク(価格変動)についても確認
過去データを見ると、オルカンと先進国株式インデックスのリスク(標準偏差)はほぼ同水準で、年間約18〜20%程度です。これは例えば100万円投資していた場合、1年間で80万円〜120万円の範囲で変動する可能性があるということです。新興国を含むオルカンの方がリスクが高そうに思えますが、実際には新興国の比率が10%程度と低いため、ポートフォリオ全体のリスクへの影響は限定的なのです。

ただし重要なのは、この5年間が比較的好調な相場環境だったという点です。2024年以降も同じようなリターンが続く保証はありません。特に2024年〜2025年は米国の金利政策や地政学リスクなど、不確定要素が多く存在します。だからこそ長期投資の視点が重要なのです。短期的な変動に一喜一憂せず、10年、20年、30年という長期スパンで見れば、世界経済は成長を続けてきた歴史があります。

3-2. 信託報酬の差が20年後に与える影響

信託報酬の差が20年後にどれほどの影響を与えるか、具体的にシミュレーションしてみましょう。先述の通り、オルカンの実質コストは年率約0.09%、先進国株式インデックスは約0.12%です。一見わずかな差に見えますが、複利の力によって長期間では無視できない差になります。

例えば毎月3万円を20年間積み立て投資した場合を考えてみます。年率7%のリターンが得られると仮定し、コストを差し引いた実質リターンはオルカンが6.91%、先進国株式が6.88%となります。20年後の資産額はオルカンが約1,491万円、先進国株式が約1,486万円となり、約5万円の差が生まれます。投資元本は720万円(3万円×12ヶ月×20年)ですから、どちらも約2倍以上に増えている計算です。

💰 積立額別・コスト差の影響シミュレーション(20年間)
毎月3万円:オルカン約1,491万円 vs 先進国株式約1,486万円 → 差額5万円
毎月5万円:オルカン約2,485万円 vs 先進国株式約2,476万円 → 差額9万円
毎月10万円:オルカン約4,970万円 vs 先進国株式約4,953万円 → 差額17万円
※年率7%リターン想定、オルカン実質コスト0.09%、先進国株式0.12%で計算

さらに投資額を増やした場合、この差はより顕著になります。毎月10万円を20年間積み立てた場合、オルカンは約4,970万円、先進国株式は約4,953万円となり、約17万円の差になります。30年間では差はさらに広がります。毎月3万円を30年間積み立てた場合、オルカンは約3,550万円、先進国株式は約3,530万円となり、約20万円の差が生まれます。

この差が投資判断を左右するほど大きいかどうかは人それぞれですが、同じリスクを取るなら低コストな方が有利であることは間違いありません。特に新NISA制度では非課税期間が無期限となり、長期保有が前提となります。30年、40年という超長期で考えると、コスト差の影響はさらに大きくなる可能性があります。

ただし重要なのは、コストだけで投資先を決めるべきではないということです。信託報酬が0.03〜0.04%安いからといって、自分の投資方針に合わないファンドを選ぶのは本末転倒です。例えば既に日本株を保有している人がコストの安さだけでオルカンを選ぶと、日本株が重複してしまいます。また新興国リスクを避けたい人が無理にオルカンを選ぶ必要もありません。コストは重要な要素ですが、あくまで判断材料の一つとして捉え、投資対象地域や自分のリスク許容度と総合的に考えることが大切です。

3-3. S&P500との三つ巴比較|米国集中 vs 世界分散

次にS&P500との三つ巴比較を行います。新NISAで人気の投資先として、オルカンや先進国株式インデックスと並んでよく比較されるのが「S&P500」です。S&P500とは米国の代表的な株価指数で、Apple、Microsoft、Amazon、Google、Metaといった米国の大型優良企業約500社で構成されています。S&P500連動ファンドの代表格が「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。

この3つを比較すると、過去10年間のリターンはS&P500が最も高く、年平均約15〜16%でした。次いで先進国株式インデックスが約14〜15%、オルカンが約13〜14%という順序です。なぜS&P500が最も高いリターンを生み出したのでしょうか。

理由は明確で、過去10年間は米国経済、特にGAFAMと呼ばれるテクノロジー企業の黄金時代だったからです。iPhoneの普及、クラウドサービスの拡大、SNSの成長、EC市場の拡大など、米国企業が世界のデジタル革命を牽引してきました。その恩恵を最も強く受けたのが、米国株100%で構成されるS&P500だったのです。

ファンド 米国比率 過去10年平均リターン 特徴
S&P500 100% 15〜16% 米国経済に100%集中投資
先進国株式 75% 14〜15% 先進国分散、日本除く
オルカン 63% 13〜14% 全世界分散、新興国10%含む

一方でオルカンは新興国や日本株も含むため、米国株の上昇を100%取り込めませんでした。先進国株式インデックスは米国比率75%と高いものの、残り25%の欧州やカナダ、オーストラリアなどのパフォーマンスがやや劣後したため、S&P500には及びませんでした。

では今後もS&P500が最強なのかというと、それは誰にもわかりません。過去のパフォーマンスは未来を保証しないという投資の大原則を忘れてはいけません。米国経済が永遠に成長し続ける保証はなく、今後はヨーロッパやアジア、新興国が台頭する可能性もあります。

特に2030年代以降はインドが人口で中国を抜き、世界最大の消費市場になると予測されています。また気候変動対策や再生可能エネルギーの分野では欧州企業が先行しており、今後のリターンを牽引する可能性があります。オルカンを選ぶメリットは、こうした世界経済の変化に自動的に対応できる点にあります。時価総額加重平均方式により、成長する地域の比率が自然に高まる仕組みになっているのです。

一方、S&P500は米国経済に100%賭ける集中投資です。リターンを最大化したいならS&P500、分散を重視するならオルカン、その中間を取るなら先進国株式インデックスという選択になります。ある投資家は「コアにオルカンを据え、サテライトとしてS&P500を組み合わせる」という戦略を取っています。例えばつみたて投資枠120万円のうち70%(84万円)をオルカンに、30%(36万円)をS&P500に配分するといった方法です。

第3章のまとめとして、パフォーマンスとコスト効率の観点からポイントを整理します。過去5年間のリターンは先進国株式インデックスがやや優位だが、差は約1%程度で決定的ではない。コスト面ではオルカンが年率0.03%低く、20年間で数万円〜十数万円の差が生まれる。S&P500は過去10年で最高リターンだが、未来も同じとは限らない。重要なのは、数字だけで判断せず、自分の投資方針やリスク許容度と照らし合わせて総合的に判断することです。次の第4章では、あなたのライフステージ(年代)に応じた最適な投資戦略を具体的に解説していきます。

第4章:【基準③】ライフステージで選ぶ|年代別最適投資戦略

ここまでオルカンと先進国株式インデックスの違いを様々な角度から見てきましたが、実はもう一つ重要な判断軸があります。それがあなたの年齢やライフステージです。20代の独身会社員と、50代で子供が大学生の家庭では、取るべきリスクも投資戦略も大きく異なります。

この章では年代別に最適な投資戦略を具体的に提案していきます。20〜30代の若い世代には長期成長を狙うオルカン戦略、40〜50代には資産保全と成長のバランス型選択、60代以降には安定重視の先進国株式プラス債券戦略をそれぞれ詳しく解説します。あなたの現在の状況に当てはまるセクションを特に注意深く読んでみてください。きっと今すぐ実践できるヒントが見つかるはずです。投資は一生涯続く旅路です。だからこそ今のあなたに最適な戦略を見つけることが、将来の豊かな生活への第一歩となるのです。

4-1. 20〜30代向け|長期成長を狙うオルカン戦略

20代・30代の若い世代は、投資において最も強力な武器を持っています。それは「時間」です。時間があればあるほど、複利の力は指数関数的に効果を発揮します。例えば25歳から毎月3万円をオルカンに積み立て、年平均7%のリターンが得られたと仮定すると、65歳時点で約7,200万円の資産が形成できます。投資元本は1,440万円(3万円×12ヶ月×40年)ですから、約5倍に増える計算です。

💬 20代投資家Aさんの声
「投資の知識がほとんどなかったので、複数のファンドを組み合わせるのは難しそうだなと思っていました。でもオルカン1本なら『世界全体に投資している』という安心感があって、毎月3万円をコツコツ積み立てています。リバランスも自動でやってくれるので、本当に楽ですね!」

この世代にオルカンをおすすめする理由は3つあります。第一に、長期投資期間があるため新興国の成長を取り込むメリットが大きいことです。2030年代以降、インドや東南アジアの経済成長が本格化すると予測されています。40年間という投資期間があれば、こうした長期的な成長トレンドを十分に享受できます。

第二に、若いうちはリスク許容度が高いことです。万が一市場が暴落しても、働いて収入を得られる期間が長いため、資産の回復を待つ余裕があります。また生活費や教育費などの大きな支出も先の話なので、短期的な値動きに振り回されず長期保有を続けやすいのです。

第三に、シンプルな投資で継続しやすいことです。20代・30代は仕事やプライベートで忙しく、投資に多くの時間を割けない人が多いでしょう。オルカン1本なら複雑なポートフォリオ管理も不要で、月々の積立設定だけで完全自動運用が可能です。「ほったらかし投資」こそが長期投資成功の秘訣なのです。

具体的な投資戦略としては、新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)をフル活用し、毎月10万円をオルカンに積み立てるのが理想的です。ボーナス月には追加で20万円ずつ積み増すことで、年間上限に到達できます。もし月10万円が難しい場合は、月3万円や5万円から始めても大丈夫です。大切なのは金額ではなく「今すぐ始めること」と「継続すること」です。月3万円でも30年間続ければ約3,000万円の資産が形成できる計算になります(年率7%想定)。

また20代・30代は新NISAの非課税枠1,800万円を最速5年で埋めるチャンスもあります。つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を合わせて年間360万円投資できるため、収入に余裕がある人は積極的に活用しましょう。ただし無理は禁物です。生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保してから投資を始めることが鉄則です。

4-2. 40〜50代向け|資産保全と成長のバランス型選択

40代・50代は人生の中間地点であり、資産形成と資産保全のバランスが求められる時期です。子供の教育費や住宅ローン、親の介護など、支出が増える一方で、老後資金の準備も本格化させる必要があります。この世代にとって投資の目的は「老後の生活資金を確保すること」が中心となります。

40代・50代の投資戦略は一律ではなく、個々の状況によって大きく異なります。ここでは3つのパターンを紹介しましょう。パターン1は「まだ投資を始めていない人」です。この場合、まずは新NISAで少額から積立投資を始めることが最優先です。40代なら定年まで約20年、50代でも約10〜15年の投資期間があります。この期間があれば十分に資産を増やすことが可能です。

年齢 投資期間 月5万円積立の結果 おすすめ戦略
40歳 25年 約4,100万円 オルカンまたは先進国株式で積極運用
50歳 15年 約1,500万円 先進国株式+債券のバランス型
55歳 10年 約850万円 株式50%+債券30%+現金20%

パターン2は「既にある程度の資産がある人」です。例えば貯金が1,000万円以上ある場合、その一部を投資に回すことを検討しましょう。ただし全額を一度に投資するのはリスクが高いため、「ドルコスト平均法」で分散投資することをおすすめします。例えば1,000万円のうち500万円を投資に回すと決めたら、それを12ヶ月〜24ヶ月に分けて毎月20〜40万円ずつ積み立てていくのです。

パターン3は「日本株や不動産など他の資産も保有している人」です。この場合、ポートフォリオ全体のバランスを考えることが重要です。既に日本株を多く保有しているなら、オルカンではなく先進国株式インデックスを選ぶことで日本株の重複を避けられます。また不動産投資をしている人は、株式と不動産で十分な分散が取れているため、株式部分はシンプルにオルカンか先進国株式インデックス1本に絞るのが良いでしょう。

⚠️ 40〜50代で注意すべきポイント
リスクの取り過ぎに注意:20代・30代と異なり、定年までの残り時間が限られているため、大きな損失を被ると回復する時間が十分にありません。
バランス型も検討:株式100%ではなく、債券や現金も組み合わせた資産配分を検討することも一案です。例えば「株式70%、債券20%、現金10%」といったバランス型ポートフォリオを構築することで、株式市場が暴落した際のダメージを軽減できます。

40代・50代はまだ成長を狙える年代です。守りに入り過ぎず、適度なリスクを取ることで老後資金を充実させることができます。月5万円の積立でも15年続ければ約1,500万円の資産が形成できます(年率7%想定、元本900万円)。今から始めることで、65歳時点で大きな差が生まれるのです。

4-3. 60代以降向け|安定重視の先進国株式+債券戦略

60代以降は「資産形成期」から「資産活用期」へと移行する重要な時期です。定年退職後は給与収入が減少または無くなるため、それまでに築いた資産を取り崩しながら生活していくことになります。この時期の投資戦略は「安定性」と「インカムゲイン(配当収入)」を重視することが基本となります。

60代以降にオルカンや先進国株式インデックスを新たに始めるのは、正直あまりおすすめしません。理由は明確で、株式100%のファンドは値動きが大きく、暴落時に資産が大きく減少するリスクがあるためです。例えば2000万円を一括投資した直後にリーマンショック級の暴落が起きれば、資産が一時的に1,000万円まで減少する可能性もあります。60代・70代でこのような大きな損失を被ると、精神的にも経済的にも回復が困難です。

では60代以降はどのような投資戦略が適切なのでしょうか。おすすめは「先進国株式インデックス50%+国内債券30%+現金20%」といったバランス型の資産配分です。株式部分は成長を狙いつつ、債券と現金でリスクを抑える構成です。この配分なら、株式市場が30%下落しても、ポートフォリオ全体では15%程度の下落に抑えられます。

資産クラス 配分比率 2,000万円の場合 役割
先進国株式 50% 1,000万円 成長を狙う攻めの資産
国内債券 30% 600万円 安定収益を確保する守りの資産
現金(預金) 20% 400万円 生活費取り崩し・緊急資金

先進国株式をオルカンではなく選ぶ理由は、新興国リスクを避けるためです。60代以降は安定性を最優先すべきであり、政治的不安定さや為替リスクの高い新興国は避けた方が無難です。また株式部分も新規で大きく投資するのではなく、50代までに積み立ててきた資産をそのまま保有し続けるのが基本です。

60代以降で重要なのは「4%ルール」という考え方です。これは資産の4%を毎年取り崩して生活費に充てれば、資産が枯渇せずに一生涯もつという経験則です。例えば2,000万円の資産があれば、年間80万円(月約6.7万円)を取り崩せます。年金と合わせれば生活費を賄えるでしょう。

ただし4%ルールが機能するのは、資産の一部を株式など成長資産で運用し続けることが前提です。全額を現金で持っていると、インフレによって実質的な価値が目減りしてしまいます。だからこそ60代以降も「株式50%+債券30%+現金20%」といったバランス配分が重要なのです。

第4章のまとめとして、ライフステージ別の投資戦略を再確認しましょう。20〜30代は時間を味方につけ、オルカン1本で長期積立投資。40〜50代は資産形成と保全のバランスを取り、オルカンまたは先進国株式で着実に積立。60代以降は安定性重視で、先進国株式50%+債券30%+現金20%のバランス配分。あなたの年代に合った戦略を選び、無理なく続けることが成功への道です。次の第5章では、実際に新NISAでオルカンや先進国株式インデックスを購入する具体的な手順を解説します。

第5章:新NISAでオルカン・先進国株式を始める実践ガイド

ここまでオルカンと先進国株式インデックスの違いや選び方を詳しく解説してきましたが、最後は実践です。どんなに良い知識があっても、実際に行動しなければ資産は1円も増えません。この章では新NISAでオルカンや先進国株式インデックスを購入するための具体的な手順を、初心者にもわかりやすく解説します。

おすすめの証券会社3選とそれぞれのメリット、積立設定の詳しい手順、そしてよくある失敗パターンとその回避方法まで網羅します。この章を読み終える頃には、あなたは自信を持って投資をスタートできるはずです。投資は難しそうに見えて、実は思ったよりシンプルです。証券口座を開設し、ファンドを選び、積立設定をするだけ。この3ステップで人生が変わる第一歩を踏み出せます。さあ、一緒に実践的な知識を身につけていきましょう。

5-1. おすすめ証券会社3選とポイント還元率比較

新NISAで投資を始めるには、まず証券口座を開設する必要があります。証券会社は数多くありますが、初心者におすすめなのはネット証券です。特にSBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社は、手数料が安く、取扱商品が豊富で、使いやすさも抜群です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

証券会社 ポイント還元率 月10万円積立時の年間ポイント 最大の特徴
SBI証券 0.5% 6,000pt 国内最大手、投信マイレージも充実
楽天証券 1.0% 12,000pt 楽天経済圏で最強、UI使いやすい
マネックス証券 1.1% 13,200pt 還元率業界最高、米国株に強い

SBI証券は国内最大手のネット証券で、口座開設数1,000万を超える圧倒的なシェアを誇ります。最大の魅力はポイント還元プログラムの充実度です。三井住友カードで積立投資をすると、積立額に応じてVポイントが最大0.5%還元されます。つまり月10万円積み立てれば、毎月500ポイント(年間6,000ポイント)が貯まる計算です。

さらにSBI証券では投資信託の保有残高に応じて「投信マイレージ」というポイントも貯まります。オルカンや先進国株式インデックスの場合、年率0.022%のポイントが付与されるため、1,000万円保有していれば年間2,200ポイントが自動的に貯まります。貯まったVポイントは買い物に使えるだけでなく、投資信託の購入にも使えるため、ポイント投資で複利効果をさらに高めることも可能です。

楽天証券はSBI証券と並ぶ人気ネット証券で、特に楽天経済圏を活用している人におすすめです。最大の魅力は楽天カードでの積立投資で最大1.0%の楽天ポイントが貯まることです。月10万円積み立てれば毎月1,000ポイント、年間12,000ポイントが貯まります。これはSBI証券の2倍のポイント還元率であり、長期的には大きな差になります。

ただし1.0%還元を受けるには楽天プレミアムカード(年会費11,000円)が必要で、通常の楽天カードでは0.5%還元となります。それでもSBI証券と同等の還元率なので、既に楽天カードを持っている人なら楽天証券が有力な選択肢です。楽天証券のもう一つの強みは、操作画面の見やすさとスマホアプリの使いやすさです。初心者でも直感的に操作でき、投資信託の検索や購入、積立設定がスムーズに行えます。

マネックス証券は中堅ネット証券ですが、独自の強みを持っています。最大の魅力はマネックスカードでの積立投資で最大1.1%のマネックスポイントが貯まることです。これは主要ネット証券の中で最高水準の還元率です。月10万円積み立てれば毎月1,100ポイント、年間13,200ポイントが貯まります。20年間継続すれば264,000ポイントにもなり、これだけで26万円相当の価値があります。

ただしマネックスカードは年会費550円(初年度無料)がかかるため、その点は考慮が必要です。それでも積立額が大きければ十分に元が取れます。以上3社を比較すると、ポイント還元率重視ならマネックス証券、楽天経済圏を活用するなら楽天証券、総合力とシェアの安心感ならSBI証券という選び方になります。

5-2. 積立設定の具体的手順|SBI証券・楽天証券対応

次に具体的な積立設定の手順を、SBI証券と楽天証券それぞれで解説します。まずSBI証券での積立設定方法です。

📝 SBI証券の積立設定5ステップ
ステップ1:口座開設 – SBI証券の公式サイトにアクセスし、「口座開設(無料)」ボタンをクリック。メールアドレスを登録し、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)をスマホで撮影してアップロード。最短で翌営業日には口座開設が完了。
ステップ2:新NISA口座の申請 – SBI証券にログイン後、「NISA・つみたてNISA」メニューから「新NISA口座開設」を選択。マイナンバーを登録し、税務署の審査を待つ(通常1〜2週間)。
ステップ3:ファンドの検索 – 画面上部の検索ボックスに「オルカン」または「eMAXIS Slim 全世界株式」と入力して検索。
ステップ4:積立設定 – ファンド詳細ページで「つみたてNISA枠で積立」ボタンをクリックし、積立金額(月3万円、5万円、10万円など)、積立日、決済方法(三井住友カードまたは銀行口座)を選択。
ステップ5:注文確定 – 内容を確認して「注文確定」ボタンを押せば設定完了。翌月から自動的に積立投資がスタート。

次に楽天証券での積立設定方法です。基本的な流れはSBI証券と同じですが、いくつか違いがあります。ステップ1は口座開設で、楽天証券の公式サイトから「口座開設」を選び、楽天会員IDでログインすれば情報入力が簡略化されます。本人確認書類を提出し、数日で口座開設が完了します。

ステップ2は新NISA口座の申請で、楽天証券にログイン後「NISA口座開設」メニューから手続きします。こちらも税務署の審査に1〜2週間かかります。ステップ3はファンドの検索で、画面上部の検索ボックスに「オルカン」や「先進国株式」と入力すれば該当ファンドが表示されます。

ステップ4は積立設定で、ファンド詳細ページの「積立注文」ボタンをクリックし、積立金額と積立日、決済方法(楽天カードまたは楽天キャッシュ、銀行口座)を選択します。楽天カード決済を選ぶと、積立額の0.5〜1.0%の楽天ポイントが貯まります。設定内容を確認して「注文する」ボタンを押せば完了です。

SBI証券・楽天証券どちらも、初回設定さえ済ませれば、あとは毎月自動的に積立が実行されます。一度設定すれば、何もしなくても資産が積み上がっていく仕組みです。これが積立投資の最大のメリットです。

5-3. よくある失敗パターンと回避方法

最後によくある失敗パターンとその回避方法を紹介します。失敗パターン1は「短期的な値動きに一喜一憂して売却してしまう」ことです。投資を始めて数ヶ月後、株式市場が10%下落したとします。評価額が減ると不安になり、「このまま損失が拡大するのでは」と慌てて売却してしまう人がいます。しかしこれは最悪の判断です。

株式市場は短期的には必ず上下します。リーマンショックやコロナショックのような大暴落も歴史上何度も起きていますが、その後必ず回復し、さらに高値を更新してきました。重要なのは「長期保有」です。10年、20年、30年という視点で見れば、短期的な下落は単なる通過点に過ぎません。むしろ下落時は「安く買い増せるチャンス」と捉え、淡々と積立を続けることが成功への道です。

❌ よくある4つの失敗パターン
1. 短期的な値動きで売却:下落時に慌てて売却 → 回復を逃す
2. 一括投資のタイミング待ち:「もっと下がってから」と待つ → 結局買えない
3. 複数ファンド買い過ぎ:オルカン+先進国+S&P500+… → 管理が煩雑に
4. 生活防衛資金なし:全財産を投資 → 急な出費で損失覚悟で売却

✅ 回避方法:日々の株価をチェックしない、ドルコスト平均法を活用、1本に絞る、生活費3〜6ヶ月分を現金確保

失敗パターン2は「一括投資のタイミングを計ろうとする」ことです。例えば500万円の余剰資金があり、それを一度に投資しようとする場合、「今は株価が高いから、もう少し下がってから投資しよう」と待ってしまう人がいます。しかし株価のタイミングを予測することは、プロの投資家でも不可能です。待っている間にさらに株価が上昇し、結局買えないまま時間だけが過ぎるというケースが多いのです。

回避方法は、ドルコスト平均法を活用することです。500万円を一度に投資せず、12ヶ月〜24ヶ月に分けて毎月40万円〜20万円ずつ積み立てるのです。これにより高値掴みのリスクを分散でき、精神的にも安心して投資を続けられます。

失敗パターン3は「複数のファンドを買いすぎて管理が煩雑になる」ことです。オルカンと先進国株式とS&P500と日本株と新興国株と…とあれこれ買ってしまい、結局どれがどのくらいのパフォーマンスなのか分からなくなるパターンです。初心者は特に、シンプルさが成功の鍵です。まずは1本に絞って投資を続け、慣れてきたら必要に応じて追加するという順序が賢明です。

失敗パターン4は「生活防衛資金を確保せずに投資してしまう」ことです。貯金がほとんどない状態で、全財産を投資に回してしまうと、急な出費(病気、失業、冠婚葬祭など)に対応できなくなります。そうなると、せっかく積み立てた投資信託を損失覚悟で売却せざるを得なくなり、本末転倒です。

第5章のまとめとして、実践のポイントを再確認しましょう。証券会社はSBI証券、楽天証券、マネックス証券から自分に合ったものを選ぶ。新NISA口座を開設し、オルカンまたは先進国株式インデックスを選ぶ。毎月一定額を自動積立する設定をして、あとは放置する。短期的な値動きに惑わされず、長期保有を貫く。生活防衛資金を確保し、無理のない金額で投資を続ける。これらを実践すれば、あなたも確実に資産形成の道を歩み始められます。次はまとめ章で、この記事全体の要点を振り返り、最後の背中を押すメッセージをお届けします。

まとめ:オルカンと先進国株式|迷ったときの最終判断フロー

ここまで長い記事を読んでいただき、本当にありがとうございました。オルカンと先進国株式インデックス、どちらを選ぶべきか答えは見つかりましたか?この記事を通じて最もお伝えしたかったのは、どちらが絶対的に優れているということではなく、あなた自身の投資哲学、ライフステージ、リスク許容度によって最適解は変わるということです。

🎯 最終判断フロー

✅ オルカンを選ぶべき人
・投資初心者で、これ1本で完結させたい
・20〜30代で長期投資期間がある
・新興国の成長も取り込みたい
・シンプルに世界経済全体に投資したい

✅ 先進国株式を選ぶべき人
・既に日本株を保有している
・新興国リスクを避けたい
・米国経済の成長をより強く取り込みたい
・安定した先進国市場のみに投資したい

オルカンは全世界47ヵ国、約3,000銘柄に分散投資でき、新興国の成長も取り込める究極のシンプル投資です。信託報酬も年率0.05775%と業界最低水準で、これ1本で完結できる安心感があります。特に20代・30代の若い世代や、投資初心者でシンプルに運用したい人、新興国の成長も取り込みたい人にとって、オルカンは最強の選択肢と言えるでしょう。

一方、先進国株式インデックスは日本を除く先進国22ヵ国、約1,300銘柄で構成され、米国比率が約75%と高いのが特徴です。既に日本株を保有している人や、新興国リスクを避けたい人、米国経済の成長をより強く取り込みたい人にとって、先進国株式インデックスは理にかなった選択です。

過去のパフォーマンスを振り返ると、2018年から2023年の5年間では先進国株式インデックスが年平均約15.4%、オルカンが約14.3%と、わずかに先進国株式が優位でした。しかしこの差は決定的なものではなく、どちらも銀行預金とは比較にならない高いリターンを実現しています。重要なのは過去の数字に振り回されるのではなく、未来に向けて自分が納得できる選択をすることです。

年代別の投資戦略も重要なポイントでした。20代・30代は時間という最大の武器を活かし、オルカン1本で長期積立投資を行うのが王道です。40代・50代は資産形成と保全のバランスを取りながら、オルカンまたは先進国株式で着実に積立を継続します。60代以降は安定性を最優先し、先進国株式50%、国内債券30%、現金20%といったバランス型の資産配分が推奨されます。

💪 今すぐ行動を始めよう

完璧なタイミングを待つ必要はありません。相場が高いか安いかを予測する必要もありません。今日から、月3万円でも5万円でも、あなたが無理なく続けられる金額で積立投資を始めてください。

証券口座の開設は無料で、最短で翌営業日には完了します。SBI証券、楽天証券、マネックス証券のいずれかを選び、新NISA口座を開設し、オルカンまたは先進国株式インデックスを選んで積立設定をする。たったこれだけで、あなたの未来は大きく変わり始めます

10年後、20年後、30年後の自分に感謝されるために、今日という日に第一歩を踏み出しましょう。投資には確かにリスクがあります。短期的には資産が減ることもあるでしょう。でも、それは通過点に過ぎません。歴史が証明しているように、世界経済は長期的には成長を続けてきました。その成長の恩恵を受け取る権利は、行動した人だけに与えられるのです。

あなたはもう、オルカンと先進国株式インデックスの違いを理解しました。自分に合った選択肢も見えてきたはずです。あとは実行するだけです。この記事があなたの資産形成の旅の始まりとなり、10年後、20年後に「あの時始めて本当に良かった」と思える未来につながることを心から願っています。

さあ、今すぐ証券会社のサイトを開いて、口座開設の第一歩を踏み出しましょう。
未来のあなたが、今日のあなたに感謝する日が必ず来ます。🚀

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