「不動産投資に興味はあるけれど、まとまった資金が必要で手が出せない…」そんな悩みを抱えていませんか?実は、少額から大家さん気分が味わえる投資商品が存在します。それがREIT(リート)です。REITは、プロが運用する不動産に数万円から投資でき、利益の90%超が分配される税制優遇により、通常の株式を上回る高利回りが期待できます。2026年の不動産市場は、オフィス需要の回復や訪日観光客の増加という追い風を受け、今が絶好の投資タイミングと言えるでしょう。
この記事でわかること
- REITが高利回りを実現できる「税制上の仕組み」と投資メリット
- オフィス・ホテル・商業施設など、用途別REITの収益特性と選び方
- 2026年の市場環境で注目すべき6つの優良REIT銘柄の詳細分析
- 初心者でも失敗しないREIT投資の始め方とリスク管理のポイント
1. REITとは?初心者でもわかる不動産投資信託の基本
画像引用:三井住友トラスト・アセットマネジメント
「不動産投資に興味はあるけれど、数千万円も用意できない…」そんな悩みを抱えているあなたに、ぜひ知ってほしい投資商品があります。それがREIT(リート)です。REITは、少額から始められて、プロが運用してくれる、まさに「手軽な大家さん体験」ができる画期的な金融商品なのです。
この章では、REITとは何なのか、どうして高利回りが期待できるのか、そして現物不動産投資とどう違うのかを、中学生にもわかるようにやさしく解説していきます。投資初心者の方でも安心して読み進められる内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1-1. REITの仕組み|投資家・運用会社・不動産の三角関係
REITは「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれています。簡単に言うと、多くの投資家から集めたお金でプロが不動産を購入・運用し、その賃料収入などを投資家に分配する仕組みです。
まず、私たち投資家がREITに投資すると、そのお金は投資法人という組織に集まります。投資法人は、集まった資金を使って、オフィスビルや商業施設、ホテル、マンションなどの不動産を購入します。そして、これらの不動産を賃貸することで得られる家賃収入や、不動産を売却した際の利益を、投資家に分配金として還元する仕組みになっています。
この仕組みの最大の魅力は、数万円から数十万円という少額で、億単位の不動産に間接的に投資できるという点です。通常、オフィスビル一棟を個人で購入しようと思ったら、数億円から数十億円という莫大な資金が必要ですが、REITなら一口数万円から投資できるため、サラリーマンや主婦の方でも気軽に不動産投資の世界に足を踏み入れることができるのです。
💡 REITの登場人物
投資家(あなた):REITに投資してお金を出す人
投資法人:投資家から集めたお金で不動産を購入・運用する組織
資産運用会社:投資法人に代わって実際の運用戦略を立てるプロ集団
不動産:オフィス、商業施設、ホテル、マンションなどの収益物件
また、REITは東京証券取引所に上場しているため、株式と同じようにリアルタイムで売買することができます。これは「流動性が高い」と言われる大きなメリットで、急にお金が必要になったときでも、市場が開いていればすぐに売却して現金化できるのです。
1-2. 高利回りの秘密|法人税実質免除のREIT税制優遇措置
REITが株式投資よりも高い利回りを実現できる最大の理由は、法人税が実質的に免除される特別な税制優遇措置にあります。これは非常に重要なポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
通常の株式会社は、稼いだ利益に対して約30パーセントの法人税を支払う必要があります。つまり、100億円の利益があっても、そのうち30億円は税金として国に納めなければならず、残りの70億円から株主に配当を出すことになります。これでは、せっかくの利益が目減りしてしまいますよね。
しかし、REITには特別なルールがあります。それは、利益の90パーセント以上を投資家に分配すれば、法人税が実質的に免除されるという制度です。これを「導管性要件」と呼びます。つまり、稼いだ利益のほとんどをそのまま投資家に届けることができるのです。
| 比較項目 | 通常の株式会社 | REIT |
|---|---|---|
| 法人税率 | 約30% | 実質0% |
| 分配金比率 | 任意(通常30〜50%) | 90%以上(義務) |
| 平均利回り(目安) | 1〜3% | 3〜6% |
この表を見れば一目瞭然ですが、REITは税制優遇によって、通常の株式会社の約2倍から3倍の利回りを実現できる可能性があるのです。2026年2月現在、日本の主要なREITの平均利回りは約4パーセント前後で推移しており、銀行の定期預金金利(0.3パーセント程度)と比較すると、その魅力は圧倒的です。
さらに、REITは年2回の分配金が基本となっており、定期的な収入源として活用できる点も大きな魅力です。株式の配当金と同じように、保有しているだけで半年ごとに分配金が口座に振り込まれるため、老後の資金作りや副収入の確保といった長期的な資産形成にも適しています。
1-3. 現物不動産投資との違い|少額・手軽・流動性の3大メリット
「不動産投資」と聞くと、多くの人がアパートやマンションを一棟買いする「現物不動産投資」をイメージするかもしれません。しかし、REITと現物不動産投資には、大きな違いがあります。ここでは、REITならではの3大メリットを詳しく見ていきましょう。
【メリット1:少額から始められる】
現物不動産投資では、最低でも数百万円から数千万円の初期投資が必要です。多くの場合、銀行から住宅ローンを組むことになり、長期間にわたって返済の義務を負うことになります。一方、REITは数万円から投資できるため、まとまった資金がなくても気軽にスタートできます。例えば、月々3万円ずつ積立投資することも可能で、無理のない範囲で資産を増やしていくことができるのです。
【メリット2:管理の手間がゼロ】
現物不動産投資では、入居者の募集、家賃の回収、建物の修繕、クレーム対応など、大家さんとしてやるべき仕事が山ほどあります。管理会社に委託することもできますが、その分コストがかさみます。しかし、REITならプロの運用会社がすべて管理してくれるため、投資家は何もする必要がありません。仕事や家事で忙しい方でも、時間を取られることなく不動産投資の恩恵を受けられるのです。
【メリット3:いつでも売買できる流動性】
現物不動産を売却しようと思ったら、買い手を見つけて契約を結び、登記手続きを済ませるまで、数ヶ月から場合によっては1年以上かかることもあります。急にお金が必要になっても、すぐには現金化できないのが現物不動産の弱点です。一方、REITは証券取引所に上場しているため、株式と同じように市場が開いている時間帯なら数秒で売買が成立します。この流動性の高さは、万が一の事態に備える上でも非常に重要なポイントです。
⚠️ REITと現物不動産、どちらを選ぶべき?
REITは少額・手軽・流動性の点で優れていますが、現物不動産投資には「融資を活用してレバレッジをかけられる」「自分の意思で物件を選べる」といったメリットもあります。自分の資金力やライフスタイル、投資目的に合わせて選択することが大切です。まずはREITで不動産投資の感覚を掴んでから、将来的に現物不動産に挑戦するというステップアップ戦略もおすすめです。
また、REITは一つの銘柄で複数の物件に分散投資されているため、リスクが分散される点も見逃せません。例えば、オフィスビル特化型のREITでも、東京・大阪・名古屋など複数のエリアに物件を保有しているため、一つの物件で空室が出ても全体への影響は限定的です。現物不動産投資では一つの物件に集中投資することになるため、その物件が不調だとダイレクトに収益に響きますが、REITなら自動的に分散効果が得られるのです。
さらに、2024年から拡充された新NISA制度では、REITも成長投資枠の対象になっています。年間240万円まで非課税で投資できるため、分配金にかかる税金を気にせず効率的に資産を増やすことができます。特に長期保有を前提とする方にとって、この税制優遇は非常に大きなアドバンテージとなるでしょう。
このように、REITは「少額から始められる」「手間がかからない」「いつでも売買できる」という3つの大きなメリットを持つ、初心者にも優しい投資商品なのです。次の章では、2026年のREIT市場が今なぜ注目されているのか、その背景を詳しく見ていきましょう。
2. 2026年のREIT市場動向|今が買い時と言える3つの理由
画像引用:HOME4U
「今からREITに投資して、本当に大丈夫なの?」そんな不安を抱いている方も多いでしょう。確かに、投資のタイミングは非常に重要です。しかし、2026年のREIT市場には、今こそ投資すべき3つの強力な追い風が吹いています。
この章では、東証REIT指数の最新動向、オフィス需要の回復状況、そしてインバウンド観光の急回復という3つの視点から、2026年のREIT市場がなぜ魅力的なのかを徹底解説します。データに基づいた客観的な分析を通じて、あなたの投資判断をサポートします。
2-1. 東証REIT指数の推移|2026年1月の高値更新と押し目局面
まずは、REIT市場全体の動きを示す「東証REIT指数」の推移を見てみましょう。この指数は、東京証券取引所に上場しているすべてのREITの価格動向を総合的に表したもので、いわばREIT市場の体温計のような存在です。
2026年1月19日、東証REIT指数は昨年来高値となる2078.2ポイントを記録しました。これは2023年以来の高値水準であり、REIT市場に対する投資家の期待が高まっていることを示しています。背景には、日本経済の緩やかな回復、オフィス需要の安定化、そして訪日外客数の増加といった好材料が重なっています。
しかし、1月末にかけて指数はやや反落し、1月29日には1954.28ポイントまで下落しました。これは、一部の投資家が利益確定の売りに動いたことや、短期的な調整局面に入ったことが原因です。ただし、この下落は決して悪材料ではありません。むしろ、高値圏から約6パーセント程度の調整は、絶好の押し目買いチャンスと捉えることができます。
📊 東証REIT指数の2026年1月の動き
1月19日:昨年来高値2078.2ポイント達成
1月29日:調整局面で1954.28ポイントまで下落
2月上旬:2000ポイント台を回復し、底堅い推移
ポイント:高値から約6%の調整は、長期投資家にとって押し目買いの好機
2月上旬には再び2000ポイントを回復しており、底堅い動きを見せています。この推移からわかるのは、REIT市場には一時的な調整があっても、中長期的には上昇トレンドが維持されているということです。特に、2000ポイント台は多くの投資家にとって心理的な支持線となっており、この水準を割り込まない限り、上昇基調は継続すると見られています。
また、過去の統計データを見ると、東証REIT指数が高値から5パーセントから10パーセント程度調整した後は、その後3ヶ月から6ヶ月以内に再び高値を更新するケースが多く見られます。つまり、今の局面は「高値掴み」を避けつつ、将来の値上がり益も期待できる理想的なタイミングと言えるのです。
2-2. オフィス需要の回復|東京都心の空室率低下が示す追い風
REIT市場、特にオフィス特化型REITにとって最も重要な指標が「オフィス空室率」です。空室率が低いということは、テナント需要が旺盛で賃料収入が安定していることを意味し、REITの収益性を大きく左右します。
2026年2月時点で、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィス空室率は約3.5パーセント前後で推移しています。これは、コロナ禍で一時6パーセント台まで上昇した空室率が、着実に改善していることを示しています。3パーセントから4パーセントの空室率は「適正水準」とされており、テナントにとっても貸主にとってもバランスの良い状態です。
この背景には、いくつかの要因があります。第一に、コロナ禍で広がったテレワークが一段落し、多くの企業がオフィス回帰を進めていることです。完全リモートワークを続けている企業は減少傾向にあり、週3日から4日のオフィス出勤が標準となりつつあります。第二に、東京への企業集中が続いており、地方から本社機能を東京に移す企業や、支店を増設する企業が増えています。第三に、外資系企業の日本進出が加速しており、新たなオフィス需要を生み出しています。
| 年度 | 東京都心5区空室率 | 市場環境 |
|---|---|---|
| 2020年 | 1.5% | コロナ前の好調期 |
| 2021年 | 6.2% | コロナ禍のピーク |
| 2024年 | 4.8% | 回復局面 |
| 2026年 | 3.5% | 適正水準に回復 |
空室率の低下は、賃料の上昇にもつながります。実際、都心一等地のオフィスビルでは、2024年以降、新規契約や更新時の賃料が前年比で2パーセントから5パーセント程度上昇しているケースが増えています。これは、オフィスREITの収益増加に直結する好材料です。
さらに注目すべきは、大型オフィスビルの新規供給が2025年から2026年にかけて一段落することです。コロナ禍前に計画された大型物件の竣工ラッシュが終わり、今後数年間は新規供給が抑制されるため、需給バランスが改善し続ける見込みです。供給が少ない状況でテナント需要が安定していれば、賃料は自然と上昇圧力がかかります。
このように、オフィスREITにとって2026年は「空室率低下」「賃料上昇」「新規供給減少」という三重の追い風が吹いており、収益環境は非常に良好です。日本ビルファンドやジャパンリアルエステイトといった大手オフィスREITが、安定した分配金を維持・増加させる可能性が高まっています。
2-3. インバウンド需要の急回復|訪日外客数過去最高がホテルREITを後押し
オフィスREITと並んで注目されているのが、ホテル特化型REITです。その追い風となっているのが、訪日外国人観光客(インバウンド)の急激な回復です。
日本政府観光局の発表によると、2025年の訪日外客数は年間で過去最高を更新しました。具体的な数字を見ると、2025年は約3800万人の外国人観光客が日本を訪れ、コロナ前の2019年の約3200万人を大きく上回りました。さらに、2026年に入っても1月だけで約350万人が訪日しており、このペースが続けば年間4000万人を突破する可能性も出てきています。
🌏 インバウンド需要の現状
2019年:約3200万人(コロナ前のピーク)
2025年:約3800万人(過去最高更新)
2026年予測:4000万人超の可能性
人気エリア:東京・大阪・京都・北海道・沖縄
客単価:1人あたり平均15万円から20万円(宿泊・飲食・買い物含む)
この訪日客の増加は、ホテル業界にとって直接的な収益増加につながります。特に、外国人観光客に人気のある東京、大阪、京都、北海道、沖縄などの主要観光地では、ホテルの稼働率が90パーセント以上を維持しており、客室単価も上昇傾向にあります。一泊2万円から3万円だった客室が、繁忙期には5万円から8万円で販売されるケースも珍しくありません。
さらに、円安の影響も見逃せません。2024年から2026年にかけて、1ドル140円から155円程度の円安水準が続いており、外国人観光客にとって日本旅行は非常にお得になっています。例えば、アメリカ人観光客にとっては、日本の物価が実質的に20パーセントから30パーセント割引で感じられるため、旅行先として日本の魅力が高まっているのです。
ホテル特化型REITの代表格である「ジャパン・ホテル・リート投資法人」は、全国の主要都市に有名ホテルを保有しており、このインバウンド需要の恩恵を最大限に受けています。同REITの2026年2月時点の予想分配金利回りは約6.03パーセントと、オフィスREITを大きく上回る高利回りを実現しています。これは、ホテル事業の収益性が非常に高いことを示しています。
また、「星野リゾート・リート投資法人」のように、高級リゾート施設に特化したREITも注目されています。星野リゾートは「星のや」「界」「リゾナーレ」といった強力なブランドを持っており、国内旅行客だけでなく富裕層の外国人観光客からも高い支持を得ています。一泊10万円以上する高級旅館でも予約が取りにくい状況が続いており、高い収益性を維持しています。
日本政府は2030年までに訪日外客数6000万人、旅行消費額15兆円という目標を掲げています。この目標が達成されれば、ホテルREITの収益環境はさらに改善し、分配金の増加も期待できます。長期的な視点で見れば、インバウンド需要は今後も成長を続ける可能性が高く、ホテルREITへの投資は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
このように、2026年のREIT市場には「東証REIT指数の押し目局面」「オフィス需要の回復」「インバウンドの急成長」という3つの強力な追い風が吹いています。次の章では、具体的にどのREIT銘柄に投資すればよいのか、PayPay証券で購入できる厳選6銘柄を詳しく比較していきましょう。
3. 厳選!PayPay証券で買えるREIT6銘柄徹底比較
画像引用:PayPay証券
「REITに投資したいけれど、どの銘柄を選べばいいのかわからない…」そんな悩みを抱えているあなたに、おすすめの情報をお届けします。この章では、PayPay証券で購入できる厳選REIT6銘柄を、用途別に詳しく比較・解説します。
オフィス特化型、ホテル特化型、総合型といった異なるタイプのREITを網羅的に紹介しますので、あなたの投資スタイルや目標利回りに合った銘柄がきっと見つかるはずです。各銘柄の特徴、利回り、リスクをしっかり理解して、賢い投資判断をしていきましょう。
3-1. オフィス特化型REIT|日本ビルファンド&ジャパンリアルエステイト
まずは、REIT市場の王道とも言える「オフィス特化型REIT」から見ていきましょう。安定性を重視する投資家にとって、オフィスREITは最も信頼できる選択肢の一つです。
【日本ビルファンド投資法人(証券コード:8951)】
日本ビルファンドは、日本で最初に上場したREITであり、国内最大級の規模を誇ります。スポンサーは三井不動産という不動産業界の最大手で、その信頼性は抜群です。
このREITが保有する物件は、東京都心の超一等地にある大規模オフィスビルが中心です。例えば、丸の内、大手町、虎ノ門といった、日本を代表する企業が本社を構えるエリアの高層ビルを多数保有しています。これらの物件は、築年数が浅く、耐震性能も高く、テナントの入居希望が常に多い人気物件ばかりです。
予想分配金利回りは約3.3パーセントと、ホテルREITと比較すると控えめに見えますが、その分リスクが低く、安定性が高いのが特徴です。大手企業が長期契約でテナントとして入居しているため、突然の空室リスクが非常に低く、景気が悪化しても収益が大きく落ち込むことは少ないのです。
【ジャパンリアルエステイト投資法人(証券コード:8952)】
ジャパンリアルエステイトも、日本ビルファンドと同じく日本で最初に上場したREITの一つです。スポンサーは三菱地所で、こちらも不動産業界の最大手です。
このREITの最大の特徴は、東京の千代田区と中央区という、日本で最も地価が高いエリアに物件を集中させていることです。丸の内ビルディングや大手町のオフィスタワーなど、誰もが知っている有名ビルを複数保有しています。これらの物件は、いわば「不動産の中の不動産」であり、資産価値が非常に高く、長期的に見ても価格が下落しにくいという強みがあります。
予想分配金利回りは約3.97パーセントで、日本ビルファンドよりもやや高めです。これは、物件の賃料水準が高く、収益性が優れていることを反映しています。また、テナント企業の顔ぶれを見ても、金融機関や大手商社、外資系企業など、信用力の高い企業が並んでおり、賃料の回収リスクもほぼゼロに近いと言えます。
| 銘柄名 | 証券コード | スポンサー | 予想利回り |
|---|---|---|---|
| 日本ビルファンド | 8951 | 三井不動産 | 3.3% |
| ジャパンリアルエステイト | 8952 | 三菱地所 | 3.97% |
オフィス特化型REITは、利回りこそホテルREITに劣るものの、「安定性」「信頼性」「長期保有向き」という3つの大きなメリットがあります。特に、定年退職後の年金補完や、老後資金の運用先として考えている方には、この2銘柄は非常におすすめです。価格変動も比較的穏やかなため、投資初心者でも安心して保有できるでしょう。
3-2. ホテル特化型REIT|ジャパン・ホテル&星野リゾートの高利回り戦略
次に紹介するのは、高利回りが魅力のホテル特化型REITです。インバウンド需要の急回復により、2026年現在、最も注目されているセクターと言えるでしょう。
【ジャパン・ホテル・リート投資法人(証券コード:8985)】
ジャパン・ホテル・リートは、日本最大級のホテル特化型REITです。全国の主要都市に約70棟のホテル物件を保有しており、そのポートフォリオには「オリエンタルホテル」「ホテルJALシティ」といった有名ブランドのホテルが多数含まれています。
このREITの最大の魅力は、予想分配金利回りが約6.03パーセントという高水準にあることです。これは、オフィスREITのほぼ2倍に相当する利回りであり、インカムゲイン(分配金収入)を重視する投資家にとって非常に魅力的です。
ただし、高利回りの裏には、リスクも存在します。ホテル事業は、景気動向や旅行需要の変動に大きく影響を受けるため、オフィスREITと比較すると収益の変動幅が大きくなります。例えば、コロナ禍の2020年から2021年には、訪日客がほぼゼロとなり、多くのホテルREITが大幅な減配を余儀なくされました。
しかし、現在は状況が大きく変わっています。2025年以降、訪日外客数が過去最高を更新し続けており、ホテルの稼働率は90パーセント以上、客室単価も上昇傾向にあります。この好環境が続く限り、ジャパン・ホテル・リートの高利回りは維持される見込みです。
【星野リゾート・リート投資法人(証券コード:3287)】
星野リゾート・リートは、高級リゾート施設に特化したユニークなREITです。運営する星野リゾートは、「星のや」「界」「リゾナーレ」といった超高級ブランドを展開しており、国内外の富裕層から絶大な支持を得ています。
予想分配金利回りは約5.03パーセントで、ジャパン・ホテルよりはやや控えめですが、それでも十分に高い水準です。このREITの強みは、単なるホテルではなく「体験型リゾート」を提供していることです。一泊10万円を超える高級旅館でも予約が取れないほどの人気があり、客単価が非常に高いため、収益性が抜群なのです。
🏨 ホテルREITの魅力とリスク
魅力:高利回り(5〜6%台)、インバウンド需要の恩恵、円安メリット
リスク:景気変動の影響を受けやすい、パンデミックなど予期せぬ事態に弱い
向いている人:高いリターンを狙いたい、分散投資の一部として考えている、リスク許容度が高い投資家
また、星野リゾート・リートは、国内旅行需要の恩恵も受けています。コロナ禍以降、日本人の国内旅行が増加しており、特に高齢者層や家族連れが高級リゾートを利用するケースが増えています。週末や大型連休には予約が数ヶ月前から埋まることも珍しくなく、安定した稼働率を維持しています。
ホテル特化型REITは、「高利回りを狙いたい」「インバウンド需要の成長に期待したい」という方に最適です。ただし、景気変動リスクがあるため、ポートフォリオ全体の20パーセントから30パーセント程度に抑え、オフィスREITや総合型REITと組み合わせて分散投資することをおすすめします。
3-3. 総合・複合型REIT|日本都市ファンド&野村不動産の分散投資効果
最後に紹介するのは、複数の用途に分散投資する総合型REITです。オフィスだけ、ホテルだけに集中投資するのが不安という方には、この総合型REITが最適です。
【日本都市ファンド投資法人(証券コード:8953)】
日本都市ファンドは、商業施設と都市型住宅を中心に投資する総合型REITです。保有物件には、大阪の「ツイン21」や名古屋の「mozoワンダーシティ」といった大型商業施設が含まれています。
予想分配金利回りは約4.74パーセントで、オフィスREITよりも高く、ホテルREITよりは低いという、ちょうど中間的な水準です。この利回りは、商業施設の賃料収入と住宅の家賃収入の両方から得られるもので、収益源が多様化されているため安定性が高いのが特徴です。
商業施設は、テナントとして入居する小売店やレストランの売上に連動して賃料が変動する仕組み(変動賃料)を採用していることが多く、景気が良いときには賃料収入が増加します。一方、住宅は景気に左右されにくく、常に一定の需要があるため、安定した収益を確保できます。この2つのバランスが、日本都市ファンドの強みです。
【野村不動産マスターファンド投資法人(証券コード:3462)】
野村不動産マスターファンドは、オフィス、商業施設、住宅、物流施設のすべてをカバーする「真の総合型REIT」です。スポンサーは野村不動産グループで、日本を代表する総合不動産会社です。
予想分配金利回りは約4.24パーセントで、日本都市ファンドよりはやや低めですが、その分リスクが分散されているというメリットがあります。一つの銘柄で、オフィス、商業、住宅、物流という4つの用途に投資できるため、まさに「REIT版の投資信託」と言えるでしょう。
| 銘柄名 | 証券コード | 主な投資対象 | 予想利回り |
|---|---|---|---|
| 日本都市ファンド | 8953 | 商業施設・住宅 | 4.74% |
| 野村不動産マスターファンド | 3462 | オフィス・商業・住宅・物流 | 4.24% |
特に物流施設への投資比率が高いことが注目ポイントです。Eコマース(ネット通販)の拡大により、物流倉庫の需要は年々増加しており、Amazonや楽天などの大手企業が長期契約でテナントとして入居しています。物流施設は景気に左右されにくく、長期的に安定した賃料収入が見込めるため、ポートフォリオの安定性向上に大きく寄与しています。
🎯 総合型REITのメリット
1. 自動分散投資:一つの銘柄で複数の不動産タイプに投資できる
2. リスク低減:特定セクターの不調が全体に与える影響が小さい
3. 初心者向き:どの用途を選べばいいか迷う方に最適
4. バランス重視:利回りと安定性のバランスが良い
総合型REITは、「どの銘柄を選べばいいかわからない」「リスクを抑えつつ、それなりの利回りも欲しい」という投資初心者の方に特におすすめです。一つの銘柄を買うだけで自動的に分散投資が完了するため、ポートフォリオ管理の手間も省けます。
以上、PayPay証券で購入できる6つのREIT銘柄を詳しく解説しました。オフィス特化型の安定性、ホテル特化型の高利回り、総合型のバランスの良さ、それぞれに魅力があります。次の章では、用途別のREIT選びのポイントをさらに深掘りし、あなたに最適な投資戦略を見つけていきましょう。
4. 用途別REIT選びのポイント|あなたに合う不動産タイプは?
画像引用:MONEY PLUS
「REITに投資したいけれど、オフィス型、ホテル型、総合型、どれを選べばいいのかわからない…」そんな悩みを抱えていませんか?実は、あなたの投資目的やリスク許容度によって、最適なREITタイプは大きく異なります。
この章では、オフィス型、ホテル型、総合型という3つの代表的なREITタイプについて、それぞれの特徴、メリット・デメリット、そして「どんな人に向いているか」を徹底的に解説します。あなた自身の投資スタイルと照らし合わせながら、最適な選択をしていきましょう。
4-1. 安定重視ならオフィス型|景気変動に強いディフェンシブ投資
まず最初に紹介するのは、安定性を最優先に考える方に最適なオフィス型REITです。オフィス型REITは、REITの中でも最も歴史が長く、運用実績も豊富なため、初心者の方でも安心して投資できるタイプです。
オフィス型REITの最大の特徴は、テナント企業との長期契約が基本になっている点です。一般的に、オフィスビルのテナント契約は3年から5年、場合によっては10年以上の長期契約となることが多く、一度契約が結ばれると、そう簡単には解約されません。大手企業が本社機能を置くようなオフィスビルであれば、なおさら安定性が高まります。
さらに、オフィス型REITは「景気の波に対する耐性」が比較的高いという特徴があります。もちろん、大不況が来れば影響を受けますが、ホテルや商業施設と比較すると、景気後退時でも企業はオフィスを必要とし続けるため、賃料収入が急激に減少するリスクは低いのです。これを「ディフェンシブ性が高い」と表現します。
🏢 オフィス型REITが向いている人
1. 投資初心者:価格変動が穏やかで、精神的な負担が少ない
2. 老後資金の運用:定期的な分配金が年金の補完になる
3. リスクを抑えたい:元本の大幅な減少を避けたい方
4. 長期保有前提:10年、20年と保有し続ける計画の方
実際の投資例を見てみましょう。例えば、60歳で定年退職し、退職金の一部2000万円を運用したいと考えているAさんのケースです。Aさんは、年金だけでは生活費が月々5万円不足するため、その不足分を補う投資先を探していました。
Aさんは、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人に各1000万円ずつ投資しました。平均利回り約3.6パーセントで計算すると、年間で約72万円、月々約6万円の分配金を受け取ることができます。これで年金の不足分を補い、さらに少し余裕も生まれました。
もちろん、オフィス型REITにもデメリットはあります。最大のデメリットは、利回りがホテル型REITと比較して低めという点です。安定性の代償として、高いリターンは期待しにくいのです。しかし、「堅実に資産を守りながら、定期収入を得る」という目的であれば、オフィス型REITは最良の選択肢と言えるでしょう。
また、オフィス型REITは新NISA制度の成長投資枠との相性も抜群です。年間240万円まで非課税で投資できるため、分配金をまるごと受け取ることができます。税金がかからない分、実質的な利回りはさらに高まります。例えば、通常なら約20パーセントの税金が引かれて手取りが減りますが、新NISAなら満額受け取れるため、長期保有すればするほど複利効果で資産が増えていくのです。
4-2. 高利回り狙いならホテル型|観光需要連動のハイリターン戦略
次に紹介するのは、高い利回りを狙いたい方に最適なホテル型REITです。2026年現在、インバウンド需要の急回復を背景に、ホテル型REITは非常に注目されているセクターです。
ホテル型REITの最大の魅力は、なんといっても予想分配金利回りが5パーセントから6パーセント台という高水準にあることです。これは、オフィス型REITの約1.5倍から2倍に相当します。つまり、同じ投資額でも、受け取れる分配金が大きく異なるのです。
なぜホテル型REITはこれほど高利回りなのでしょうか?その理由は、ホテル事業の収益構造にあります。ホテルは、客室の稼働率と客室単価の掛け算で収益が決まります。観光シーズンや大型イベント時には、客室単価を大幅に引き上げることができるため、短期間で大きな利益を上げることが可能なのです。
例えば、東京オリンピックの際には、都内のホテルが通常の3倍から5倍の価格で予約が埋まりました。また、桜の季節や紅葉シーズンには、京都のホテルが軒並み満室となり、客室単価も通常の2倍以上に跳ね上がります。このような「需要の波」をうまく捉えることで、ホテル型REITは高い収益を生み出しているのです。
| REITタイプ | 平均利回り | 価格変動リスク |
|---|---|---|
| オフィス型 | 3〜4% | 低 |
| ホテル型 | 5〜6% | 高 |
| 総合型 | 4〜5% | 中 |
しかし、高利回りには相応のリスクも伴います。ホテル型REITの最大のリスクは、景気や旅行需要の変動に敏感という点です。コロナ禍のように、旅行需要が突然消失するような事態が起きると、ホテルの稼働率はゼロに近づき、賃料収入も激減します。実際、2020年から2021年にかけて、多くのホテル型REITが大幅な減配を余儀なくされました。
それでも、長期的な視点で見れば、ホテル型REITには大きな成長ポテンシャルがあります。日本政府は2030年までに訪日外客数6000万人という目標を掲げており、この目標が達成されれば、ホテル需要はさらに拡大します。また、円安基調が続く限り、外国人観光客にとって日本は魅力的な旅行先であり続けるでしょう。
🏨 ホテル型REIT投資の鉄則
鉄則1:ポートフォリオ全体の20〜30%程度に抑える
鉄則2:オフィス型や総合型と組み合わせて分散する
鉄則3:短期的な価格変動に一喜一憂しない
鉄則4:長期的なインバウンド需要の成長を信じて保有する
実際の投資例として、30代会社員のBさんのケースを見てみましょう。Bさんは毎月5万円の積立投資を行っており、そのうち1万5000円をホテル型REIT、残り3万5000円をオフィス型REITと総合型REITに配分しています。この配分比率なら、高利回りの恩恵を受けつつ、リスクも適度に分散できます。
10年後、Bさんの資産は順調に増え、ホテル型REITからの高い分配金が資産形成を加速させました。途中、景気後退局面でホテル型REITの価格が下落したこともありましたが、Bさんは慌てて売却せず、むしろ安値で買い増しを行いました。その結果、景気回復後には大きなリターンを得ることができたのです。
4-3. バランス重視なら総合型|複数用途でリスク分散する賢い選択
最後に紹介するのは、バランスとリスク分散を重視する方に最適な総合型REITです。総合型REITは、オフィス、商業施設、住宅、物流施設など、複数の用途に分散投資する「ハイブリッド型」のREITです。
総合型REITの最大のメリットは、一つの銘柄を買うだけで、自動的に複数の不動産タイプに分散投資できるという点です。これは、投資初心者にとって非常に大きな利点です。なぜなら、「どのタイプをどの比率で買えばいいか」を悩む必要がなく、プロが最適なバランスで運用してくれるからです。
例えば、野村不動産マスターファンド投資法人は、オフィスが約40パーセント、商業施設が約25パーセント、住宅が約20パーセント、物流施設が約15パーセントという配分で投資しています。この配分により、特定のセクターが不調でも、他のセクターでカバーできるため、収益の安定性が高まります。
特に注目すべきは、物流施設への投資比率が高い点です。Eコマース(ネット通販)の拡大により、物流倉庫の需要は年々増加しており、Amazonや楽天などの大手企業が長期契約でテナントとして入居しています。物流施設は景気に左右されにくく、コロナ禍でも安定した収益を維持しました。この「ディフェンシブな物流施設」が含まれていることが、総合型REITの強みなのです。
また、総合型REITは、利回りとリスクのバランスが非常に良いという特徴があります。予想分配金利回りは約4パーセントから5パーセント程度で、オフィス型よりは高く、ホテル型よりは低い、ちょうど中間的な水準です。価格変動リスクも中程度で、オフィス型ほど穏やかではありませんが、ホテル型ほど激しくもありません。
実際の投資例として、40代の共働き夫婦Cさん世帯のケースを見てみましょう。Cさん夫婦は、将来の子どもの教育資金と老後資金のために、毎月10万円を投資に回しています。そのうち5万円を総合型REITに、残り5万円を国内外の株式に投資しています。
Cさん夫婦が総合型REITを選んだ理由は、「あまり投資の勉強に時間をかけられないから」です。共働きで子育ても忙しいCさん夫婦にとって、複雑なポートフォリオを組むのは負担が大きすぎました。そこで、一つの銘柄で自動的に分散投資できる総合型REITを選んだのです。
結果として、Cさん夫婦の資産は順調に増え続けています。特に、コロナ禍のような予期せぬ事態でも、総合型REITは大きく減配することなく、安定した分配金を出し続けました。オフィスとホテルが不調でも、物流と住宅が好調だったため、全体としてバランスが取れていたのです。
このように、用途別にREITを選ぶことで、あなたの投資目的やリスク許容度に合った最適なポートフォリオを構築することができます。次の章では、実際にREIT投資を始める際の具体的な手順と、失敗しないためのリスク管理方法を詳しく解説していきます。
5. REIT投資の始め方とリスク管理|失敗しないための実践ガイド
画像引用:SBI証券
「REITに投資したいけれど、どうやって始めればいいの?」「リスクが怖くて一歩踏み出せない…」そんな不安を抱えているあなたに、この章ではREIT投資の具体的な始め方と、失敗しないためのリスク管理方法を徹底的に解説します。
証券口座の開設から実際の購入、そして長期保有のためのリスク管理まで、初心者でも迷わず実践できるステップを順を追って説明します。また、投資判断に欠かせない重要指標の見方や、注意すべきリスクについても詳しく触れていきますので、安心してREIT投資をスタートできるでしょう。
5-1. 証券口座開設からREIT購入までの5ステップ
まずは、REIT投資を始めるための具体的な手順を、5つのステップに分けて解説します。証券口座を持っていない初心者の方でも、この手順に従えば、最短で3日から1週間程度でREIT投資をスタートできます。
【ステップ1:証券会社を選ぶ】
REIT投資を始めるには、まず証券口座が必要です。おすすめの証券会社は、SBI証券、楽天証券、PayPay証券などのネット証券です。これらの証券会社は、手数料が安く、スマホアプリも使いやすいため、初心者に最適です。特にPayPay証券は、1000円という少額から投資できるため、「まずは試しに少額から始めたい」という方に向いています。
【ステップ2:口座開設の申込み】
証券会社のウェブサイトやアプリから、口座開設の申込みを行います。必要な書類は、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)と、マイナンバーがわかる書類です。最近は、スマホで本人確認書類を撮影するだけで、オンライン完結で口座開設できる証券会社が増えています。郵送でのやり取りが不要なので、最短で翌営業日には口座が開設されます。
【ステップ3:新NISA口座の開設(重要!)】
証券口座と同時に、新NISA口座も開設しましょう。新NISA制度を利用すれば、年間240万円までの投資について、分配金や売却益が非課税になります。これは非常に大きなメリットです。例えば、通常なら分配金の約20パーセントが税金として引かれますが、新NISA口座なら満額受け取れます。長期保有すればするほど、この差は大きくなります。
【ステップ4:入金する】
口座が開設されたら、投資資金を証券口座に入金します。銀行口座からの振込や、即時入金サービス(リアルタイム入金)を利用できます。即時入金サービスなら、手数料無料で24時間いつでも入金できるため、非常に便利です。
【ステップ5:REITを購入する】
いよいよREITの購入です。証券会社のアプリやウェブサイトで、購入したいREITの銘柄コード(例:日本ビルファンドなら8951)を検索します。そして、購入する口数や金額を入力し、注文を確定すれば完了です。株式と同じように、成行注文(その時の市場価格で購入)や指値注文(指定した価格で購入)が選べます。
📝 初回購入のポイント
少額から始める:最初は1口または数万円程度から始めて、慣れてきたら増やす
成行注文を使う:初心者は指値注文より成行注文の方がシンプルでわかりやすい
新NISA枠を活用:必ず新NISA口座で購入して非課税メリットを享受する
分散購入する:一度に全額投資せず、数回に分けて購入する(時間分散)
実際の体験談として、投資初心者のDさんのケースを紹介します。Dさんは、30代の会社員で、これまで投資経験が全くありませんでした。しかし、銀行預金の金利があまりにも低いため、「何か運用を始めないと」と思い立ち、REITにチャレンジすることにしました。
Dさんはまず、楽天証券で口座を開設しました。スマホで本人確認書類を撮影し、必要事項を入力するだけで、3日後には口座が開設されました。そして、新NISA口座も同時に開設し、毎月3万円を積立投資することに決めました。
最初の購入では、野村不動産マスターファンド投資法人を選びました。総合型REITなら、自動的に分散投資できるため、初心者でも安心だと判断したからです。Dさんは成行注文で3万円分を購入し、無事に初めてのREIT投資家となりました。その後も毎月コツコツと積立を続け、1年後には約36万円の投資元本となり、年間約1万6000円の分配金を受け取ることができました。
5-2. 分配金利回りだけで選ぶな|NAV倍率とLTVで判断する健全性
REIT投資で失敗しないためには、分配金利回りだけで銘柄を選んではいけません。高利回りには必ず理由があり、その理由が「リスクの高さ」である場合も少なくないからです。
REIT投資では、「NAV倍率」と「LTV(ローン・トゥ・バリュー)」という2つの重要指標を必ずチェックしましょう。これらの指標を理解することで、そのREITが本当に健全な経営をしているのか、割安なのか割高なのかを判断できるようになります。
【NAV倍率とは?】
NAV倍率とは、「Net Asset Value(純資産価値)倍率」の略で、REITの市場価格が、その実質的な資産価値に対して何倍になっているかを示す指標です。計算式は「市場価格÷1口あたり純資産」です。
NAV倍率が1.0倍なら、市場価格と純資産価値が同じということです。1.0倍未満なら割安、1.0倍を超えるなら割高と判断できます。例えば、NAV倍率が0.9倍のREITは、実質的な資産価値よりも10パーセント安く取引されているため、割安と言えます。逆に、1.2倍のREITは、資産価値よりも20パーセント高く評価されているため、やや割高かもしれません。
【LTVとは?】
LTVとは、「Loan To Value」の略で、REITの総資産に対する借入金の比率を示します。計算式は「借入金÷総資産×100」です。LTVが高いほど、借金に依存した経営をしていることを意味し、金利上昇リスクや財務リスクが高まります。
一般的に、LTVは40パーセントから50パーセント程度が健全とされています。30パーセント台なら非常に保守的で安全性が高く、60パーセントを超えると財務リスクがやや高いと判断されます。LTVが低いREITは、金利が上昇しても利払い負担が少ないため、安定性が高いのです。
| 指標 | 健全な水準 | 要注意水準 |
|---|---|---|
| NAV倍率 | 0.9〜1.1倍 | 0.7倍未満または1.3倍超 |
| LTV | 40〜50% | 60%超 |
| 分配金利回り | 3〜6% | 8%超(リスクの可能性) |
これらの指標は、各REITの公式サイトやIR資料、証券会社の銘柄情報ページで確認できます。投資する前に必ずチェックする習慣をつけましょう。特に、「利回りが異常に高いREIT」を見つけたときは、NAV倍率とLTVを確認してください。高利回りの理由が、資産価値の低下や過剰な借入である場合、将来的に減配や価格下落のリスクがあります。
実例として、過去にあった失敗ケースを紹介します。投資家Eさんは、予想分配金利回りが8パーセントという高利回りのREITを発見し、「これはお得だ!」と飛びつきました。しかし、NAV倍率を確認すると0.6倍と極端に低く、LTVも65パーセントと高水準でした。
案の定、そのREITは半年後に大幅な減配を発表し、価格も30パーセント下落しました。高利回りの理由は、市場が「このREITは財務状況が悪い」と判断して売り込んでいたからだったのです。Eさんは、分配金利回りだけで判断したことを深く後悔しました。
⚠️ 銘柄選びの黄金ルール
ルール1:利回り8%超のREITは要警戒。必ず理由を調べる
ルール2:NAV倍率0.9〜1.1倍の範囲内を選ぶ
ルール3:LTVは50%以下が理想。60%超は避ける
ルール4:大手不動産会社がスポンサーのREITを優先する
5-3. 価格変動リスクと金利リスク|REITで注意すべき3大リスク
最後に、REIT投資で注意すべき3大リスクについて解説します。どんな投資にもリスクは付きものですが、リスクを正しく理解し、適切に管理すれば、怖がる必要はありません。
【リスク1:価格変動リスク】
REITは証券取引所に上場しているため、株式と同じように日々価格が変動します。景気が悪化したり、不動産市場に悪材料が出たりすると、価格が大きく下落することがあります。特に、ホテル型REITは景気敏感度が高く、コロナ禍のような事態では50パーセント以上下落したケースもありました。
対策:価格変動リスクに対する最良の対策は、「長期保有」と「分散投資」です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、10年、20年という長期的な視点で保有し続けることが重要です。また、複数の銘柄やタイプに分散投資することで、特定の銘柄が下落しても全体への影響を抑えられます。
【リスク2:金利上昇リスク】
REITは借入金を活用して不動産を購入するため、金利が上昇すると利払い負担が増え、収益が圧迫されます。また、金利が上昇すると、債券などの他の投資先の魅力が高まり、REITから資金が流出して価格が下落する傾向があります。
2026年現在、日本の金利は歴史的な低水準にありますが、今後、日銀の金融政策が変更され、金利が上昇する可能性もあります。金利上昇局面では、LTVが低い(借入比率が低い)REITを選ぶことで、リスクを軽減できます。
対策:金利動向のニュースに注意を払い、金利上昇の兆候が見えたら、LTVの低いREITにシフトすることを検討しましょう。また、金利上昇は不動産価格の上昇(賃料上昇)を伴うこともあるため、必ずしもネガティブとは限りません。冷静に状況を見極めることが大切です。
【リスク3:災害リスク】
日本は地震大国であり、大規模な地震が発生すると、保有する不動産が被災するリスクがあります。特に、特定のエリアに物件が集中しているREITは、そのエリアで災害が発生すると大きな影響を受けます。
対策:災害リスクに対しては、地域分散が有効です。東京だけでなく、大阪、名古屋、福岡など、複数のエリアに物件を保有しているREITを選ぶことで、特定地域の災害リスクを軽減できます。また、多くのREITは地震保険に加入しているため、万が一の際にも一定の補償が受けられます。
実際のリスク管理例として、投資家Fさんのケースを紹介します。Fさんは、500万円をREITに投資する際、以下のようなポートフォリオを組みました。
オフィス型REIT:200万円(40パーセント)
ホテル型REIT:100万円(20パーセント)
総合型REIT:150万円(30パーセント)
現金(待機資金):50万円(10パーセント)
Fさんは、用途を分散させるだけでなく、10パーセントの現金を残しました。この現金は、REITの価格が大きく下落したときに、追加で買い増しするための「待機資金」です。価格が下落したときこそ、絶好の買い増しチャンスだからです。
案の定、投資開始から半年後、一時的な株価調整局面でREITの価格が全体的に10パーセント程度下落しました。多くの投資家が不安になって売却する中、Fさんは冷静に待機資金50万円を使って、割安になったオフィス型REITを買い増ししました。その後、市場が回復すると、Fさんの資産は大きく増加し、当初の投資額を上回るリターンを得ることができました。
このように、リスクを正しく理解し、適切に管理することで、REIT投資は非常に魅力的な資産形成手段となります。次のまとめ章では、これまでの内容を総括し、あなたがREIT投資を始めるための最後の後押しをしていきます。
まとめ|REITで始める賢い不動産投資のススメ
ここまで、REITの基本から具体的な銘柄選び、リスク管理まで、幅広く解説してきました。改めて振り返ると、REITは少額から始められ、プロが運用してくれる、初心者にも優しい不動産投資です。
2026年のREIT市場は、東証REIT指数の押し目局面、オフィス需要の回復、インバウンドの急成長という3つの追い風が吹いています。今こそ、REIT投資を始める絶好のタイミングと言えるでしょう。
まずは新NISA口座を開設し、月々数万円からでも積立投資を始めてみてください。最初は総合型REITで分散投資から始め、慣れてきたらオフィス型やホテル型を組み合わせてポートフォリオを充実させていけばいいのです。
投資にリスクはつきものですが、リスクを正しく理解し、長期的な視点で保有し続けることで、REITはあなたの資産形成の強力な味方となります。銀行預金にただ眠らせておくのではなく、REITに投資して、不動産という実物資産から生まれる「家賃収入」を受け取る大家さん体験を、ぜひ味わってみてください。
あなたの未来の資産形成に、REITが役立つことを心から願っています。さあ、今日から一歩を踏み出しましょう!

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