第5回:低リスクで資産を守る!1000万円の保守的運用戦略
リスクを抑える投資先・ポートフォリオのバランス・「減らさない」を最優先にする運用法を実践ステップ付きで解説します。
はじめに:なぜ「守り」が最強なのか
1000万円というまとまった資産では、失わないことが最も効くリターンになります。大きな利益を狙うより、ドローダウン(下落局面)を浅く・短くする設計が重要です。一方で、現金だけではインフレに弱いため、安全性とインフレ耐性の両立が鍵になります。
リスクを抑える投資先とは?
① 預金・個人向け国債(安全性のコア)
- 流動性と元本の保全を担う「待避所」。
- 緊急資金(生活費6〜12ヶ月分)はここで確保。
② 低コスト債券(価格変動の緩衝材)
- 国内外の公社債インデックスや高格付け社債中心。
- 景気後退で株安の際、値持ちしやすく分散効果が高い。
③ 広く分散した株式(インフレ耐性の源)
- 世界株式インデックスで国・業種の偏りを排除。
- 保守的でもゼロにはしないのが基本。
④ ゴールド等コモディティ(有事ヘッジ)
- 通貨価値下落や地政学リスクに備える「異質な分散」。
- 配分は少量で十分(全体の数%目安)。
⑤ REIT(分配金狙いは少量)
- インカム狙い。ただし株式に近い値動き。
- 保守設計では控えめに組み入れ。
ポートフォリオのバランス(1000万円の例)
標準保守ポートフォリオ(バランス良好)
- 30% 現金・定期預金・短期国債
- 40% 債券(国内外・投資適格中心)
- 20% 世界株式インデックス
- 5% REIT(国内外)
- 5% 金(現物/ETF等)
狙い:下落耐性とインフレ耐性の両立。ボラティリティを抑えつつ、世界経済の成長を最低限取り込む設計。
超保守ポートフォリオ(より下振れを浅く)
- 40% 現金・定期預金・短期国債
- 35% 債券(国内外)
- 15% 世界株式インデックス
- 5% REIT
- 5% 金
狙い:一時的な価格変動をさらに抑制。期待成長は控えめだが「減らさない」を優先。
ヒント: 株式を完全にゼロにすると、長期インフレに対する弱さが増します。保守的でも「少量の株式」は残すのが合理的です。
利益より「減らさない」を重視する運用法
3つの原則
- 原則1: 無理に当てにいかない(予測ではなく配分で勝つ)。
- 原則2: 分散×低コスト(商品コストと税コストを最小化)。
- 原則3: 規律運用(定期リバランスと感情排除)。
リバランスの実務(半年〜年1回)
- 許容バンドを決める(例:目標比率±5%)。
- 超過した資産を売却→不足資産を購入して比率を戻す。
- 課税口座では含み益の売却タイミングと手数料に配慮。
- 新規入金・分配金の再投資でなるべく調整。
下落相場での行動ルール
- ニュースに反応して衝動売買をしない。
- 現金比率を守る(取り崩し期限のある資金はリスク資産に入れない)。
- 定期積立は継続(安値での口数獲得)。
実行チェックリスト
- 生活防衛資金(6〜12ヶ月)を預金・短期国債で確保。
- 商品は低コスト(信託報酬の安いインデックス等)を優先。
- 積立設定(毎月・隔月)で機械的に買い付け。
- 年1回の棚卸し&リバランス。目標配分表を手元に。
- 税制優遇口座の活用(例:NISA 等)。
- 商品数は絞る(コア3〜5本程度)—複雑さはリスク。
よくある質問(FAQ)
預金だけで十分では?
元本は守れますが、インフレで購買力が低下します。インフレ耐性のある資産(株式・金等)を少量でも組み入れて防御と成長の両立を図りましょう。
株式を入れるのが怖いです。
保守的でも15〜20%の世界株式を入れると、長期成長と通貨分散の恩恵が得られます。比率は現金・債券でしっかり緩衝しましょう。
ゴールドはどのくらい?
全体の5%前後で十分な分散効果が期待できます。価格変動は大きいため、あくまで「スパイス」として。
REITは安全?
分配金は魅力ですが価格変動は株式並み。保守設計では5〜10%程度に抑えるのが無難です。
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