2026年、航空業界はインバウンド需要の急拡大により活況を呈しています。その中心にいるのがANAホールディングス(9202)と日本航空(9201)です。両社とも過去最高益を更新する見込みで、株価も堅調に推移していますが、「どちらを買うべきか」と迷う投資家も多いでしょう。配当利回りはJALが3.12%とANAの1.97%を大きく上回り、一方でANAは株主優待の充実度で優位に立っています。本記事では、最新の株価・業績データをもとに、成長性・配当・優待の3軸で徹底比較。あなたの投資スタイルに最適な選択肢を見つけるための完全ガイドをお届けします。
- 2026年1月最新のANA・JAL株価と投資指標の具体的な違い
- 配当利回り・優待制度で本当にお得なのはどちらかの判断基準
- あなたの投資スタイル別に最適な銘柄選択のポイント
- 成長性・財務健全性から見た中長期保有の戦略
目次
1. ANA・JAL株の最新株価と基本投資指標を徹底比較
1-1. 2026年1月最新の株価動向とPER・PBR分析
航空株への投資を検討するとき、まず気になるのが「今の株価は割安なのか、それとも割高なのか」という点ですよね。2026年1月17日時点の最新データを見ると、ANAホールディングス(証券コード9202)の株価は約3,050円で推移しており、2026年に入ってから3,106円の年初来高値を記録しています。一方、日本航空(証券コード9201)は約2,965円となっており、価格だけを見るとJALの方がやや安く見えます。
しかし、株式投資では単純な株価の高い・安いだけで判断してはいけません。企業の規模や収益力を考慮した「割安度」を測る指標が必要です。そこで重要になるのがPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)という2つの指標です。PERは「株価が1株あたり利益の何倍になっているか」を示し、低いほど割安とされます。PBRは「株価が1株あたり純資産の何倍か」を示し、これも低い方が割安です。
ANAのPERは約9.8倍、JALは約11.1倍となっています。日本の株式市場全体の平均PERが15倍前後であることを考えると、両社とも市場平均より割安な水準にあると言えます。特にANAのPER9.8倍は魅力的な水準で、利益に対して株価が比較的抑えられていることを示しています。一方、PBRではANAが1.20倍、JALが1.05倍となっており、JALの方がより割安感があります。
💡 投資のポイント
PERとPBRの両方が低い銘柄は「割安株」として注目されますが、業績が悪化している場合も低くなることがあります。ANAとJALの場合、業績が好調な中でのこの水準なので、本当の意味での「お買い得」と言えるでしょう。
年初来の株価推移を見ると、ANAは2026年1月13日に3,106円の高値を記録し、その後若干調整して現在の水準となっています。JALも1月9日に3,022円の高値をつけた後、同様に調整局面に入っています。両社とも年初から約2~3%程度の上昇を見せており、市場からの評価は総じて良好です。52週レンジ(過去1年間の最高値と最安値)で見ると、ANAは2,509円~3,106円、JALは2,205円~3,257円となっており、現在の株価はいずれも中間からやや上寄りの位置にあります。
1-2. 時価総額とROEから見る収益性の違い
企業の規模を示す「時価総額」では、ANAホールディングスが約1兆4,747億円となっており、JALを大きく上回っています。時価総額が大きいということは、企業として安定性が高く、機関投資家からの資金も集まりやすいというメリットがあります。一方で、成長余地という点では小型株の方が有利な場合もあるため、一概にどちらが良いとは言えません。
収益性を測る重要な指標がROE(自己資本利益率)です。これは「株主から預かったお金をどれだけ効率的に利益に変えているか」を示す指標で、投資家にとって非常に重要な数値です。ANAの予想ROEは12.30%となっており、これは日本企業の平均である8~10%を大きく上回る優秀な水準です。欧米では15%以上が期待されることもありますが、日本企業としては十分に高い数値と言えます。
| 指標 | ANA(9202) | JAL(9201) |
|---|---|---|
| 株価(2026年1月17日) | 約3,050円 | 約2,965円 |
| PER(株価収益率) | 約9.8倍 | 約11.1倍 |
| PBR(株価純資産倍率) | 1.20倍 | 1.05倍 |
| 時価総額 | 約1兆4,747億円 | 非公開 |
| ROE(予想) | 12.30% | データ未公開 |
ROEが高いということは、株主にとってリターンが大きいことを意味します。例えば、100万円を投資した場合、ROE12.30%なら理論上は年間12万3,000円分の利益が企業内で生み出されている計算になります。この利益は配当として還元されたり、企業成長のための投資に回されたりして、最終的には株価上昇という形で株主に還元されることが期待できます。
1-3. アナリスト目標株価と上値余地の比較
株式投資で気になるのが「この先、株価はどこまで上がるのか」という点です。プロの証券アナリストたちは、企業の業績予想や市場環境を分析して「目標株価」を設定しています。この目標株価と現在の株価を比較することで、投資妙味(上昇余地)がどれくらいあるかを判断できます。
2026年1月5日に発表された欧州系大手証券のレポートでは、JALのレーティング(投資判断)を「強気(Buy)」に据え置き、目標株価を3,900円から4,000円に引き上げました。現在の株価約2,965円から計算すると、約35%の上昇余地があることになります。1年後に目標株価通りになれば、100万円の投資が135万円になる計算です。これは非常に魅力的な数字と言えるでしょう。
ANAについても、複数のアナリストが目標株価を3,100円~3,200円程度に設定しています。現在の株価3,050円から考えると、上値余地は約2~5%程度となり、JALと比較するとやや控えめな印象です。ただし、ANAは「PBR2倍を目指す」という明確な目標を経営陣が掲げています。現在のPBR1.20倍が2.0倍になれば、理論上は株価も約67%上昇することになり、株価は5,000円を超える計算になります。
⚠️ 注意点
アナリストの目標株価はあくまで予想であり、必ずその通りになるわけではありません。業績の変化、市場環境の悪化、予期せぬリスクなどにより、株価が目標に届かないこともあります。目標株価は参考程度にとどめ、自分自身でも企業分析を行うことが大切です。
株式益回り(PERの逆数)という指標で見ると、ANAは10.22%となっています。これは「今の株価で買えば、理論上年間10.22%のリターンが期待できる」という意味です。銀行預金の金利が0.1%程度、10年国債の利回りが1%前後という現在の金利環境を考えると、10%超の期待リターンは非常に魅力的です。もちろん株式投資にはリスクがあるため、そのリスクに見合ったリターンと考えることもできます。
結論として、投資指標面ではJALの方が上値余地が大きく、短期的な株価上昇を狙うならJALが有利と言えます。一方、ANAは時価総額が大きく安定性があり、ROEも高水準です。PBR2倍という中長期目標を掲げていることから、長期保有を前提とした投資ならANAも十分に魅力的な選択肢となります。どちらを選ぶかは、あなたの投資スタイルや期待するリターン、リスク許容度によって変わってくるでしょう。
2. 業績見通しと成長性でANA株とJAL株を比較
2-1. 2026年3月期業績予想の詳細分析
株式投資において、過去の実績も大切ですが、「これから先どれだけ稼げるか」という将来の業績予想こそが株価を左右します。2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の業績予想を見ると、両社とも非常に好調な見通しとなっています。
ANAホールディングスの2026年3月期業績予想は、売上高2兆4,800億円(前期比9.6%増)と、2兆円の大台を大きく超えて成長を続けています。当期純利益については1,450億円(前期比7.4%減)となっていますが、これは日本貨物航空(NCA)の買収に伴う特別利益を前期に計上した反動によるものです。本業の稼ぐ力を示す営業利益は堅調に推移しており、実質的には増益基調と言えます。
一方、JALの2026年3月期通期業績予想は、売上収益1兆9,770億円(前期比7.2%増)、EBIT(利払い・税引前利益)2,000億円、当期純利益1,150億円(前期比7.4%増)と、再上場後の過去最高益を更新する見込みです。売上規模ではANAに及ばないものの、利益率の高さが際立っています。
| 業績項目 | ANA(2026年3月期予想) | JAL(2026年3月期予想) |
|---|---|---|
| 売上高/売上収益 | 2兆4,800億円 (前期比+9.6%) |
1兆9,770億円 (前期比+7.2%) |
| 当期純利益 | 1,450億円 (前期比▲7.4%) |
1,150億円 (前期比+7.4%) |
| EBIT(参考) | 好調に推移 | 2,000億円 |
| 特記事項 | NCA買収の特別利益計上済み | 再上場後最高益更新 |
第1四半期(4~6月)の実績を見ると、ANAは営業利益が前年から増益となる好スタートを切っています。JALも第2四半期(4~9月)決算で売上収益9,839億円(前年同期比9.1%増)、EBIT1,097億円(同28.0%増)と、大幅な増収増益を達成しました。この勢いが下半期も続けば、通期予想を上振れする可能性もあります。
2-2. インバウンド需要が両社に与える影響
2026年の航空業界を支えている最大の要因が、訪日外国人旅行者(インバウンド)の急増です。日本政府観光局のデータによれば、2024年には年間3,600万人を超える外国人が日本を訪れ、コロナ前の2019年(3,188万人)を大きく超えました。2025年以降もこの勢いは衰えず、2026年には4,000万人突破も視野に入っています。
インバウンド需要の恩恵を最も受けているのが国際線です。ANAもJALも、国際線の座席利用率は90%前後と高水準で推移しており、運賃単価も上昇傾向にあります。円安基調が続いていることも追い風で、外国人旅行者にとって日本旅行の魅力が増しています。1ドル=150円前後の為替水準では、アメリカ人にとって日本の物価は「お買い得」に感じられ、旅行需要を刺激しています。
💡 インバウンド効果の具体例
成田空港や関西国際空港では、ピーク時の入国審査に2時間以上かかることも珍しくありません。これは訪日客の多さを物語っています。特にアジア圏(中国、韓国、台湾、タイ)からの旅行者が増えており、ANAとJALは中国路線の大幅増便を計画しています。中国の景気減速が懸念されていますが、個人旅行需要は堅調で、両社の収益に大きく貢献しています。
国際線の収益性向上は、両社の業績に直結しています。国際線は国内線に比べて1便あたりの売上が大きく、利益率も高い傾向にあります。特にビジネスクラスやファーストクラスの需要が旺盛で、富裕層向けの高単価サービスが好調です。ANAの新型シート「The Room」やJALのA350-1000型機のビジネスクラスは、予約が取りにくいほどの人気となっています。
また、日本発の海外旅行需要も回復しています。コロナ禍で抑制されていた旅行欲求が解放され、ハワイ、ヨーロッパ、アメリカ本土への旅行が活発化しています。円安により海外旅行は割高になっていますが、それでも需要は強く、両社の国際線ビジネスを下支えしています。このように、インバウンドとアウトバウンドの両面で国際線事業が成長しており、業績拡大の主要なドライバーとなっています。
2-3. 国際線・国内線別の収益構造比較
ANAとJALでは、国際線と国内線の収益バランスに違いがあります。ANAは売上高2兆4,800億円のうち、国際線が約50~55%を占め、国内線が約30~35%、残りが貨物や関連事業となっています。一方、JALは売上構成において国際線の比率がやや高く、全体の60%程度を国際線が占めています。
国際線の比率が高いということは、インバウンド需要や為替変動の影響を受けやすいということです。円安が進めば、外貨建て収入が円換算で増えるため、利益が膨らみます。逆に円高になれば収益は目減りします。現在は円安基調が続いているため、JALの方が恩恵を受けやすい構造と言えます。
📊 収益バランスの意味
国内線は天候不順や自然災害の影響を受けやすいですが、需要が安定しているのが特徴です。一方、国際線は単価が高く利益率も良いですが、国際情勢や感染症流行などで大きく変動するリスクがあります。ANAは国内線とのバランスが良く安定志向、JALは国際線重視で攻めの姿勢と言えるでしょう。
国内線に目を向けると、ANAは羽田空港を拠点に日本全国をカバーする路線網を持っています。特に地方路線が充実しており、新千歳、福岡、那覇などの主要都市だけでなく、秋田、富山、高知といった地方都市への便も運航しています。これに対してJALは、離島路線に強みを持ち、沖縄の離島や鹿児島県の奄美・屋久島などへの路線が充実しています。
貨物事業も見逃せません。ANAは2025年に日本貨物航空(NCA)を買収し、貨物事業の強化を進めています。eコマースの拡大により航空貨物需要は堅調に推移しており、特にアジアと日本を結ぶ物流が活発です。半導体などの精密機器、医薬品、生鮮食品など、スピードが求められる貨物は航空輸送が不可欠であり、この分野でもANAは収益源を拡大しています。
成長性の観点では、ANAは規模拡大による成長、JALは効率化による収益性向上という異なるアプローチを取っています。ANAはLCC子会社のPeachを活用して若年層や価格重視の顧客を取り込み、ボリュームゾーンを拡大しています。JALは路線の選択と集中を進め、収益性の高い路線に経営資源を投入する戦略です。
どちらの戦略が優れているかは一概には言えません。市場が拡大局面にあるときは規模追求型のANAが有利ですが、市場が成熟したり逆風が吹いたりする局面では、効率重視型のJALの方が利益を確保しやすいでしょう。投資家としては、自分がどのような成長ストーリーに期待するかで、選択が変わってくるはずです。長期的な市場拡大を信じるならANA、確実な利益成長を重視するならJAL、という選び方もできるでしょう。
3. 配当利回りと株主還元でANA株・JAL株を徹底検証
3-1. 最新配当金と配当利回りの実質比較
株式投資の魅力の一つが、配当金という定期的な現金収入です。株価が上がったり下がったりする中で、年に1~2回確実に受け取れる配当金は、投資家にとって大きな安心材料となります。ANAとJALの配当政策を比較すると、明確な違いが見えてきます。
2026年3月期のANAホールディングスの年間配当予想は1株あたり60円です。現在の株価3,050円で計算すると、配当利回りは約1.97%となります。一方、日本航空の年間配当予想は1株あたり92円で、株価2,965円から計算した配当利回りは約3.12%です。JALの配当利回りはANAの約1.6倍という結果になり、配当収入を重視する投資家にとってJALは非常に魅力的な水準です。
| 配当項目 | ANA(9202) | JAL(9201) |
|---|---|---|
| 年間配当金(2026年3月期) | 60円 | 92円 |
| 配当利回り | 約1.97% | 約3.12% |
| 100株保有時の年間配当 | 6,000円 | 9,200円 |
| 配当性向(参考) | データ未公開 | 約35% |
| 配当回数 | 年2回(中間・期末) | 年2回(中間46円・期末46円) |
具体的な金額で見てみましょう。最低購入単位である100株を保有した場合、ANAなら年間6,000円、JALなら年間9,200円の配当金を受け取ることができます。300万円を投資して1,000株保有すれば、ANAは年間6万円、JALは年間9万2,000円の配当収入となります。この差は決して小さくありません。配当金を再投資に回せば、複利効果でさらに資産が増えていきます。
💰 配当金の使い道イメージ
年間9,200円の配当があれば、毎月約767円の不労所得になります。スマホの通信費の一部や、ちょっとした外食代に充てることができます。1,000株なら年間9万2,000円ですから、旅行資金や趣味の費用、あるいは生活費の足しにもなるでしょう。配当金は「株価が下がっても確実に得られる利益」なので、精神的な安心感にもつながります。
ただし、配当利回りが高ければ必ず良いというわけではありません。企業が無理に高配当を続けると、将来の成長投資に回すお金が不足し、長期的には企業価値が低下する可能性もあります。そこで重要になるのが「配当性向」という指標です。これは「利益のうち何%を配当に回しているか」を示す数字で、JALは約35%と健全な水準を保っています。利益の3分の1を株主に還元し、残りは企業成長のための投資や内部留保に回しているということです。
3-2. 配当性向と増配余地の分析
「今後も配当が増え続けるか」は、長期投資家にとって重要な判断ポイントです。配当性向35%という水準は、まだまだ増配余地があることを示しています。一般的に、配当性向50%以下であれば、業績が伸びれば配当も増やせる余力があると考えられます。
JALは2025年3月期に配当86円を実施し、2026年3月期は92円に増配する予定です。これは前年比約7%の増配となり、株主還元を強化する姿勢が明確に表れています。業績が好調な中での増配は、経営陣が将来にも自信を持っていることの証とも言えます。
ANAも2024年3月期に50円、2025年3月期に60円と、着実に増配を続けています。コロナ禍で2021年3月期から2023年3月期まで3期連続で無配となりましたが、復配後は順調に配当を回復させています。現在の60円という水準はまだコロナ前(2020年3月期は60円)と同水準ですが、業績拡大に伴い今後さらなる増配も期待できます。
🔍 増配ペースの違い
JALは積極的な増配姿勢を示しており、今後も年率5~10%程度の増配が続く可能性があります。一方、ANAは慎重派で、業績を見ながら段階的に配当を増やす方針と見られます。短期的にはJALの方が配当成長率が高そうですが、長期的にはANAも規模拡大に伴って配当額を増やしていくでしょう。
配当方針も重要なポイントです。JALは「配当性向35%程度を目安とする」と明言しており、利益が増えれば自動的に配当も増える仕組みになっています。2026年3月期に当期純利益1,150億円を達成すれば、その35%は約402億円となり、発行済株式数で割ると1株あたり約100円の配当が可能な計算です。実際の配当は92円ですから、まだ余力があることがわかります。
3-3. 復配からの配当推移と今後の見通し
コロナ禍という未曾有の危機を経験した航空業界にとって、配当の復活は大きな節目でした。両社とも2023年3月期まで無配を余儀なくされましたが、需要回復と業績改善により、2024年3月期から配当を再開しました。この「復配」という事実自体が、経営の健全性回復を示す重要なシグナルです。
ANAの配当推移を振り返ると、2020年3月期は60円でしたが、2021年3月期から2023年3月期まで0円となりました。2024年3月期に50円で復配し、2025年3月期は60円、2026年3月期も60円を維持する予定です。復配からわずか2期でコロナ前水準に戻したことは評価できます。今後、業績がさらに改善すれば、70円、80円と増配していく可能性は十分にあります。
JALも同様に2021~2023年3月期は無配でしたが、2024年3月期に一気に86円で復配し、市場を驚かせました。そして2025年3月期も86円を維持し、2026年3月期は92円に増額します。復配初年度から高水準の配当を実現したことは、財務体質の強さと経営陣の株主還元への強い意志を示しています。
| 決算期 | ANA配当(円) | JAL配当(円) |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 60円 | 40円 |
| 2021年3月期 | 0円 | 0円 |
| 2022年3月期 | 0円 | 0円 |
| 2023年3月期 | 0円 | 0円 |
| 2024年3月期 | 50円 | 86円 |
| 2025年3月期 | 60円 | 86円 |
| 2026年3月期(予想) | 60円 | 92円 |
今後の見通しとして、航空需要が堅調に推移する限り、両社とも増配基調が続くと予想されます。特にJALは配当性向35%という明確な目標があり、利益成長がそのまま配当増につながる構造です。2027年3月期に当期純利益が1,200億円に達すれば、配当は理論上100円を超えることになります。
ANAも業績回復が進めば、配当をさらに引き上げる可能性が高いでしょう。特に、NCA買収によって貨物事業が強化され、収益源が多様化したことはプラス材料です。多角的な収益基盤が確立されれば、景気変動に強い企業体質となり、安定配当も期待できます。配当重視の投資家にとって、現時点ではJALが圧倒的に有利ですが、中長期的にはANAも配当面で追いついてくる可能性があります。投資判断は、配当だけでなく、株主優待や株価上昇期待なども含めて総合的に行うことが大切です。
4. 株主優待制度を実利用価値で徹底比較

4-1. 保有株数別の優待券取得枚数比較表
航空会社株の最大の魅力といえば、国内線が半額で乗れる株主優待券です。配当金も嬉しいですが、実際に旅行や出張で飛行機を使う方にとっては、優待券の価値は計り知れません。ANAとJALの株主優待制度は基本的に似ていますが、保有株数に応じた取得枚数には微妙な違いがあります。
まず基本的な仕組みを説明します。両社とも年2回(3月末と9月末の基準日)に株主優待券を発行します。100株以上保有していれば優待を受ける権利が得られ、保有株数が増えるほど多くの優待券がもらえる仕組みです。優待券1枚で国内線片道1区間が通常運賃の50%割引になります。つまり、往復なら2枚必要ということですね。
| 保有株数 | ANA(年間合計) | JAL(年間合計) |
|---|---|---|
| 100株~199株 | 2枚(各回1枚) | 2枚(各回1枚) |
| 200株~299株 | 2枚(各回1枚) | 2枚(各回1枚) |
| 300株~399株 | 2枚(各回1枚) | 3枚 |
| 400株~999株 | 4枚(各回2枚) | 3枚 |
| 1,000株~99,999株 | 8枚(各回4枚) | 8枚(各回4枚) |
| 100,000株以上 | 14枚(各回7枚) | 12枚(各回6枚) |
この表から分かるように、100株や200株の保有では両社とも同じ年間2枚ですが、300株~999株のレンジではANAの方が有利です。特に400株保有の場合、ANAは年間4枚取得できるのに対し、JALは3枚にとどまります。年に2往復の旅行を考えている方には、この差は大きいですね。1,000株以上になると両社とも年間8枚となり、ほぼ同等の優待となります。
💡 投資額別のおすすめ株数
予算が30万円前後なら100株(ANA約30.5万円、JAL約29.7万円)で年2枚。予算が120万円以上あるなら400株のANA保有で年4枚取得が効率的です。300万円以上投資できるなら、1,000株保有で年8枚取得が可能になり、家族旅行や複数回の出張にも対応できます。
また、ANAとJALにはグループ会社優待券も付いてきます。ANAの場合は、ANAグループのホテルやレストラン、免税店での割引券が、JALの場合はJALパックツアーの割引券やJALカード年会費割引などが付帯します。これらの付帯優待も含めて考えると、トータルの優待価値はANAの方がやや高いと言えるでしょう。
4-2. 優待券の使い勝手と金券ショップ価格
株主優待券を実際に使う場合、気になるのが「どれくらいお得になるのか」という点です。株主優待割引運賃は、通常の片道普通運賃(フレックス運賃)の50%で利用できます。例えば、東京(羽田)から大阪(伊丹)の普通運賃が往復で約5万円だとすると、優待券を使えば2万5,000円で乗れることになり、2万5,000円も節約できる計算です。
ただし、早期購入割引(早割)やLCC(格安航空会社)と比較すると、必ずしも株主優待が最安とは限りません。早割75日前などで購入すれば1万円以下になることもあるため、優待券の真価が発揮されるのは「急な出張や予定変更が多い」「繁忙期に旅行したい」「当日や直前に航空券を買いたい」というケースです。通常運賃は高額ですが、優待券があればその半額で済むため、ビジネス利用が多い方には特に価値があります。
もし自分で使わない場合は、金券ショップで優待券を売却することもできます。2026年1月時点では、ANAの株主優待券は1枚あたり600円前後、JALの優待券は520~600円程度で取引されています。つまり、100株保有で年間2枚取得できれば、売却することで約1,200円の現金収入が得られるわけです。400株保有なら年間4枚で約2,400円、1,000株なら年間8枚で約4,800円の副収入になります。
📌 優待券の有効期限に注意
ANAもJALも優待券には有効期限があります。ANAは発行から約1年間、JALも同様です。期限内に使わないと無効になってしまうので、計画的に利用しましょう。また、繁忙期(お正月、ゴールデンウィーク、お盆)は座席数に制限があり、優待券でも予約が取りにくいことがあるので、早めの予約がおすすめです。
利用範囲も重要なポイントです。ANAの優待券は、ANA運航の国内線全路線で使用可能です。提携航空会社であるエアドゥ(AIR DO)、ソラシドエア、スターフライヤーなどの便でも利用できるため、地方路線の選択肢が広がります。JALの優待券も、JAL、日本トランスオーシャン航空(JTA)、日本エアコミューター(JAC)の国内線で利用でき、特に沖縄や離島路線に強みがあります。
予約方法も簡単です。ANAもJALも、ウェブサイトや電話、空港カウンターで株主優待割引運賃を選択して予約できます。優待券番号を入力するだけで割引が適用されるため、手間はほとんどかかりません。スマートフォンからでも簡単に予約できるので、忙しいビジネスパーソンでも使いやすいのが特徴です。
4-3. 優待利回りと総合利回りの実質計算
株主優待の価値を数値化したものが「優待利回り」です。これは「優待の金銭的価値÷投資額×100」で計算します。例えば、ANA株を100株(約30.5万円)保有して年間2枚の優待券を取得し、それを金券ショップで1枚600円で売却した場合、優待価値は年間1,200円となり、優待利回りは約0.39%となります。
しかし、優待券を実際に使って航空券を購入する場合は、もっと大きな価値があります。例えば、東京-福岡の片道普通運賃が4万円だとすると、優待券を使えば2万円で済みます。つまり、1枚の優待券で2万円分の価値を生み出すことができるのです。年間2枚なら4万円分の節約効果があり、優待利回りは約13.1%にもなります。
| 利回りの種類 | ANA 100株保有の場合 | JAL 100株保有の場合 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 約1.97% | 約3.12% |
| 優待利回り(売却時) | 約0.39% | 約0.35% |
| 優待利回り(実利用時) | 約13.1%(4万円節約) | 約13.5%(4万円節約) |
| 総合利回り(実利用) | 約15.1% | 約16.6% |
「総合利回り」は配当利回りと優待利回りを合計したもので、株式投資の真の収益性を測る指標です。JALの場合、配当利回り3.12%に優待の実利用価値13.5%を加えると、総合利回りは約16.6%にもなります。これは銀行預金の利息や国債の利回りと比較すると、圧倒的に高いリターンです。もちろん株価変動リスクはありますが、長期保有を前提とすれば非常に魅力的な投資先と言えるでしょう。
優待投資で注意したいのが「タコ配」のリスクです。これは企業が利益以上に配当や優待を出し続けることで、財務体質が悪化する現象です。しかし、ANAもJALも業績は好調で、配当性向も健全な水準に保たれているため、この点での心配は少ないでしょう。むしろ、業績拡大に伴って優待内容がさらに充実する可能性もあります。
また、新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠を使えば、配当金や株式の売却益が非課税になります。優待券自体は課税対象ではないため、新NISAで航空株を保有すれば、配当も優待も最大限活用できます。年間360万円までの投資枠があるため、ANA株なら約1,180株、JAL株なら約1,210株まで非課税で保有できる計算です。これなら年間8枚の優待券が非課税で取得でき、家族全員での旅行も可能になりますね。
結論として、株主優待を重視するなら、保有株数に応じてANAの方がやや有利です。特に400株前後を保有する場合、ANAは年4枚取得できるのに対しJALは3枚なので、この差は大きいです。一方、配当も含めた総合利回りで考えるとJALの方が高くなります。あなたが「実際に飛行機によく乗るかどうか」「優待券を金券ショップで売るか使うか」によって、最適な選択は変わってきます。両社の株を半分ずつ保有するという戦略も、リスク分散の観点からは賢い選択かもしれません。
5. 投資スタイル別!ANA株とJAL株の選び方ガイド
5-1. 配当重視派に向いているのはどちら?
投資スタイルは人それぞれです。株価の値上がりを狙うキャピタルゲイン重視派もいれば、定期的な配当収入を重視するインカムゲイン派もいます。ここでは、あなたの投資スタイルに合わせた銘柄選択のポイントを解説します。まずは配当収入を最優先する投資家にとって、どちらが適しているかを考えてみましょう。
配当利回りで比較すると、JALの3.12%はANAの1.97%を大きく上回っています。100株あたりの年間配当金も、JALは9,200円、ANAは6,000円と、その差は3,200円です。1,000株保有すればこの差は10倍の3万2,000円になります。毎年確実に受け取れる現金収入を重視するなら、JALの方が魅力的です。
💡 配当重視派の投資シミュレーション
300万円を投資した場合:JAL(約1,012株)なら年間配当約9万3,000円、ANA(約984株)なら年間約5万9,000円。10年間保有すれば、JALは累計約93万円、ANAは約59万円の配当収入となり、約34万円の差が生まれます。この差を複利運用すれば、さらに資産は増えていきます。
配当性向も重要です。JALは約35%と健全な水準を保ちつつ、利益成長に応じて増配する方針を明確にしています。2026年3月期は92円の配当予想ですが、2027年3月期には100円を超える可能性もあります。一方、ANAは現在60円を維持していますが、今後の業績拡大に伴い、段階的に増配していく見込みです。
配当の安定性という観点では、両社とも財務体質は健全で、当面の減配リスクは低いと考えられます。ただし、航空業界は景気変動や燃油価格の影響を受けやすいため、リーマンショックやコロナのような大きな危機が来れば、減配や無配のリスクはゼロではありません。そのため、配当狙いの投資でも分散投資が基本です。航空株だけでなく、他の高配当株や債券、REITなども組み合わせてポートフォリオを組むことをおすすめします。
また、配当金は課税されることも忘れずに。日本の配当課税は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。つまり、9,200円の配当を受け取っても、実際に手元に残るのは約7,330円です。ただし、新NISAの成長投資枠で購入すれば、配当金も非課税になります。年間360万円の投資枠をフル活用すれば、配当収入を丸々受け取れるため、長期的には大きな差になります。
結論として、配当重視派にはJALがおすすめです。高い配当利回り、明確な増配方針、健全な配当性向の3点がそろっており、長期的な配当収入を安定して得られる可能性が高いです。ただし、ANAも業績拡大に伴って増配していく可能性があるため、5年、10年という超長期で見れば、配当格差は縮小していくかもしれません。
5-2. 優待活用派に最適な投資戦略
株主優待を最大限活用したい投資家にとって、重要なのは「どれだけ実際に使えるか」です。年に1~2回しか飛行機に乗らないなら100株保有で十分ですが、頻繁に出張や旅行をする方なら、もっと多くの優待券を取得できる株数を目指すべきです。
前述の通り、400株保有ではANAが年4枚、JALが年3枚となり、ANAの方が1枚多く取得できます。投資額は約120万円前後なので、中堅投資家にとってはANAの400株保有が最もコスパが良いと言えます。年4枚あれば往復2回分、または片道4回分使えるため、実用性が高いです。
| 投資スタイル | 推奨銘柄 | 推奨株数 |
|---|---|---|
| 年1~2回の旅行 | ANAまたはJAL | 100株(年2枚) |
| 頻繁な出張・旅行 | ANA | 400株(年4枚) |
| 家族旅行重視 | ANAまたはJAL | 1,000株(年8枚) |
| 優待券を売却して現金化 | ANA | 400株以上 |
| 配当+優待のバランス重視 | JAL | 100~300株 |
1,000株(約300万円)を保有できるなら、年間8枚の優待券が手に入り、家族4人での往復旅行が年2回可能になります。沖縄、北海道、九州など、国内の人気観光地への旅行費用を大幅に削減でき、旅行好きの家族にとっては夢のような投資と言えるでしょう。
🎯 優待の賢い使い方
繁忙期は優待でも予約が取りにくいため、閑散期(1~2月、6月、11~12月前半)を狙うのがコツです。また、羽田-那覇、羽田-新千歳など人気路線は早めの予約が必須。優待券は家族や友人にプレゼントすることもできるため、使い切れない分は身近な人に贈って喜んでもらうのも良いですね。
優待券を金券ショップで売却して現金化する戦略もあります。ANAの優待券は1枚600円前後で売れるため、400株保有で年4枚なら約2,400円、1,000株で年8枚なら約4,800円の副収入になります。これを配当金に上乗せすれば、総合利回りはさらに向上します。
また、ANAとJALの両方を保有するという戦略も有効です。例えば、ANA 200株とJAL 200株を保有すれば、合計で年4枚の優待券が手に入り、しかも路線の選択肢が広がります。ANAは羽田発着が多く、JALは成田や地方空港にも強いため、用途に応じて使い分けられます。
5-3. 成長性重視・バリュー投資それぞれの判断軸
成長性を重視する投資家にとっては、将来の株価上昇ポテンシャルが最も重要です。この観点では、ANAの方が有利と考えられます。理由は、売上規模の大きさ、グループ事業の多角化、PBR2倍という明確な株価目標の3点です。
ANAは売上高2兆4,800億円と、JALの1兆9,770億円を約5,000億円上回っています。規模が大きいということは、新規路線の開設、機材への投資、デジタル化への対応など、成長のための選択肢が多いということです。また、LCC子会社のPeachや貨物事業のNCAなど、グループ全体での収益源が多様化しており、リスク分散と成長機会の両立が図られています。
一方、JALは効率性と収益性に優れており、バリュー投資(割安株投資)の観点から魅力的です。PBR1.05倍は、企業の純資産(帳簿価額)とほぼ同じ水準で株が買えるということを意味します。もし業績がさらに改善してROEが上昇すれば、PBRも自然と上がり、株価上昇が期待できます。アナリストの目標株価4,000円は、現在の株価から約35%の上昇を見込んでおり、短期的なリターンを狙うならJALの方が有利かもしれません。
📊 投資期間別のおすすめ
短期(1~2年):JALの方が目標株価までの上昇余地が大きく、配当も高い。中期(3~5年):両社とも業績拡大が続く見込みで、甲乙つけがたい。長期(10年以上):ANAの規模とグループ力が活きる可能性が高く、長期投資ならANAが有利かもしれません。
リスク許容度によっても選択は変わります。リスクを抑えたい保守的な投資家には、財務健全性が高く配当も充実しているJALが向いています。一方、多少のリスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい積極的な投資家には、成長余地のあるANAが向いているでしょう。
新NISA活用の観点では、成長投資枠の年間240万円を使って、両社を組み合わせるのも賢い戦略です。例えば、ANA 400株(約122万円)とJAL 400株(約118万円)を同時に購入すれば、合計240万円で両社の優待と配当を享受できます。この場合、ANAから年4枚、JALから年3枚、合計7枚の優待券が手に入り、配当も年間約1万5,200円(税引前)受け取れます。
最終的には、あなたのライフスタイルと投資目的が判断基準になります。飛行機によく乗るなら優待重視でANA、配当収入を増やしたいならJAL、成長性を信じて長期保有するならANA、割安感と安定性を求めるならJAL、という選び方ができます。どちらが「正解」ということはなく、あなた自身の価値観と目標に合った選択をすることが、投資成功への第一歩です。
また、定期的に保有銘柄を見直すことも大切です。業績発表や配当方針の変更、株主優待制度の改定などがあれば、投資判断も変わってきます。年に1~2回は決算資料に目を通し、自分の投資戦略が今も有効かどうかを確認しましょう。株式投資は「買って終わり」ではなく、継続的なモニタリングとメンテナンスが必要です。その手間を惜しまなければ、航空株投資はあなたの資産形成に大きく貢献してくれるはずです。
まとめ|ANA株とJAL株、あなたに最適な選択は?
ここまで、ANAホールディングスと日本航空の株式を、株価指標、業績、配当、株主優待、投資スタイルという5つの観点から徹底的に比較してきました。最後に、重要なポイントをもう一度整理しておきましょう。
配当重視ならJAL一択です。配当利回り3.12%、年間配当92円、配当性向35%という3つの指標が、株主還元への強い姿勢を示しています。一方、株主優待を最大限活用するならANAが有利です。特に400株保有で年4枚取得できる点は、頻繁に飛行機を利用する方にとって大きなメリットとなります。
成長性と規模ではANAが上回り、効率性と利益率ではJALが優れています。長期的な資産形成を目指すならANA、安定した配当収入を求めるならJALという選択基準も有効でしょう。もちろん、両方に分散投資するという選択肢もあります。
航空業界は今、インバウンド需要の追い風を受けて絶好調です。しかし、この好環境がいつまで続くかは誰にも分かりません。だからこそ、投資は長期的な視点で行い、一時的な株価変動に一喜一憂しないことが大切です。配当金や優待券という「確実な利益」を楽しみながら、じっくりと資産を育てていく。そんな投資スタイルが、航空株には最も適しています。
新NISAの成長投資枠を活用すれば、配当も売却益も非課税になります。この制度を最大限活用して、あなたの夢や目標に向かって一歩を踏み出してみませんか?まずは100株から始めて、優待券で家族旅行を楽しむ。そんな素敵な未来が、あなたを待っているかもしれません。投資は怖いものではなく、未来をより豊かにするためのツールです。正しい知識と適切な判断で、航空株投資の魅力を存分に味わってください。

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