2025年の投資市場では金(ゴールド)が年間67.4%という驚異的な上昇率を記録し、主要な投資資産の中で圧倒的なパフォーマンスを示しました。一方、新NISA人気の2大巨頭であるオルカン(全世界株式)がS&P500を上回るという歴史的な逆転現象も発生。これまでの「米国株一強」の常識が揺らぎ始めています。本記事では、最新のデータに基づき、なぜ金がこれほどまでに高騰したのか、オルカンとS&P500のパフォーマンス差が生まれた本当の理由、そして2026年以降の投資戦略について徹底解説します。正確な情報で賢い投資判断をサポートします。
- 2025年に金価格が67%も急騰した3つの構造的要因と今後の見通し
- オルカンがS&P500を逆転した背景にあるマクロ経済の変化
- 2026年以降も勝ち続ける投資戦略の選び方と分散投資の重要性
- 各資産クラスの特性を理解した上での最適なポートフォリオ構築法
- 1. 【2025年実績】金価格67%上昇の衝撃データと投資パフォーマンス比較
- 2. なぜ金が圧勝?67%上昇を支えた3つの構造的要因
- 3. 【歴史的逆転】オルカンがS&P500を上回った本当の理由
- 4. 2026年以降の投資戦略|金・オルカン・S&P500の見通しと選び方
- 5. 投資資産の特性を理解した賢いポートフォリオ構築法
- まとめ|金67%圧勝とオルカンvsS&P500から学ぶ2026年投資戦略
第1章:【2025年実績】金価格67%上昇の衝撃データと投資パフォーマンス比較
2025年、投資の世界では誰も予想しなかった大きな変化が起きました。それは、金(ゴールド)が年間で67.4%という驚異的な上昇率を記録したことです。この数字がどれほどすごいのか、わかりやすく言えば、年初に100万円分の金を買っていた人は、年末には167万円になっていたということです。
一方で、新NISAで大人気の「オルカン(全世界株式)」と「S&P500(米国株式)」の間でも、歴史的な逆転現象が起きました。これまで「米国株が一番強い」と言われてきたのに、2025年はオルカンがS&P500を上回ったのです。これは投資家たちの間で大きな話題となりました。
この章では、2025年の投資パフォーマンスを数字でしっかり確認し、何が起きたのかを正確に理解していきます。あなたの大切なお金をどこに預けるべきか、正しい判断をするための第一歩です。
1-1. 金価格が記録した歴史的な67.4%上昇率の全貌
2025年の金価格の動きは、まさに「歴史的」という言葉がぴったりです。ピクテ・ジャパンという信頼できる金融機関のデータによると、金価格(米ドルベース)は年間で67.4%の上昇を達成しました。年末には1オンス(約31グラム)あたり4,300ドルを超える価格で取引されていました。
この上昇率がどれほど珍しいかというと、1971年以降、つまり50年以上の歴史の中で、年間上昇率が60%を超えたのはわずか4回しかありません。2025年はその貴重な4回目に当たる年だったのです。しかも、この上昇は一時的なものではなく、2025年を通じて50回以上も史上最高値を更新し続けるという、持続的かつ力強い動きでした。
年初の金価格は1オンス=2,600ドルでスタートしました。そこから9月末には3,800ドルへと約46%上昇し、その後も勢いが衰えることなく、年末にかけてさらに加速したのです。NY金先物のデータでは64%の上昇、ロンドン金の現物価格では71%上昇というデータもあり、測定方法によって若干の違いはありますが、いずれにしても主要な投資資産の中で最も高いパフォーマンスを示したことは間違いありません。
💡 投資家の声
「金投資を始めて20年になりますが、2025年のような上昇は初めて見ました。毎月のように最高値を更新し続け、投資仲間との会話でも金の話題ばかりでしたね。これほど長期間にわたって上昇トレンドが続いたのは本当に珍しいです。」(50代・投資歴20年)
特に注目すべきは、金価格の上昇が年末に近づくほど勢いを増したという点です。通常、大きく上昇した資産は年末に利益確定の売りが出て、価格が調整されることが多いのですが、2025年の金はそうした動きに逆行し、12月にも最高値を更新し続けました。これは、投資家たちが「まだまだ金は上がる」と確信していたことを示しています。
1-2. オルカンとS&P500の2025年パフォーマンス詳細比較
新NISA(少額投資非課税制度)が始まってから、日本中で大きな話題となったのが「オルカンとS&P500、どちらを選ぶべきか」という論争です。多くの投資初心者の方が、この2つのどちらかを選んで積立投資を始めています。そして2025年は、この論争に大きな転機が訪れた年となりました。
まず結論から言うと、ドル建てで見た場合、2025年の年間パフォーマンスはオルカンがS&P500を上回りました。具体的な数値を見てみましょう。S&P500は年間で約16.39%の上昇でした。これだけでも十分に良い成績です。しかし、オルカンは約19%前後の上昇を記録したのです。
より詳細なデータを見ると、eMAXIS Slimシリーズの基準価額では、オルカンが18.96%、S&P500が14.72%という報告もあります。測定期間や為替の影響によって数字は若干変わりますが、重要なのは「オルカンの方が上だった」という事実です。
| 投資信託 | 2025年上昇率 | 特徴 |
|---|---|---|
| オルカン(全世界株式) | 約19% | 世界中に分散投資、米国約60% |
| S&P500(米国株式) | 約16.39% | 米国大型株500社に集中投資 |
| 金(ゴールド) | 67.4% | 安全資産、インフレに強い |
この結果は、多くの投資家にとって意外なものでした。なぜなら、過去10年以上、特に2010年代以降は「S&P500の方がリターンが大きい」というのが常識だったからです。アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、米国のハイテク企業が世界経済を引っ張ってきたため、米国株に集中投資するS&P500の方が有利だと考えられてきました。
しかし2025年は、その常識が覆された年となったのです。これは一体何を意味しているのでしょうか。それは、世界経済の構造が少しずつ変化し始めているサインかもしれません。米国だけが一人勝ちする時代から、欧州、日本、アジアなど、他の地域も成長する「多極化の時代」へと移り変わりつつあるのです。
1-3. 主要投資資産クラス別リターンランキングと実感
2025年の投資市場全体を見渡すと、資産の種類によって大きな成績の差が生まれました。ここでは、主要な投資資産を上昇率の順にランキング形式で整理し、それぞれの特徴を見ていきます。あなたが今後どこに投資すべきかを考える上で、とても重要な情報です。
⚠️ 重要ポイント
過去の成績が良かった資産が、今後も必ず良いとは限りません。しかし、2025年の結果から「世界のお金がどこに向かっているのか」という大きな流れを読み取ることができます。それが将来の投資判断に役立つのです。
2025年の投資資産パフォーマンスランキングは以下の通りです。第1位はもちろん金で、67.4%の上昇率を記録しました。第2位は銀(シルバー)で、一部期間の計測では73.7%という驚異的な数字も出ています。貴金属全体が非常に強かったことがわかります。
第3位は新興国株式で、約27%の上昇でした。これは中国、インド、ブラジルなどの新興国の株式市場に投資した場合の平均的なリターンです。第4位はNASDAQ100で21%、第5位がオルカンの19%前後、第6位がS&P500の16.39%という順番になりました。
このランキングから読み取れる重要なポイントは、貴金属と非米国株式の相対的な強さです。金だけでなく銀も大幅に上昇し、新興国株式はアメリカの主要指数であるS&P500やNASDAQ100を上回るパフォーマンスを示しました。
実際に投資をしている人たちの実感としても、2025年は「米国株だけでは物足りない」と感じた人が多かった年でした。金に投資していた人は大きな利益を得て喜び、オルカンで世界分散していた人は「分散しておいて良かった」と安心しました。一方で、S&P500だけに集中投資していた人の中には、「もっと分散すべきだった」と後悔の声も聞かれました。
もちろん、S&P500の16.39%という成績も決して悪くはありません。むしろ、一般的な銀行預金の金利が0.001%程度であることを考えれば、素晴らしい成績です。しかし、他の選択肢と比べると見劣りしてしまったのが2025年の特徴でした。
この結果が示しているのは、投資先を分散することの大切さです。もし100万円を投資するとしたら、全額を一つの資産に集中させるよりも、金30万円、オルカン40万円、S&P500に30万円というように分けた方が、リスクを抑えながら安定したリターンを得られる可能性が高まります。
2025年の投資パフォーマンスのデータは、これから投資を始める人、すでに投資をしている人の両方にとって、とても貴重な教訓を与えてくれました。それは「世界は常に変化している」ということです。昨日まで正しかった投資戦略が、今日も正しいとは限りません。だからこそ、最新の情報をしっかり理解し、柔軟に対応していくことが大切なのです。
第2章:なぜ金が圧勝?67%上昇を支えた3つの構造的要因
第1章では、金が2025年に67.4%も上昇したという驚きの事実を確認しました。でも、「なぜそんなに上がったの?」という疑問が湧いてきますよね。金の価格がこれほど大きく上昇したのには、しっかりとした理由があります。
この章では、金価格の急上昇を支えた3つの構造的要因について、中学生でも理解できるようにわかりやすく解説します。「構造的」という言葉は少し難しく聞こえるかもしれませんが、これは「一時的なものではなく、長期的に続く根本的な原因」という意味です。
金の価格が上がる理由を理解すれば、今後も金に投資すべきかどうか、自分で判断できるようになります。それでは、3つの要因を一つずつ丁寧に見ていきましょう。
2-1. トランプ政権の政策不透明性と通貨価値下落リスク
2025年前半、金価格の上昇を最も強く後押ししたのが、アメリカのトランプ政権が打ち出した経済政策への不安でした。トランプ大統領は「相互関税」という新しい政策を発表しました。これは簡単に言うと、「他の国がアメリカの商品に関税をかけるなら、アメリカも同じように関税をかけ返すよ」という政策です。
この政策によって、世界中で貿易がしにくくなり、商品の値段が上がるのではないか、という心配が広がりました。同時に、アメリカ経済が減速してしまうのではないか、という懸念も出てきました。経済が悪くなるのに物価が上がる、という最悪の状況を「スタグフレーション」と呼びます。
さらに2025年後半には、もっと深刻な問題が表面化しました。トランプ大統領が、FRB(アメリカの中央銀行)に対して圧力をかけ始めたのです。FRBは本来、政治から独立して、経済のために最善の金融政策を決めるべき組織です。しかし、大統領がFRBに「金利を下げろ」などと口出しすることで、その独立性が脅かされました。
💡 わかりやすい例え
中央銀行の独立性が損なわれることを、学校の先生に例えてみましょう。先生が生徒のために公平にテストの点数をつけるべきなのに、校長先生が「あの生徒の点数を上げてあげて」と圧力をかけたら、どうなるでしょうか?テストの信頼性がなくなりますよね。お金の世界でも同じことが起きるのです。
中央銀行が政治的な圧力に屈して、必要以上にお金を刷ったり金利を下げたりすると、インフレ(物価上昇)が加速します。そして、ドルという通貨の価値が下がってしまうのです。通貨の価値が下がることを「ディベースメント」と呼びます。
アメリカの政府債務も大きな問題でした。2025年には大規模な減税案が成立し、国の借金がさらに膨らむことが確実になりました。議会では予算をめぐって激しい対立が起き、政府機関が一時的に閉鎖される事態も発生しました。こうした政治の混乱は、「アメリカという国は大丈夫なのか?」という不信感を世界中の投資家に与えました。
こうした状況下で、投資家たちは「ドルを持っていても価値が下がるかもしれない」と考え始めました。そこで注目されたのが、どの国の政府にも依存しない、実物資産である金だったのです。金には発行する国がなく、信用リスクがありません。だからこそ、通貨への信頼が揺らいだ時、金が買われるのです。
実際、著名な投資家レイ・ダリオ氏も「ゴールドの上昇や法定通貨の価値の下落は、投資家への警告である」と述べています。2025年の金価格上昇は、世界中の投資家がこの警告を真剣に受け止めた結果だったのです。
2-2. 世界的な債務膨張と中央銀行による金購入継続
金価格を押し上げた2つ目の大きな要因は、世界中の国々が抱える借金(債務)の問題です。日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパの主要国も、国の借金が膨れ上がり続けています。この問題は一朝一夕には解決できない、構造的な問題なのです。
国の借金が増えすぎると、何が起きるでしょうか。まず、その国の信用力が低下します。「この国は借金を返せるのだろうか」という不安が広がるのです。そして、その国の通貨の価値も下がりやすくなります。さらに、借金を減らすために、政府はお金をたくさん刷って借金を返そうとすることがあります。これがインフレを引き起こすのです。
| 債務問題の影響 | 説明 | 金への影響 |
|---|---|---|
| 国の信用力低下 | 借金が返せないのでは、という不安が広がる | 金の需要増加 |
| 通貨価値の下落 | その国のお金の価値が下がる | 金の需要増加 |
| インフレの発生 | 物価が上がり、お金の実質価値が減る | 金の需要増加 |
こうした債務問題に対して、賢明な対応をしているのが世界各国の中央銀行です。特に、中国、インド、トルコなどの新興国の中央銀行は、外貨準備(国が持っている外国のお金や資産)の一部を、ドルやユーロから金に移し替えています。
なぜ中央銀行が金を買うのでしょうか。理由は明確です。金は、どの国の経済政策や政治状況にも左右されない、普遍的な価値を持つ資産だからです。もしアメリカ経済が不調になってドルの価値が下がっても、金を持っていれば資産を守ることができます。これを「リスク分散」と言います。
中央銀行による金購入は、2025年だけの一時的な動きではありません。過去数年間、継続的に行われており、今後も続くと予想されています。中央銀行という大きな買い手が定期的に金を買い続けることで、金価格の下支えになっているのです。
📊 専門家の予測
インクリメンタム社という金の専門調査会社は、「世界の債務増加という構造的要因を考えると、金相場は2030年までに少なくとも4,800ドルまで上昇する」と予測しています。これは現在の価格からさらに10%以上の上昇を意味します。
債務問題は、一つの国だけの問題ではありません。先進国全体が抱える共通の課題です。日本の政府債務はGDP(国内総生産)の約260%と、先進国の中で最も高い水準にあります。アメリカも約130%、フランスやイタリアも100%を超えています。
この問題が短期間で解決する見込みはほとんどありません。高齢化が進む先進国では、年金や医療などの社会保障費が増え続けており、財政赤字を減らすのは極めて困難です。つまり、債務膨張という金価格の押し上げ要因は、これからも長期間にわたって続くと考えられるのです。
2-3. 地政学リスクとインフレヘッジ需要の高まり
金価格上昇を支えた3つ目の要因は、地政学リスクの高まりとインフレへの備えです。「地政学リスク」とは、国と国との対立や戦争、政治的な混乱など、世界情勢の不安定さによって生まれるリスクのことです。
2025年は、世界中で地政学的な緊張が同時多発的に高まった年でした。まず、アメリカと中国の対立がさらに激化しました。トランプ政権の相互関税政策により、両国の貿易摩擦が深刻化したのです。また、台湾をめぐる緊張も続いており、「台湾有事」という言葉が頻繁にニュースで取り上げられました。
中東情勢も不安定でした。イスラエルとパレスチナの紛争は収束の兆しが見えず、周辺国への影響も懸念されました。さらに、ウクライナでの戦争も継続しており、ヨーロッパのエネルギー供給や食料供給に影響を与え続けていました。
こうした世界的な混乱は、投資家たちを不安にさせます。株式市場は、企業の業績や経済の成長に依存しているため、戦争や対立が起きると大きく下落する可能性があります。そこで投資家たちは、「有事の金」という言葉通り、安全資産である金に資金を移すのです。
金は何千年もの間、価値の保存手段として使われてきました。戦争が起きても、国が滅びても、金そのものの価値はなくなりません。だからこそ、世界情勢が不安定な時ほど、金の需要が高まるのです。
もう一つの重要な要因が、インフレヘッジ需要です。「ヘッジ」とは「守る」という意味で、インフレヘッジとは「インフレから資産を守る」ということです。
インフレが起きると、お金の価値が下がります。たとえば、今日100円で買えるパンが、来年には120円になるとしたら、あなたが持っている100円の価値は下がったことになります。銀行に預けているお金も、金利がほとんどつかない状況では、インフレによってどんどん実質的な価値が減っていくのです。
一方、金は実物資産なので、インフレに強いという特性があります。物価が上がれば、金の価格も上がる傾向にあるのです。だからこそ、世界中でインフレが続いている2025年の状況下では、多くの投資家が「資産を守るために金を買おう」と考えたのです。
💡 金と債券の違い
債券は将来受け取る金額が決まっているため、インフレが起きるとその価値が実質的に目減りします。100万円の債券を持っていても、物価が2倍になれば実質的な価値は50万円になってしまいます。しかし金は、物価上昇とともに価格も上がるため、資産を守ることができるのです。
世界的なインフレ圧力は、2025年以降も続くと予想されています。その理由は、米中対立や相互関税によるサプライチェーンの混乱です。商品を作るための材料が手に入りにくくなったり、輸送コストが上がったりすることで、あらゆる商品の値段が上がるのです。
エネルギー価格の上昇も大きな要因です。脱炭素の動きが進む中、石油や天然ガスへの投資が減り、供給が不足しています。一方で需要は依然として高いため、エネルギー価格は高止まりしています。エネルギー価格が上がると、製造業や運輸業のコストが上がり、それが商品価格に転嫁されるため、インフレが加速するのです。
こうした複数の地政学リスクとインフレ要因が重なり合った結果、2025年の金は歴史的な上昇を見せました。そして、これらの要因は短期間では解消されないため、金の投資価値は今後も高く評価され続けると多くの専門家が予測しているのです。
第2章では、金価格が67%も上昇した3つの構造的要因を詳しく見てきました。トランプ政権の政策不透明性と通貨価値下落リスク、世界的な債務膨張と中央銀行による金購入継続、そして地政学リスクとインフレヘッジ需要の高まり。これらはすべて、一時的なものではなく、長期的に続く根本的な問題です。だからこそ、金の価格上昇は今後も続く可能性が高いと考えられているのです。次の章では、オルカンがS&P500を上回った理由について詳しく解説していきます。
第3章:【歴史的逆転】オルカンがS&P500を上回った本当の理由
第1章で確認したように、2025年はオルカン(全世界株式)がS&P500(米国株式)を上回るという、歴史的な逆転現象が起きました。「米国株が一番強い」という常識が崩れた瞬間です。でも、なぜこんなことが起きたのでしょうか?
この章では、オルカンがS&P500を上回った3つの本当の理由を、わかりやすく丁寧に解説します。この理由を理解すれば、今後あなたがオルカンとS&P500のどちらを選ぶべきか、自信を持って判断できるようになります。
新NISAで投資を始めた多くの人が、「オルカンとS&P500、どっちがいいの?」と悩んでいます。この章を読めば、その答えが見えてくるはずです。
3-1. 非米国株の台頭:欧州・日本・中国株の躍進
オルカンがS&P500を上回った最大の理由は、非米国株式の顕著な回復と成長です。「非米国株」とは、アメリカ以外の国の株式のことで、欧州、日本、中国、その他の新興国などが含まれます。
まず、ヨーロッパの株式市場が2025年に大きく回復しました。ドイツやフランスなどの主要国で、財政拡張(国がお金を使って経済を活性化させること)への期待が高まったのです。長年、ヨーロッパは「緊縮財政」と言って、国の支出を抑える政策を取ってきました。しかし、経済が停滞していたため、「もっとお金を使って経済を成長させよう」という方向に政策が転換し始めたのです。
この政策転換により、ヨーロッパ企業の業績が改善する期待が広がり、投資家たちが資金を投入しました。特にドイツでは、インフラ投資や国防費の増額が決定され、関連企業の株価が上昇しました。
日本株も2025年に大きな注目を集めました。日本企業は長い間、株主への還元(配当や自社株買い)が少ないと批判されてきましたが、最近はそれが大きく改善されています。株主還元の強化、コーポレートガバナンス改革の進展、そしてインフレへの対応が評価され、海外投資家からの買いが続きました。
💡 日本株が注目された理由
日本の企業は、物価が上がる(インフレ)環境に上手く対応し、値上げを実施しました。これにより利益が増え、株価が上昇したのです。また、東京証券取引所が企業に対して「もっと株主を大切にしてください」と要請したことも効果がありました。
日経平均株価は2025年に力強い上昇を見せ、一時は4万円を超える場面もありました。これは、オルカン全体のパフォーマンスを押し上げる大きな要因となったのです。
中国株式市場も、注目すべき動きを見せました。米中対立や不動産市場の問題など、中国経済には不安要素が多いのは事実です。しかし、AI(人工知能)関連企業の台頭が、投資家の注目を集めました。
中国のテクノロジー企業は、AIの分野で世界的な競争力を高めています。ディープシーク(DeepSeek)というAI企業が開発したモデルは、アメリカのオープンAIに匹敵する性能を持ちながら、はるかに低コストで開発されたとして話題になりました。こうした中国AI企業の成長期待が、株価を押し上げたのです。
さらに、韓国や台湾などのアジア諸国では、AI向け半導体の需要が急増しました。サムスン電子やTSMC(台湾セミコンダクター)といった企業の株価が上昇し、アジア株式市場全体を下支えしました。
これらの非米国株の好調が重なり合った結果、オルカンのパフォーマンスが押し上げられたのです。オルカンは米国株を約60%含んでいますが、残りの約40%は非米国株です。この40%部分が大きく成長したことで、全体のリターンがS&P500を上回ったというわけです。
3-2. ドル安が生んだオルカン有利の通貨構造
オルカンとS&P500のパフォーマンス差を考える上で、もう一つ非常に重要な要素があります。それが通貨構造の違いです。少し難しく聞こえるかもしれませんが、とても大切なポイントなので、わかりやすく説明しますね。
S&P500は「米国株×ドル」というシンプルな構造です。アメリカの企業に投資し、ドル建てで評価されます。一方、オルカンは「米国株×ドル+非米国株×各国通貨」という複雑な構造を持っています。つまり、オルカンを通じて間接的に、ユーロ、円、新興国通貨など、多様な通貨の資産を保有していることになるのです。
| 項目 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国大型株500社 | 世界中の約3,000社 |
| 通貨構造 | 米ドルのみ | 米ドル+ユーロ+円+その他 |
| ドル安時の影響 | マイナス影響あり | プラス影響あり |
2025年は、アメリカドルの価値が下がる「ドル安」の局面がありました。なぜドル安になったかというと、FRB(アメリカの中央銀行)が金利を下げる「利下げ」を行う期待が高まったからです。金利が下がると、ドルを持っていても利息が少なくなるため、投資家はドルを売って他の通貨に換える動きが出ます。
また、トランプ政権の財政赤字拡大懸念や、政策の不透明性も、ドルへの信頼を揺るがす要因となりました。こうして、ドルの実効為替レート(他の通貨に対する総合的な価値)が下落したのです。
ドル安になると、どういうことが起きるでしょうか。ユーロや円、新興国通貨が相対的に強くなります。すると、非米国株のドル換算値(ドルに換算した価値)が押し上げられるのです。
具体例で考えてみましょう。ある日本企業の株が1株1万円だとします。1ドル=150円の時、この株は約67ドルの価値です。しかし、円高ドル安が進んで1ドル=130円になったとすると、同じ1万円の株が約77ドルの価値になります。株価自体は変わっていないのに、為替の影響でドル建ての価値が上がるのです。
オルカンは非米国株を約40%含んでいるため、この為替効果の恩恵を受けました。一方、S&P500は100%米ドル建てなので、この恩恵はありません。むしろ、ドル安はS&P500にとってはマイナス要因でした。
📊 為替の影響を理解しよう
国際的な投資では、株価の上下だけでなく、為替レートの変動も大きく影響します。オルカンは多様な通貨に分散されているため、ドル安の時には有利に働くのです。これが「通貨分散」のメリットです。
2022年から2023年にかけては、逆にドル高(円安)が進んでいました。あの時期は、S&P500の方が有利でした。しかし2025年はドル安局面となり、オルカンが優位に立ったのです。このように、為替レートの動きによって、両者の優劣が変わるという点を理解しておくことが大切です。
3-3. 米国一極集中リスクの顕在化とポートフォリオ分散効果
オルカンがS&P500を上回った3つ目の理由は、米国一極集中のリスクが意識され始めたことです。これは、2025年が「転換点」となった可能性を示唆しています。
2010年代以降、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)といった、アメリカのハイテク企業が世界経済を引っ張ってきました。これらの企業はGAFAMと呼ばれ、圧倒的な成長を続けてきたため、「米国株に投資しておけば間違いない」という考え方が主流でした。
しかし2025年、いくつかの懸念材料が表面化しました。まず、米国株式市場のバリュエーション(株価が適正かどうかの評価)が高すぎるという指摘が増えました。S&P500のPER(株価収益率)は22.3倍と、過去の平均15.9倍を大きく上回っていました。
PERとは、「株価が企業の利益の何倍になっているか」を示す指標です。PERが高いということは、「利益に対して株価が高すぎる=割高」という意味になります。割高な株は、何かのきっかけで大きく下落するリスクがあります。
また、トランプ政権の政策による不確実性も、米国株のリスクとして意識されました。相互関税政策、FRBへの圧力、政治的な分断など、アメリカ特有のリスクが顕在化したのです。
こうした状況の中で、投資家たちは「米国だけに集中投資するのは危険かもしれない」と考え始めました。そして、オルカンのような世界分散型の投資の価値が見直されたのです。
オルカンは約60%を米国株で構成しているため、米国経済の成長の恩恵は十分に受けられます。しかし同時に、残りの約40%は欧州、日本、新興国など、異なる経済圏に分散されています。この分散により、米国特有のリスク(政治的混乱、財政悪化、金融規制など)を軽減できるのです。
投資の世界には、「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。すべての卵を一つのカゴに入れていると、そのカゴを落とした時に全部割れてしまいます。しかし、複数のカゴに分けて入れておけば、一つのカゴを落としても他の卵は無事です。
これと同じで、投資先を地域的に分散することで、一つの国や地域で問題が起きても、ポートフォリオ全体へのダメージを抑えることができます。2025年のオルカンの好パフォーマンスは、まさにこの分散投資の効果が発揮された結果だったのです。
実際に投資をしている人たちの声を聞くと、「オルカンで世界分散していて良かった」という安心感が伝わってきます。S&P500だけに投資していた人の中には、「もう少し分散しておけば」と後悔している人もいました。
ただし、これは「S&P500が悪い」という意味ではありません。S&P500も素晴らしい投資先です。重要なのは、自分のリスク許容度と投資目的に合わせて選ぶことです。米国の成長を信じて高いリターンを狙いたいならS&P500、リスクを抑えながら世界全体の成長を取り込みたいならオルカン、という選択になります。
第3章では、オルカンがS&P500を上回った3つの本当の理由を見てきました。非米国株の台頭、ドル安による通貨効果、そして米国一極集中リスクへの意識の高まり。これらが複合的に作用した結果、2025年はオルカンが優位に立ったのです。次の章では、2026年以降の投資戦略について、具体的に考えていきます。
第4章:2026年以降の投資戦略|金・オルカン・S&P500の見通しと選び方
ここまで、2025年の投資パフォーマンスを詳しく見てきました。金が67%上昇し、オルカンがS&P500を上回ったという事実を確認しました。では、「これから先はどうなるの?」「2026年以降、どこに投資すれば良いの?」という疑問が湧いてきますよね。
この章では、2026年以降の投資戦略について、金融機関の予測や専門家の見解をもとに、具体的に解説します。金価格はさらに上がるのか、オルカン優位は続くのか、そしてあなたに最適な投資配分はどう決めれば良いのか。
新NISAで長期投資を始めた方、これから始めようと考えている方にとって、非常に重要な情報をお届けします。一緒に、未来の投資戦略を考えていきましょう。
4-1. 金価格は5,000ドルへ?主要金融機関の2026年予測
2025年に67.4%という驚異的な上昇を見せた金価格ですが、主要金融機関は2026年もさらなる上昇を予測しています。最も注目されているのが、世界的な投資銀行であるゴールドマン・サックスの予測です。
ゴールドマン・サックスは、2026年末の金価格見通しを従来の4,900ドルから5,400ドルへと大幅に引き上げました。これは2026年1月時点の価格(約4,300ドル)から約25%の上昇を見込むものです。つまり、100万円分の金を持っていたら、年末には125万円になる計算です。
JPモルガンも、金価格が5,000ドルを超えると予測しています。複数の大手金融機関が「金価格5,000ドル時代」の到来を予測しているのです。これだけ多くの専門家が強気の予測を出しているのは、非常に珍しいことです。
| 金融機関 | 2026年末予測 | 予測の根拠 |
|---|---|---|
| ゴールドマン・サックス | 5,400ドル | 中央銀行の需要継続、民間投資増加 |
| JPモルガン | 5,000ドル超 | 地政学リスク、通貨不安 |
| ピクテ | 高値圏維持 | 不確実性の高い環境継続 |
なぜ、これほど強気な予測が出ているのでしょうか。理由は主に3つあります。第一に、中央銀行による金購入が継続する見込みだからです。新興国の中央銀行は、ドル離れを進めており、外貨準備の一部を金に移し替えています。この大きな買い手が市場に存在し続けることが、金価格を下支えします。
第二に、民間部門による金への分散投資が広がっていることです。個人投資家だけでなく、年金基金や保険会社などの機関投資家も、ポートフォリオに金を組み入れる動きが加速しています。通貨価値の下落リスクや株式市場の高いバリュエーションを懸念して、安全資産である金への需要が高まっているのです。
第三に、構造的な要因が解消される見込みがないことです。第2章で詳しく説明した、トランプ政権の政策不透明性、世界的な債務膨張、地政学リスク、インフレ圧力。これらの要因は、2026年になっても消えません。むしろ、悪化する可能性すらあります。
💡 長期的な金価格予測
インクリメンタム社は、「金相場は2030年までに少なくとも4,800ドルに達する」と予測しています。さらに楽観的なシナリオでは、6,000ドルを超える可能性もあるとしています。これは、金投資が短期的な投機ではなく、長期的な資産形成に有効であることを示唆しています。
ただし、注意すべき点もあります。金価格は短期的には大きく変動する可能性があります。2025年10月には、前日比で過去最大の5.7%の下落を記録しました。利益確定の売りが出たり、ドル高が進んだりすると、一時的に価格が調整されることはあります。
しかし、中長期的な上昇トレンドは維持される可能性が高いというのが、多くの専門家の共通認識です。2026年も、金への投資は有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
4-2. オルカン優位は続くのか?マクロ経済から考える今後のシナリオ
2025年にオルカンがS&P500を上回ったという結果は、2026年以降も続くのでしょうか?この問いに答えるには、マクロ経済の3要素を考慮する必要があります。
第一の要素は「米国株の強さ」です。米国企業、特にハイテク企業の競争力が引き続き強く、米国経済が好調を維持するなら、S&P500が優位になる可能性があります。AI(人工知能)の発展により、エヌビディア、マイクロソフト、グーグルなどの企業がさらに成長すれば、米国株の優位性は続くでしょう。
第二の要素は「非米国株の成長」です。欧州の財政拡張、日本企業の改革、中国や新興国の成長。これらが2026年以降も続けば、オルカンの優位性は保たれます。世界経済の多極化が進み、米国以外の地域も成長するなら、分散投資の効果が発揮されるのです。
第三の要素は「為替レート」です。ドル高が進めばS&P500が有利、ドル安が進めばオルカンが有利、というのが基本的な構図です。2026年の為替レートがどう動くかは、FRBの金融政策、米国の財政状況、地政学リスクなど、様々な要因に左右されます。
📊 3つのシナリオ
【シナリオ1】米国企業の競争力が強く、ドル高が進む → S&P500優位
【シナリオ2】非米国株が成長し、ドル安が進む → オルカン優位
【シナリオ3】両方がバランスよく成長する → 大きな差は出ない
専門家の見解を総合すると、2026年は「オルカン優位が継続する可能性が高い」という意見が多いようです。その理由は、以下の通りです。
まず、米国株のバリュエーションが高すぎるという問題があります。PER22.3倍という水準は、過去の平均を大きく上回っており、調整(価格が下がること)のリスクがあります。一方、欧州や日本、新興国の株式市場は、まだ割安な水準にあるため、上昇余地が大きいのです。
次に、FRBの利下げとドル安の傾向が続く見込みです。2026年も、米国との金利差が縮小することで、ドルが主要通貨に対して下落(ドル安)すると予想されています。ドル安はオルカンに有利に働きます。
さらに、世界経済の多極化という大きな流れがあります。長期的に見れば、米国一極集中の時代は終わりつつあり、欧州、アジア、中東など、様々な地域が成長する時代に移行しています。この流れは、数年単位で続くと考えられます。
ただし、これはあくまで「予測」です。未来のことは誰にもわかりません。だからこそ、「どちらか一方に賭ける」のではなく、両方に分散投資するという選択肢も賢明です。オルカン50%、S&P500を50%という組み合わせや、オルカン70%、S&P500を30%など、自分のリスク許容度に合わせて調整できます。
4-3. あなたに最適な投資配分の決め方(リスク許容度別)
ここまで、金、オルカン、S&P500それぞれの2026年以降の見通しを見てきました。では、実際にあなたはどのように投資配分を決めれば良いのでしょうか?この小見出しでは、リスク許容度別の具体的な投資配分例を紹介します。
「リスク許容度」とは、「どれくらいの損失なら耐えられるか」「どれくらいのリターンを期待するか」ということです。人によって、年齢、収入、資産状況、性格が異なるため、最適な投資配分も変わってきます。
【パターン1:安定重視型】リスクを最小限に抑えたい人
年齢が高い方、退職が近い方、あるいは投資初心者で大きな損失は避けたいという方には、安定重視型の配分がおすすめです。
配分例:金30%、オルカン50%、S&P500を20%
この配分では、金を多めに持つことで、株式市場が不調な時でも資産を守ることができます。オルカンを中心にすることで、世界分散の効果も得られます。
【パターン2:バランス型】リスクとリターンのバランスを取りたい人
30代〜50代で、長期的な資産形成を目指している方、ある程度のリスクは取れるが、大きな損失は避けたいという方には、バランス型がおすすめです。
配分例:金15%、オルカン45%、S&P500を40%
この配分では、株式への投資比率を高めることで、長期的な成長を期待できます。金を一定割合持つことで、リスクヘッジもできます。オルカンとS&P500をほぼ同じ割合にすることで、どちらが優位になっても対応できます。
【パターン3:積極型】高いリターンを狙いたい人
20代〜30代前半で、投資期間が長く取れる方、リスクを取ってでも高いリターンを狙いたいという方には、積極型がおすすめです。
配分例:金5%、オルカン30%、S&P500を65%
この配分では、米国株を中心に高い成長を狙います。若いうちは、たとえ一時的に損失が出ても、長期間で回復する時間があります。金は最低限のリスクヘッジとして少量持つ程度で良いでしょう。
| 投資タイプ | 金 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|---|
| 安定重視型 | 30% | 50% | 20% |
| バランス型 | 15% | 45% | 40% |
| 積極型 | 5% | 30% | 65% |
投資配分を決める際の重要なポイントは、「一度決めたら終わり」ではないということです。年齢が上がったり、収入状況が変わったり、市場環境が変化したりしたら、配分を見直すことが大切です。
たとえば、40代の時はバランス型で投資していた人が、50代後半になったら安定重視型に移行する、といった調整が必要です。また、金価格が大きく上昇して、ポートフォリオに占める割合が当初の計画より高くなったら、一部を売却して株式に移すといった「リバランス」も重要です。
新NISAでは、年間360万円まで投資できます。毎月3万円ずつ積み立てるなら、金に9,000円、オルカンに13,500円、S&P500に7,500円、といった具合に配分できます。無理のない金額から始めて、徐々に増やしていくのが良いでしょう。
第4章では、2026年以降の投資戦略について詳しく見てきました。金は5,000ドルを目指す可能性が高く、オルカン優位は続くと予想されています。そして、あなたに最適な投資配分は、リスク許容度によって変わります。次の章では、投資を成功させるための実践的なポイントを解説します。
第5章:投資資産の特性を理解した賢いポートフォリオ構築法
これまでの章で、金、オルカン、S&P500それぞれの2025年のパフォーマンスと、2026年以降の見通しを詳しく見てきました。最終章となるこの第5章では、投資を成功させるための実践的なポイントを解説します。
「投資を始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」「今の投資方法で本当に大丈夫なのか不安」という方も多いでしょう。この章を読めば、長期投資で成功するための具体的な行動がわかります。
投資は難しく考える必要はありません。基本的なポイントを押さえて、コツコツと続けることが何よりも大切です。一緒に、賢いポートフォリオ構築法を学んでいきましょう。
5-1. 金投資の3つのメリットと2つの注意点
まず、金投資について、そのメリットと注意点を整理しておきましょう。2025年に67.4%という驚異的なパフォーマンスを見せた金ですが、その特性をしっかり理解することが重要です。
【金投資の3つのメリット】
メリット1:インフレに強い
金は実物資産なので、物価が上がる(インフレ)時に価値が上がる傾向があります。銀行預金や債券は、インフレで実質的な価値が目減りしますが、金は逆に価格が上昇することで、資産を守ることができます。
メリット2:信用リスクがない
株式や債券は、発行している企業や国が倒産・破綻すれば、価値がゼロになるリスクがあります。しかし金は、どの国にも企業にも依存しない、それ自体に価値がある資産です。だから、「有事の金」と呼ばれ、世界情勢が不安定な時に買われるのです。
メリット3:株式との相関が低い
金の値動きは、株式市場とは異なる動きをすることが多いです。株価が下がる時に金価格が上がることもあります。この特性により、ポートフォリオに金を組み入れることで、リスクを分散する効果があります。
💡 ピクテの研究結果
主要資産に対する金の比率を10%として組み合わせ、月次でリバランスを行ったシミュレーションでは、多くの場合においてリスクを低減させる効果が確認されました。つまり、金を少し混ぜるだけで、ポートフォリオ全体が安定するのです。
【金投資の2つの注意点】
注意点1:利息や配当がない
金は、持っているだけでは利息や配当を生みません。株式は配当がもらえますし、債券は利息がもらえます。しかし金は、価格が上がらない限り、利益は出ません。だから、「金だけ」に投資するのはおすすめできません。
注意点2:短期的には値動きが大きい
2025年10月には、金価格が1日で5.7%も下落しました。このように、短期的には大きく変動することがあります。だから、金投資は長期的な視点で行うことが大切です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、じっくりと保有し続ける心構えが必要です。
金への投資方法としては、新NISAで買える金ETFや金投資信託がおすすめです。ピクテ・ゴールドなど、信頼できる投資信託を選びましょう。為替ヘッジあり・なしの選択肢もありますが、初心者の方は為替ヘッジなしで始めるのが良いでしょう。
5-2. オルカンとS&P500を組み合わせた分散投資の実践例
オルカンとS&P500、どちらを選ぶか悩んでいる方も多いでしょう。実は、「どちらか一方」ではなく、両方を組み合わせるという選択肢があります。この方法なら、それぞれのメリットを享受しながら、リスクを分散できます。
オルカンは約60%が米国株なので、すでに米国株への投資が含まれています。しかし、「もっと米国株の比率を高めたい」と思うなら、オルカンにS&P500を追加することで、米国株の比率を自分好みに調整できるのです。
【実践例1:バランス重視型】
オルカン60%、S&P500を40%
この配分では、世界分散の効果を保ちながら、米国株の比率を少し高めることができます。米国経済の成長を取り込みつつ、非米国株の恩恵も受けられるバランスの良い組み合わせです。
毎月3万円を積み立てるなら、オルカンに18,000円、S&P500に12,000円という配分になります。新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠を使い分けることで、この配分が実現できます。
【実践例2:米国重視型】
オルカン40%、S&P500を60%
「やはり米国経済の成長に期待したい」という方には、この配分がおすすめです。オルカンを一定割合持つことで、世界分散のメリットは維持しつつ、米国株により多く投資できます。
毎月3万円なら、オルカンに12,000円、S&P500に18,000円という配分です。この方法なら、米国株が好調な時はしっかりとリターンを得られ、非米国株が好調な時もそれなりに恩恵を受けられます。
| 組み合わせパターン | オルカン | S&P500 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 世界分散重視 | 80% | 20% | リスク抑制、安定運用 |
| バランス重視 | 60% | 40% | バランス型、迷ったらこれ |
| 米国成長重視 | 40% | 60% | 高リターン狙い |
この組み合わせ投資の良いところは、市場環境に応じて柔軟に対応できる点です。2025年のようにオルカンが優位な年もあれば、S&P500が優位な年もあります。両方持っていれば、どちらが来ても大丈夫です。
🔄 リバランスの重要性
年に1回程度、資産配分を確認し、ずれていたら元に戻す「リバランス」を行いましょう。たとえば、オルカン60%、S&P500を40%という配分で始めたのに、S&P500が大きく上昇して50%になっていたら、一部を売却してオルカンを買い増し、60:40に戻します。これにより、利益確定とリスク管理が同時にできます。
新NISAでは、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、合計360万円まで投資できます。つみたて投資枠でオルカンを積み立て、成長投資枠でS&P500を買う、という使い分けも可能です。自分のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で投資していきましょう。
5-3. 長期投資で成功するための3原則と具体的アクション
最後に、長期投資で成功するための3つの原則と、今日からできる具体的なアクションをお伝えします。投資で最も大切なのは、「正しい知識」と「継続する習慣」です。
【原則1:長期的な視点を持つ】
投資は、短期間で大きく儲けようとすると失敗します。2025年の金のように、1年で67%上がる年もありますが、それは例外です。平均的には、年率5〜10%程度の成長を期待するのが現実的です。
20年、30年という長期で見れば、世界経済は成長を続けています。一時的に下がる年があっても、長期的には右肩上がりです。だから、短期的な価格変動に動揺せず、じっくりと保有し続けることが大切です。
【原則2:分散投資を徹底する】
この記事で何度も強調してきたように、一つの資産に集中投資するのはリスクが高すぎます。金、オルカン、S&P500など、複数の資産に分散することで、リスクを抑えながら安定したリターンを目指せます。
「卵を一つのカゴに盛るな」という格言を忘れずに、資産、地域、通貨を分散させましょう。新NISAを活用すれば、税金がかからないので、長期的な資産形成に最適です。
【原則3:定期的に積み立てる(ドルコスト平均法)】
投資のタイミングを完璧に予測することは、プロでも不可能です。だから、毎月一定額を機械的に積み立てる「ドルコスト平均法」が有効です。
価格が高い時は少なく買い、価格が安い時は多く買うことになるので、平均購入価格が安定します。新NISAのつみたて投資枠を使えば、この方法が自動的に実行できます。毎月3万円でも、5万円でも、自分の収入に合わせて無理なく続けることが大切です。
【今日からできる具体的アクション】
アクション1:新NISA口座を開設する
まだ新NISA口座を持っていない方は、証券会社で口座を開設しましょう。楽天証券、SBI証券、マネックス証券などが人気です。口座開設は無料で、スマホから簡単にできます。
アクション2:自分のリスク許容度を確認する
第4章で紹介した、安定重視型、バランス型、積極型のどれに当てはまるか、考えてみましょう。年齢、収入、家族構成、性格などを考慮して、自分に合ったタイプを選びます。
アクション3:投資配分を決めて、積立設定をする
自分のタイプに合った配分(金、オルカン、S&P500の比率)を決めたら、証券口座で積立設定をします。毎月の積立日と金額を設定すれば、あとは自動的に買い付けてくれます。
たとえば、バランス型で毎月3万円を投資するなら、金に4,500円(15%)、オルカンに13,500円(45%)、S&P500に12,000円(40%)という設定をします。一度設定すれば、あとは放置でOKです。
投資で最も大切なのは、完璧を目指さず、まず始めることです。「もっと勉強してから」「もっと良いタイミングを待ってから」と言っていると、いつまでも始められません。まずは少額から始めて、経験を積むことが何よりも重要です。
2025年の金67%上昇、オルカンのS&P500逆転という歴史的な出来事から、私たちは多くのことを学びました。世界は常に変化しています。だからこそ、分散投資と長期的な視点が大切なのです。あなたも今日から、賢い投資家への第一歩を踏み出してみませんか?
まとめ|金67%圧勝とオルカンvsS&P500から学ぶ2026年投資戦略
この記事では、2025年の投資市場で起きた歴史的な出来事を詳しく見てきました。金が67.4%という驚異的な上昇を記録し、オルカンがS&P500を上回るという逆転現象が起きました。これらの出来事は、世界経済が大きな転換点を迎えていることを示しています。
金が上昇した理由は、トランプ政権の政策不透明性、世界的な債務膨張、地政学リスクとインフレ圧力という、3つの構造的要因でした。これらは短期間では解消されないため、2026年以降も金への投資価値は高いと考えられます。ゴールドマン・サックスは5,400ドル、JPモルガンは5,000ドル超という強気の予測を出しています。
オルカンがS&P500を上回った理由は、非米国株の台頭、ドル安による通貨効果、米国一極集中リスクへの意識の高まりでした。世界経済の多極化が進む中、分散投資の重要性が改めて証明された年となりました。
投資で成功するためには、長期的な視点、分散投資の徹底、定期的な積立という3つの原則が大切です。完璧を目指さず、まず少額から始めて、経験を積むことが何よりも重要です。新NISAを活用すれば、税金がかからないので、長期的な資産形成に最適です。
あなたの大切な資産を守り、増やすために、今日から行動を始めませんか?金、オルカン、S&P500それぞれの特性を理解し、自分に合った投資配分を決めて、コツコツと積み立てていきましょう。未来のあなたは、今日の決断に感謝するはずです。一緒に、豊かな未来を築いていきましょう!

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